みんなのシネマレビュー |
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2. 草を刈る娘 《ネタバレ》 石坂洋次郎と言う人の原作映画は、イマイチ自分には面白味が判らない。何となく、古い価値観と新しいそれとの、対立や対比を描いているというイメージなのだが……。 で、原作を読んでみると、これが実に純朴な農村の若者たちの恋物語であった。確かに作中で殺される少女もいるし、その事件も未解決だが、それはこの草を刈る部落の外の話。都会帰りの青年も、縁日にモノを売りに来る男も登場しない、純粋な農村部落内での物語。いいじゃないの、これ。 さて映画版では、殺される女に余計な設定を付けて、金ばかりためている女はどうとか、それに惚れてる青年の描写の危うさなど、若干不快感を起こさせる部分もある。それが、小百合ちゃんの最後の決断に余計な「ガヤ」となっているのがイヤな部分。 イメージしていた新旧の価値観的なものは、薄っすらと存在しているのだが、驚いたことにそれは映画版の方がよりハッキリと描かれていた。殺人犯は明確に都会の人間だったし、暴力的で小百合ちゃんにフラれる青年など、町にいいイメージは無い。時造さえも、都会の論理を振り回すが、彼に関してはそれほどそこが機能していないのが、救い。 しかし全体としては、二つの部落の婆さんらのやり取りや、部落中で喧嘩になってしまう人たちやら、人のいいお巡りさんなどの登場人物たちの好感度が高く、微笑ましく魅入ってしまう。 [DVD(邦画)] 6点(2013-06-18 12:28:50)《改行有》 3. 黒部の太陽 《ネタバレ》 このダムの事は、小学校で教えられた記憶がある。日本が世界に誇るものの一つだった。本作はその前段階の工事である、トンネル掘りの話。何か話が『海峡』とダブる。 しかし、こちらのプロジェクトの原動力は「電力需要の増大」。いきなり発電所がダウンした経験を持つ今の我々には、図らずも説得力のある話になった。が、そのあたりはあまり描かれずに、現場のトンネルやたちの話が中心。 前時代的なトンネル掘りの爺さんの息子で、専門教育を受けているらしい裕次郎が、合理的な判断で工事を否定するのだが、いつの間にか工事責任者の一人になっているのが、ちょっと腑に落ちないと言える。 まあ、やることに決まったならまっしぐらに進む、というのが望ましい会社員なのかも知れないが、精神論的に物事を突き進めるというのは、日本人の悪い癖だ。 で、結局『海峡』と同様、水に悩まされる工事だが、こちらもシールドマシンでトラブル解決。なんか凄い新技術科かと思っていたが、調べてみると結構昔に開発されたものらしく、ちょっとガッカリした事は事実。 それでも、黒部の自然は美しく、難工事に挑む技術者の物語には熱くさせられる部分はあり、殊に出水シーンの迫力は凄い(ありゃ、これ前にも書いたな)ので映画としては面白い。 ところで原作ありきとは言え、この話がなぜ黒部の太陽というタイトルなのか、ちょっとわからなかったのだが、最後にトンネルが開通したシーンを見て、『黒部の風』でもよかったのではないかと思った。[DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 16:05:33)《改行有》 4. クイック&デッド 《ネタバレ》 早撃ち幻想に基づいた西部劇も、登場人物を苦しめる為だけの異常に理不尽な設定の映画も、どちらも好きではないのだが、それでもなぜかこの映画は好きである。 元ガンマニアとして、美しくてカッコいい銃たちの描写が気に入っているのと、主人公のガンマンが女で、しかも美人というのが良いのだろうか。あまりに非現実な設定が、ゲーム感覚を起こさせるのかも知れない。 主人公の父親の死のシーンだけ極度に残酷だが、町のシーンでは人死にも、そんなに心に響かない。死にやがれ、っていうようなヤツばかり登場するからという気もするが。 最後の決戦でいろいろと小細工を弄するが、結局は普通に早撃ちで撃ち勝っちゃうんなら、真っ当に勝負しても良かったよな。 [地上波(吹替)] 7点(2013-04-18 06:31:17)《改行有》 5. 雲霧仁左衛門 《ネタバレ》 どうも話がアレっぽいと思ったら、池波正太郎だったか。しかし、原作がどうなっているのかは知らないが、盗賊以降の話の蛇足感・中途半端が大きい。もっとすっきりと仇討ちを果たして、最後のシーンに繋げても良かったろう。 あるいは、加藤剛の言う「ご政道のひずみ」を描くのなら、そこで雲霧が倒されても良かったと思う。 [地上波(邦画)] 6点(2013-04-03 19:16:08)《改行有》 6. クリフハンガー 《ネタバレ》 冒頭の女性落下シーンは、インパクトあった。最初に劇場で見た時には、座っているのに落っこちているような感覚を味わったものだ。20年も経っているのに、まだ怖ろしい。 しかし、その後の展開は、スタローンが超人過ぎるためか、あまりドキドキしない。まあ、彼なら何とか出来るんだろう、という感じである。これは、こういう類の映画としては、良くない事なんじゃないだろうか? しかし、真逆のことを言うようだが、あんな超人的な救助員がいるのか?という気がするのもまた事実。 [地上波(吹替)] 6点(2012-05-24 07:41:34)《改行有》 7. 紅の拳銃 日活アクションは、渡り鳥シリーズや、裕次郎のものを幾つか見たが、これほど伏線を放棄したような映画は、滅多に無かったように思う。 この時代のこういう映画に、そんなモノ求めるのが、ヤボなのかも知れないが。 赤木圭一郎がカッコ良くて、白木マリ・笹森礼子らが、キレイならいいのかな?話自体がもうちょっと面白ければなあ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-17 18:23:00)《改行有》 8. クイズ・ショウ 《ネタバレ》 アメリカの大衆は甘いマスクに弱く、インテリは権威に弱かった。 途中まで面白かったが、実に後味が悪い。[映画館(字幕)] 3点(2011-05-01 23:38:17)《改行有》
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