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性別 女性
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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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1.  グッド・シェパード 《ネタバレ》 リドリー兄弟が製作総指揮を務めた(ということになっている)TVドラマ「CIAザ・カンパニー」と比べて見るとこの作品の特異さがよくわかると思う。 TV版では、血湧き肉踊る「現場」へ主人公が赴き、銃弾は飛び交い、東欧の住民蜂起では共に銃を持って戦い、現地人はコロコロと死に、スパイは殺し合い、キューバ侵攻に参加して上陸までする(泳いで単身船に戻って逃げるという設定)。 八面六臂の大活躍で、主人公は決して死なない。よってリアリティは激しく低い。 デニーロ版では、銃弾飛び交う戦闘シーンとか住民の蜂起とかは描かれず、凄惨な拷問シーンも一回だけで、「スパイ合戦」などは部下がやっているらしいからウィルソン自身は決して手を汚さない。 「前線」ではなく「前線の一歩も二歩も奥」を描いているのだ。 この作品は「奥の方々のお悩み」のことを言っているみたいなのだ。 そして、この当時の「奥の方々」とはWASPであり、作品中で最も重要なセリフである「WASP以外は〝visitor〟である」が登場するのである。 この〝visitor〟は〝お客さん〟と訳されていたが、私は〝よそ者〟というのがここでは適すると思う。 さて、こんな作品を作ったのはデニーロさんで、デニーロさんは〝よそ者〟と呼ばれる側の人なんである。そして上のセリフは、イタリア人マフィアのじいさんとウィルソンの会話である。 デニーロさんの目線は、ウィルソンの側にあったはずはないのだ。デニーロさんは、「奥の方々のお悩み」について本当に、心から、興味を持てるのだろうか。 それがこの作品をよそよそしいものにしているのではないか。 また、デニーロさんがデイモンに要求した演技の内容は、そのままデニーロさんのWASP像ということでしょう。…材料が乏しすぎたのでは。「本当はよく知らない」から、こういうことになったんじゃ? 今は〝日焼けした人〟がホワイトハウスの主になった時代。 〝visitor〟の内訳は変わったんでしょうか。 マット・デイモンがミス・キャスト。老け役が無理すぎ。それ以上に彼は「奥の方々」的なキャラではなかった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-18 17:21:58)《改行有》

2.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 前知識があったもので、「いかに体調に悪影響を与えないか」を全力で意識しつつ挑んだため、ほとんど気持ち悪くならずに終了。 方法は単純で「真剣に画面を見つめない」「カメラの揺れが激しいときは、直ちに視線をそらす」「なるべく字幕に集中する」というようなことで…しかし、「あんまりよく見ないように」しないと具合が悪くなっちゃう映画ってのも、存在意義に問題がある。 内容は、知名度のある俳優を1人も使わず、なおかつ手ブレドキュメンタリー映像にしたことで、「やっと、なんとか」リアリティを維持しているという、ビンボー映画だった。 この内容で、マトモな映像を流したら、リアリティのリの字も残らないだろうと納得。 激しく疑問を抱くのはなぜ「アレ」だったのか、ということだ。 なぜアレでなければならなかったのか。 もっとマシなものはなかったのか。 いっそのことゴジラをまんまで出せばよかったじゃないか。 どうやら軍の秘密実験で生まれた怪物という設定らしいのだが、いくらなんでも、フルCGとはいっても、アレですか~。 そんならさあ、どう考えても断片的に見せるだけにして全体像を見せないほうがよかったんだよ。 あんなものを出すのなら…。 低予算の苦肉の策として、リアリティを出すために全面手ブレを使ったという、勇気ある例ではあるが、それ以上とはいえない。 橋といい、ビルの上といい、ほとんどがセット撮影の背景合成だったと思われるが、ヤッピーどもをそれなりにローカルヨロコビさせたことでしょう。 ※ヤッピーといえば、「日本語が難しいから不安だ…」とかウソばっか言ってんじゃないぞ。おまーら日本に来たって日本語しゃべるつもりなんかあるわけないだろ。日本語しゃべってるヤンキーのビジネス外人なんかいねーよ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-10-13 20:03:20)(良:1票) 《改行有》

3.  グリーンフィンガーズ 《ネタバレ》 期待はずれでした。 オヤジをはじめとするいわゆる〝挽回もの〟はハズレが少ないのですが、なんでこんなイマイチな出来になったのかって、これ、尺が全然足りないように感じますね。 全体的にユルすぎる…まあ、仲間の脱走とか出品取り消しとか病死とかいうマイナス要素はいちおう盛り込んでいますけども、いろんなことがなんとなくうまく行きすぎます。 だいたい前科者が中心の話なのに、裏庭でエッチをしたあげく妊娠させたりすると「反省とか贖罪はどうなっているんだ」という非難もしたくなります。 ガーデニング未経験者だったクライブ・オーウェンの主人公が「俺は庭師だ」と思うに至るまでの苦労が、ちゃんと納得行くように描かれていない。これは大問題です。ここんとこができていないので、観客がカレを応援する気持ちになりにくい。 もっというならプリムローズと相思相愛になった経緯もイマイチはっきりしない。 「実話ものだから、とにかく事実どおりに詰め込んでおけばいいや」って投げやりな感じもしないでもないです。 とにかく90分でやるというなら、勇気を持って何か(トニーのエピソード全部とか)を削除するべきでしたし、本来なら120分くらいもらって、前の刑務所の暗さとかガーデニングの困難さやプリムローズとの関係を細やかに描いていくべきでした。 所長役の俳優さんはドラマ「ダルジール警視」で主役を演じていました。なかなか練れた役者さんです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-25 20:22:15)(良:1票) 《改行有》

4.  クィーン 《ネタバレ》 イギリスで女王を演じるといえばヘレン・ミレン、ヘレン・ミレンといえば女王、というようなことになっている。先日、エリザベスの一世を演じたTVドラマを見たが、もはや別の女優が女王を演じることはムリであろう、というくらいに1人勝ち。 さてこの作品は、イギリスの大衆や王室の事情について、上っ面やおべっかでなく描いた優れた一品だと思います。 全体を見終わってどういう感じを抱かされるかというと、「ダイアナは厄介だったのだ」という、極めて客観的な事実の再確認、だと思います。 若くして悲劇的な死を遂げたことによって、この「ダイアナは厄介」という事実を誰も指摘しないし認めないということになってしまった。 しかし、どう考えたって、やっぱり「そう」だったのです。そして、作り手は「大衆の絶対的支持」などというものに押されず負けず、「そのこと」をはっきり指摘してみせたというところがすばらしいです。こういうものが出るからイギリスという国はあなどれないと思います。 さて私は個人的にはダイアナのような人間が好きでなく、女王やその夫が「厄介」と苦々しく思う気持ちが分からないでもないのです。一言でいうと、ダイアナのような女性は「肉体派」(セクシーという意味ではなく)なのです。 ダイアナを「肉体派」という場合、その反対は「知性教養」です。 「肉体派」は本を読まず、文を書かず、生涯勉強というものはしません。日本人なら、読書より絵手紙や社交ダンスに走るタイプ。ダイアナはそういう女性でした。 しかし、私や女王一家が眉をひそめるその「なりふり構わず愛を求める」みっともなさが逆にウケてしまいます。本人も「おっ意外にこれでイケるかも」と思います。 「ダイアナは厄介」だったのです。死んでくれてほっとしたけれど、死に方が死に方なだけに、「死んでまで厄介なダイアナ」ということで、女王は国民に嫌われそうになって困ります。 けれどこのとき、女王が自らに嘘をついてまでいちはやく半旗を掲げ、弔意を表明し、ダイアナの死を悼んだとしたら、とってもヘンじゃないでしょうか。それが「女王」でしょうか。 私は、ウソの下手なこの人がとても可愛い気がしてくるし、「女王の陰謀説」が有りえないということも納得できる。 一つ難をいえば、ブレア役の俳優が全く似ていなかったことが気分を下げる。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-21 15:38:28)(良:1票) 《改行有》

5.  クジラの島の少女 《ネタバレ》 おそらく作り手が己のルーツに敬意を捧げた作品であるとともに、フェミニズムの映画なのですね。 「フェ」と言っただけでそっぽを向かれそうですが、どう見てもそういうメッセージが込められた作品なんだから仕方ない。 マオリの族長の家系というシチュエーションを借りたうえでの、「男の子じゃなかった」という理由でいろいろな不便や面倒を感じながら成長してきたすべての女の子へのメッセージ、癒し、でもあるのだと思う。 マオリの人々の祖先は、約1千年前にニュージーランドに移住して住み着いた。何百年か経つと、そこへヨーロッパ人がどんどん入ってきて、数においてマオリのほうがマイナーになってしまった。 けれど、パイケアの祖父コロのように、「高貴な血」をもつ長たちは、文化と伝統の灯を絶やすまいとそのことのためだけに生きている。個人は100年もすればどうせ死ぬ。個人が死んだ後に引き継ぐことができるものは文化だけだ。文化が引き継がれなければ、人はただ生まれて死ぬだけの存在になる…族長コロを見ていると、その信念が痛いほど伝わってくる。 パイの父は優しいが弱い男であったため、妻の死に耐えられず育児も教育も後継者としての義務もなにもかも放棄してヨーロッパへ逃げた。そして何年かしたら、考え方もふるまいもヨーロッパ人になっていて、金髪碧眼の女と勝手にくっついていた。彼は族長の重責を担うには優しすぎたのだ。 後継者探しにやっきとなった祖父のもとで「男の子じゃない」というだけで、隠れて棒術の練習をしなければならないパイ。自分より劣る男子たちが祖父から教わっている内容を、物陰からじっと観察するパイ。…このへんではもう完全にウルウルしてしまっていけない。 世界中の女の子たちは、みな多かれ少なかれパイケアと同じ経験をしてきている。 心の中で、何度「パイケアのような優秀な子が男子だったら」と思ったかしれない祖父が、「女子でも後継者」と認めるまでには、クジラの座礁という不思議な現象とパイ本人の命をかけることが必要だった。「優秀」というだけではダメなので、本当に女子の行く先には難題山積である。 ラストで不肖の父が戻ってきているあたりは、やりすぎハッピーエンドの感があるし突っ込みたくなるところだが、とりあえずは祖父とパイケア両人の健気さにやられました。泣きます。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-07-16 20:10:59)(良:2票) 《改行有》

6.  グリーン・カード 《ネタバレ》 大嫌いなマクダウェルとべつにどうでもいいドパルデューが演じるラブコメだ。 マクダウェルは「セックスと嘘とビデオテープ」「フォーウェディング」と何を見ても不快だし、顔はともかくスタイルが悪すぎる=ますます女性に好かれないタイプ。 と、ズルズルしたスカートで体型をごまかすマクダウェルに鋭い視線を送りながら見るのだった。 が、かたやドパルデューもいいかげんメタボだし、そういう意味では釣り合いが取れていると言えなくもない。(「美女と野獣」などとは決して認めん。) ラストまで見て思った。この映画はドパルデューにしてやられていますね。メタボなうえに鼻がデカすぎハンサムとはとても言えず英語もヘタな彼。…どこもいいところはなさそうだが、それをラストで観客を泣かせてしまうという離れ業。 特に、渋滞してタクシーを降り公園を走る二人、別々の部屋で質問に答える二人、肝心な所でヌケているドパルデューや、自信に満ちたマクダウェル、エンディングに向けて盛り上げ方の演出はうまい。そして感動のラスト。移民局の役人を背に抱き合う二人。「ふり」が「本物」に変わる瞬間の爽快さ。 しかしフランス男はこれだから侮れないなあ。マチュー・アマルリックとかチビなのに色気があったりするし。フランス男は規格外の魅力、なのかもしれない。なんかちょっとくやしいわー。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-09 18:54:47)(笑:1票) 《改行有》

7.  クラッシュ(1996) 《ネタバレ》 ハギスの「クラッシュ」と間違えて見てしまった方にとっては、噴飯ものでありましょう。そりゃ災難でした。 どっこい私は衛星で放送を楽しみにしていたクチで、ひいきのスペイダー全盛期の美しさを堪能しようと…。や、スペイダーの美しさにはマチガイは無かった。確かにどの角度から見ても美男である。今のように太ってもいない。衣装がダサすぎるが、スペイダーのような美男であればそれもまた…。 が、この作品はスペイダーの美しさではカバーしきれないほど気色悪かったのであった。 基本はブラックジョークなんだと思う。悪趣味なコントなのだと思う。ラストシーンがあのように終わるのであるから、コントでいいのだと思う。 しかし全編に溢れて収まりきらないほどのえげつないセックスシーンは、私のような枯れ木状態の負け犬にはキツすぎた。ここまでエロを露出しないとダメかなあ。もう満腹なんですけど。 もともとコメディの素質があるスペイダーであるから、事故や障害によって性欲が刺激されハアハアとガッついていく様は笑えないこともない。でも、私は笑顔が凍りついて素直に笑えないのだー。 エロシーンの合間にブラックな笑いをはさんでいく、という試みは激しく観客を選ぶと思う。クローネンバーグにとって大爆笑のネタというものは、一般人が見ると笑顔が凍りつくレベル。…天才は孤独だなあ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-12-02 18:45:28)(笑:1票) 《改行有》

8.  グロリア(1980) 《ネタバレ》 クールでかっこいい。子供を出している映画なのに、とことん甘さを排しているところがいい。 一家惨殺までの場面をダラダラ説明せず、観客に最小限の情報を与えてテンポよく見せる。うまい。あえて惨殺場面を見せず、マンションのガラスが内側から吹き飛ぶ場面だけで語る。うまい。 特に感心したのは、グロリアとフィルのママの関係性について、ものの5秒くらいしか説明していないというのに、その後のグロリアの行動で充分想像させてしまうことだろう。 「コーヒー飲ませて」とフラッと訪れることのできるご近所さんなんて、そんなにいるだろうか。グロリアは、「彼女が在宅なら必ずコーヒーを飲ませてくれる」という確信を持っている。相手が不在なら、別に構わない。もし居るならば、彼女の顔を見て、おしゃべりをしながら、コーヒーをごちそうになれば、この世の「憂さ」も少し晴れるような気がするわ。…と、外出帰りのグロリアはインターホンを押す。 きっと、こういう関係になるまでには、フィルのママとグロリアの間にはそれなりの「歴史」があったに違いない。共通点は「一匹狼」で冒険を恐れないところだろう。 普通なら、普通の監督なら、まずは「日頃の関係」をある程度見せてから一家惨殺を見せると思うのだ。「惨殺」の悲劇的な効果をより狙うならそうだろう。 フィルのママとグロリアの浅からぬ関係は、その後のグロリアの行動にとって非常に重要なものなのだが、この映画では事件前の「日頃の関係」を全く見せることなく、それをなんと「コーヒー飲ませて」と、「私の親友なのよ」というママの言葉だけで充分語ってしまう。ほんとうにクールだ。 この映画は「激動の昼間」と、「静寂と暗闇の夜」の繰り返しになっている。「朝起きて、昼逃げて、夜寝る」の繰り返しだ。そして、繰り返すことによる効果を充分上げている。なんというか、「連続ドラマ」を何回分か見ているような気持ち。実際には何日も経っていないというのに、冒頭の事件から、どんどんどんどん遠いところへ連れてこられたような気持ち。上記のママとグロリアの件といい、非常に巧みな脚本だと思う。 最初は憎たらしかったフィル小僧が、途中から可愛く見えてくるのも、この映画ならではの醍醐味だ。大傑作。でも子供はもう少しお行儀よくね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-16 19:06:12)《改行有》

9.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 このくらいテンポよく軽妙に見せてくれれば文句はない。 スコセッシは、話を面白くする要素をいくつも盛り込んでいる。まず、ジミーとヘンリーがアイリッシュであること、そのため裏社会で生きるに「第2市民」のごとき位置から一生抜け出せないであろうこと、それなのに仲間内で最も異常な人物であるトミーを「生粋のイタリア人」にしたこと。 トミーがマザコンで、ママは変な犬の絵を描くことや、ヘンリーが文字通り〝女難〟で破滅していくこと。 これらのどこまでが実話なのか知らないが、なんとも面白い話に仕立てたものだ。 ヘンリー自身はギャングとしては大した人物ではないのだが、こいつは何しろ実力者へのゴマすりがうまいということを武器に、コバンザメ式に成り上がる。そして最後には、俗な言い方をすると「命根性が汚い」ために裏切って司法取引する。法廷で突然観客に向かって語り出すというけったいなシーンは、法治主義である現代社会を鋭くついている。「法律なんてものは空洞だ。すべての他人はアメとムチでどうにでもなる。」でも、もうやめたんだ、〝殺されたくないから〟。 〝順番を待たないですむ〟ことや、〝より良い席を用意してもらえる〟ことって、それ自体は大したことじゃないように見えるけど、己にその「価値」がないのにそれを望んでしまったら、その〝代償〟はとても大きい。大きいんだ。普通の人は「アメ」か「ムチ」がなければ、他人にサービスなどしないんだから。 そして、ヘンリーに群がった女(妻を含め)たちというのは、とても頭が悪いか、そうでなければ自分に対して誠実でない。なぜなら彼女たちは、ヘンリーにくっついていることで〝おこぼれ〟を享受しながら、〝順番を待たないですむ〟〝より良い席を用意してもらえる〟の担保を見極めようとしなかったか、見ないふりをしたか、どちらかであるからだ。 これは古今東西の女性に共通する重要課題であり、軽視してはいけないと思う。あなたはどうですか?「なぜこんなに良い待遇が受けられるのか?」と冷静に判断できますか?それとも見ないふりをしますか? なんてことを考えてしまいました。ヘンリーと女たちについて。「グッドフェローズ」は面白いです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-07 18:31:26)《改行有》

10.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 たとえばリドリー・スコット「エイリアン」は宇宙の彼方で勝手に発生していたところにたまたま人間様が迷い込んだために、リプリーは生き延びるために闘わざるを得なかった。 「プレデター」は、はるか昔に宇宙の彼方からやってきて、地球に住み着いていたのだが活動時期が稀であったためにあまり人に知られておらず、シュワちゃんたちは、たまたまそこを訪れたために対決せざるを得なかった。 「怪物」、その発生の原因(または原因不明なこと)こそが何よりも重要な意味を持ち、産地によって異なる背景を持つ、もののようである…などとグエムルを見て考えた。 グエムルは意図的に生み出されたのではなく、白人科学者の気まぐれによる偶発的なものとされている。そこには、「韓国の河など、汚れたってかまうものか」という差別と無神経が存在した。 この映画では、リアリティはほとんど無視されているし、監督の意図はリアリティ以外のところにある。それはたぶん、「誰もが弱い者を守ろうとし、最も弱い者でさえ、自分より弱い者を守ろうとする。」人間の姿、とか、「漢江に象徴される韓国人魂は、白人のまやかしに無抵抗で屈することはない」という反骨心であろう。グエムル発生の原因からしても、パク一家が貧乏階級であることからしても、「白人に汚された韓国が、不屈の雑草魂で立ち向かう」話、というふうに私は思う。 「米軍」を「イラクにお手伝いに行っている日本の自衛隊」、「漢国」を「イラク」というふうに置き換えて、イラク人の監督が「グエムルイラクバージョン」を作ったとしたら、どうだろう。日本で上映できるだろうか。ボン・ジュノのメッセージの衝撃度が想像できるだろう。 「反骨」ボン・ジュノの意図はいいとして、作品としては、?をつけざるを得ない。 冒頭の果てしなくたらっとした日常から突如として非日常、のところはよかったし、子供の描き方は一級品と思うが、内容にしては長すぎ、全体としては各シーンを3分の2くらいずつに縮めたらよかった。「まんま」にすぎるというか、「つなぎ」がヘタ、というか、残念な編集と思う。グエムルの動きも、自然な場合と不自然極まりない場合が混在する。 特筆すべきはヒョンソ役の子である。ラスト近く、グエムルへ立ち向かうシーンは鬼気せまる。[DVD(字幕)] 6点(2007-03-24 19:34:34)(良:2票) 《改行有》

11.  グッド・ガール 《ネタバレ》 ジェニファー・アニストンにジェイク・ギレンホール、今ならジャストでホットなキャストである。 警備員役で出演もしているという脚本家のマイク・ホワイト、この人は非常に微妙な感覚を持った逸材と思いました。 この話は徹底して「ジャッジ」することを避けています。演出もしかり。にもかかわらず、題名にも現れているように、実は〝いいことと悪いこと〟についての話なのである。「あらら」と観客が眉をひそめるようなシーンが次々に出てくるわけだが、「ジャッジ」を無視してどんどん次の展開が続く。普通の人の日常を綴った脚本であるのに、なかなかうまいと思う。 「断らない女」ジャスティン。なぜ彼女は「NO」と言いきれないのか。避妊も要求せずに不倫するわ、脅されれば仕方がないから夫の友人とも寝てしまう。彼女は「断れない」のか「断らない」のか。ここが重要です。 ジャスティンは自分の人生が失敗したと思い込んでいる。つまらない。ツイてない。子供もできない。神様は不当であるという被害者意識もある。だって私はそんなに頭も悪くないし、まだババアでもないし、結婚のために大学まで諦めたのに。それに見合うものを与えられていない。 というわけで、他人の要求に応じても応じなくても、どっちでも大して変わりはない、それで人生がどう変わるわけでもない、と思った彼女は「いいことか悪いことか」を判断するのをやめてしまったのです。倫理的な思考を停止した。だから、「断らない」のだ。どうでもいいので、無責任に「断らない」をやっているうちに、どんどん大変なことになっていく。 戦争もなく、飢えてもいない、夫婦共に健康で、ちょっとバカだけどやさしい夫がいて、住む家があって、自分の仕事がある、これが幸せと思えないところにジャスティンの問題がある。ホールデン(トム)にしても、住む所も仕事もすべて親がかり、食うに困らないモラトリアム青年、どこがどう不幸だというのか。だけど、彼は「死んでしまいたい」くらい不幸だと思っている。 つまり「不幸」とは、「不幸だ」と思っている人のことなのだ。見る者ひとりひとりが、ふと「自分はそんなに〝不幸せ〟だろうか」と振り返る。この作品はそのことを教えてくれ(ようとしてい)る。(淡々とした演出は、説教くささを消す効果がある)…どちらかというと、少し人生に揉まれた後の大人向けの作品と思う。[DVD(字幕)] 8点(2006-10-28 22:15:50)《改行有》

12.  クラッシュ(2004) 「25時」でも出てきた「アメリカにおける人種」の問題。 これは白人監督による場所を替えての(LA)お話だ。スケールも韓国人からペルシャ人までと大きい。 この映画では人々は「人種間の憎悪」を解決するためにすーぐ銃を用いることを考える。 「怖い気に入らない憎たらしい」→「じゃ銃だな」。 「銃」を用意しないサンドラ・ブロックのような人は恐怖と不安でノイローゼになるしかない。 アメリカは白人がネイティブアメリカンを追い出して(殺して)住み着いた国であるのに、そこに自分達より後に別の人種が入ってくると、「俺たちよりいい思いをしなければお前らがここに居ることに目をつぶろう」というレベルから基本的に少しも進歩しないのだ。 これはよその国の自分に関係ない出来事ではない。 留学生を装って日本に出稼ぎにくる中国人、ダンサーだと言って売春する東南アジア人、薬物を売買するイラン人、日本語も話せずブラジルから出稼ぎに来て2~3年で帰ってしまう日系3世。日本の安全を守りにきたはずなのに、現金も持たず(超低収入)街に出てきてナンパをしたり悪さをする基地の米兵。 もちろん普通の無害な外人もいるだろう。しかし、「無害かどうか判断のしにくい」外人に対して、「どうぞ私の家のとなりに家を建ててください。」とか、「私の店のとなりに店を出してください」とか「私の所有するマンションを借りてください」とか「どうぞ私よりたくさん稼いでください」と言える人が何人いますか。 上記の白人と同じでしょう。「俺たちよりいい思いをしなければ目をつぶっていてやるよ。」 これが「人間」の真実の姿だと私は思う。普通の人間はもともとそんなに立派ではないんだ。 この作品を見る限りポール・ハギスの考えもおそらく同じだと思う。 「立派じゃないので、避けないでぶつかれ。触れ合え。避けるともっともっと相手が怖くなるだけだ。」と彼は言いいたいらしい。 「日本ではここまでひどいことは起こらないわ。銃が無いから。」?それでは、福岡の4人殺しとか、ペルー人の女児殺しとか、世田谷一家殺人事件はなぜ起きたのか? それでも、ポール・ハギスの言うように、「怖がって避けてばかりいないで触れ合え」ますか? 脅かしているようだが普通の日本人もあの検事の妻のように、不安とイライラに苛まれる日は近い。たぶん「銃のあるよその国の出来事」として見るのでは甘い。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-24 23:09:21)(良:2票) 《改行有》

13.  クローン・オブ・エイダ 《ネタバレ》 この監督さんのことは全く知らないし、1回目視聴後はエイダがティルダ・スウィントンだということすら気付かなかった。これはもしかして、何回見ても、エイダとの交信が可能になった仕組みはわからないようになっているのでは?ラストで子供にエイダの記憶が移植されていることが判明するが、その理由も。私の貧しい想像では、どうにかしてエイダのDNAを手に入れて、その並列を打ちこんだあげく、自分のDNA情報をなんらかの形で組み合わせたのか?もうそれは他のレビュワーさんにおまかせしたい。 ともかく死んだ人間の情報を集めて「育てゲー」をやってるようなものと思おう。このエイダが次から次へとものすごい哲学的な深いことを言うんだわ。とくに終盤。いちいちポーズにして「今の言葉の意味は…」とかみしめてから、次のセリフに行かないとついていけないくらいだわ。これはたぶんかなりフェミニズムな映画で、エイダを「全く新しい女性像」として描いている。男や子供になんら価値を感じず「他のもの(研究)」に取り付かれている女性。エイダが「名を残す」ことをしきりと希望するのは、逆に「女が名を残せない透明人間のような存在」であったことを言っている。つまりはエイダの生きた時代、女とは子孫製造マシーンであり、歩く「内助の功」であった。エイダは「透明人間」でなく「人間」として成功したかった。男と同じ肉体的時間的条件で研究がしたかった。才能ある女性なら当然思うことだ。でもできなかった。けれどラストで「自分の人生には不満足だけど死んでいく」ことを選ぶ。 「死があるからこそ生きることはすばらしい」この言葉、よくよく考えても分からないほど深い。エイダがもしもこの作品の通りの女性だったとしたなら、生まれるのが100年以上早すぎたということだ。いつの時代も、早く生まれすぎた人間は一生苦しんで生きる。その人生は本人にとっては「悲劇」そのものだが、他人からは「天才」または「変人」と呼ばれる。 ティルダのビクトリア朝的な美しさ、入魂の演技は文句無しだが、主役の女優さんのカギ鼻にどうしてもなじめなかったので彼女に感情移入できなかった。ショートカットにしてからなおさらコワい。魔女顔だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-16 22:43:27)《改行有》

14.  クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 「この人死んじゃったんだ。この人死んでるんだわ。」そればっかり考えてしまう視聴中。「それ」と知って見てしまうと、「ああー、それなりに最後のがんばりが感じられる」とか余計な事が頭をよぎり、作品として正当に評価ができぬ。しかしやっぱり「B」であることには違いなかった…。「あの」レナオリン様があんなチョイ役でご出演されていることに涙。やはりレナオリン様は黒いガーターにハイヒールで男をぐりぐり踏みつけてくれていなければいかん。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-07 23:32:43)

15.  クライング・ゲーム 《ネタバレ》 分かってるけど楽しめる。スターゲイトの人ですね。ここまできれいなら切らないんだろうか? ヘドウィグには悪いけど、レベルが違うキレイさだよね。出番ちょっとしかないけど元彼の黒人が絶妙。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 19:37:26)《改行有》

16.  靴に恋して 《ネタバレ》 長さに苦しむ。カットすべし。ナイワニムリはこのころは可愛かったんだな。靴あんまり関係ないしな。夫がゲイだったって、すごいな。気がつかないかな普通。追いかけるほど逃げるのが普通だから、あれこれ追求しないでさっさと次へ行ったほうがいいんだね。[DVD(字幕)] 7点(2005-11-23 18:27:59)

17.  グリーンマイル 《ネタバレ》 大好きです。ダラボンよくやってくれた。この作品のトム最高です。「よき職業人、よき家庭人」て、ある意味本人のキャラに近かったのでは。離婚してるけど。この看守役、ほどよいリーダーシップが最高ですね、「アメリカの良き男性」の象徴ですな。キングは本当はこういう男性になりたかったのであろう。うん、こういう男の人がいっぱいいたら、世の中良くなると思うよ。モースもよし。テーマは「罪と罰」「正義を行うことの困難」「神の業の不思議」あたりでしょうか、キングだからね。老人ホームもほのぼのしてよし。これを見ると、アメリカはまだまだ大丈夫なんだろうなあ、と思いますね。こういうヒーローをまだ描けるところが。[DVD(字幕)] 9点(2005-11-20 16:15:20)(良:1票)

18.  クローサー(2004) 《ネタバレ》 ハイレベルな一品。核はジュードロウの恥も外聞もなく泣いてすがるさまにあり。こういう演技って、日本の俳優さんで、誰なら様になるかなあ。アンナのように、「適度に不幸」が心地いい女って、いるよなあ。美人じゃないと許されないが。「雲一つ無い晴れ」状態に突入すると、不安で不安でたまらなくなって、「適度な不幸」をブレンドせずにいられない。ナタリーポートマンは損をしているなあ。「あっアミダラが違う映画に出ている」としか思えない。大作のヒロインをやるのも良し悪しですなあ。しかしまあ、こんなに恥ずかしげもなく女にせまれるってのは文化としかいいようがない。ちょっと引くなあ。日本男児のみなさんは、10倍くらいに薄めて取り入れてみてはどうでしょうか。意外に毛深かったジュードロウ。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-17 19:01:52)(良:1票)

19.  蜘蛛女(1993) 《ネタバレ》 レナオリン知的でかっこよくて好きです。「蝿男」と「蜘蛛女」に出るとは、ジョークなのか。 なんか「痛い」感じのする映画だったなあ。「ハンニバル」より先に自力切断だ。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-16 23:04:03)《改行有》

20.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 《ネタバレ》 これってガスヴァンサントだったのか。ずいぶん前に見ましたが。なんか、「シービスケット」を見た後のような、「やられた」感がありましたね。「そんなつもりじゃなかったのにー」とウルウルしてしまう、うまい映画。アメリカ映画はどうしてやたらと幼児虐待が出てくるのかなあ。「フォレストガンプ」のロビンライトとかね。近作では「バタフライエフェクト」もそうだし。「ギフト」もね。そんなに多いのですかね、性的虐待が。アングロサクソンは性欲が強くて乱暴で、見境がないですね、と冷ややかーに言いたくなってしまうではないですか。マットはやはり名優だったのか。「ボーンアイデンティティ」でしびれ中です。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-13 18:04:59)

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