みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 ソウル中心部を流れる大きな河に突如として現れた謎の怪物、グエムル。恐ろしいその怪物によって理不尽にも引き裂かれてしまった、ある家族の物語をノンストップで描いたモンスター・パニック映画。普段、韓国映画は全くと言っていいほど観ないのですが、同監督の最新作が世界中の映画祭を席巻しているということで、今回鑑賞してみました。確かに、細部にまで拘ったであろう監督の映像センスには圧倒されましたし、アクションシーンも最後までキレッキレだったし、何より肝心のモンスターの造形が絶妙に気持ち悪いのも大変良かったのですが、やっぱり僕はこの韓国映画独特のノリがどうにも苦手だなと再認識してしまいました。いかんせん、このオーバーアクト気味の過剰演出が鼻について仕方ない。合同葬儀で、娘を失った家族が泣き叫ながらドロップキックするシーンなんて、「うーん、なんだかなぁ」って感じでした。こればっかりは国民性の違いなんでしょうけど。ストーリーの見せ方や家族一致団結してのクライマックスなどは監督の才気が漲っていて大変良かったんですけどね。[DVD(吹替)] 6点(2020-01-31 00:57:32) 2. クロッシング・デイ 《ネタバレ》 暴力と貧困の連鎖が色濃く残る街サウスボストンで、物心つくまえから犯罪と隣り合わせの生活を送ってきた幼馴染みのブライアンとポーリー。昔からそんな二人の面倒をずっと見てきたチンピラたちの元締めであるパットのもと、彼らのヤバい仕事はどんどんとエスカレートしていく。当然のようにそんなロクでもない生活が長続きするはずもなく、とうとう二人は警察に捕まり刑務所へと服役することに。先の見えない自分の人生に心底嫌気がさした二人は、それまでの仕事から足を洗い、愛する人のために再起を誓うのだったが…。マーク・ラファロとイーサン・ホークが貧困に追い詰められ野獣のような迫力を漂わせる男たちを熱演したクライム・アクション。と、聞けば誰もがアントワン・フークワが数年前に製作した同じくクライム・アクションの佳品「クロッシング」を髣髴とさせるのだけど(え、それっておれだけ?笑)、そんな作品の邦題が「クロッシング・デイ」というたった二文字を付け足しただけって、いくらなんでもこれってどうなんですか?そして肝心の内容のほうもフークワ作品に比べていまいち演出にキレがありません。いまクローズアップするシーンはそこじゃないだろー!てところが多々あり、特に最後のイーサン・ホークがその後どうなったのかというのをただナレーションで説明するというのは完全に肩透かしでしたね。とまあ、いろいろと文句を言いながらも底辺を這いずりまわる男たちを重厚に描き出した犯罪ドラマとして(ベタではありますけど)そこそこ楽しめました。イーサン・ホークの相変わらずギラギラした目付きの危険な男っぷりもナイス!それだけにこの安易な邦題は、やっぱり損をしているなぁとあらためて思います。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 21:40:25) 3. くるみ割り人形(2009) 《ネタバレ》 せっかくのクリスマスの夜なのに家でお留守番をすることになった少女メアリー。不貞腐れながらも伯父さんから貰ったくるみ割り人形と共にベッドで眠っていたら、突然、その人形に話しかけられ、そして夢とも幻想ともつかないネズミに支配された王国へと迷い込んでしまう。という、いまどきディズニーだって創らないだろう、何処にも新しい部分の全くない恥ずかしいくらい超オーソドックスなメルヘンファンタジー作品でした。こういう作品って、現実から幻想世界へと移行する描写が肝となるもんだけど、この作品はその部分がとにかく弱い。くるみ割り人形と一緒に部屋のドアを開けたら、クリスマスツリーが大きくなっていて部屋の天井もなくなってて、ただそこを登っていくだけって安直過ぎるって。それに魅力的な登場人物がほとんど居ないってところがもう致命的。ピエロとドラマーなんて完全に普通のおっさんじゃん(笑)。こういう作品を観ると、いかにティム・バートンが才能に満ち溢れた映画作家なのかが実に良く分かる。でもまあ、お金をたくさん集めて頑張って良い映画を創ろうとした監督の情熱(センスはないけど)と、ナチスという歴史的汚点のメタファーとしてネズミ軍団を描こうとしたところ(成功してないけど)は好感が持てたので5点。[DVD(字幕)] 5点(2013-10-27 19:54:17) 4. グラン・トリノ 《ネタバレ》 妻に先立たれ、孤独を紛らわすために酒に溺れ、それが原因で家族から疎んじられると、ますます自分の殻へと引きこもり、そしてさらに酒に溺れてしまうという人生の終盤で悪循環に陥ってしまったイーストウッド演じる偏屈で頑固者の嫌な爺さん。そんな彼の自宅の隣に、アジア系の家族が引っ越してきたことから始まるヒューマンストーリー。ともすれば説教臭くなったり、建前だけの薄っぺらい映画になりがちな題材なのに、そこはさすがイーストウッド。どんなにゴミのような人間にだって、いつかは輝くような日が訪れるかもしれない。老い先短い命と引き換えに、偏屈な爺さんはささやかな決断を下し、そして最後は素晴らしいものを少年に遺すことが出来た。それがグラン・トリノだけではないことは、もちろん少年が一番よく分かっている。淡々としながら深く、静かでありながら熱い、慈愛に満ちた良作。[DVD(字幕)] 8点(2012-07-26 16:07:16) 5. クロエ(2009) 《ネタバレ》 普通に旦那と寝たという証拠を求めていれば、そもそも起こらなかった話。主人公が頭悪すぎて、どうにもつまらない。そんな女に惹かれてしまうクロエの存在もあまりに説得力がない。最後も取ってつけたようなオチで興醒め。どうでもいいけど、今さらおばさん(ジュリアン・ムーア)のおっぱいは見たくない。[DVD(字幕)] 3点(2012-07-14 21:31:03)(良:1票) 6. クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 様々な人種の坩堝の国、アメリカ。人種差別や性差別、過酷な格差社会、そんな色んな問題を抱えた地で必死に生きる人々が、その悪意や憎しみ、そしてほんの少しの善意をぶつけ合いながら様々なドラマを描き出していく。丁寧な演出で、良質の群像ドラマに仕上がっているが、これがアカデミー賞というと少々疑問に感じる部分もある。それでも、ドン・チードルの抑えた苦悩の表情がこの映画のテーマを雄弁に物語っている。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-21 11:50:57) 7. クレイジー・ハート 《ネタバレ》 アル中の駄目中年を見事に演じたジェフ・ブリッジスの好演が光る。ただ、そこに極限の悲愴感が漂っていないのが残念。本当にとことんまで堕ちてもらわないと、こういう堕落の美学が活きてこないと思う。そこは、最近の『レスラー』で魅せたミッキー・ロークのとことんまでの駄目男ぶりに比べると、まだまだお上品に過ぎて僕としては物足りない。[DVD(字幕)] 6点(2012-04-29 23:23:47) 8. グリーン・デスティニー 《ネタバレ》 アン・リーって監督はつくづく何を撮っても上品になってしまう監督なんだなぁと改めて思った作品。ワイヤーアクションを多用したカンフー(?)アクション映画なのだけど、雰囲気はとっても女性的で繊細。それがその後の「ハルク」で見事に失敗してしまったのだけれど、この作品ではそれが大きな魅力になっている。アジアの泥臭いアクション映画とは一線を画する美しい作品だった。[DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 23:37:32)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS