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プロフィール |
コメント数 |
67 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
琴線に触れる映画は人間としてのリアリティが描かれているかどうか。作品として大事なのは哀切さは容易に撮れるが、それが痛切であるかどうか。 |
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1. クロッシング(2009)
《ネタバレ》 前のレビューアーさんが言ってたようにタイトルがよくない。本当おせっかいだと思う。ただ脚本は素晴らしい。3人の警官の群像劇の描き方のバランスもちょうどよく、それぞれの人生の悲哀もリアルに描かれている。イーサン・ホークは同僚警官を絡ませることでより生活苦のもがきを描写しているし、ドン・チードルも麻薬組織のボスとの友情と上昇志向のFBI女上司との確執も交え、彼の苦悩と仁義がしっかり響いてくる。リチャード・ギアだけ、前の二人に比べるとエピソードが薄いという意見もあるが、これはあえて大過なく定年まで過ごす老年警官を置くことで、くどくならないよう全体のバランスをとっているのだと思う。ちゃんとエンディングも彼のパートで終わらせている配分の良さ。すべてにおいてバランスが良い。最後に事なかれ主義で警官人生を送ってきたのに退職と同時に正義感を出すというストーリー展開も抵抗なく受け取れた。ひいきにしている娼婦に定年後一緒に暮らさないかといって、体よくフラれるのも初老の孤独な男の人生の苦み炸裂で素晴らしい。アメリカの警察のリアルを背景に(もしそうだとすれば結構すごい)3者3様の人生模様を描いた救いのないドラマ。踊る何とかの製作陣はこの映画を見たとき恥ずかしさを感じなければいけないと思う。個人的にはドン・チードルの演技が一番良かった。[地上波(吹替)] 8点(2021-01-16 22:13:17)(良:1票)
2. グリーン・カード
異文化の衝突を好んで描くピーター・ウィアーは今度はアメリカとフランス男女の衝突を描く?といっても今回は異文化というほどでもなく、どちらかというと国の違いというよりは成育歴の違い程度。いずれにしてもよくあるラブロマンスとなった。ピーター・ウィアーが単なるそういう作品を撮るつもりだったといえばそれまでだが、結果標準的な作品になった。設定は細かくリアリティを出そうとはしているが、やはり作り物臭く感じてしまう。そしてフランス臭を出そうとしてジェラール・ドパルデューをキャスティングしたのかもしれないが、どうも脚本にあっていないような気がする。いかんせんデカすぎるし、アーティスト感がない。下層階級出身の粗野なフランス人という設定ならもっと他のいい俳優がいると思うのだが・・。コンパクトにまとめたのを悪いとは言わないが二人が恋愛関係に発展していくのを描くのに尺が足りないような気がする。もっとじっくり描いても良かったと思う。彼ならできたと思うし。才人監督のきっちりとした小品恋愛映画というところです。[地上波(吹替)] 6点(2020-11-14 22:23:15)
3. クリムゾン・タイド
《ネタバレ》 冒頭から最後まで無駄な場面がなく一本の映画を撮り切った感がある作品です。タランティーノの脚本とトニー・スコットの演出は相性がいいのかも。たたき上げの上司とエリート部下の葛藤という昔ながらのフォームを使いながら潜水艦内の活動をしっかりリアリティを追及して描き、核戦争を引き起こすかもしれないという緊迫した事態の中で艦長派と副艦長派という周りの部下の人間関係もしっかり絡めて狭い空間内の権力闘争というドラマを見せて飽きさせません。一番感心したのは最後の査問委員会以降のやり取りですね。上層部は艦長に対してかなりシンパシーを抱いているが、当然組織としては今回の艦内の擾乱は到底見過ごすことはできない。しかし、彼らは結果は出したのでどう処分すべきか悩むところだが、今回の件で艦長自らの引き際を理解し引退を申し出、さらに副艦長に後を譲るという提案を容認し、そう決定を下した。登場人物の感情の流れと物語上の軍規違反の裁定が見事にシンクロしているエンディングはまさに体操競技での着地も決まり満点という感じ。ただ一つリアルじゃないのは潜水艦に犬は絶対ないだろう・・ただそれだけ。[地上波(吹替)] 9点(2020-11-08 23:06:30)(良:1票)
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