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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  氷の微笑 《ネタバレ》 映画における濡れ場というものは、個人的には「お金のかからないスペクタクル」だと思っており、こういう大作枠の作品がやるのはズルくないかい?とも思うのですが、別に反対はしません、ハイ。ついでに言うと濡れ場というものは、新人女優がやればご褒美に新人賞の候補になるし、くすぶっている中堅女優がやれば「これで大女優の仲間入り」という自信だけは持つことができる、という利点もあって。そういう意味では、一見似てないとは言え、シャロン・ストーンと川島なお美にはどこか共通点を感じてしまうし、それどころかマイケル・ダグラスと古谷一行に何か近いものを感じてしまうのは、これは一体どうしたことか。 それはともかく。シャロン・ストーンの謎めいた感じは、ズバリ、イイと思います。真相の意外性よりも過程の意外性、それが作品の魅力。 結局、この映画に言わんとしていることは要するに、「人間誰しも、今日はたまたまアイスピックで刺されなかったけど、明日はわからんよ」ということですかね。[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-04 14:45:55)《改行有》

22.  GONIN2 正直、「メンバーを女性に置き換えただけであとは前作と全く同じノリ」みたいな作品だったらどうしよう、なんて思ってたのですが、勿論そんなコトは無くって、なるほど、女性五人組だと、こうなるんですねえ。 前作は破滅の美学、みたいなものがあって、死んでナンボの世界だったのが、これが女性になると、妙なもんで、なかなか死にそうな気がしない。いや、敵は強くてコワそうでヤバそうな男性軍団、それに比べるとどうしても女性の方が弱く、危うげに見えてしまうのですが(そして実際、危機に直面もするのですが)、そうなると逆説的に、彼女たちの、死にざまではなく生きざまが、浮き彫りになってきます。 そこに、任侠映画の悲壮感をプラスさせるかのように絡んでくる緒形拳が、彼女たちの守護神のようでもあり、「死にざま」を持ち込んでくる疫病神のようでもあり。 この緒形拳の存在が物語に幅を持たせつつ、物語は収まるべきところに収まった感があり、前作よりもまとまっているように思えたのですが、どうでしょうか。 「光」や「水」が作品のイメージを支えていますが、あのプールの上をカメラが自由に移動するシーン、どうやって撮影したんですかね。[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-30 17:58:45)《改行有》

23.  荒野の誓い 先住民が白人の一家に襲い掛かり虐殺する、という発端。こんな風に先住民の悪辣ぶりを描くのは、昔の西部劇ならいざ知らず、昨今ではなかなか珍しいですが、とにもかくにも、母親だけが生き残る。彼女の慟哭。 彼女はクリスチャン・ベイル率いる部隊に同行することになるのだけれど、その部隊は、件の部族(コマンチ族)とは別の部族の先住民一家を居留地へ護送する任務を負っている。クリスチャン・ベイルは、家族を失い精神が不安定になっている彼女に対し、細やかな気遣いを見せるのだけど、そういう「ワカッてるヒト」である彼だからこそ、その彼が譲れない部分というのは、とことん譲れないのであろう、という、彼自身の不安定な危うさも感じさせます。何しろ、彼にとって先住民とは、かつて血で血を洗うような戦いを繰り広げた相手であり、いわば天敵ともいうべき存在。今回はその彼らを護送する役割なのだから。 さらには家族を失った母親にとっても、先住民は憎んでも憎み切れない対象。一方ではコマンチがいつ襲ってくるやも知れない危機感もあり、一行には何重もの危うさが漂っているのですが、その彼らを大自然がゆったりと包んでいる。映画全編にわたって、息を呑むような雄大な風景が、広がり、これが実にお見事。 ゆったりした流れの中で、いくつかの事件があり、登場人物たちが一人また一人と命を落とす。その悲しみもあるけれど、それも含めて生き残る登場人物たちの心の動きが、これもゆったりじっくりと描かれます。クリスチャン・ベイルの寡黙さの中の心の動き。こういうのは高倉健の専売特許かと思ったけど。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-04 10:54:59)《改行有》

24.  荒野の処刑 何の変哲もないマカロニウェスタンかと思いきや、どういうワケかニューシネマ魂がこれでもかと注入されてしまった、風変わりな作品です。ロードムービー風の物語、音楽もまさに「私はニューシネマです」といった感じ(ムダに全裸シーンがあるのもニューシネマ風?) こんな映画撮ってて、このカントクさん、本当に数年後には「サンゲリア」にたどり着けるんだろうか、と心配になってくるのですが(今さら心配する必要もないけど)、心配ご無用、冒頭の襲撃シーンから派手に血をぶちまけてくれるし、中盤には残虐拷問シーンとか、カニバリズムとかも登場したりして。それを見て安心するのも妙なハナシですが。 詐欺師の主人公、いったんは保安官に取っ捕まるも、3人の牢屋仲間と馬車の旅に出ることになる。娼婦だとか墓堀り人だとか、4人はそれぞれが、言ってみれば社会の除け者のような存在。その4人が、安住の地をもとめて荒野を旅する中で、色々な人に会ったり事件にあったりする、というのがいかにもロードムービー、いかにもニューシネマですが、やがて出会う一人の男が「いかにもヒッピー」なもんで、ニューシネマっぽさがさらに上昇します。ただこの男が曲者で、彼らを助けてくれるのかと思いきや、やがて、ドラッグで4人を支配してしまうことに。この辺りの描写も、なかなか過激で容赦がありません。4人の旅はズタズタにされ、ここから、主人公の復讐譚の要素が物語に加わって。 終盤はいささか楽天的過ぎるご都合主義のような部分もありますが、ちゃんとマカロニ路線へと軌道修正しての大団円。 映像は逆光による滲んだようなシーンが多用されて、独特の透明感があり、ルチオ・フルチの美学を感じることができます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-11-24 08:02:05)《改行有》

25.  小人の饗宴 登場するのはいわゆるミゼットな人ばかり、という奇妙な映画。彼らが入っている施設に対して反旗を翻し、クルマやバイクを持ち出したり投石したり、やりたい放題の乱暴狼藉を繰り返す。 設定からは何らかの寓話かと思わせるものの、「普通ではない」状況・映像のインパクトが勝っていて、単なる“喩え話”の枠に収まらない、エゲツないまでのパワーを感じさせます。設定のエキセントリックさに負けじと、内容もストーリー的なまとまりなんぞそっちのけ、ひたすら乱痴気騒ぎが描かれて、ほんとにエゲツない。 でもやっぱり個々のシーンは寓話的。仲間の死体をつつくニワトリのグロテスクさ。暴動で持ち出されたクルマが円を描きながら庭をグルグル回り続ける様は、無軌道なようでいて、どこにも行きつくことのないアテの無い様を描いているかのような。 ラストはどういうわけかラクダが登場し、それを見ながら登場人物の一人が甲高い独特の声で際限なく笑い続ける。もしかして監督の指示でエンドレスで笑い続けさせられているのでしょうか。ホントに延々と笑い続けるのですが、人間の体はそんなに長く笑い続けるようにはできていない訳で、やがで咳込んでムセ始めてしまうのですが、それでも(監督のカットの声がかからないから?)笑い続け、ムセ続ける。笑いなんか、自由なんか、永久に続くことなんて絶対無いんだよね・・・と見てて妙にシンミリしてしまう。その光景はあくまでアブノーマルなんですけれども。[DVD(字幕)] 8点(2019-09-28 00:50:43)《改行有》

26.  交渉人 真下正義 「踊る大捜査線」の本シリーズ2作に続く、スピンオフですが、前作2作では舞台としてお台場が想定されていたのに対し、こちらは東京都心部そのものが舞台。犯人に操られた試験車両が、地下鉄の路線を暴走する(この試験車両の風貌を見てると、なんでラピートがこんなところを走ってるの?とか思っちゃうのですが)。その謎の犯人に立ち向かうは、交渉人サンタマリア。 という訳で、パニック映画の要素を取り込んでいて、よくこんな撮影をやったもんだ、と感心させられます。地下鉄の構内・線路のさまざまな光景が登場し、エキストラもタップリ動員して、圧巻です。 主人公のサンタマリアは犯人との交渉役なもんで、基本的にはコントロール室で犯人とボソボソしゃべるだけですが、代わりに寺島進が街に出て暴走し、笑いとスリルを提供してくれます。 ヒッチコックを模倣したような後半の展開の先には、楽しくもバカバカしい顛末があり、しかしここでようやく主人公も、事件が起きている「現場」へと向かうことになる。少し苦味のある、大団円。 前2作よりも、楽しめました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-15 18:38:09)《改行有》

27.  木枯し紋次郎 関わりござんせん 木枯し紋次郎と言えば中村敦夫、中村敦夫と言えば木枯し紋次郎。 と言いたいところなんですけどね・・・映画版なので菅原文太です、ハイ。 で、とうとう作品のサブタイトルにおいてまでも「関わりござんせん」と主張する紋次郎なワケですが、「関わり」から逃れることは決してできないのが、彼の運命。ここでも、2つの大きな関わりを持つことになって、一つは、たまたま命を救った田中邦衛と関わり。そしてもう一つは、生き別れの姉との再会。この姉を演じているのが、市原悦子なんですが、いやもう、これがホントにスゴいキャラなんですね。まずもって、ブサイク(笑)。言動もガサツ。で、それがかえって、これまでの遊女としての幸薄い半生を感じさせるものがあり、哀れを誘うんですね。まあ、付き合いたくないタイプですけどね。 で、そういった関わりに絡めとられるように、紋次郎の運命も、争いの中へと巻き込まれてゆく。長回しを多用した桑畑での死闘。そして、紋次郎にはこの世に安住の地など存在しないことが示唆されて映画は終わりを迎えます。実に虚無的なラストに、ため息が出ます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-02-12 21:05:06)《改行有》

28.  この首一万石 本作のテーマはいわゆる「名ばかり管理職」ってヤツですかね。 ぬくぬくと保身に走る上司のために、詰め腹を切らされるサラリーマンの悲哀と怒りが、前半コミカルであった本作の色調を、クライマックスではスプラッター作品へと豹変させます。 この豹変ぶり、ちょっと「文学部只野教授」などを思い出してしまいました。 もちろん単に残酷描写で煽るだけの作品ではなく、切れ味鋭いカメラが、さらに煽ってるっちゃあ煽ってるんですが、映画を大いに盛り上げます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-08 10:58:57)《改行有》

29.  GODZILLA ゴジラ(2014) 思えばエメリッヒ版『ゴジラ』なんて、ずいぶんマトモな作品で、ゴジラを生き物として捉えている。だもんで、生き物が口から熱線吐くワケもないし、生き物が近代兵器で攻撃されりゃひとたまりもないから必然的に足を速くして弾を避けさせることになる。物語だって荒唐無稽でバカバカしいけれど筋は通している。エメリッヒ版のそういったこと一切が、豪快な映像のせっかくのスケール感を損なわせて、映画を小さくまとめてしまい、評判の悪さにもつながっているのでしょう。一方、今回のゴジラ。ストーリーはまとまりが無く、破綻してると言ってもよいでしょう。主人公フォードの、父との関わりと、妻子との関わりとが、物語の中心なんでしょうが、両者の関連はあまり感じられないし、そもそもこういう市民的な家族の物語を背景に一応は入れておきながら、途中からはフォードの軍人としての行動がメインに描かれ、まるで両立していない。でもでもでも。この、圧倒的な、とにかく圧倒的な、怪獣の戦い、これだけでも充分。というか、物語が破綻するほどに、人間はチッポケで、怪獣はデカイのです。主に登場するのは、ムートーという不気味な怪獣。主に暴れるのはコチラであって、ゴジラの雄姿はなかなか存分には拝めない。こういう、出し惜しみというか、ちょっと食い足りないくらいに留めるのって、本家東宝ではできなくなっていたことでもあります。で、この程度かと思っているととんでもない。クライマックスの怪獣対決の物凄さ。鬼神ともいうべきゴジラの怒りの形相、耳をつんざく咆哮。ひや~すごい、これはもう地獄の光景。それを前にした人間という小さな存在は、圧倒されるしかないのです。ゴジラは神か悪魔か、少なくともマトモな生物ではないので口から熱線も出すし、そこには理由づけも不要。熱線を出す前にはちゃんとセビレを光らせてみせるのだけど、その場面だけとっても、ゴジラのデカさがこれでもかと伝わってくる。怪獣の巨大さをこれほど見事に描いたのには、本当に驚かされます。で、長い地獄の一夜が終わって、夜が明けると、戦いの凄惨な爪痕がそこには残されている一方で、再会、そして再生への希望も感じさせる。いやはやスゴイ映画を作ってくれたと思います。 (なお、パラシュート降下のシーンで流れる音楽は、2001年宇宙の旅でも使用されたリゲティのレクイエム。まさに異界への入り口。)[映画館(吹替)] 8点(2014-08-19 23:00:22)(良:1票)

30.  告発のとき トミー・リー・ジョーンズの武骨な顔に、抑えた表情。これがいいのです。感情をぶちまけることなく抑えているからこそ、さらに抑制された「無表情な言葉」で語られる真相が、ショッキングなものとなります。真相そのものは、ミステリとして捉えるならば実にストレート、ある意味平凡なものかも知れませんが、同時にこの上もなく残酷なものでもあります。そして、映画で繰り返される、息子との電話での会話、断片的な動画、そして道端の何かを捉えた写真、といったものが、最後に明らかになった真相とともに、強烈な意味をもって迫ってくる、その衝撃。悲惨な戦場と猥雑なアメリカとをつなぐのは、「息子」たちの無意味な死であった、ということ。やはり「息子」の母親である女性刑事を配置するなど、人物設定も上手く、見事な作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-03 23:36:58)(良:1票)

31.  コロンビアーナ リュック・ベッソンという人、世紀が変わる前にはそれなりに独特のポジションにいた(要するに「作家」だった)と思うのだけど、2000年前後あたりから、大量の作品のクレジットに名前を連ねるようになって、ワケがわからなくなっちゃった。単なる「ハリウッドに負けるまじ」で突っ走っているような(まあ実態はハリウッドに片足突っ込んでるようなものかも知れないけど)。そもそも、あれもこれも「脚本:リュック・ベッソン」となっているけれど、ホントに自分で書いてるのかよ、と言いたくもなる。まさかそのギモンに答えるため、という訳じゃあないだろうけれど、「確かにワタシが書いてますよ」と言わんばかりの作品が、コレ。『レオン』から始まって『ニキータ』になり、途中『ヤマカシ』風味も加わったかと思えば、ジェット・リー起用作品やトランスポーター・シリーズを思わせる格闘シーンもある。さらにフィルモグラフィを遡って、ベッソンといえば“海”でしょ、と思ってたら、サメが出てきたのは関係あるのか無いのか(無いでしょ)。という、いかにもベッソン好みという感じの要素に満ち溢れた作品で、ああ、やっぱりこういうのを描きたいんだよね、ハリウッドへの対抗意識ばかりじゃないんだよね、と。いっそ、今後はこのまま同じような作品を作り続けてもいいかも知れない。目指せ「フランス映画界の小津安二郎」。全然違うけど。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-09-16 13:30:10)

32.  この愛のために撃て 《ネタバレ》 巻き込まれ型サスペンス。主人公はどっちかというと冴えない感じのオッチャン看護師、ひょんなことから、臨月の妻を誘拐され、犯罪に巻き込まれていくのですが、緩急織り交ぜつつ短い尺の中で畳み掛けていくのが、なかなかのもの。アドレナリン注射イッパツで、こん睡状態の患者も一気に蘇り、映画全体にもアドレナリンが充満してフル回転。特に中盤の地下鉄構内での追跡劇が素晴らしく、そこでのオッチャン看護師の奮闘ぶりには、否が応でも引き込まれます。最後の付け足しのような後日談、一見蛇足のようですが、ラストの「もう自分たちには関係ない」と言わんばかりの主人公の笑顔が印象的で、蛇足どころか、やっぱりいいシーンなんですね、これが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 19:34:07)(良:1票)

33.  地上より永遠に(1953) 《ネタバレ》 ふた組の男女の物語、それも「体目的以上、恋愛未満」みたいなちょっと微妙な関係のふた組の物語をうまく絡め合う見事さ。またその脇を固める登場人物たちそれぞれの存在感、物語への絶妙の関わり、といったこともあって、グイグイ引き込まれる映画ですね。見ようによっては、ボクシングをやるのやらないのとかいうツマランことでイジメが横行する平和ボケの軍隊に対して、どこかの国が空爆で鉄鎚を下す、という物語にも見える? まあ、それはともかく、イジメに黙々と耐え続ける主人公、その描写がステレオタイプであればあるほど、主人公の背景というか、彼の「伝説性」が高まるわけで、「いったい彼はどれほどスゲーやつなんだろうか」と思えてくるのだけど、結局はボクシンググラブをはめることもなく、ラスト、どっちかと言えばツマラナイことで命を落としてしまう。伝説が伝説のまま封印されるときの、その無念さと虚脱感。いいですなあ。少し残念な点としては、途中で死ぬキャラとそうでないキャラが、観てておおかた予想がついてしまうという、「出来すぎ感」ですけどね、えへへ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-17 11:02:02)

34.  國民の創生 この映画の差別的な部分はともかくとして(顔を黒く塗った白人が「悪い黒人」を演じるのって、やっぱり観ててヤだなあ)、あの白装束KKKの大群のシーンには圧倒されます。さらにはこの映画、私の大好きな「立てこもり映画」でもあったりするんだから、たまりません。ここに“映画の創生”を目の当たりにするのであります。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-09 18:16:31)

35.  皇帝ペンギン 子育てが大変なのは人間だけじゃない、ってことが、よおぉっくわかる作品。よおし、ペンギンに負けないようにがんばるぞ~。それにしても求愛のシーン、こりゃほとんどポルノだ、赤面しちゃったよ。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 22:41:37)

36.  告白(1970) チェコで実際に起こった事件(スランスキー事件)に基づいているそうですが、過去の一事件の告発に終わらない、もっと普遍的な「恐怖」が、ここでは描かれているように思えます。映画は、背景のあまり多くを説明することなく、いきなり主人公が逮捕されるところから始まり、「これでもか」と過酷な取り調べが続きます。あまりにも息苦しい展開。主人公の弁明は実にクリア、彼が無実であることは、我々の目には間違いない。しかし、「彼の問われている罪」には取り調べ側の恣意性が次第に色濃くなり、「事実」を上回るクリアさを帯びてくる。主人公の転落への道はのっぴきならないものとなり、そして・・・。このシステマティックに仕組まれた逃げ場の無い絶望感、いかにもナチス・ドイツに相似しているが、それにとどまらず、見知らぬ人間同士が集まって「社会」を形成し、互いを束縛し、大きさの決まったパイの取り合いを始めるとき、多かれ少なかれ、このような絶望感への下地が根底に築かれているのでしょう。もともと「自由」とは「束縛」の海に浮かぶ小島に過ぎないのかもしれない。その不自由な海の中で、いかに流れに逆らわず、「障害」となるものがあればいかにして効率的に抹殺するか。流れから一度外れてしまえば(必ず誰かがその貧乏籤を引くのだが)、あとはもう、絶望の泥沼に溺死させられるしかない。イヴ・モンタンが身を呈して演じて見せた主人公の転落の姿は、ひとつの究極ではありますが、普遍的な、一種運命的な「恐怖」さえ伴うものであります。さて一方、主人公が目隠しをされた異様な姿など、いかにスタイリッシュであることか。↓まぶぜたろう様の指摘はあまりにも鋭い(感服!)。政治的屈服の背景にあるものは、広い意味での「エロティシズム」と言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 12:29:44)(良:1票)

37.  コラテラル これぞまさに「夜の映画」、よってこれをうなぎパイ映画と呼ぶことにいたしましょう。息を呑む美しさ、そして不気味さに溢れた夜景。その片隅で深海魚のようにうごめく二人。対極的立場にいるが故に奇妙な相似形を見せる、その彼ら二人のやりとりには、独特の映像とも相俟って、どこか現実感が希薄であります。しかし、いささかまとまりに欠ける(ロードムービーすら思わせる)と思われたその展開が、クライマックスに意外な収束を見せる、その見事さ。結局、この二人のキャラクターは、やはり社会の片隅で生きている我々一人一人が抱えている、二面性を象徴してるのかもしれない・・・なんちゃってな、うひょひょ。[DVD(字幕)] 8点(2005-08-09 23:48:15)(良:2票)

38.  コールド・フィーバー 白い映画。寒い映画。本作を観ていた年寄りが2,3人凍死したらしい。ってのはウソだけど(吸血ブラッシーじゃないんだから)。この映画、設定の甘さ(ゴルフボールが偶然ぶつかってスイッチオン!がアイスランド行きのキッカケ、だなんて・・・ちょっとハズカシイ)とか、出てくる人物のあまりに戯画的なところなど、気にならなくはないのですが、そこはファンタジーと割り切って。何しろこの真っ白な世界。幻想的、どころじゃありません。こういう光景を観てるだけでもう、この映画をこのままずっと観ていたい気分になります。そして最後に両親を弔うシーン。まったく場違いなハズの日本風の儀式がどうしてこんなに自然に見えるのか。このシーンを支えているのが単なるエキゾチズムではないから。もっともっと普遍的な人間の魂の発現であるから。この寒い世界の中だからこそ、映画の温もりがしっかりと伝わってくるのです。8点(2004-11-12 01:04:31)

39.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 1作目と2作目を年代順に並べ直した「ゴッドファーザー・サガ」とやらを先に観てしまい、「サガ」-「1作目」=「PART II」かと勘違いしたのが失敗。う~ん何のために2作目なんか撮ったんだろう、という疑問は、後にちゃんと2作目を観た際にようやく氷解しました。このPART IIの魅力は過去と現在の対比あるわけで、「サガ」でPART IIを語る事はできません(「サガ」は別角度から楽しむためのもの)。さて、コルレオーネ・ファミリーの「政権交代」を大河の流れのごとく重厚に(しかし時にセンセーショナルに)描いた前作とは一変、いわば「上流」と「下流」を対比させる新たな語り口を提供したのが、本作の成功したポイントでしょう。2本同じ映画作ったってしょうがないですからね。その分、ストーリーの動きが抑え気味なのが、本作の特徴と言えば特徴、限界と言えば限界とも言えましょうか。改めて振り返ると、人がジャンジャン死んだ1作目に比べると、こちらは皆、死にそうで死なない地味な展開(笑)。若きヴィトーの時代にたまらないノスタルジーを感じます。そして映画の最後の方は、本シリーズからの別れ、コルレオーネ家からの別れを惜しむかのように、まったりじっくり描かれます。そしてあっけなくケリがつけられる。この余韻。本作を観る限り、間違ってもPART IIIが製作されることは無いでありましょう(ハッハッハ)。8点(2004-07-03 17:50:53)

40.  コーリャ 愛のプラハ 《ネタバレ》 最後の方、ラファエル・クーベリックが映って、ああ、主人公は無事チェコ・フィルにおさまったんだな、と、チェコの人とクラシックファンには判るんですけどね、興味ない人には、アンタ誰ってところか。私は学生の頃、試験が終わったら必ずイの一番にクーベリック指揮の「我が祖国」を聴く変な習慣があったもんで、懐かしくもあり、このフォレスト・ガンプもビックリの仕掛けにニンマリ。あとこの映画で特に印象的なのが、電話で童話を聞かせるところ。いかにもコスト・パフォーマンスの悪そうな娯楽ですが、子供の扱い方がわからないんだけどとりあえず何かしてあげたい、そんな気持ちがよく出ていて、じーんと来ます。8点(2003-08-14 22:22:27)

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