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プロフィール
コメント数 1883
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  ゴヤの名画と優しい泥棒 《ネタバレ》 彼の名は、ケンプトン・バントン。職場を定年退職した後、長年連れ添った妻とともに気儘な年金生活を送る平凡な老人だ。だが、僅かな年金だけではとてもじゃないが生活できず、年老いた身体に鞭打って今も夫婦ともに働いている。真面目な性格の妻は裕福な家庭のメイドして僅かばかりの収入を得ているが、気難しい性格のケンプトンはどの職も長続きせず、常に職安通いが欠かせない。生活費は毎月ギリギリ、公共放送であるBBCの受信料すら払えない。そんな折、彼はテレビでイギリス政府がゴヤの名画とされる『ウェリントン公爵』を1400万ポンドもの大金をはたいて購入したという事実を知るのだった。自分たちはこんなにも金に苦労しテレビすら見せてもらえないのに、いったい政府は何に金を使っているのだ――。めらめらと怒りが湧いてきた彼はある日、突拍子もない計画を思いつく。それは、国立博物館に忍び込んでそのゴヤの絵を盗み出し、高齢者のBBC受信料を無料化させるための取引に使おうというものだった……。実話を基に、そんな前代未聞の名画盗難事件を起こした老人をコメディタッチで描いたヒューマンドラマ。この監督らしい終始ほのぼのとした雰囲気は相変わらず健在。決して幸せとは言えない貧困家庭や過去に娘を亡くしたことを未だ引きずっている老夫婦、そして理由はどうあれ明らかな犯罪行為である名画窃盗……。ともすれば深刻になりがちなこれらのお話が最後までのほほんとした空気で描かれてゆきます。事件を起こした主人公の老人も常に減らず口が止まらない偏屈親父なんだけど、不思議とそこまで嫌いになれないのも魅力の一つですね。ぼやきツッコミを入れる妻との掛け合いなんてまるで夫婦漫才を見ているよう。ただ、僕はちょっと物足りなさも感じてしまいました。この監督の前作が、「尊厳死を選んだ難病女性とその家族」という深刻なテーマを同じく軽いタッチで描くという手法がバッチリ嵌まっていたのとは違い、本作ではそこまで効果を発揮していないような。最後の真犯人を巡るどんでん返しももっとドラマティックに描けたのでは。けっこう興味深いお話だっただけに、惜しい。以下余談。このケンプトンという人、まかり間違えたら今の日本の某N〇Kをぶっ壊すみたいな政党を作ってたかも?まだ名画窃盗で良かったよー。[DVD(字幕)] 6点(2023-07-05 06:52:20)

22.  ゴーストバスターズ/アフターライフ 《ネタバレ》 あのゴーストバスターズが帰ってきた!1980年代に大ヒットを飛ばしたエンタメ・コメディの約30年ぶりとなる続編(と思ったら2、3年前にも続編が制作されてたみたいですけど、そちらは未見)。しかも監督は、初代監督のアイバン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン。親父の映画の続編を作るってどういう気持ちなんでしょうね。とは言え、軽いタッチのコメディ映画で一世を風靡した親父と違い、息子はデビュー以来一貫してヒューマン・ドラマでならした監督さん。確かに悪くはないんですけど、肝心の幽霊退治のシーンよりもなんだか人間ドラマの方が分厚くなり過ぎな印象を受けてしまいました。金銭的にも精神的にも追い詰められて田舎のボロ屋へと越してきたシングルマザー、それでも前向きに頑張ろうとする2人の子供たち、彼らと偶然出会う人付き合いの苦手な中学教師……。もうこれだけで別のお話になりそうな(笑)。しかもそこに現在落ちぶれてしまったバスターズたちの過去の仲違いや主人公の母親と祖父との確執なんかも絡んできて、けっこう深刻。この主人公たちの幾分か重いドラマと軽いノリのアクションシーンが巧く噛み合っておらず、全体的に纏まりに欠けているような感想を抱いてしまう。ゴーストバスターズはもっと軽~いノリで楽しみたかったです。全体的な完成度は高いとは思うんですけど、自分が求めていたものとはちょっと違う内容でございました。[DVD(字幕)] 6点(2023-04-10 09:39:52)

23.  コンティニュー 《ネタバレ》 何度も何度も同じ日を繰り返し、毎回何人もの殺し屋たちに執拗に狙われる元凄腕海兵隊員を描いたタイムループ・アクション。最近流行りのいわゆるループ物なのですが、本作はその中でも基本に忠実な仕様で撮られております。とにかく目覚めては戦って殺されて、また目覚めては戦って殺されての繰り返し……。本当にそれだけです(笑)。でも、自分は『ダークソウル』のような死にゲーが大好きなので、本作もそこそこ楽しんで観ることが出来ました。スタート直後に襲ってくるザコ敵の攻撃をまずかわし、落ちてるアイテムでその次の敵を殺して、道路を通るトラックにタイミングを合わせて窓から飛び降り、そのまま車を奪って……と、ちょっとずつ攻略ルートを見極めて先に進めてゆくとことか、いかにも死にゲーっぽくて大変グッド。銃で撃たれたり車に轢かれたり爆弾で吹っ飛ばされたり刀で首を刎ねられたりと、その殺され方がどれもバラエティに富んでるのもポイント高い。途中の中ボス(女忍者・観音)が主人公を殺すたびに同じキメ台詞を繰り返すとか、死にゲーあるある過ぎて思わず笑っちゃいましたわ。まあそれだけの映画なんで、途中からお話がグダグダになっちゃうのはご愛敬。また、主人公役の俳優さんがいまいちキャラに合ってないようにも感じてしまいました。ここはライアン・レイノルズみたいなもっとアホっぽい人(失礼!)をキャスティングして欲しかったですね。ナオミ・ワッツとラスボスのメル・ギブソンという何気に豪華な役者陣はぼちぼち嵌まってましたけど。最後も投げっぱなしの酷いオチでしたが、アクションシーンも終始キレがあったし殺し屋たちもみなキャラ立ちしていたし、暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-11-04 09:39:43)

24.  幸福路のチー 《ネタバレ》 貧しい家庭に生まれ育ったものの、苦学して大学を卒業し、後にアメリカに移住したある一人の台湾人女性の半生を現在と過去を行き交いながら描いたアニメーション。複雑な世界情勢に翻弄されながらも逞しく生き抜いた台湾の庶民たちの実情は巧く描けていたと思います。全体を包み込む、ノスタルジックな雰囲気もほのぼのとしていてなんとも心地良い。特筆すべきなのは、それぞれに弱さを抱えた登場人物たちへの暖かな目線でしょう。時代の流れに逆らえず時に野蛮人呼ばわりされるお婆ちゃん、宝くじにのめり込み常に金に困っているお父さん、娘への過度な期待に心をすり減らすお母さん、そしてキャリアウーマンとして成功しながらそれでもどこか満たされない心を抱えた主人公……。抑制の効いたこまやか心理描写はなかなか心に響くものがある。ただ、これは個人的な好みの問題なんでしょうが、僕は本作の絵のタッチがどうにも合いませんでした。なんか子供たちが絶妙に可愛くないんですよね、これ。それに人物の動きがかくかくしてて全然スムーズじゃないのはわざとなのか、それともただ単純に技術の問題なのか。随所に挿入される幻想的なシーンも僕にはいまいちセンスが感じられず、ちっともワクワクしませんでした。作品としてはよく出来てるんでしょうけれど、そういったわけで僕はそこまでって感じです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2021-04-30 00:00:48)

25.  孤独なふりした世界で 《ネタバレ》 ゴミを拾うたびに、宇宙のカオスが一つ減る――。ある日突然、謎の現象により人類の99%が死に絶えてしまった未来社会。そんな終末を迎えつつある世界で、たった一人、街に残った人々の死体を片付けて廻る孤独な男、デル。家々に残る乾電池を集め、シーツに包んだ死体を山の中に弔い、遺された故人の写真をファイリングする静かな日常。誰とも会話することなく、一日の最後に赤ワインを嗜み、図書館で本を読みながら眠りに就くような彼の前に、ある日、謎の少女グレースが現れる。もともと孤独を愛するデルだっだが彼女に強引に押し切られ、やがて一緒に暮らすようになる。ともに協力して街の遺体を弔い続ける二人。最初は疎ましく思っていたデルも、心優しいグレースに次第に心を許してゆくのだった。だが、彼女は誰も知らないとある秘密を抱えていて…。ゆっくりと死に絶えてゆく世界で出会ったそんな孤独を愛する男と孤独を嫌う女、彼らの静かな交流を詩情あふれる映像で綴ったディストピア・ドラマ。偏屈な主人公を演じるのは、あくの強い演技で独自の存在感を発揮するピーター・ディンクレイジ。等身大の魅力を放つヒロイン役には、いま最も注目を集める人気若手女優エル・ファニング。この美女と野獣ならぬ、美女とブ男(失礼!)という組み合わせがなんとも味わい深い作品でしたね、これ。世界がこうなってしまわなければ、決して交わることのなかったであろうこの二人の、静かに少しずつ心を許してゆく過程がとても繊細に描かれています。ともすれば退屈になりそうなお話なのに、この詩情豊かな雰囲気が観ていてとにかく居心地がいい。ずっと静かに進んでいってたところに、急にハードロックの轟音が鳴り響くとこなんかもいいセンスしています。「街に1600人居た時の方が俺は孤独だった」などといった、印象的な言葉が時おり差し挟まれるのもポイント高いです。ただ、残念なのは急展開を見せる後半部分。グレースが抱えたこの世界の秘密が明らかにされるのですが、これがいまいちよく分からない。この“孤独なふりした世界”の真実をもっと作り込んでくれたら(例えば、高度に発展したハイテク社会がそこにあって、彼女はそこから逃げ出したアンドロイドだった!等々)、より完成度の高い傑作になっていたかもしれないのにね。この雰囲気のある世界観は凄く魅力的だっただけに、結末がなんとも惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2019-11-07 21:07:24)

26.  告白小説、その結末 《ネタバレ》 世界的なベストセラー作家にして二児の母でもあるデルフィーヌ。多くのファンを持つ彼女だったが、その私生活はとても順風満帆とは言い難いものだった。独立した二人の子供たちとは疎遠になり、テレビ司会者として名を馳せる夫とも現在別居中、新作小説も深刻なスランプからまだ一行も書き出せない状態が何日も続いていた。独り暮らしをしているアパートに届くのは、差出人不明の脅迫状ばかり…。八方塞がりのそんなある日、デルフィーヌは〝エル(彼女)〟と名乗る謎めいた美しい女性と出会う。長年のファンで自分も文筆業だという彼女と意気投合したデルフィーヌは、次第に彼女に心を開き始めるのだった。行くところがないという彼女を自宅へと招き入れ、ともに暮らしはじめるようになるデルフィーヌ。すると、エルは少しずつデルフィーヌの私生活に干渉しはじめ、新作小説の内容に口を出すばかりか、仕事や友人との交友関係までもコントロールするようになり…。孤独な女流作家と謎めいた美しい女性との危うげな関係をミステリアスに描き出す心理サスペンス。名匠ロマン・ポランスキーの円熟の才が随所に感じられる本作、確かに安定感は抜群でした。謎が謎を呼ぶモダンで怪しげな雰囲気はいかにも彼らしく、しっとりした美しい映像と音楽も観客の不安感を煽るのに成功しています。主役であるデルフィーヌを演じたエマニュエル・セリエのいかにもくたびれた女性作家然とした佇まいももちろん良かったのですが、エル役を演じたエヴァ・グリーンの美しさは特筆に値します。サディズム・マゾヒズムを髣髴とさせるこの二人のいびつな関係性はどことなく淫靡で凄く良かったです。ただ、肝心のストーリーの方は正直どうなんでしょう。はっきり言ってしまうと本作はいわゆる〇〇オチのお話なのですが、物語の中盤くらいにはそのことがほぼ分かってしまうのです。きっと意図してそういう演出がなされていると思うのですが、その趣旨がいまいち分かりづらい。女性作家の母親を巡る過去のトラウマとの決別、フィクションと現実との境界線を巡る創造者の葛藤、エルの本当の正体を巡るサイコ・サスペンス…、最後までその焦点がぼやけてしまっているような印象を僕は持ってしまいました。全編を覆うミステリアスな雰囲気は良かっただけに、惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2019-04-20 15:21:44)

27.  ゴールド/金塊の行方 《ネタバレ》 人生のどん底を這いまわっていた男が執念で金鉱を発見し、大逆転を図るものの実は…という実話を基にした人間ドラマ。確かに手堅く作り込まれた作品で見応えは充分あるのですが、若干展開が急ぎ足なのが残念。実際に起こった出来事を時系列順にどんどん進めていくので、各々のエピソードがいまいち入ってこなかったです。頭を禿げにしてお腹をでっぷりと太らせたマシュー・マコノヒーの演技もなんか品の良さのようなものが邪魔をして、なんとなくこれじゃない感が…。ニコラス・ケイジとかがやれば最高に胡散臭い感じが出てもっと良かったと思うのだけど(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2018-10-21 23:15:43)

28.  コップ・カー 《ネタバレ》 ガキども、お遊びはそこまでだ――。うだるような熱気に包まれたアメリカ南部のとある田舎町。貧しい家庭に育つハリソンとトラヴィスは、どこに行くのも何をするのも一緒の悪ガキコンビだ。ある日、いつものように家を飛び出し森の外れを歩いていた彼らは、そこで何やら見慣れないものを発見する。一台の無人のパトカー。車内はもちろん、周りを見渡しても持ち主の居る気配はない。恐る恐るドアを開け、車内を探ってみた二人はそこにキーが残されているのを発見するのだった。「大丈夫。車ならマリオカートで何度も運転したことある」。少年たちの危なっかしい運転で、パトカーは危険な荒野を走り始める。一方、車の持ち主である保安官はそのころ、秘密の仕事にいそしんでいた。トランクから運び出した誰かの死体を古井戸に捨てるために悪戦苦闘していたのだ。何とかやり遂げ戻ってきた保安官は、当然のようにそこにあるはずの自らのパトカーが盗まれたことを知る。悪ガキコンビが運転するパトカー、そしていろいろとヤバい事情を抱えた悪徳保安官。彼らの決死の追跡劇がいま、幕を開ける…。アイデア勝負のそんなクライム・スリラーなのですが、この全編に漂うとち狂った雰囲気、なかなか嫌いじゃないですね~。パトカーを奪う少年二人もどうしようもない悪ガキで自業自得だし、対する保安官もまた同情の余地のない悪人、こいつらがどんどんと暴走し破滅へと一直線に向かっていくドラマがけっこう丁寧に描かれていて、僕はぼちぼち楽しめました。車内にあった銃で遊び合う少年たちにひやひやさせられたり、頼りない靴ひもで他人の車を盗もうと悪戦苦闘する保安官にニヤリとさせられたりと、合間に挟まれる細かいエピソードがどれも考えられていて、最後まで飽きさせない工夫が凝らされているのもポイント高いです。クライマックスへと向かうにつれ、どんどんと血腥い展開となるのになんだか変にカタルシスがあるのもいいですね。彼らのチェイスを横目で眺める牛たちののどかな映像が個人的にツボでした。まあ突っ込みどころは満載だし、最後のオチの投げっ放し感も酷いけど、けっこう面白かったです。監督はこの後、スパイダーマンの新シリーズの監督に大抜擢されたとか。うん、今から楽しみにしとこっと。[DVD(字幕)] 6点(2017-07-18 22:12:50)(良:1票)

29.  コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 東西冷戦が激化し始めた1960年代を舞台に、本来は敵同士であるはずのCIAとKGBのトップエージェントがタッグを組み、世界を救うために大活躍する姿を描いたスパイ・アクション。アメリカ側の主人公はいかにも軽いプレイボーイのナポレオン・ソロ、ソ連側の主人公はこれまたいかにもお堅いクソ真面目男(失礼!)イリヤ・クリヤキン。そんな二人を翻弄する謎の美女も登場し、物語は騙し騙され時に反発しあいながらも最終的には世界を救うために互いに協力して悪に立ち向かってゆく姿が描かれる…。と、いかにもガイ・リッチーらしいスタイリッシュ&お洒落な軽いノリのエンタメ作品なのだが、これがなかなか手堅く作られており、素直に面白かった。遊び心満載のアクションシーンは切れ味抜群、全く正反対の主人公二人が巻き起こす騒動はベタながらもクスリとさせられ、美男美女の主人公たちも役柄にばっちり嵌まっていて見応えはかなり高い。特に、あの「ヒロシです。エロ本を買っているのだから、テープでよろしいわけないじゃないですか…」でお馴染みのあの曲をバックに展開される、水中チェイスシーンは出色の出来だった。ただ、作品の性質上仕方ないとは言え、本作の欠点はよくも悪くもこの軽さ。観終わった後に何も残らないのだ。これに、ピリリと辛い一片の毒のような隠し味でも効いていればもう少し違った印象を残しただろうけれど、それは好みの問題だろうか。クライマックスにおける若干の尻すぼみ感も気になった。とはいえエンドロールを迎えるまでの2時間弱、安心して観ていられるアクション・エンタメとしては充分水準に達しているので見て損はないだろう。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-30 01:52:34)

30.  コングレス未来学会議 《ネタバレ》 かつて類まれなる美貌でもって栄華を誇ったもののいまや落ちぶれ、障害のある息子と共に質素に暮らす中年女優、ロビン・ライト。ある日、そんな彼女に大手映画会社から特異なオファーが舞い込んでくる。「君には映画会社が自由に操れるCG女優となってもらいたい。君は映画の中で永遠の若さを得ることが出来るのだ。その代わり、現実の君は今後一切、公の場に出てきてはならない」――。当初は断ろうとしたロビンだったが、息子のために仕方なく契約書にサインすることに。永遠に年を取らない女優となって見る見るうちに人気を得ていく〝ロビン〟。だが、20年後、事態は意外な方向へと転がり込んでゆく……。実写とアニメを融合させた独創的な映像で知られるイスラエルの映像作家アリ・フォルマンの新作は、そんないかにも彼らしい前衛的な作品だった。前半、コンピューターでスキャンされCGとなった主人公を軸にハリウッドの内幕をシニカルに見つめたドラマになるのかと思いきや、後半から物語は予期せぬ展開を見せ始める。初老の域に達した主人公が「未来学会議」という謎の会合に出席するため全てアニメで構築されたアブラハマシティへと迷い込んでからは、この監督の面目躍如といった独自の世界観が開陳されていくのだ。現実世界は全て原色系のカラフルな世界へと変貌を遂げ、人々はユーモラスでありながら何処かグロテスクなアニメキャラとなって主人公を迎え入れる。やがて、この世界は革命を起こし何不自由ないユートピアとなるのだが、当然、そこには不都合な真実が隠されている…。離れ離れになった息子を求めて、何不自由ないアニメ世界から現実へと戻った主人公が目にする真実には大いに戦慄させられた。この監督の前作『戦場でワルツを』を髣髴させるこの反転構造はやはりこの監督独自のものだろう。素晴らしい。だが、本作には決定的な弱点が一つ。それはストーリーの要所要所に腑に落ちない部分が幾つも散見されるところだ。何故、CGとなったはずの主人公が迷い込むのはアニメ世界のみなのか?何故、主人公は新たなユートピアのシンボルへと祭り上げられたのか?そして何故、主人公は〝ロビン・ライト〟という実在の女優でなければならなかったのか?そこに明確な理由付けが感じられない。そこが本作のレベルを一段低いものにしてしまっている。この独創的な世界観は文句なしに素晴らしかっただけに、惜しい。[DVD(字幕)] 6点(2016-07-23 22:01:45)

31.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 「ゴジラ」――。終戦直後の日本が生んだ、この世界に誇る大怪獣がハリウッドで、しかも巨額の予算を投入して映画化、しかも当時はアメリカが日本に投下して間もなかった原爆という悪魔に対する怒りをその創作の原動力としていたのに対し、本作のゴジラは大震災後に起きた原発事故によって日本にもたらされた未曾有の危機の暗喩として描かれているということを知り、なかなか興味深いものを感じてこの度鑑賞いたしました。まず最初に言っておくと、僕はずっと昔に記念すべき第一作目である白黒『ゴジラ』を観たのだけど、確かにその優れた脚本やゴジラという特異な魅力に満ちた怪獣の造形美などは充分に認めるものの、そこまで心に残るものを感じませんでした。なので、僕はゴジラというものにそんな思い入れもないまま、基本的にニュートラルな立場で最後まで鑑賞。結果、映画の出来として純粋に評価するならまあ“及第点”というレベルになるのではないでしょうか。2時間、ビール片手にポップコーンでも食べながら頭空っぽにして観るモンスター・パニック・ムービーとしてはぼちぼち楽しめると思います。肝心のゴジラが一向に出てこないやーん!とか、魅力的なキャラクターなり印象に残るシーンなりがほとんどなーい!やら、映画の胆となるべきゴジラ大暴れシーンが暗くて見難いんじゃー!といった本作の欠点もまあ目を瞑れる範囲内であったと思いました。てか、つがいの巨大昆虫ムートーが交尾し卵を産んで子孫を増やそうという極めて自然な営みをしようとしていたのに、そこに勝手にやって来て邪魔するゴジラって、ムートー目線で見たらけっこうヤな奴ですよね(笑)。そんなリア充カップルに執拗に嫌がらせをしに来る非リア充の哀しき男子・ゴジラ君が大活躍するクライマックスに僕は思わず応援せずにはいられませんでした。うん、ゴジラ君にはこの勢いで世の中のムートーみたいなカップルたちをとことん蹴散らしてもらいましょう!!頑張れ、ゴジラ!![DVD(字幕)] 6点(2015-08-24 00:17:37)

32.  ゴースト・エージェント/R.I.P.D. 《ネタバレ》 相棒の汚い裏切りにより無残にも殺されてしまった刑事が、なんだかんだあって復活し、悪霊を専門とする〝ゴーストエージェント〟になったのだった!彼とコンビを組むことになるベテランエージェントとの世界を救う大活躍をコミカルに描いた、ぶっちゃけ、まあそれだけっちゃあそれだけの映画でしたね。でも、こういう風呂上りにビールと枝豆片手に肩肘張らずに観るのに最適な薄味エンタメ映画も、たまに観る分にはけっこう好きなんですよ、僕(毎回そればっかだと、さすがにIQが下がっちゃうんで10本に1本くらいの割合がちょうど良い感じですね)。それに、そんな映画の中にたまに「え、これは意外にけっこう好きかも…」という掘り出し物が混ざっていたりもするんで、なかなか侮れないのだけど、今作は見事なまでに「まあまあこれくらいじゃろうな~」と僕が事前に予想した通りの出来でありました。てか、これって「メン・イン・ブラック」の宇宙人から幽霊へと設定を変えただけで中身はほとんど一緒ですやん(笑)。さすがにもうちょっとオリジナリティといった物が欲しかったですね。でも、このけっこうお金かけたであろう派手なアクションシーンだとか、主人公コンビが人間にはゴージャスセクシー美女&冴えない中国人オヤジに見えるというアホらしい設定とかは、ぼちぼち楽しめたかな~。まあ、3日も経てば完全に記憶から消え去るだろうけど、「ヒマ潰しに観る分にはぼちぼち楽しめる」この作品、うん、6点![DVD(字幕)] 6点(2014-07-25 21:12:26)

33.  声をかくす人 《ネタバレ》 南北戦争終結後、ようやく平和が訪れると歓喜に沸いていたアメリカ社会にリンカーン大統領暗殺という悲劇が襲い掛かる。再び混乱へと陥ることを怖れた政府は全力を挙げて容疑者たちを次々と逮捕していく。そんななかに、暗殺計画の中心人物だった青年の母親が含まれていた。北軍兵士として戦った主人公の弁護士は、そんな母親の弁護を担当することになる。そうして始まる裁判を通じて、法と正義、勝者と敗者、個と公、そして親と子の絆といった重厚な人間ドラマが展開されていく。法廷劇としてみれば(結局、死刑になるということが分かっていることもあって)少々地味で印象に残るシーンが乏しいという面は否めないけど、それでも歴史という巨大なうねりの前でちっぽけに押し潰されそうになりながらも、最期まで凛とした誇りを失わなかった一人の女性の悲劇は充分に見応えがありました。 もうちょっとドラマティックでも良かったかなーとも思うけども。[DVD(字幕)] 6点(2013-10-03 22:26:11)

34.  コクリコ坂から 《ネタバレ》 最近、ハズレばかり連発するジブリ作品のなかでは頑張ったほうではないでしょうか。ちょっと観客迎合的なところが気になるけど、ツボを押さえた作りで無難に楽しめます。ただ……、過去のジブリの傑作群と比べるとやはりどうにもぬるい。ジブリの魅力って、思春期の少女の誰もが通る、大人からみたらちっぽけな悩みかもしれないけれどそれでも真剣に悩んで頑張って成長する姿が共感を呼ぶんだけど、この作品にはそんな切実さに欠けていたように思います。それが、親の七光り監督の限界なのかな。[DVD(字幕)] 6点(2013-03-25 12:32:45)

35.  コンテイジョン 《ネタバレ》 丁寧に作られたパンデミック・スリラー映画。豪華な俳優人の抑えた演技が緊迫度を増していて、ソダーバーグの手堅い演出が光っている。映画が始まってから約二時間、緊張の糸が途切れないのがすごい。ただ、それが余りにも優等生なつくりに仕上がっていて、幾分物足りないようにも感じる。この群像劇のなかにもっと一人くらい人間的な壊れたキャラクターが欲しかった。監督が過去に撮った傑作「トラフィック」に出てくる、子供のために麻薬を売り捌く母親のような。[DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 10:49:28)(良:1票)

36.  幸福なラザロ 《ネタバレ》 現代に現れた〝聖なる愚者〟ラザロ、彼が辿ることになる数奇な運命を寓話的に描いた幻想譚。カンヌで何かの賞を取ったということで今回鑑賞してみました。まあやりたいことは分かるし、この不思議な世界観も嫌いじゃないけど、そこまで嵌まるもんでもなかったですね。要は、好みの問題ってやつですわ。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-30 00:45:48)

37.  コーヒー&シガレッツ 《ネタバレ》 都会の様々なカフェやホテルのロビーで日夜繰り返される何気ない日常。久々の再会を喜ぶ人や予期せぬ出会いに戸惑いを隠せない人々。交わされるくだらない会話も絶えず変化する人間関係も他人にしてみればありふれた光景でしかない。そこには友情や愛情もあれば、ちょっとほろ苦い嫉妬や諍いもある。でも一杯のコーヒーと至福の時をもたらす煙草さえあれば、人生はほんの少し豊かになる――。インディペンデント映画界の巨匠ジム・ジャームッシュがバラエティ豊かな面々を揃え、そんな人生の一断片をユーモアとペーソスを交えて捉えた11のエピソード。全編モノクロで撮られたそんなオムニバス作品、いかにもジム・ジャームッシュらしい独特の雰囲気とジャジーでお洒落な世界観を堪能できる一本でした。個性豊かな人々によって交わされる微妙に噛み合わない会話劇は何処かほろ苦さを感じさせ、それがコーヒーの苦みと煙草の紫煙によく合う。ロベルト・ベニーニやイギー・ポップ、スティーブ・ブシェミやビル・マーレイと言った何気に豪華なキャスト陣もばっちり嵌まってました。中でも一人二役を演じたケイト・ブランシェットは、さすがの貫禄。と、一つ一つのエピソードは程度の差こそあれ、けっこう面白かったのですが、一本の映画として観ればさすがに物足りない。オムニバスなので仕方ないのかも知れませんが、いかんせん中身が薄すぎます。この監督らしいペーソスに満ちた雰囲気は良かっただけに、なんとも惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2020-02-24 01:42:05)

38.  コード211 《ネタバレ》 それは平凡な一日になるはずだった。いつものように――。定年を間近に控えたベテラン警察官、妻の妊娠を知り人生の絶頂に居る若手警官、学校での乱闘騒ぎから丸一日のパトカー同乗体験を余儀なくされたいじめられっ子の高校生、長年連れ添った妻との記念日を迎えた銀行の支店長、そして凶悪な犯罪者を追ってアフガニスタンからやって来たインターポールの刑事……。彼らの平凡な日常が、突如として切り裂かれる。街の一画にある大手銀行を狙って、元軍人たちで結成された凶悪な強盗集団が襲撃したのだ。何丁もの武器と大量の爆発物を用意した彼らは、瞬く間に銀行を占拠し、中に居た客や行員を人質にする。白昼堂々と行われた大胆な犯行。異変を察知した、偶然近くに居た警察官の通報により、緊急コード〝211〟が発動されるのだった。それは、現在進行中の銀行強盗を意味する秘密のコードだった――。果たして人々は無事にこの大惨事を乗り切ることは出来るのか?突如として修羅場と化した地方都市を背景に、偶然そこに居合わせた人々のサバイバルを臨場感たっぷりに描いたクライム・アクション。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送るそんなオーソドックスな本作、まあやりたいことは分かるのですがなんだか全体的に演出の詰めが甘い作品でしたね、これ。一応群像劇っぽい作りになっているのですが、それぞれのエピソードの描き方がいまいちよく練られてません。例えばニコラス・ケイジ扮するベテラン警官、なんか妻を過去に失くしてそれが原因で娘と疎遠になってるっぽいんですが、そこらへんが説明不足でよく分からないんですよ。偶然パトカーに居合わせたという高校生もそのキャラ設定の詰めが甘くいまいち感情移入できない。インターポールの女性刑事に至っては、正直何がしたいのかさっぱり理解できません。終始こんな感じで、肝心のドラマ部分にうまく乗り切れないんですよ、残念ながら。対する銀行強盗たちも綿密に計画を練ってると思いきや、かなり行き当たりばったりの無為無策ぶりでちょっと呆れてしまうレベル。最後、追い詰められた彼らがどうするのかと思ったら、まさかの重たいバックを背負ってえっちらおっちら正面突破。当然のように瞬殺されるという捻りの無さには思わず苦笑しちゃいました。最近のニコケイ映画にしてはアクションシーンにけっこうお金を掛けていて、白昼の街並みで展開される銃撃戦などはなかなか迫力あっただけになんとも残念。[DVD(字幕)] 5点(2020-02-15 23:00:44)

39.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 サイバーパンクSFの金字塔として有名な日本のアニメをハリウッドがリメイク。主人公は今を時めく人気女優スカーレット・ヨハンソン、日本からは北野武、桃井かおりの両氏が参加しております。もともとの押井守版アニメは正直、あまり好きではなかったのですが、いろいろと話題になっていたので今回鑑賞してみました。結果は…、やっぱりあんまり好きではなかったです(笑)。観終わった後に誰かと何がしかの議論を交わしたくなる深いテーマ性(のちのエヴァシリーズにも通じる?)は確かに一見の価値はあると思うのですが、僕はさっぱり嵌まりませんでした。あと、何故か日本語しか喋らないたけしのキャスティングも違和感しか感じられなかったですし。[DVD(字幕)] 5点(2018-05-26 21:25:31)

40.  コール 《ネタバレ》 娘と両親をそれぞれ別々に誘拐し相互に連絡を取り合うことで完全犯罪を目指す誘拐犯と、突如として悲劇に見舞われた被害家族との攻防を描いたクライム・サスペンス。つかみは良かったのですが、後半から脚本が穴だらけ過ぎていまいち楽しめなかったです。クライマックスなんてもう突っ込みどころ満載…。ケヴィン・ベーコン&シャーリーズ・セロン&ダコタ・ファニングの豪華共演に+1点。[DVD(字幕)] 5点(2018-04-23 22:47:39)

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