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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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61.  ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 先日、あべのハルカスの大阪芸大キャンパスで「大ゴジラ特撮展」ってのをやってて、会場にはゴジラの着グルミがいくつか展示されておりましたが、着グルミのサイズが最もデカく、顔も凶暴(目が白目)で迫力あったのが、本作のモノ。異彩を放っておりました。ちなみに会場ですれ違ったオジサンの顔をみたら大森一樹監督だったのでさらにビックリ(後で考えりゃ、芸大のセンセイなので、会場にいてもおかしくないのですが)、こちらも大きくて迫力ありました(笑)。さて本作、ゴジラシリーズに金子修介監督が登場し、ゴジラがガメラの軍門に降ったような塩梅ですが、それでゴジラ映画がパワーアップするなら大歓迎。実際、「大怪獣総攻撃」なる時代錯誤なイカついタイトルを裏切らぬ、素晴らしい怪獣バトルを見せてくれます。メチャクチャ強いゴジラに対するは、バラゴン、モスラ、ギドラ、という3頭の護国聖獣。中でもギドラは(あのさらにメチャクチャ強い宇宙怪獣ではなく)若く弱い成長過程の怪獣。バラゴン倒れ、モスラ倒れ、彼らの魂を受け継いだギドラは怪獣王へと決死の戦いを挑む。これはなかなか斬新な設定ではないでしょうか。ただ、映画途中から途中から現れたギドラに対し、どこまで「ギドラかんばれ!!」と感情移入できるのか、というモンダイはありますけれども。あと、主演の新山千春さんはいささか残念な演技で、ちょっと主演としてはキツいのです。一方、脇役チョイ役の配置には色々と遊び心が感じられます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-15 15:42:04)(良:1票)

62.  荒野の一つ星 マカロニウェスタン恒例の、オープニングのアクションシーン。今回は、遠くから狙撃されてひとりの男が倒れるのだけど、見ればそれはジュリアーノ・ジェンマ。別に弾が当たった訳でもなく、死んだフリでその場を切り抜ける。これを見ると、本作の主人公はきっと、(いかにもジェンマらしい)チャッカリしたキャラクターなんだろう、と思っちゃうのですが、本編に入ると必ずしもそうでもなくって、結構ちゃんとした保安官なのでした。これだから、マカロニのオープニングはよくわからない(別にいいけど)。そんでもって、内容はというと、ジェンマ保安官が派遣されてきた町では、ある悪だくみが行われており、その悪事に手を染める連中からすれば、他所者が保安官としてやってきたことが面白くない。できれば身内のものを保安官にし、自分たちの身を安泰にしたい。と言う訳で、ジェンマ保安官の身を狙い、彼を蹴落とす策略を張り巡らす。これに立ち向かうジェンマ。という比較的単純な構図で、意外な真相とかドンデン返しみたいなものは特にありません。その代わり、ジェンマの活躍、ジェンマのアクションを、ディテール豊かに描かいており、その意味ではアクション映画らしいアクション映画です。悪人どもの行っている悪事というのが、でき過ぎというか、トンチが効き過ぎているというか、まあこれもオモロイからいいんですけれども。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-28 13:32:36)

63.  GODZILLA ゴジラ(2014) 思えばエメリッヒ版『ゴジラ』なんて、ずいぶんマトモな作品で、ゴジラを生き物として捉えている。だもんで、生き物が口から熱線吐くワケもないし、生き物が近代兵器で攻撃されりゃひとたまりもないから必然的に足を速くして弾を避けさせることになる。物語だって荒唐無稽でバカバカしいけれど筋は通している。エメリッヒ版のそういったこと一切が、豪快な映像のせっかくのスケール感を損なわせて、映画を小さくまとめてしまい、評判の悪さにもつながっているのでしょう。一方、今回のゴジラ。ストーリーはまとまりが無く、破綻してると言ってもよいでしょう。主人公フォードの、父との関わりと、妻子との関わりとが、物語の中心なんでしょうが、両者の関連はあまり感じられないし、そもそもこういう市民的な家族の物語を背景に一応は入れておきながら、途中からはフォードの軍人としての行動がメインに描かれ、まるで両立していない。でもでもでも。この、圧倒的な、とにかく圧倒的な、怪獣の戦い、これだけでも充分。というか、物語が破綻するほどに、人間はチッポケで、怪獣はデカイのです。主に登場するのは、ムートーという不気味な怪獣。主に暴れるのはコチラであって、ゴジラの雄姿はなかなか存分には拝めない。こういう、出し惜しみというか、ちょっと食い足りないくらいに留めるのって、本家東宝ではできなくなっていたことでもあります。で、この程度かと思っているととんでもない。クライマックスの怪獣対決の物凄さ。鬼神ともいうべきゴジラの怒りの形相、耳をつんざく咆哮。ひや~すごい、これはもう地獄の光景。それを前にした人間という小さな存在は、圧倒されるしかないのです。ゴジラは神か悪魔か、少なくともマトモな生物ではないので口から熱線も出すし、そこには理由づけも不要。熱線を出す前にはちゃんとセビレを光らせてみせるのだけど、その場面だけとっても、ゴジラのデカさがこれでもかと伝わってくる。怪獣の巨大さをこれほど見事に描いたのには、本当に驚かされます。で、長い地獄の一夜が終わって、夜が明けると、戦いの凄惨な爪痕がそこには残されている一方で、再会、そして再生への希望も感じさせる。いやはやスゴイ映画を作ってくれたと思います。 (なお、パラシュート降下のシーンで流れる音楽は、2001年宇宙の旅でも使用されたリゲティのレクイエム。まさに異界への入り口。)[映画館(吹替)] 8点(2014-08-20 21:01:49)(良:1票)

64.  ゴジラVSメカゴジラ アメリカ製の『トランスフォーマー』なんていうシリーズを観ていると、乗り物があっという間にチャカチャカとロボットに変身しちゃう。そういう目まぐるしい変身シーンが見所のひとつでもあるんだろうけれど、肝心のトランスフォームの様子を、もっとじっくり見せてくれてもいいんじゃないの、と思っちゃう。テレビのスーパー戦隊モノなんかで、巨大ロボットの変身やら合体やらの過程を逐一(使いまわしの映像で)見せてくれるアレ、ああいう多少鈍重なメカニックへの嗜好。本作の、「メカゴジラ製作中」とか「ガルーダ発進」なんかにも、そういうメカに対する愛着みたいなものが感じられて、いいんですな。ガルーダとメカゴジラの合体なんて、「やっぱり、こうでなくては」と(笑)。一方ではゴジラとラドンも合体しちゃったりして、ゴジラドン。さすがにあのチビゴジラは、見なかったことにしたい気持ちが無い訳でも無く。クライマックスの幕張での死闘は、本当に見ごたえアリマス。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-19 22:03:22)

65.  午後の曳航 《ネタバレ》 「午後の曳航」といいますとあの、刑法41条にて処罰対象外とされる13歳の少年たちが、よってたかって大人を殺しちゃう、三島由紀夫の小説ですね。三島作品なので、ある程度、解析的な図式によって構成されてます。未亡人である母と船乗りの男との凡庸な恋愛ドラマを描く心理小説の面がある一方で、主人公の少年が属するグループの「首領」少年の存在は、極めてドライで観念的。前者の面は大人の側で閉ざされていて、主人公の少年はそれを外部から眺め、大人の世界に憧れなり畏怖なりを感じている。それは子供らしいと言えるとともに、やはり観念的なものであり、それが「日常」によって実は汚染されていたことを知った時の憎悪が、衝撃の結末に結びついて行く。この観念(論理)と憎悪(感情)の結びつきが、物語小説としての肉付けの上手さ、他の三島作品と比べた完成度の高い低いはともかく、例えば「金閣寺」で主人公が放火に踏み切る過程よりも、この作品の方が、何となく「腑に落ちる」感じがするのです。で、この映画。なかなかよく出来てます。原作が良いんでしょう(笑)、では身も蓋も無いですが。原題は「午後の曳航」の英訳版と同じですから、「小説を映画化しました」であることは間違いなく、実際、細かいところで意外に原作に忠実です。一方で、大人側のドラマの比率を原作よりも下げて、少年の視点を中心にしているのは、これは映画化にあたり妥当なアプローチでしょう(母と船乗りのラブシーンで流れるバッハの有名なへ短調協奏曲が、ベタなメロドラマを演出)。「首領」の美少年ぶり、彼のカリスマ性がよく出ていて、そこがコワさでもあります。あるいは情景の美しさ。心理や感情を書き込む小説に対し、「美」を描き込むことで、古典悲劇みたいな論理性を映画らしく演出しており、ラストシーンのロングショットなんか、いかにも「ばっちりキメてやったぜ」という感じです。ただし「美」でキメ過ぎれば、鼻についたりもする訳で、そこに限界もあるのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-11 08:53:01)

66.  腰抜け二挺拳銃の息子 『腰抜け二挺拳銃』、ホント面白かったんですけどねえ。この続編モドキはもうお寒い限り。息子とかいう奴が登場し、親父の遺産がどうの借金がどうの、と、どうでもいい話が続いて、あとはひたすら寒々としたギャグの数々。何とかなりませんかねえ。というダメダメぶりなのに、ラストではとってつけたように、前作に負けじと本格アクションを見せようというのが、余計に腹立ってくる(笑)。ですが、ボブ・ホープの首がグルグル回ったり体がグルグル回ったりする物凄い特撮ギャグもあったりして、この時代にこんなことやってたのか、と、それなりに発見もあるかな、と。発見してもしょうがないですが。[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-03-18 00:00:43)

67.  コント55号とミーコの絶体絶命 うーん、「ミーコ」って誰なんだ。何がどう「絶体絶命」なんだ。まず、欽ちゃんと二郎さんが、本作では兄弟なんだそうです。この時点でだいぶ違和感ありますね。そんでもって、2人は市役所勤めなんだけど、弟の欽ちゃんはひょんなことから地元有力者の二号さんの超ワガママ娘に気に入られてどうやら玉の輿、出世の道まで開けてきちゃう。まあ確かに、地方自治って多分に私物化されている面がありますからねえ。一方、兄の二郎さん、筋金入りの守銭奴なんだけど、どうも最近、胃の調子が悪い。実際には大した病気ではないのだけど、ガンで余命いくばくもないと勘違いしてしまう。で、二郎さん自暴自棄なり一騒動、というオハナシ。この勘違いの原因のひとつが、欽ちゃんが間違えて他人の診断を二郎さんの診断と勘違いしたことにあり、まあコントでありがちなネタではあるのですが、この手のネタ、「余命わずかなのが自分でなくてよかった、他人でよかった」ってんだから、正直あんまり笑えません。そこは目くじら立てないとしても、変に社会風刺的な部分が、ちとストレート過ぎて理屈っぽく、ナンセンスな笑いに繋ぎ切れなかったり。楽天的な愉しさは、いいんですけどね。 それにしても、チョイ役ながら、和田アキ子の存在感と威圧感は凄い。道理で、芸能界で誰も頭が上がらん訳です。[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-03-02 21:14:17)

68.  コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ 大金を持って鹿児島から上京してきた、やや鈍重なところのある二郎さんと、江戸っ子で気風がいい、というよりノリがやたら軽い板前の欽チャン。ひょんなことから二人は意気投合し、新しい料理屋を構えようとするも、店舗購入には資金が足りず、そればかりかうっかり手を出した競輪でスッてしまって、前途多難。さらには欽チャンたちが住むアパートの立ち退き問題も巻き起こる。ってな内容は、さすがにこのタイトルからは想像できませんねえ。しかし「汗かきベソかき」ってのは、いつもコントで欽チャンに無理難題をふっかけられ訳の分らぬ奮闘を繰り広げてきた二郎さんにピッタリの歌詞。本作でも、演出なのやらホントの汗なのやら、大奮闘。「ボケに対するツッコミ」というより「ツッコミに対するボケ」みたいなところがあります(今でいうとサンドウィッチマンの芸風が少し近い?)。当然ながら欽チャンはさらに若く、実に溌剌。さらに脇を固める面々も賑やかで(キックの沢村に、浪曲社長の圓歌師匠、西村黄門様に仮面ライダー1号。マエタケもいれば、財津一郎も忘れないでチョ~ダイ。あ、そういえばチーターもいたけっか)、物語は手堅くって派手さはありませんが、実に楽しい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-16 10:14:52)

69.  腰抜け二挺拳銃 私がテレビでこの作品を観ていると、子供たちがやってきて、字幕が読めなくったって「ほんまアホやな~」とゲラゲラ笑いながら観ております。ちゃんと映像で笑わせてるんです。しかも笑いだけじゃない、ボブ・ホープ演じる主人公はアホな言動の末にアホな危機に何度も陥り、スリルある展開になってります。クライマックスの戦いなんて、ココだけ観たら“本格ウェスタン”かと思いますよね。何ともアホらしく何とも楽しい映画。ボブ・ホープが先住民の呪術医を投石で仕留めるワンカット、こういうバカバカしくも素敵な演出は、もう今の映画では見られませんね。[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-03 21:07:04)

70.  告発のとき トミー・リー・ジョーンズの武骨な顔に、抑えた表情。これがいいのです。感情をぶちまけることなく抑えているからこそ、さらに抑制された「無表情な言葉」で語られる真相が、ショッキングなものとなります。真相そのものは、ミステリとして捉えるならば実にストレート、ある意味平凡なものかも知れませんが、同時にこの上もなく残酷なものでもあります。そして、映画で繰り返される、息子との電話での会話、断片的な動画、そして道端の何かを捉えた写真、といったものが、最後に明らかになった真相とともに、強烈な意味をもって迫ってくる、その衝撃。悲惨な戦場と猥雑なアメリカとをつなぐのは、「息子」たちの無意味な死であった、ということ。やはり「息子」の母親である女性刑事を配置するなど、人物設定も上手く、見事な作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-03 23:36:58)(良:1票)

71.  コロンビアーナ リュック・ベッソンという人、世紀が変わる前にはそれなりに独特のポジションにいた(要するに「作家」だった)と思うのだけど、2000年前後あたりから、大量の作品のクレジットに名前を連ねるようになって、ワケがわからなくなっちゃった。単なる「ハリウッドに負けるまじ」で突っ走っているような(まあ実態はハリウッドに片足突っ込んでるようなものかも知れないけど)。そもそも、あれもこれも「脚本:リュック・ベッソン」となっているけれど、ホントに自分で書いてるのかよ、と言いたくもなる。まさかそのギモンに答えるため、という訳じゃあないだろうけれど、「確かにワタシが書いてますよ」と言わんばかりの作品が、コレ。『レオン』から始まって『ニキータ』になり、途中『ヤマカシ』風味も加わったかと思えば、ジェット・リー起用作品やトランスポーター・シリーズを思わせる格闘シーンもある。さらにフィルモグラフィを遡って、ベッソンといえば“海”でしょ、と思ってたら、サメが出てきたのは関係あるのか無いのか(無いでしょ)。という、いかにもベッソン好みという感じの要素に満ち溢れた作品で、ああ、やっぱりこういうのを描きたいんだよね、ハリウッドへの対抗意識ばかりじゃないんだよね、と。いっそ、今後はこのまま同じような作品を作り続けてもいいかも知れない。目指せ「フランス映画界の小津安二郎」。全然違うけど。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-09-16 13:38:14)

72.  この愛のために撃て 《ネタバレ》 巻き込まれ型サスペンス。主人公はどっちかというと冴えない感じのオッチャン看護師、ひょんなことから、臨月の妻を誘拐され、犯罪に巻き込まれていくのですが、緩急織り交ぜつつ短い尺の中で畳み掛けていくのが、なかなかのもの。アドレナリン注射イッパツで、こん睡状態の患者も一気に蘇り、映画全体にもアドレナリンが充満してフル回転。特に中盤の地下鉄構内での追跡劇が素晴らしく、そこでのオッチャン看護師の奮闘ぶりには、否が応でも引き込まれます。最後の付け足しのような後日談、一見蛇足のようですが、ラストの「もう自分たちには関係ない」と言わんばかりの主人公の笑顔が印象的で、蛇足どころか、やっぱりいいシーンなんですね、これが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 19:34:07)(良:1票)

73.  御存じ いれずみ判官 もうこれは、作品そのものが伝統芸能ですね。タイトルでいきなり「ご存じ」と言われましても困るんですが、いや実際「ご存じ」なんだから仕方がない。遠山の金さん映画です。途中の狂言シーンでは少し“桃太郎侍”が入った感じもありますが。と言う訳で、これぞ日本人のDNAに刷り込まれた定番の娯楽作品。と言いたいが、そうも言えないんですね。東映時代劇らしくムダに豪華なのは結構ですし、炎上シーンなどの見所もあるのですが、どうもオハナシが正直、要領を得ないのです。あれこれ小ネタのプロットを盛り込んで、ただでもゴチャゴチャしているのに(こうもゴチャゴチャしていると、要所要所でやたら都合よく金さんが登場する不自然さも、気になりません、気にする余裕がありません)、千恵蔵のセリフ回しが例によって気合い入りまくり、申し訳ないのですが、若干(笑)聞き取りづらいのです。いや正直に言います、何言ってるかわかりません(笑)。なもんで要するにこの作品、映画というより、伝統芸能なワケですね。細かいことは気にしなくても大丈夫、最後にはちゃんと(展開に無理やりなところ多々ありますが)お裁きの場となり、「金さんが証人になってくれます」「じゃあその金とやらを今すぐここに呼んでもらおうじゃねえか」といった感じのやり取りがあって…ああ、これ以上書くとネタバレですかね。そんなことないですよね、何しろ皆さんよく「ご存じ」でしょうから。そんな訳で、やっぱりこれは伝統芸能。とでも思わないと、ちょっと観てるのがツラいかな。格闘シーンなんかもすっかり様式化されてしまっており、千恵蔵が相手をちょっと小突けば(小突くいうより、相手の体にタッチしてるだけですけれど)、それはどうやら相手を殴った事を意味しているらしい、等々。伝統芸能にはお約束が多いのです。とほほ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-01-14 12:55:52)

74.  ゴジラの逆襲 セリフで怪獣名「アンギラス」が出てくるたびに、一緒に見ていた子供が「え?ハンギョラス?」。子供に見せる順番間違えました、先に『デスカッパ』なんか見せるんじゃなかった。さて本作、“ゴジラシリーズ”第2作であると同時に、“ゴジラ怪獣対決シリーズ”第1作とも言うべき作品な訳ですが、もうすでに亜流感がバリバリに感じられちゃう。まあ「次はぜひ大阪で」というこの単純発想、コバンザメ商法みたいな所が、大阪らしいと言えば大阪らしい、ついでに言うと映画一本、大阪でもたせられずに、早々に舞台が他へ移ってしまう(しかも宴会シーンにとって代わられてしまう)のが、もういかにも大阪のダメダメなところを見せられるような気が、私のような大阪出身者には感じられて仕方がないのです。いや大阪はそれでいいんですけどね、それが持ち味ですから。本作にもそのダメダメオーラが伝染ってしまってるのが、問題な訳ですね。いやもちろん、特撮は前作に劣らず素晴らしいです。御堂筋線淀屋橋駅の破壊シーンとか(ただし地上には大阪城以外にこれといったターゲットが無くって、84年単品ゴジラの後に怪獣対決復帰した『ゴジラvsビオランテ』でOBPが狙われたあの頃ぐらいまでは、大阪にはあまり高い建物が無かったのです。大阪駅前のマルビルも今では目立たなくなりました)。それはともかく特撮は良いのですが、それでも全体的には即席映画の印象がしてしまうのは、中身の乏しさ、緊張感の無さ。怪獣同士が人類などそっちのけで闘争を繰り広げ、街は無力にも破壊されていく、ってのはいいんだけど、パニック描写が形だけで全く気合いが感じられず、怪獣どもに蹂躙される悲劇がまるで無い。いや、「復興」の部分を作品で描いているユニークさは本来なら評価されて良いところかも知れないけれど、これじゃ、台風一過の晴天下に近所に散らかったゴミを片付けているかのようなレベルではないですか。いくら大阪人でもそこまで楽天的な訳では。あと、妙に高速の怪獣対決シーン。変と言えば変ですが、後のシリーズでも(特にこのあと2作くらいかな?)こういう要素は引き継がれてる部分がありましたよね。でもやっぱり、パペットマペットのコントでウシ君とカエル君がじゃれあってるみたいな感じがするのですが。[DVD(邦画)] 4点(2012-12-02 08:42:52)(良:1票)

75.  コナン・ザ・グレート ラジー賞候補だろうと何だろうと、シュワは彼の経歴の中において、多分、この作品で一番いい仕事をしてるんじゃないかと思います。ムキムキ度200%、ゴツゴツとした武骨で破壊力満点のアクション。鋼の剣でぶった切る、ハンマーで打ち砕く。切り損ねた剣が岩に当たって飛び散る破片に、大興奮しちゃいます。演技らしい演技をしない(できない)当時のシュワだからこそ可能な世界観が、ここにはありますね。生死紙一重の人生を生き残り、旅を続け、ついに仇を討った彼が佇んでいるその表情、それはまるで、時に動物映画に出てくる動物たちの表情に妙に人生の深みを感じてしまうように、もはや人間の役者には不可能な神秘の表情だと思います、ハイ。ただちょっと残念なのはポールドゥリスの音楽の貧弱さ。仰々しいテーマに見合うだけの書き込みが欲しいところ。 (あとどうでもいいけど先日のBS放送で妖怪オンナとのクダリがカットされてたのも個人的には残念だったナ。もっともそのお陰で子供と楽しく観賞できたけど)[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-09-09 08:39:41)

76.  コレクター(1965) いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)

77.  御用金 御用金の略奪を企む鯖井藩の陰謀と、それに立ち向かう浪人。と聞けばいかにも面白そうなんですけれども。ストーリー面では、それぞれの思惑を持ったさまざまなキャラクターが登場したり、アクション面では血しぶき飛び散る殺陣が展開されたり、と、そう聞くとこれまた面白そうなんですけれども。なのに、いまひとつ、乗り切れなくって。まず映画の雰囲気が妙に陰鬱なのもあるんだけど、登場するさまざまな登場人物たちの思惑、ってのが意外に活きてない。浅丘ルリ子(江戸時代の顔には見えない。ホステスにしか見えない)なんかも、事件の発端から絡んでいる重要な役割だったはずなのに、何だか「ストーリーの都合上、主人公を手助けする協力者が必要なので、登場させてみました」みたいな存在に思えてきちゃうし。映像も確かに凝ってる部分はあるんだけど、まさにそれが「部分」であって、単発的に「ここはこう撮ってみちゃったりしよう」的に、なんだかその場の思いつきの範囲内で「凝って」るようにも思えて、気持ちよく流れていかない。こういう映像から連想するのって、準備にあまり時間のかけられない“テレビ”の映像、ってことになっちゃうんですけれども……(実際、フジテレビ映画だったりする)。いや、面白くない訳ではないんですけどね。その面白さが、この程度でいいのか、と。ところでラストの丹波vs仲代の対決は……こりゃ一体何の儀式なのでしょうか(笑)。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-06-07 22:55:59)

78.  コンドル(1939) 映画開始から、次から次へとシーンを緊密に繋いで行く、その緊張感が圧巻、まるで映画の進行と実時間を合致させるかのような、いやそれ以上の濃密さ。船が着き、二人の男が現れ、一人の女が現れ、仲良くなり、と思ったら本当の主役が現れて二人の男は脇役に転落し、さらに二人のうちの一人が飛行機事故で命を落とし、悲しみに暮れるもやがて陽気な音楽へと変わって・・・と、立て続けに様々な事件が描かれていき、映画開始から「シーンの連続」が繰り広げられるおよそ30分。ようやく、時計のアップが写って時間経過の描写が省略され、ほっと一息といったところ。ジーン・アーサーが魅力的ですなあ(原節子に見えてしょうがない)。しかし彼女は決して映画の中心軸とはなりえず、さりとてヒーローたるケーリー・グラントすらも、困難なミッションを前にケガによって中心軸の座を明け渡す。と言う訳で、みんながヒーロー。ってのが、いいですね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-23 23:48:09)

79.  コクーン 《ネタバレ》 こどもが「イカのおすし~」という歌を歌ってる(各地で色々なバージョンがあるらしく、奈良では「イカのおすし一人前」と言います)。子供が身を守る方法の語呂合わせで、「イカ=知らない人に付いてイカない」。知らない人どころか、知らない宇宙人に、宇宙の果てまでついて行っちゃうなんて、不用心も甚だしいではないですか(しかもその宇宙人、およそ悪徳業者にしか見えぬB・デネヒーだったりするし)。ってのがこの映画。高校の頃、テレビ放送された際に、映画自体の印象よりも、授業中に教師がエラく「面白かった」と感心してことの方が(この教師の授業は、大半が雑談としか思えない話だった)印象的でした。私はこの時、正直ピンと来なかった……しかし後で思えば、この「ピンと来ない」感じこそが、あの教師が感心していた点だったのだと思えてきて。プールに忍び込んで、水泳を楽しむ老人たち、泳ぐほどに不思議と元気になる。実はそこは、かつて地球に取り残された仲間の救助のためにやってきた宇宙人のアジトで・・・宇宙人と知り合った老人たちは、彼らに誘われるまま宇宙に旅立っていっちゃう、というお話。確信犯的に強引なる叙事詩。コレってまさに「お伽話」ですよね。「昔々、爺さんと婆さんがいました」に始まり、「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」という結末に向って突き進む。“いつまでも幸せに暮らせる訳も無かろう”なんぞという疑念も、そこには無い。また、その過程においては、“若返り”という形而上的な事件があり、「宇宙に行く」という素朴な決断があるだけで、「なぜだろう」という疑問も「どうすべきだろう」という悩みも無い。ただ、お伽話らしい残酷さは備えていて、老人たちの軽はずみな行動により、“繭”の中に眠る、無力で無垢で赤ん坊のような宇宙人の命があっさりと奪われてしまう。しかも宇宙人たちはこの顛末に怒り狂うどころか、ただ静かに涙を流すのみ、しかも「ちょうど席が空いたから」と老人たちを宇宙の旅に誘う、ってんだから、これはもう残酷なまでの“いい人”ぶり。これだけ無条件に“いい人”として描かれてしまうと、地球人である我々には逆に、何ら弁解の機会が与えられず、何とも言えぬ居心地悪さがあるんですよね。とどめをさすように、老人たちまでもが地球を去って行って、はいオシマイ。ものすごーく「取り残された」感じの残る終わり方・・・。まあ、妙な映画もあったもんです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-22 01:38:08)

80.  コクーン2/遥かなる地球 『コクーン』という、「はいこれでオシマイ」と先を語らずに完結させてしまってこそ価値のある作品に対して、なんとか強引に続編をデッチ上げてしまおうという、この涙ぐましさ。脚本家、エライと思うけど、それに付き合う我々も少しホメて欲しいなあ。そもそも、この宇宙人たちの時間軸は地球人とは全く違っていて、次回地球を訪れるのはまた1万年か10万年先なんだろう、と思いきや、たった5年で戻ってきちゃう、という、著しくスケール感を損なう設定。そりゃないでしょ。せめて、老人たちが宇宙で何をしてましたとかいう下世話な話は描かないとしても(ある夫婦は、今回帰還する前に一度コッソリ地球に帰って『ニューヨーク東8番街の奇跡』に出演していたらしいが)。しかし、老人たちが久しぶりに地球に帰ってウキウキと遊び倒すオハナシが延々と続くのもどうかと。前作を貫いていた確信犯的な力学がここには無く、どうも全編弛緩した印象を受けてしまう。囚われの宇宙人を救出するクライマックスも随分あっさりしていて(そりゃま、あまり唐突にドハデに盛り上げてしまっても困るんだけど)、なーんか物足りん。結局のところ、一度宇宙に旅立った老人が「今回は地球に残る」ってのが、アホらしいんだと思います。安っぽいんだと思います。テキトー過ぎるんだと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-19 17:34:38)

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