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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ゴモラ 《ネタバレ》 現実のマフィアには美学も仁義もない。あるのは、よれよれのシャツを着た汚らしい中年男が御山の大将気取りで犯罪行為で生計を立てているに過ぎない。ハリウッドのセレブ愛用のイタリア製ドレスが実は中国からの不法移民によるものだとか。メイド・イン・ジャパンの100円グッズをありがたる日本からすれば笑えない。外国人労働者を安くこき使えばそれも日本産だからだ。『スカーフェイス』に憧れる少年二人も愚かそのもので、死体を天に掲げるブルドーザーが、旧約聖書に記されたゴモラに対する皮肉に思えた。暴露した作者は現在も警察に保護されているという。先進国ですら一歩道を踏み外せばこんな世界があり、声をあげてもかき消される現実。今日もテレビには、上っ面のナポリが映し出されている。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-27 20:02:54) 2. GO(2001・行定勲監督作品) 邦画賞レースでそこまで絶賛される内容なのかな? かつてハリウッドでホロコーストものが崇められていたようなニオイを感じる。ネットの普及してない当時、"在日朝鮮人"という概念にあまりピンと来なかったとはいえ、帰属意識や自我の確立といったテーマの見せ方にとりわけ惹き付けられるものはなかった。青春映画としても印象に残らない。役者陣は好演だが。[DVD(字幕)] 5点(2015-08-05 21:12:39) 3. コード・アンノウン 《ネタバレ》 「コード・アンノウン」=「解読不能」というタイトルが示す通り、群像劇のスタイルを取りながらも一本の話に繋がらず、むしろほぐれてバラバラになっていく構造。冒頭と最後の子供たちの手話が象徴するように、コミュニケーションの不和により不幸に陥るか振り出しに戻る、ハネケらしい一本。最初の長回しで、乞食の女性にゴミを投げつける青年を見かねて、義憤で注意しようとする黒人も、偏見で話を聞いてもらえず、乞食の女性はルーマニアに強制送還される。地下鉄の件もそうで、中東系のチンピラが女優に唾を吐きかけ、同じ移民の老人が「恥を知れ」と止めるシーンでは、そうなる前に何故行動を起こさないのか。それは、善意でやったことが逆に状況を悪化させることを繰り返し経験していて、学習性無力感に陥っている、そんな移民問題も背景にあるのだろう。BGMもない映画で唯一、太鼓のセッションが疾走感溢れるビートを刻んで、一際印象に残る。グワングワンと鳴り響く終わりなき負のスパイラルに観客を放り込み問いかける。現在のイスラム系移民の対立や日本で検討される移民政策も他人事ではない。ハネケ入門編に最適。中級者にはちと物足りない。[DVD(字幕)] 5点(2015-06-09 19:31:42) 4. コーヒー&シガレッツ ジャームッシュ初体験。ブラックコーヒーと煙草をガバガバ味わう人には堪らない映画だろう。白黒の室内で繰り広げられる他愛の無い会話に、大きな山場もなく終わる、ハリウッドとは真逆のスタイル。オムニバス形式のため、どこが面白いかは人それぞれ。RZA絡みがちょっと面白かったが、退屈で合わないかも。偶然テレビで流れていたから見た程度で丁度良い。[DVD(字幕)] 4点(2017-04-28 19:21:28) 5. 恋空 《ネタバレ》 ここまで褒めるところのない映画も珍しい。上下巻に分かれる長編を2時間強にまとめても、さらに薄っぺらいという。感情移入する暇もないままシーンが矢継ぎ早に飛び、かと思えば様々なエピソードもどうしようもないくらい空虚。「俺の愛の力だ」とか笑わせる場面なんですか、これ。経験したこともないレイプ、流産、恋人の病死等をダシにして、不幸のヒロインとして周囲から崇められたい作者(=主人公)の過剰な自己顕示欲が見えて怒りを通り越して呆れ果てた。せめてそのストーリーで通すなら、新垣結衣がオールヌードで濡れ場を演じたり、三浦春馬も10kg減量して頭髪抜くくらいの役作りでもしてくれたら3点ほど加点しても良い。もっとも事務所がそれを許さないし、脳内お花畑な女子中高生をカモに突貫工事で映画作っても儲かることをある意味証明したようなものだ。あの『ダークナイト』の2倍の興行成績というあたり、粗製乱造でも大ヒットしてしまう邦画界の未来は暗い。エンドロールに流れるミスチルのスコアが虚しく響き渡る。[DVD(邦画)] 0点(2015-01-10 19:27:47)(良:1票)
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