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プロフィール
コメント数 1879
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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21.  インフェルノ(2016) 《ネタバレ》 お馴染みラングドン教授シリーズ第三作目。このシリーズは原作の分厚い小説ありきなので、毎回ネタや謎解きやアクションがパンパンにてんこ盛りなのが良いのか悪いのか…。まあなんも知らんと観る分にはぼちぼち楽しめるかな。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-17 22:28:01)

22.  生きうつしのプリマ 《ネタバレ》 ドイツで歌手として活動するもののいまいちパッとしない日々を過ごすゾフィ。酒場での専属歌手の契約も切られ、恋人ともマンネリ気味、生活のために続けているウエディング・プランナーも他人ののろけ話を延々聞かされるストレスフルな毎日。そんなある日、彼女は父親から呼び出されある人物の写真を見せられる。その人物の名は、カタリーナ。NYでオペラ歌手として活躍する有名な女性だった。一見、自分とは何の関係もなさそうに見えるその人だが、彼女の顔を見たゾフィは衝撃を受ける。一年前に死んだ自分の母親と全く瓜二つなのだ。「どうだ、まるで双子だろう。お願いだ、今すぐ真相を確かめてくれ」。父親から半ば強制的にそのカタリーナへと会いに行くように命じられたゾフィは、恋人とも別れ、NYのメトロポリタンへと赴く。何とかしてカタリーナと会う機会を得たゾフィ、見れば見るほど彼女は自分の母親そのものだった――。果たして彼女は何者なのか?突如として発見された、自分の母親とそっくりなプリマを巡って翻弄される親子のドラマを淡々と描いたヒューマン・ミステリー。監督は、かつて歴史の闇に埋もれていた哲学者の苦悩を描いた佳品『ハンナ・アーレント』を撮ったマルガレーテ・フォン・トロッタ。というわけでけっこう期待して今回鑑賞してみました。うーん、前作に続き抑えた演出と全体に漂う品のいい雰囲気には好感が持てるものの、僕はいまいち嵌まらなかったですね、これ。なんか脚本がいささか強引に過ぎるような気が。実の母親と瓜二つということはやはり一卵性双生児なんだろうなと思いながら見ていたのですが、実際の真相はそうじゃなかった。その驚きの真相を知った僕の率直な感想は、「え、それでそこまで似る?それに、主人公もただ似ているというだけでそこまでするかなぁ」というものでした。もう一つくらいゾフィの行動にしかるべき理由があっても良かったのでは。ここらへん、もうちょっと説得力を持たせてほしかった。ミステリアスで品のいい雰囲気は良かっただけに惜しい![DVD(字幕)] 5点(2017-10-25 11:52:14)

23.  イレブン・ミニッツ 《ネタバレ》 とある高級ホテルを舞台に、そこに集う様々な人々の11分間のドラマをモザイク状にして描く複雑な群像劇。この監督の前々作『アンナと過ごした四日間』がけっこう好きだったので今回鑑賞してみました。率直に言うと、さっぱり面白くなかったです。映画って監督の創作スタイルによって主に二種類に大別されると僕は思うのです。それは娯楽性に重きを置いたものと芸術性を重視したもの。前者の場合、作品にもっとも必要なのは徹底的な分かりやすさと有無を言わさぬ面白さ、一方後者に必要なのは多くの観客を置き去りにするくらいの難解さや独創性を有しながらそれでも一部あるいは多くの人の心に残る深いテーマ性です。本作は、恐らく後者。その場合でも映画として物語の中に必要最低限の因果律が働いていなければ駄目だと僕は思うのです。本作には、その因果律を働かせるための必要最低限な情報量が足りていない。たくさんのキャラクターが登場しそれぞれにドラマがあることは分かるのですが、全てにおいて具体性が欠落しているため一向に物語が入ってこない。わざと分かりやすさを排除したというのであれば、それを補うための例えば詩情溢れる豊かな映像美だとか知的好奇心を刺激する独創性などがあってしかるべき。ですが、本作にはそれが一切ない。大して面白くもないお話がだらだらだらだら垂れ流され、最後まで何のメッセージ性も残さずに終わってしまいました。残念ながら、これでは監督の独り善がりというほかありません。正直、芸術性以前の問題です。[DVD(字幕)] 4点(2017-08-20 00:06:32)

24.  インデペンデンス・デイ: リサージェンス 《ネタバレ》 あの伝説のSFおバカムービーが、規模も製作費もCGもつまらなさもアホらしさも何もかもスケールアップして帰ってきました!4点!![DVD(字幕)] 4点(2017-05-27 21:40:24)

25.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 ジェイ、こんな酷いことをしてすまない。ただ、君にこれが現実だと知ってほしかったんだ。落ち着いて聞いてくれ。ある〝もの〟がつけてくる。俺が感染したそれをさっき車の中で君に移した。それは様々な人の姿を借りて君についてくる。時にそれは君の愛する人の姿を借りて現れることも…。逃れることは出来ない。だが、それは常に歩いてやってくる。頭はいいが動きは鈍い。逃げ道はいつでも確保しろ。殺されたくなければ、なるべく早く誰かと寝て相手に感染させろ――。ブロンドヘアがキュートなティーンエイジャー、ジェイ。最近できた、優しく格好良い彼氏と車の中で結ばれた彼女だったが、直後に睡眠薬を嗅がされて気を失ってしまう。車椅子に拘束され、何処かの廃ビルの片隅で目覚めたジェイは、豹変した彼氏にとても恐ろしい事実を聞かされる。もちろんすぐには信じられないジェイ。だが、夜の闇から〝それ〟は現れ、ゆっくりとだが確実に彼女に迫ってくるのだった…。とてつもなく怖いと口コミで評判となり、全米で異例のスマッシュヒットとなったホラー作品。なるほど、確かに怖いですわ、これ。低予算ながら、無駄を削ぎ落したシンプルなストーリーで、とにかく観客に怖がってもらおうという監督の意図がばっちり決まってます。半裸の女の子がおしっこ漏らしながら迫ってくるとこなんて、こっちが漏らしそうになったし(笑)。主人公の背後、最初は遠いところにいたそれが徐々に近づいてくるとこなんかもじっとりと怖い。これまでのハリウッドのように恐ろしい怪物がドカーンと襲ってくるんじゃなくて、じわじわと迫ってくるこの怖さはどちらかというと日本的かも。こういうB級ホラーに不可欠なエロ要素も下品になり過ぎないちょうどいい匙加減でした(主人公の下着姿、なかなか健康的なエロ具合で大変グッド笑)。ただ、残念なのはやはり最後のプールの展開かなぁ。もうちょっと盛り上げてくれたら文句なしの傑作だったのにね。でも、独特のカメラワークとか音楽とか独自のセンスをビシバシ感じるし、もしかしたらこの監督将来バケるかも。うん、今から次作が楽しみな才能に出会うことが出来ました。7点![DVD(字幕)] 7点(2017-04-15 14:45:33)(良:1票)

26.  インサイド・ヘッド 《ネタバレ》 父親の都合でそれまで暮らしてきたミネソタの田舎町から突然、大都会サンフランシスコへと引っ越すことになった11歳の少女ライリー。ところが夢見ていた新居は薄汚れた狭いアパート、おまけに引越し業者の手違いで荷物は一向に到着せず、優しかったお父さんもお母さんもずっとイライラしっぱなし。おまけに転校した先の学校では新しい友達にもうまく馴染めず、ライリーの心はどんどんと沈んでゆくのだった。そんなライリーの頭の中をこっそり覗いてみると――。そこには常に天真爛漫なヨロコビ、いつもめそめそしているカナシミ、いつだって不機嫌なムカムカ、絶えず不安なことを考えてしまうビビリ、今にも噴火しそうなイカリ、そんな個性豊かな〝感情〟たちがライリーを見守っていたのだった。ところがある日、カナシミとヨロコビが頭の中の司令室から飛び出してしまう……。いまや3Dアニメーションの代名詞とも言えるピクサーの新作は、そんな一人の少女の頭の中を想像力豊かに擬人化した冒険活劇でした。自分、こういう少女の頭の中をファンタジックに映像化した作品に弱いんですよね~。記憶の貯蔵庫や映画撮影所のような夢製作現場、見ているだけでワクワク感が止まらないイマジネーションランド等々、彼女の頭の中がとても魅力的な舞台として視覚化されていてすんごく良かったです!ライリーの頭の中だけが舞台なのかなと思いきや、途中、お父さんやお母さんの頭の中も見せてくれたり(しかも、お母さんの頭の中はカナシミ、お父さんの頭の中はイカリがそれぞれ主導権を握っているところなんか凄くリアル)、ガムのCMソングがどうしても忘れられないと思ったら作業員が毎回司令部に戻していたりと遊び心も満載で大変グッド。特に僕は、近道として抽象概念の部屋に入った主人公たちがどんどんと単純化された二次元アニメになって最後は色と物だけになるという、ポップとシュールが渾然一体となったマジカルなシーンにもう痺れちゃいましたわ。ただ一つ不満な点を挙げるとすれば、物語で重要な役割を果たすビンボンというキャラクターが正直微妙でいまいち魅力を感じなかったところですかね。もうちょっと可愛くすれば良かったのに…、と思ってしまったのは僕だけなのかな。とはいえ、思春期に差し掛かった少女が如何にしてままならない現実と折り合いをつけ大人になってゆくのかという、考えてみればとても深いテーマをこれだけのエンタメ作品に仕上げてしまうピクサーの手腕にもはや脱帽です。うん、8点![DVD(吹替)] 8点(2016-08-22 23:55:16)

27.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 「ドイツ軍がこれから行う奇襲攻撃や爆弾投下、神出鬼没のUボート攻撃、全ての指令が今この空中を飛び交っている。これらの無線信号は受信機さえあれば子供でも傍受出来る。だが、その内容は高度に暗号化されている。その組合せは、159×10の18剰通り……。10人が1分間で一つの組合せを試し、1日24時間、週7日休みなく続けても、全てを調べ終わるのに2000万年もかかるのだ。しかも、それは1日のはじめに全て設定しなおされてしまう…。それが、ナチスドイツが開発した世界最高峰の暗号化システム、エニグマだ」――。本作は第二次大戦中、英国諜報部の極秘指令を受け、そんな難解な暗号化システムの解読に成功したものの長らく極秘扱いにされ、歴史の闇に埋もれていた天才数学者アラン・チューリングの生涯を描いた伝記映画だ。なるほど、数々の賞を受賞しただけあって、堅実に創られた歴史ドラマとしてなかなかよく出来ている。アラン・チューリングという天才的な頭脳を有するものの、人間としては社交性ゼロ、偏屈な変わり者が如何にして仲間たちと協力し合いエニグマという世界最高峰の暗号を解読することが出来たのか?また、第二次大戦の終結を2年は早め、多くの人命を救ったばかりか現代のコンピューターの原型と呼ぶべきシステムを開発したのに、何故それが何十年も極秘扱いされてきたのか?そんな興味深い内容であるもののいかんせん地味になりがちなテーマを極めて分かりやすく、かつ魅力あるドラマとして描き出すことに成功している。主人公の人格形成に大きく影響を与えた少年時代、仲間とともにエニグマ解読に全精力を捧げた第二次大戦下、そして、その抱えた秘密によって不遇の晩年を余儀なくされた終戦後…。ともすれば空中分解しそうなそんな三つのエピソードを、極めてバランスよく配置したその物語構築の手腕は高く評価されるべきものだろう。観客の好感を得られにくい偏屈な数学者という難しい役柄を、一人の人間として見事なまでに演じきったB・カンバーバッチの仕事ぶりも大したものだった。ただ一つ難点を挙げるとすれば、それはK・ナイトレイが演じたアランの婚約者、ジョーンの存在だろうか。同性愛者であった主人公がどうしてそこまで彼女に執着し、あまつさえ婚約者となって引き止めたのか。そこにいまいち説得力が感じられない。ここらへんをもう少し丁寧に描いてほしかった。とはいえ、歴史の荒波に翻弄され、不遇の人生を歩まざるをえなかった一人の偉人の生涯を現代に甦らせた本作の業績は称賛に値する。なかなかの佳品と言っていい。[DVD(字幕)] 7点(2016-07-21 21:50:42)

28.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 意地悪な継母と義理の姉たちにいじめられ、森の向こうにあるお城の舞踏会に行きたくても行けない少女の物語――『シンデレラ』。貧乏暮らしから乳の出なくなった牛を売ろうと森を彷徨い歩き、魔法の豆と交換する少年の物語――『ジャックと天空の巨人』。森の中に住むおばあちゃんにパンを届けようとするものの、そこで待っていたおばあちゃんに化けたオオカミに食べられる女の子の物語――『赤ずきん』。母親を騙る魔女によって高い塔の頂上に閉じ込められた、長く美しい金髪を持つ少女の物語――『塔の上のラプンツェル』。誰もが知るそんな四つのおとぎ話に、魔女の呪いを解こうと彼・彼女たちの手にした重要なものを求めて暗い森の中へと足を踏み入れるパン屋夫婦の物語を絡めて描き出すミュージカル作品。ジョニー・デップとメリル・ストリープが夢の競演ということで、『シカゴ』という素晴らしい作品を撮って以降いまいちパッとしない印象のロブ・マーシャル監督の作品だったけれど今回鑑賞してみました。うーん、やっぱりいまいちパッとしない作品に仕上がってましたね、これ。何が駄目かって、そんな五つの物語が同時並行的に描かれるのですが、その中心を貫くようなものが一つもないせいでただごちゃごちゃと取っ散らかっただけの印象しか残らないところでしょう。つまり、観客が感情移入できる登場人物が一人も居ないんですよ。本作において、その役割を担い観客をぐいぐい引き込む狂言回しとなるはずのキャラクターはきっとパン屋夫婦になると思うのですが、いかんせん彼らがその役割を放棄しちゃってるせいでちっともこの世界に入り込めません。異世界を描くファンタジーにとってこれは致命傷と言ってもいいでしょう。個々の物語も肝心の要所要所を端折っているうえに、変なアレンジを施しているせいで矛盾や突っ込みどころも多く、とてもじゃないけど面白いとは言い難かったです。あと、個人的に赤ずきんちゃんを演じた女の子が全く可愛くないくせに物凄く小生意気なところが観ていてとても不愉快でした。肝心のジョニー・デップも早々に退場しちゃうし、良かったところと言えばメリル・ストリープの堂々とした魔女っぷりくらいでしょうか。ロブ・マーシャル監督、やっぱり『シカゴ』は奇跡の一品だったんでしょうね。[DVD(字幕)] 3点(2016-04-09 15:53:49)(良:1票)

29.  インヒアレント・ヴァイス 《ネタバレ》 トマス・ピンチョン――。それは現代アメリカ文学を代表する作家であり、何度もノーベル文学賞の候補となりながらも、その極度の偏執的な性格のせいでプロフィール完全非公開、誰からのインタビューも受けず高名な文学賞授賞式にも一切出席せず、顔写真すら公表していない孤高の覆面作家だ。そして代表作――寡作なので、何十年という作家生活の中でもその全体の作品数は数えるほどしかないのだが――と呼べる幾つかの作品もその経歴以上に難解で前衛的で多くの謎に満ちていることでも知られている。本作はそんな孤高の作家の代表作を、これまた現代ハリウッドでも特異な位置に居るポール・トーマス・アンダーソン監督が、豪華キャストを揃えて映画化したものだ。観終わってすぐの率直な感想を述べるならば、「凡庸」。この一言に尽きるだろう。ピンチョンの作風を言い表すとき、よく〝パラノイア(偏執狂)〟と表現されるほど徹底的な独自性と有無を言わさぬ破壊力に満ちているというのに、ポール・トーマス・アンダーソンともあろう者がこのような凡庸な出来で満足するとはどうしたことだろう。ただただ思わせぶりで大して面白くもない映像が延々と続き、正直、僕は最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方なかった。原作のことを前提に考えるならば、もっとぶっ壊れていてしかるべき!もっとエキセントリックでアナーキーな内容を追求してこそ、これまで映像化は不可能と言われ続けてきたピンチョンの原作を映画化したと初めて言えるのに、これでは到底認められない。たとえばテリー・ギリアムの作品に『ラスベガスをやっつけろ』というのがあったが、あれも映像化は不可能と言われた原作を映画化したこともあって完成度は必ずしも高くはないのだが、それでも他の追随を許さない圧倒的なオリジナリティを構築した監督のその気概に僕は震えたものだ。対して本作のこの凡庸ぶり。かつて『パンチ・ドランク・ラブ』という怪作を撮った彼がピンチョンの『LAヴァイス』を映画化したということで、かなり人を選ぶぶっ飛んだ内容を期待していた僕としてはかなり残念な作品であった。[DVD(字幕)] 4点(2015-12-28 21:52:21)(良:1票)

30.  イントゥ・ザ・ストーム 《ネタバレ》 のどかな田園風景が拡がるアメリカのとある田舎町。気のいい純朴な人たちがのんびりと暮らすそんな平凡な田舎町だったが、最近は地球温暖化の影響か、以前では考えられないほどの強大な竜巻が何度も発生するようになっていた。いつ何時強大な竜巻が発生するか分からないこの町にその日、様々な思惑を抱えた人々が乗り込んでくる。竜巻を追う女性気象学者、大金を得るため竜巻の映像を撮ろうと目論むフリーのカメラマン、卒業式を目前に控えた高校生の兄弟、彼らの父親で生徒の規律をもっとも重んじる教頭、そして何も考えずにただ目立ちたいという理由だけでユーチューブに画像をアップする馬鹿二人組――。史上最大規模にまで膨れ上がった竜巻によって彼らの平凡な生活は無残にも破壊の限りを尽くされるのだった……。最新のCG技術を駆使して描かれる本作は、そんな王道のパニック・アクションでした。もうそのストーリーを聞いただけで内容のほぼ大半は予想できる典型的なB級作品なのですが、こういう頭空っぽにして最後まで安心して観ていられるエンタメ映画もけっこう嫌いじゃないんで、今回ビデオ屋さんでレンタルしてきました。とまあ、ほとんど期待せずに観始めたのが功を奏したのか、けっこう面白かったです、これ。カメラマンが撮った映像や携帯の動画撮影、監視カメラの映像等々、POV手法を要所要所に差し挟む演出が抜群に利いていて、造り込まれた迫力のCG映像も相俟って、なかなか緊迫感溢れる展開に最後までけっこう釘付け。「すぐそこまで竜巻が迫ってきてるぞ!お前ら、早く逃げろー!」と思わず町の住民になったかのように胸の中で叫んじゃってましたし。所々、「これって完全に『ツイスター』のパク…、オマージュやん!」ってシーンがあるのはご愛嬌(笑)。親子の確執や人のために働く気象学者と大金を得たいだけのカメラマンとの対立など、人間ドラマとしてもそこそこよく出来ています(まあ、超ベタですけどね)。というわけで、完全なるB級エンタメ映画として僕は最後まで面白く観ることが出来ました。うん、7点![DVD(字幕)] 7点(2015-11-09 13:50:36)

31.  インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 《ネタバレ》 1961年、ニューヨーク。売れない若手歌手ばかりが集うカフェで夜な夜なフォークギター片手にステージで歌う男、その名もルーウィン・デイヴィス。いずれ有名になることを夢見ていた彼だったが、コンビを組んでいた相棒を自殺でなくしてからは酒と女に溺れる鬱屈した日々を過ごしている。そんなある日、彼はひょんなことから知り合いの大学教授の猫を預かることになる。とはいえ彼はその日泊まる家すらままならないどん詰まりの毎日だ。一日だけでも泊めてもらおうと友達夫婦の家に向かうルーウィン。だが、応対に出た奥さんは彼のことを見るとかんかんに怒りだしてしまうのだった。「私、妊娠したみたいなの!きっとあなたの子よ!」――。そう告げる彼女の言葉に心当たりのあるルーウィンは、ちゃんと中絶費用を払うと約束するのだが、どう捻出したらいいかすら分からない。音楽活動も一向に芽が出ず、友達とも喧嘩ばかり、さらには預かっていた大切な猫さえ逃げ出してしまい……。そんなどん底を這いずり回るような日々を過ごす彼の人生に、果たして光は差すのか?いまや重鎮の風格さえ漂うコーエン兄弟の新作は、そんな愛すべき駄目男のどうしようもないトホホな日々を描いた佳品でありました。彼らの相変わらず冴えに冴えわたった演出はもはや抜群の安定感。女にも金にも酒にもだらしないどうしようもない駄目男の日常に、コーエン兄弟お得意のユーモアとペーソスが絶妙なバランス感覚で配合されていて観ていて大変微笑ましかったです(実際に知り合いにこんなヤツがいたら迷惑千万なんですけどね!笑)。もうやることなすことことごとくが裏目裏目に出てどんどんと不幸になっていくのですが、そのほとんどがまぁこのルーウィン・デイヴィスというアホ男の自業自得なので全然同情しなくて済むという設定が秀逸。特に、ジョン・グットマン演じる超胡散臭い男とのロードムービー的展開になるトコなんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎて何度も笑っちゃいました。そんな徹底的に駄目な男なのに、それでも音楽に対する情熱と自殺した元相棒に対する友情だけは決して失わないところがなんとも魅力的。僕は最後まで彼に好感を持って観ることが出来ました。「君は確かに巧い。音楽に対する情熱も素晴らしい。ただ、君の音楽には心に響くものがまるでない」。劇場のオーナーにそうとどめの一言を言われてしまった彼の人生に、それでもこれから先ほんの少しでも光が灯ることを願ってやみません。自分にとってはつらい毎日でも、客観的に見れば面白い人生なのかもしれない。そう思わせてくれる佳品でありました。[DVD(字幕)] 7点(2015-11-06 22:52:09)

32.  イコライザー 《ネタバレ》 再就職したばかりのホームセンターで地道に働く中年男性マッコール。古いアパートに独りで暮らし、真面目で面倒見の良い彼だったが過去の経歴はほとんど謎に包まれている。そんなマッコールの唯一の心の慰めは、深夜のファミレスで紅茶を飲みながらの静かな読書。ある日、彼はそこで荒んだ生活を送っている若い娼婦テリーと出会う。「ねえ、どうして本ばかり読んでいるの?」。これから客と会う憂鬱を紛らわすかのように、彼女はそんなマッコールに話しかけてくるのだった。お互いの孤独を埋め合わせるように次第に仲良くなってゆく2人。やがて、マッコールは昔最愛の妻を亡くしたことを、テリーは実は歌手を目指していることを打ち明けるのだった。だが、ある夜、テリーは顔を腫らして店へとやって来る。「あたし、客とトラブっちゃった…」と話す彼女に心配を募らせるマッコールだったが、数日後、売春婦たちの元締めである冷酷なロシアン・マフィアによってテリーは半殺しの憂き目に遭い、病院に入院したことを知るのだった。悪い奴らは絶対に許さない――。マッコールは、葬り去っていたはずの過去の記憶を甦らせて、単身、そんな街のゴミのようなロシアン・マフィアたちの根城へと乗り込んでゆく……。昔から、このアントワン・フークワって監督さん、こんな感じの男臭~~~いまさに僕好みの男の男による男のためのエンタメ映画を幾つも撮ってきた人。そんな彼がこれまたまさに“漢”を演じさせたら右に出る者の居ないデンゼル・ワシントンと再びタッグを組んで製作したという本作、けっこう期待して今回鑑賞。結果は……、すんません、僕はちょっとノレませんでした、これ。うーん、なんだかこのD・ワシントン演じる主人公があまりにも無敵すぎやしません?たった一人でロシアン・マフィア5、6人を19秒で皆殺しにしちゃうまではよかったのですが、そこから悪徳警官は懲らしめちゃうし、組織から送り込まれてきた凄腕の殺し屋たちにたった一人で立ち向かっちゃうし、本筋とは無関係の単なる強盗もきちんとやっつけちゃうし、石油タンカーは爆破しちゃうし、挙句本国にまで乗り込んでボスまで殺しちゃうって…、どんなけスーパーマンやねーん(笑)。ちょっとあまりに荒唐無稽すぎて、僕はいまいち楽しめませんでした。それに、クロエちゃんの出番、少なすぎ!!てか、物語の発端となる彼女が途中から完全にどっか行っちゃって、最後に申し訳程度に再登場するのも脚本的にどうなのかななんて僕は思っちゃいました。ま、これは好みの問題なのだろうけど、僕はもう少しリアリティに裏打ちされた作品の方が好きです。フークワ監督の次回作に期待![DVD(字幕)] 5点(2015-08-06 22:01:50)(良:1票)

33.  インフォーマーズ セックスと偽りの日々 《ネタバレ》 80年代、ハリウッドの上流階級で“酒とセックスとドラッグ”に溺れるセレブたちのどうしようもない自堕落な日々を、豪華なキャストをそろえてスキャンダラスに綴った青春群像。――と、言えば聞こえは良いのだけど、僕の理解力が乏しかったのか、それとも本作のスタッフたちが人様からお金を頂いてさらには貴重な時間を割いてまで観てもらう映画表現とはなんなのかという基本中の基本を全く理解していないお粗末な人たちだったのか、いったい誰が主人公でそこにどんなストーリーが展開され、いかなるメッセージを観客に伝えたかったのか、最後までさっっっっっっぱり理解できない、もはや映画と呼ぶのさえ躊躇われるほどの「クソつまんないショボ映画」でしたね、これ。あの最初に車に轢かれる男はなんだったの?浮気性のビリー・ボブ・ソーントンは何で嫁と縒り戻そうとしながら、一緒に浮気相手のパーティに行こうと(普通にアホやん!笑)したの?あの謎のロックコンサートシーンは何の意味があったの?あの子供を誘拐しちゃうミッキー・ロークの意味不明なエピソードは何?そして、あの誰とでもセックスしちゃう糞ビッチなおねーちゃんは結局エイズになって死んじゃったってわけ?誰か僕に本作のストーリーを簡潔に分かりやすく説明してください(笑)。もうとにかく意味不明、理解不能。久し振りに、人生というかけがえのないものの中の98分という大切な時間をドブに捨ててしまったと胸を張って言えるクソつまらない映画と出会ってしまいました。ほとんど裸で過ごしていた、あのビッチなおねーちゃんがなかなかの美乳だったので2点…、にしようかなと思ったけど、やっぱりここは厳正なる評価(だっておっぱい見たいなら普通にAV観ればいいもん!笑)をさせていただきます。1点!![DVD(字幕)] 1点(2015-01-29 18:56:58)

34.  インターステラー 《ネタバレ》 僕のこよなく愛する『インセプション』という傑作を撮ったクリストファー・ノーラン監督の最新作にして3時間に迫るSF大作ということで、久し振りにわざわざ映画館へ――。結論を言うと、無茶苦茶面白かったです。圧倒的なスケールで描かれる壮大な世界観、イマジネーションが奔流のように迸るスタイリッシュで洗練された美麗な映像、哲学的で難解なお話なのにそれを微塵も感じさせない考え抜かれたストーリーテリング……。特に、あの1時間経つと地球時間では7年もの年月が過ぎる水の惑星から帰ってきた主人公が、あの僅かな時間で既に27年も経っていたと知ったときの絶望感といったら凄まじかった。地球時間と宇宙時間のずれを見事に対比させることで、今まで誰も見たことのないような壮大なアクションシーンを創り上げたところなんか、さすが『インセプション』のクリストファー・ノーラン!ブラックホールを越え、予想だにしなかった世界へと迷い込んだ主人公が知る驚愕の真実には度肝を抜かれました。そして、最後に彼が娘との約束を果たすシーンは切なくてちょっぴり泣きそうになっちゃったし。そんな綺麗な円環を閉じながらも、物語は新たな旅立ちの余韻を残す希望に満ちたラストシーンを迎えます。ただただ圧倒されてしばらく席から立ち上がれませんでした。最近、この世界は結局唯物論であり、人間はDNAを運ぶための単なる容れ物にすぎないのではないか。愛だの神だの幸せだといった概念は、所詮は人間が作り出した生きるための勝手な理由付けなのだろうという虚無的な考えに捉われがちな僕なのですが、人間はそんな絶望を乗り越えうる素晴らしい観念(想像力)を持っているということをあらためて教わったような気がします。僕はこの作品から生きる希望のようなものをほんの少し得られました。個人的な好みで言えば『インセプション』の方に軍配が上がるけれど、こちらも映画史にその名を燦然と刻むだろう傑作と言っていい。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-01 22:40:05)

35.  イノセント・ガーデン 《ネタバレ》 謎の交通事故により、愛する父親を突然失ってしまい、哀しみに沈む18歳の多感な女の子、インディア。何故か哀しみの色をみせない母親と共に、葬儀へと臨んでいたらそこに長年疎遠にしていたチャーリーという叔父が現れる。怪しげな雰囲気漂うチャーリーとしばらく共同生活を送ることになったインディア。しかし、そこから彼女を取り巻く現実が徐々に歪み始めてゆくのだった…。人とはちょっぴり違う現実を生きる、精神的に不安定な少女の不穏な日常を詩的でとても美しく、だがどこか怪しい淫靡な映像で描き出した、まるでいびつな宝石箱のようなダーク・メルヘン。いやー、良いですね、これ。いままで履き続けてきた大小様々な靴に囲まれベッドに横たわるインディアや、床を這っていた小さな蜘蛛が彼女の脚を伝い、そしてそのスカートの奥に隠された領域へと忍び込んでいったり…。そんな、常に何処かで大切な何かが壊れてゆくようなセンス溢れる映像&音楽にかなり惹き込まれました。他にも、まるで作り物のような目をしたチャーリーの突発的に露わになる狂気描写や、何かをひた隠すように振舞う母親のいかにも不穏な行動とか(ニコール・キッドマンが良い感じ!)、そんな徹底的に現実感を排除した大きな洋館の中で繰り広げられる怪しいストーリーを、イノセントな少女目線で描き出したこの秀逸な世界観には、中盤、若干の中だるみがあるとはいえ、素直に酔いしれることが出来ました。欲を言えば、インディアがもう少し幼い年齢でも良かったかなーとも思うけど(え、誰がロリコンだって?笑)、もろ俺好みのこのダークで淫靡な作品、うん、なかなか良かったっす![DVD(字幕)] 7点(2014-03-30 07:52:41)(良:1票)

36.  偽りなき者 《ネタバレ》 子供と酔っ払いは決して嘘を吐かない――。離婚して愛する息子と離れ離れに暮らしている保育士ルーカスだったが、それでも小さな村の中で仲の良い親友たちに恵まれ、同僚の素敵な女性とも恋仲になり、職場の保育園でも素直で純粋な子供たちに囲まれ、ささやかながらも幸せな生活を謳歌していた。そう、想像力豊かな女の子クララが、些細な嘘を吐いてしまうまでは。突然、幼児への性的虐待を疑われたルーカス、それまでのささやかな幸せに満ちた彼の生活は瞬く間に一変してしまう。仕事を首になり、村人たちから侮蔑の目で見られ、信じていた親友からも絶交され、さらには愛する息子との同居計画も白紙に…。少女の些細な嘘から、絶望のどん底へと墜ちてしまう、一人の男の苦難の遍歴を淡々と描いた痛切な人間ドラマ。いやー、暗かったっすね~。見れば見るほど気が滅入ってしまう暗鬱なストーリーなのですが、そんな人生の落とし穴がかなりリアルに描かれているため、決して他人事とは思えず最後まで惹き込まれました。それにしても、人間って何処まで愚かで残酷になれる生き物なのでしょう。独善的な正義を振りかざし、一人の男を何処までも追い込んでいく園長やスーパーの店員の姿を見ていると、あらためてそう思います(何の罪もない飼い犬にまで手を出すなんて!)。もし、僕が同じような状況に追い込まれたらきっと心が折れて自殺しちゃいますよ、こんな悲惨な現実。それでも必死に生き続け、ときには自暴自棄に陥りながらも、少しずつ信頼を取り戻していくルーカスの姿に、最後は一縷の希望を感じ取ることが出来ました。とっても暗いですけど、なかなかの良作だと思います。お薦め。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-26 10:52:34)(良:1票)

37.  インポッシブル 《ネタバレ》 2004年12月、スマトラ島沖を震源とする大地震が発生、ほどなく猛烈な勢いの津波が東南アジア各国を襲い、約20万もの命が失われた――。クリスマスのバカンスとしてタイのリゾート地を訪れていたベネット家族も、そんな自然の猛威へと容赦なく翻弄されることに。巨大な津波に巻き込まれ胸と脚に深い傷を負いながらも、命からがら長男のルーカスと共に生き延びた母マリアは、決死の思いで引き離された夫と子供たちの行方を追い始める。そんな母親を心底気遣う息子ルーカスと共に、二人は地獄のような光景へと変貌を遂げた被災地を無力感に打ちひしがれながらそれでも希望を捨てず彷徨い続けるのだった。ギレルモ・デル・トロが製作を務めたダークファンタジーの傑作「永遠のこどもたち」でデビューを果たしたJ・A・バヨナ監督の第二作目にしてハリウッドデビュー作となる今作、その前作があまりにもデルトロ・テイストの作風だったために、あれはもしかしたら彼がほとんど監督した作品だったんじゃないかとの疑念を確認する意味も込め、この度鑑賞してみました。ところがところが、今作も理不尽で残酷な現実という試練に試される親と子の絆という「永遠のこどもたち」に通じる重厚なテーマを真正面から取り上げたヒューマンドラマの佳品へと仕上がっており、そんな僕の疑念は杞憂に過ぎなかったと改めて再確認することが出来ました。ナオミ・ワッツのボロボロになりながらも常に子供たちのことを気遣う真に迫った熱演、胸を打たずにはいられないユアン・マクレガーの携帯電話を巡るエピソード、何より圧倒的な力で押し寄せてくる無慈悲で残酷な津波描写も(311を経験した我々日本人には直視しがたい部分もあるとはいえ)素直に圧倒されました。ただ、真実を基にしたと言いながら、主人公家族をちょっぴり美化しすぎているっぽいところがなきにしもあらずだけど、デルトロ風のアクの強さも抜け、ストレートな人間ドラマとしてなかなかの秀作だと僕は思いました。J・A・バヨナ監督の次回作も期待して待ちたいと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-17 00:14:37)

38.  インシディアス 《ネタバレ》 ようやく手に入れることが出来た郊外の新居へと越してきた大学教授ジョシュ。愛する妻と3人の幼い子供とともにこれからさらに幸せになろうとしていた矢先、長男のダルトンが原因不明の昏睡状態へと陥ってしまう。突然のことに悲嘆に暮れる家族だったが、数ヶ月が経ってもダルトンに回復の兆しが見られず、失意のうちにせめてもと自宅療養へと切り替えることに。だが、そこからジョシュと家族の平凡だった生活に不可解な現象が起こり始める。無線機に紛れ込む謎の人声、窓から覗く怪しげな影、夜中に唐突に開け放たれる玄関のドア…。仕方なく別の家へと引っ越すことにしたものの、事態は改善されぬばかりかさらなる恐怖が彼らを襲うのだった。うーん、これ子供が3人兄弟である必要があったのかなー。恐怖を体験する対象があまりにも多過ぎて、ホラーとしての焦点が絞り切れていないような印象を受けました。それを裏打ちするかのように、後半は次男も末娘も一切出て来なくなるし(笑)。じゃー、最初から一人息子って設定で良かったじゃん!と、こりゃはずしちゃったかなぁと思いながら観てたのだけど、後半、お父さんが幽体離脱して迷い込む〝彼方の世界〟の、不気味さと狂気とユーモアを濃厚に織り交ぜて描かれたシュールな世界には(デビット・リンチ&シャイニングの影響をモロに受けているとはいえ)予想に反して結構惹き込まれました。まあ、ベタベタなホラーではあるけどそこそこ良かったと思いまーす。ただ、最後のオチは完全に蛇足。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-22 23:11:47)(良:1票)

39.  YES/NO イエス・ノー 《ネタバレ》 結婚式を間近に控え、これ以上ないくらいの幸せを謳歌する若いカップル。しかし、突然正体不明の犯人によって誘拐されると無機質な謎の密室へと監禁されてしまう。「ようこそ、真実の愛検証プロジェクトへ」マイクロフォン越しに高らかにそう宣言する犯人。部屋には、質問を表示する電光掲示板と、イエス・ノーと書かれた謎の二つのボタンがあった。強制的に幾つもの質問に答えていくうちに、次第に幸せ絶頂だった二人の隠されていた真実が明らかとなってゆく。果たして二人の愛の運命は?というソリッドシュチュエーションスリラー・ラブゲームバージョン。まあ、映像的にはそんなに新しいところは無かったですけど、着眼点は良かったんじゃないでしょうか。ゲームが進むにつれて、真実の愛だと信じていたカップルがどんどんと仲違いしていき、お互いに激しく罵り合うところとかなかなか見応えあり(笑)。ただ、ちょっとグロさが足らないっすかねー。スリラーなんだし、もうちょっと血液がドバッと出てくれても良かったと思う。「失敗。彼は脚を失いました」で、ほんとに脚を切断しちゃうくらいしてくれんと(笑)。それに夢オチまがいの変なラストにも興醒めでした。あと、最後に一つだけ言わせてもらうと、ここまでぐちゃぐちゃになった二人の関係が、「実は僕は君のために手造りチョコを作っていたんだよー!」という彼氏の突然の告白で真実の愛に目覚めるって薄っぺら過ぎるっしょ!ちょっぴりキレそうでした(笑)。[DVD(字幕)] 4点(2014-01-07 11:53:56)(良:1票)

40.  インモータルズ/神々の戦い 《ネタバレ》 まだ神々の影響力が色濃く残る古代ギリシャ。かつて光の神に敗れ封印された闇の神々〝タイタン族〟を復活させ世界を支配しようと、ハイペリオンという邪悪な王が勢力を拡大していた。小さな村で平凡な農夫として暮らしていた青年テセウスのもとにも暗い影が忍び寄る。ハイペリオンに捕まり、最愛の母を目の前で殺されてしまったテセウスは彼の奴隷として連行されることに。だが、美しい巫女や光の神々の導きにより、なんとか脱出することに成功したテセウスは復讐を果たすため、そして世界を救うため、決死の覚悟でハイペリオンのあとを追うのだった。ザック・スナイダーの「300」の世界をターセム・シン監督の独特のセンスで全編リライトしたかのようなヒロイック・ファンタジー。恐らく、この作品の評価の分かれ目となるのは、この古代ギリシャでありながら何処かインドっぽいエキゾチックでオリエンタルな雰囲気を許容できるかどうかだろう。グロテスクな残虐描写もふんだんに織り込みながら、それでも細部にまで拘り抜いた絵画のように美しい唯一無二の世界観は確かに凄いとは思うのだけど、残念ながら僕の好みとは微妙に合いませんでした。まあ、面白いとは思うんですけどね。個人的には、何処までも真面目に真剣に製作されていながら何故か乾いたユーモアを感じさせる「300」のほが好み。でも、ミッキー・ロークのもはや貫禄の悪役っぷりはなかなか良かったっす。[DVD(字幕)] 6点(2013-12-07 18:45:44)

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