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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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41.  インクレディブル・ハルク(2008) 印象的な長廻しによって始まる、クライマックスのパニックシーンが、いいんだなあ。そうそう、こういうのが観たかったのよ、ワカッてるねえ、とうれしくなっちゃう。街のど真ん中でモンスターが暴れまわる、もうこれだけでワクワクしちゃうんだけど、ひょいと自動車をはねのけて見せる怪力ぶり(そしてその何気なさ)が、また楽しい。この手の映画、CGなのか実写なのか、もはや区別がつきかねるんだけど、少なくともこういった場面では、実写(だよね?多分)による破壊シーンで、しっかりと質感を感じさせてくれる。また、コケオドシのドアップばかりではなく、時にはモンスターをロングで遠方に小さく捉えて見せることで、これはこれでちょっとリアルなスケール感も生まれる。いやはやなかなかカッチョよいバトルシーンでありました(うれしくなったので、子供を呼んで、このシーンだけ見せてみた。反応は・・・聞かないで下さい、とほほ)。全体的には、雑な場面とか、独り合点のワケワカラン場面とかもあるんだけど、その辺は多少目をつぶるということで。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-01-04 16:37:03)(良:1票)

42.  生きる 元ネタはゲーテの『ファウスト』なんだろうけど、日本を舞台にした現代劇として、確かにうまくアレンジされている・・・しかし「うまくアレンジ」と言いつつも、何か釈然としないものが。いや、私が『ファウスト』を深く理解しているとか、真髄をつかめているとか言う気はさらさら無いんだけど、少なくとも「多分、この方向に、これより“上”は無いんだろう」という感触(あるいは、畏れ)くらいは持っている訳で。これを“換骨奪胎”という言い方で納得してばかりもいられない。多分、本作の「作りこみ過ぎ」あるいは「語り過ぎ」の面に、引っかかるものがあるのだろうか。この映画の、ウマさとクドさ。確かによく出来ていると大いに感心させられはするのだけど、そして目を引く印象的なシーンも多いのだけど、全体を通したときに、一番印象に残ってしまうのは、“作為”に他ならない。「必要性」と「十分性」のバランスが、前者に傾いてしまったときの、危うさ。そしてもうひとつ。これらの事と、本作のテーマの重さとの間の不釣り合いが、気になってしまうのだ。私もそこそこ歳くってきて、それなりに人の生死にも関わる機会があり、それも思わぬ形で関わってしまうものなのです、これがホントに。だから、だから。いややっぱり、この映画は、とても良くできた映画、ということで、いいのかもしれない。ただ、私は『生きる』ではなく『死ぬ』として、この映画を観てしまう。いっそ、中盤の歓楽シーンが延々と続いた揚句、何の前触れもなく主人公が死んでしまう、そんな映画を観たいのかも、知れない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-09 12:16:23)(良:2票)

43.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 3歳の娘と一緒に観ようと思い、吹替えDVDで鑑賞。理解できるのやら、という心配をヨソに、最後まで観ておりましたが、終わるやいなや、「おしっこ~」とトイレに駆け込むも、間一髪間に合わず、映画に負けずこちらも大洪水、とほほほ。トイレ(だけ)は得意、なハズだったんですけどねえ。私が配給会社の宣伝マンなら「失禁するほどの面白さ」というキャッチコピーを打ちたくなるところ、まあさすがにそれは誇張ですが、トイレに行くのを忘れる程度には集中して観てた、ということには間違いないでしょう。オモラシにもちっとも悪びれず、アレが面白かったコレが面白かったと力説してましたし(3歳児の力説なので、よくわからない部分も多いですが)。いやあ、実に結構、何しろ、シリーズ中、一番面白くないこのネタ切れの第4作ですらこんなに楽しんだのだから、親としても、あと3本見せる楽しみがあるというもの(笑)。まあ、それなりに飽きさせないサービスはなされていますが、「ハリソン・フォード、歳だなあ」というよりも、「影が薄いなあ」というのが残念なところ。代わりによくわからん若造が大活躍するも、さらに残念なのが、CGまみれの車上チャンバラ。特撮技術にあぐらをかき、背景を無視した涼しげなチャンバラは、もはやスター・ウォーズそのもの(勿論、新3部作の方です)。これをやっちゃあオシマイよ、ということを、ジャッキー・チェンは、気づいている。とまあ、文句をいいつつも、おなじみのテーマ曲を聴くとやっぱりウキウキしてしまい、やっぱり楽しめる作品なのでした。ちなみに、娘のお気に入りは、影の薄いジョーンズ博士ではなく、「わるいおねえちゃん」の方なのでした。[DVD(吹替)] 7点(2009-02-08 13:53:52)(笑:1票)

44.  犬の生活 《ネタバレ》 ギャグ満載、ホロリとさせられ、何と言ってもテンポが良いのが大の魅力。浮浪者に扮したチャップリン、彼の寝床である空地の塀の傍。「塀のアチラとコチラ」を場面が行ったり来たりするギャグの後には、「カメラが引いたら警官が」というオチ。この「行ったり来たり」が映画の基調になっているようで、物語は、寝床から、屋台を経て酒場へ、あるいはまた寝床へ、という「行ったり来たり」。警官の目もそこに絡んでくるスリル。そして「目を盗んで早食い」「犬の尻尾」「秘儀:二人羽織」などのギャグが、次から次へと盛り込まれる。中でも「滝のような涙」は、フライングハイの“大汗”シーンを思い出しちゃうぞ。文句無しに楽しめる作品。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-10-05 20:54:31)

45.  犬神家の一族(1976) 私にとって「子供の頃からの“定番”映画100本」のうちの一本(あと99本もあるのか?)。昔から、こういう、“古い日本”みたいな雰囲気って、スゴく怖かったよ、いや今でも怖い。大人になった今では、これがちょうど「我慢できるレベルの怖さ」なので、ちょうどよい面白さ。古い日本の怖さ、不気味さを味わいに、今では、週末にはロクスッポ映画も観ないで、寺社仏閣を探訪している、私なのであります(昔怖くて観られなかったホラー映画やプロレスを、今楽しんで観ているのと同じ)。そういう、日本の伝統、怨讐、因縁、などが全開の、この映画の雰囲気が、タマラナイ。不気味な雰囲気に対しての、ミステリとしての合理性というものは、もちろん存在するのだけど、フーダニットとして見れば、「こんなんやったら誰が犯人でもいいやんか」という、例によって例のごとき禁句が出かねない。しかししかし、ここではそれがかえって、何やら避けがたき運命論的な恐怖があり、まさにこれぞ日本的「因縁」の世界。さてさてさて。そこに、無意味なまでの実験的撮影テクニックが入り込み、不思議でコワくて楽しい世界が広がるのが、この映画の個性、この映画の魅力。だからこそ、私的“定番”映画、なのですね。あと、今観ると、島田ヨーコが最高ですね。この濃い濃い女優陣のなかで、いかにもハカナゲで幸薄そう、こういう存在をみると、うーむ、ますます不幸になって欲しくなる(笑)。ああ、子供の頃にはこんなコト考えなかったのだけどなあ。ウチの子供にはそういう変態的な感覚は持って欲しくない、できれば加藤武のように真っ直ぐ育って欲しいので、持ちネタとして「ヨシ、ワカッタ!」というのを、今、子供に一生懸命教えています。なんのこっちゃ。[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-07-05 20:26:06)(笑:1票)

46.  インファナル・アフェア 終極無間 いや~、こいつぁ、考えたねえ。本シリーズにおける「時間軸」へのこだわり、それをこの3作目では極限まで進めて、さすがにこりゃ崩壊寸前か、と思わせるのが実は一種のミスディレクション、ラストの思わぬオチで一気に統一感を取り戻し、見事にシリーズをまとめ上げてくれております~。でも、やりすぎだと思うぞ、さすがに。いささか表面的で深みに欠けてくるのもまた事実。では、3作まとまて、一言。「サムって、男前だなあ」[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-05-06 18:10:00)

47.  インファナル・アフェア 無間序曲 いわば“点”への収束が圧倒的だった前作。“点”であればこそ、その存在も輝く作品を、わざわざ過去に遡ってもう一度、物語として収束させようとするこの第2作…。正直、ムダなこと、だと思う。じゃあ観なけりゃいいんだけどね、えへへ。まあ、良い方向に裏切られることも多いので……。で、感想はと言うと、半分は、うーんやっちゃったなーという感じ。前作の人間関係を、形を変えつつも過去にまで引きずって行ってしまい、変なツジツマ合わせをしてしまうのにはガックリきてしまう。前作という“点”であってこその緊張感、それが、作品間にまたがる“線”となってしまうことで、否応なく削がれてしまうのがどうにも残念。で、残り半分の感想は、というと、「その割には、うまくやってるなー」と。どっちやねん。まあ、無理があるのは製作者側も百も承知でしょうから(汗)、前作と同じ路線・同じ盛り上げ方を狙うのではなく、むしろ、一見散漫な印象の中に、人物関係とドラマが緩やかに描かれており、これはこれで結構ではないかと。ところで映画前半、登場人物たちがマズそうな食べ物を口にするシーンが多いですが(何やねんあのアイスキャンディーは)、いっそ、映画の最後まで“食”で統一して欲しかったな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-05-05 16:59:36)(良:1票)

48.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 表面的には、ギャングに立ち向かう刑事アクション映画。チャイナタウンの中国人社会を色眼鏡で見ているということで、抗議も受けたらしい。だが、そのような観方をするには、あまりにもジョン・ローンの側の描写に重点が置かれすぎているのである。これは、ミッキー・ローク演じる刑事と、中国系マフィアの中でのし上がろうとする青年の、二人の物語だ。二人の対比。ベトナム帰りのコンプレックスにさいなまれる刑事は、妻との間も破綻寸前、周囲ともうまくいっていない。映画の中では、彼は常に、フラフラ歩き回る姿で描かれ、寄る辺無い姿が強調される。一方の中国系マフィアの青年の颯爽とした姿と、その野心。二人は対象的でありながら、社会の中ではどちらもマイノリティであり、どちらも、米国社会の中であがき続ける存在である。その二人のクライマックスにおける対決に満ち溢れる苦味。そこには悶えるような苦しみがあり、「橋の向こう」に見える「光」には、決して手に届くことがない。それだけに、映画のラストにおけるハンパな希望には、妥協を感じざるを得ない。葬儀のシーンとラストで流れるマーラーの「復活」。陳腐だと思う(まー正直言って、この曲自体が好きになれないんですけどねー、えへへ)。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-04-13 09:55:45)(良:1票)

49.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 観ている間も戦闘シーンに圧倒されるのだけど、観終わってから、何となくジワッとくる映画ですなあ。ジャニーズのネズミ男こと二宮クン、彼は本当は、何が何でも生き残って妻の元へ帰らなきゃならない、それなのにそれなのに、彼は最後、栗林中将のため、命がけで米兵にくってかかるのよね。いや多分、“栗林中将のため”というのは当たらない。理由はともかく、そこではただ、闘う人間の哀しみ、闘わざるを得ない人間の哀しみだけが、描かれています。戦争の悲惨さを訴えるのに、「誰それが悪いからこの戦争が起こったのだ」なんぞと言ってみたところで何になるだろう。悪人がいるから戦争が起こるのか? では、人類の歴史では無数の争いが繰り返されてきたというのに、そのすべての「犯人」をいちいち指摘でもしていくというのだろうか? この映画が胸を打つのは、戦争を善悪というわかりやすい軸に投影して批判するのではなく、ただただ、あらゆる時代にあらゆる人々が闘ってきた、そして今後も何らかの形で闘い続けざるを得ないであろう、その哀しみが、描かれているからではないでしょうか。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-02-09 17:47:45)(良:1票)

50.  インナースペース 無数の(?)“スピルバーグ印”映画が溢れ返っていた頃の一本、ですけれども、久しぶりに観て、アレ、こんなに面白かったっけ、と(笑)。製作から20年も経って、最早あんまし話題にも上らなくなった今こそ、素直に楽しめてしまう。単に私のセンスが20年遅れなだけかも知れないけど。『ミクロの決死圏』なる作品がある以上、「小さくなって人体に入る」なんてことは珍しくもない。だから、そのプロセスは何の説明も無く、アッサリ描かれ、あとはとにかくドタバタを徹底。ミクロ化した主人公なんぞ、ほとんどそっちのけのドタバタ、このケーハクさが、20年経った今、何とも心に沁み入りますなァ。この映画の教訓(?)と言いますと、もし、知り合いで最近言動のおかしいヒトがいたら、ああ、あのヒトの中にはミクロ化したオッサンが入ってて、内部でイタズラされてるんだろうなあ、と疑ってみる必要があるという事ですね。え?オマエが一番あやしい、ですと?[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-14 15:26:47)(笑:1票)

51.  怒れるドラゴン・不死身の四天王 四天王(?)のキャラを明確にさせようとしているのには好感が持てるけど、そのせいで前半はなんだかゴチャゴチャしております。クライマックスの四天王(?)揃い踏み、4人並んで対決の場に赴くカッチョいいシーンでは、観ている側も肩の荷が下りたような一種の開放感が。振り返ればどうでもいい内容なのに、なんでこうもゴチャゴチャしたオハナシになってるのやら・・・。4人のキャラ立ちもなかなかのもんですが、敵役の、サムライの血を引くチンさんが秀逸。戦いの前には手に持っていた黒扇子(中央に「武」の文字が)をビリビリ破く。手に持っていない場合には、懐からわざわざ出して破く。戦いが終われば懐から新しい扇子を出す(手品師みたいだ)。さらにチンさんの手下には虚無僧スタイルの4人の戦闘員。川で泳ぐ時にも、頭に被った編み笠ははずさない。大したもんだ。編み笠の下にも忍者マスクをつけているのだから、はずしても一向にかまわないハズなんだけど。彼らこそ四天王と呼ぶに相応しいです。クライマックスの死闘。ニワトリ小屋での戦いは、ニワトリが踏みつけられて圧死しないかとヒヤヒヤしてしまいますが、多分、何羽かは踏まれたんでしょう、ナンマイダ。そして、唐突に終わる戦いに、我々はずっこけるのでありました。[地上波(字幕)] 7点(2007-06-10 15:50:35)

52.  イブラヒムおじさんとコーランの花たち 「フランスを舞台に」「ユダヤ人の少年が」「アラブ人のじいさんと交流する」ってトコがミソなんだろうという事。アタマで「考え」れば、そうなんだろうけど、「感じる」ところまでは至らないのが、まあ、我々との接点の乏しさ、伝わりにくいものもあるのかなあ、と。もしも、私がフランス人で、この映画を自国内の出来事として観ていたら、もっと映画との距離が近づいて、色々と「感じる」ものもあったのかもしれない・・・そんなことも、やっぱしあくまで「考える」だけであって、実際に「感じる」までには至らない。また、この映画との接し方に戸惑う点は、そういった距離感だけではなく、まるで家庭用ホームビデオで撮ったかのような、カメラがフラフラと被写体を追いかける、ポップな演出、これもそう。もしかして、「ユダヤ⇔アラブ」という微妙な問題を、ことさら深刻に印象付けない、毒消しのための演出なのか?ってなことも、やっぱり、「考えて」しまう。後半、唐突に旅に出る、この性急さ、これも同様の意図かもしれないが、やはりこの演出の軽さには、とりあえず、違和感を感じた、というのが正直なところ。ただ、それまでフラフラしていたカメラが、オジサンの故郷のシーンで急に動きを止める(固定カメラ連発)のは、雰囲気を大きく変え、これはとても印象に残りました。最後に、「もし自分がユダヤ人なら、あるいはアラブ人なら、この映画をどう観ただろうか」ってなことも、どうせわからないながらも、やっぱりこれも「考えて」みたいところ。[DVD(字幕)] 6点(2006-03-04 12:16:09)

53.  いかレスラー 主演はあの不屈のレスラー・西村修。若手時代には柔軟な肉体を駆使したスープレックス系の技を得意とし、新日本プロレスとしても将来のエースとして大きな期待を寄せる存在であった。しかし思うように結果を出せない。海外修行もゴネて延長させてもらい、ようやく帰ってきたがやはり結果が伴わない。周囲の期待に反し、チャンスをイカせない日々。やがて西村はリングから消えた。月日は流れ、久しぶりに彼をプロレス中継で見た時、彼の長期欠場の理由を知って私は驚いた。彼はガンに冒され、その病魔を克服してリングに帰ってきていたのだ。その彼を天山や小島がリングでメッタ撃ちにしたのは、彼らなりの西村へのエールだったのだろう。そして、西村は持ち前のクラシカルなレスリングスタイルを貫き、やがて負けないレスラー(あんまし勝てないけど)、不屈のレスラーとして、ファンの感動を呼び起こす数々の名試合を繰り広げるのである。G1クライマックスの数々の名勝負、あるいは伝説の「対カレーマン戦」(カレーマンに対抗しヨガをマスターした西村、スリーパーを取られたらそのまま瞑想に入っちゃったという、ナゾの好試合)は忘れられるものではない(笑)。さて本作ですが(前フリ長すぎ)、藤波から西村へ受け継がれた「無我」の思想が炸裂した、深みのある内容になってます。深すぎて私には多分5%くらいしか理解できてない、かも。現代のプロレス界の根深い問題、あるいは家族の絆など、テーマは多岐にわたって、もうシチャカメッチャカ。イカがタコにダブルアームスープレックスをかけるシーンはまさに大爆笑。たくさん腕があるのに何で2本しかキメないんだっての、あはは。ラストでは西村のいつものファイトスタイル(倒立!)も堪能でき、ニコニコ。演技はちょっとハズカシかったね。唄はうまかったけど(ウソつけ)。しかし、AKIRA(=野上彰)の演技はさすが、堂に入ってます。西村、ちょっと見習えっての。・・・という訳で、リング上の哲学者・西村修の生き様を、どうかご堪能ください。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-23 23:16:23)

54.  インサイダー タバコはダメだけど、シシャモはいいのか!? 何のこっちゃ。ラッセル・クロウ、ごクロウさまです。堂々たるイジメラレっぷりが見事に映画を支えてます。そう、この映画、文句なしに好感持てる理想的「ヒーロー」っていないのよね。アル・パチーノなんて、かき回すだけかき回しといて、上役から「休暇とれ」って追い出されたらサッサとどっかのリゾート地に行っちゃうしさ。クロウ人ラッセルに至っては、もうミジメ、ミジメの連続(小松政夫・・・)、部屋でボーゼンとしてるシーンなんて、「ガーン。このヒト自殺しちゃったよ」と一瞬勘違いしちゃいましたよ(そういや、途中の、ゴルフ打ちっ放しにおけるシーンが、よく効いています。このヒト、本当にどこにでもいるひとりの弱い男、なんだよね)。でも、そんな人たちが、まあそれなりに世間を動かしちゃう。そういう、地味~な感動が、なんとなく親近感も相俟って胸に迫る、いい味出してる作品であります。8点(2005-01-27 23:03:59)

55.  活きる 本日はワタクシ、餃子作りに挑戦してみたのですが、念頭においていたのがこの映画に出てくる餃子、素朴ながら何とも美味しそうだったもんね。しっかしなかなか上手く包めなくてねえ、これが。え~閑話休題。この映画観てると、人の仕合わせも不仕合わせも、思わぬ時に思わぬ形でやってくるもんだなあ、と、しみじみ思います。文革を始めとする社会のさまざまな激流、その流れの速さに、庶民の生活はついていくのが精一杯。人々が時代の流れを作るのではなく、作られた流れに人々が流されている、多かれ少なかれどこの国も同じなんですかね。でもその中で人々は「逞しく」と言えるかどうか判らないけど、とにもかくにも、生活を営んでいく。変わっていくものもあれば変わらないものもある。死んでいくものがあれば新たに生を受けるものもある。影絵芝居の人形が、主人公とともに乗り越えていく「時代」もあれば乗り越えられない「時代」もある、しかし人形の箱だけは意外にいつまでも生き残っていたり。予想できる事など何もない。ただ、予期せぬ形で訪れる仕合わせ・不仕合わせに身を任せながら、不器用に生きていくこと、そう、この不器用さこそが、庶民の力、主人公夫婦の力であり、この映画の力なんだなあ、と。だから私も餃子の皮がうまく包めなくても、不器用なりに生きていこう、と。・・・何ちゅうまとめ方やねん。8点(2004-12-30 20:41:09)

56.  イル・ポスティーノ この映画、例えば、詩人の目を通してすべてを描く方法もあったかもしれない。「詩人がかつて生活を送った南イタリアの島。そこには美しい自然と素朴な人々の暮らしがあり、ひとりの郵便配達夫との交流があった。やがて詩人は島を去る。月日は流れ、久しぶりに島を訪れる彼、しかし郵便配達夫の姿はそこにはない。彼に何が起こったのか?残された妻の話から、郵便配達夫の生前の姿、生き様がよみがえる」・・・こういう、謎解き風のストーリー設計の方が、緊張感もあり、バランスいいのかもしれません。しかし。本作は敢えて、このような描き方はしなかった。しなかったからこそ、これほど独特の叙情性を持たせることができたのでしょう。映画はひとつの基準では決して語りつくせない・・・。映画の中心人物は郵便配達夫マリオですが、彼の恋愛の顛末だけみれば、何とも単純素朴すぎて、深みが感じられない、という感想になりかねない。しかし、この映画の、あまりにも素晴らしい色彩!空や海の色だけではない。屋内シーンの壁の色まで、控えめながらその色合いをアピールし、我々を魅了する。この世界の中で、マリオもまた、いわば風景の一部をなす存在。彼の素朴さこそが、存在感そのもの。そして、詩人が去り、言葉を紡ぐ者がいなくなった島で、やがて、マリオ自身が端緒となり「詩」が自ら迸り始める!・・・。やはり、この映画にはこの構成こそが相応しかったのでしょう。ちなみに、主人公を演じたマッシモ・トロイージがこのすぐ後に他界したことは、私はこの映画を観たときには知らず、後で聞いて、愕然としました。人生最後の瞬間をこの映画にかけ、しかも、あくまで個性を抑え、素朴な南イタリアの青年の姿として自らを深く沈めていったその姿。間違いなく不滅のものでしょう。8点(2004-12-19 00:35:12)(良:1票)

57.  怒れ!力道山 力道山先生が先生御本人の役で出演しております。先生の素朴な演技には何か心暖まるものがありますね。ちょっとセリフが長くなると、もう先生の目が完全に泳いでいます(プロレスの事を、演技だの八百長だの言うヤツは、これを見るとよい。少なくとも先生にはそれほどの演技力はナイ)。演技力はなくとも、弟子を大声で呼びつける時の声の張りは大したもの(こういうシーンだけ妙にリアル)。さてストーリーはというと、ひょんな事から小児麻痺の少年と力道山先生が知合った事から(高級車で貧乏長家に乗り付ける先生の姿、ホレボレするわ)、やがて、障害者施設を巡る陰謀に巻き込まれていく先生。この陰謀が明らかになっていく過程が、劇中ではほとんど省略されていて、記者がチョチョイと調べただけであっという間に陰謀が露呈してしまう、というやや手抜きの展開(トホホ)。しかしこの際そんなことはOK、何と言ってもこの映画の見どころは、二度にわたる試合のシーン。余計なカメラワークを排し、先生の勇姿をリアルに思う存分見せてくれます。はたまた、試合を前にした先生が暴漢に襲われ、立回りを演じるシーンもナイス。敵を次々になぎ倒していく(レンガだって崩れるゾ!)この痛快さ。しかし先生は腕を負傷。このままクライマックスの試合へ。勝てば施設は救われるのだが、相手は強敵、果たして怪我を負ったまま試合に臨む先生の運命やいかに! 先生が礎を作った日本のプロレスは、その後世界にも類を見ない成長を遂げました。日本のプロレスは世界一です(キッパリ)。先生、ありがとう!そして先生の遺志を継ぎ、今日も激しいプロレスを展開している現役レスラーの皆さん、ありがとう! プロレスよ永遠なれ。7点(2004-08-27 23:33:01)

58.  インファナル・アフェア いや~よかったよ~。短いカット割りの連続、しかし流行にのっただけのお手軽演出とは一味違って、もはやコラージュ技法の一種と呼んでよいほどの神経の細かさ、こりゃ効果を上げてます。断片的な映像、そして断片的なセリフの積み重ね。セリフは決して少なくは無いけど、セリフで何でも説明しちゃおう、なんて不精はしない。セリフが雰囲気をつくり、その雰囲気が状況を我々に伝える。この、いわば外堀から埋められていって次第に状況が摑めてき、その頃にはすでに映画にどっぷり浸かってしまっているという、この快感。そんでもって我々の前に示された設定たるや、立場が正反対の2人の「潜入者」。もうハラハラせずにはおれません。そして後半はちょっと意外な展開に、正直、「アレ、これじゃ、この後面白くなくなっちゃうのではないか」と心配したけど(バカだね。笑)、さにあらず、ラストはワタシのやや弱めの脳天にズシ~ンとくる一撃でありました。これは参りました。ぎゃふん。映画中盤、ボスがトニー・レオンに「おまえを一番頼りにしてるぞ」というシーンに、内心「え~、このヒトどう見ても一番頼りなさそうに見えるけどなあ」と思ってしまったが、やはり全編通して見ると、このキャスティングしかないっ!! ところでこの映画、音楽がもうちょっとちゃんとしてればさらによかったんですがね(ところどころ、本当にヘンです)。9点(2004-07-24 00:44:51)

59.  インテルビスタ これはオモロイ!極めて上質のバカ映画と言えましょう。撮影所を舞台にしているので、「映画の撮影の裏側全部見せます」風の映画と思いきや、さにあらず。というのも、撮影風景は出てくるものの、「何を撮っているのか」「どのように映画として仕上げられるのか」に関しては、全然語られない。いわば、映画のオモテもウラもみんなひっくるめてゴチャマゼにした闇鍋風。めくるめく楽しい世界。しかしまあ、映画作家が「映画そのもの」を題材にする、いわば「自分の土俵で相撲をとる」というのは、何となく抵抗を感じないでもないんですけどね、あくまで映画作家=表現者、であるならば。ちょっと自己完結すぎて、映画関係者と映画好きだけが楽しめればOK、みたいな感じが無くも無く。たとえば小説家が、小説家を主人公にして「小説書くのがいかに大変か」という題材の小説書いたとしたら、それって何だか、手段と目的が過度にもたれ合いを起こしているような気がします。それと同じ。やっぱりもっと直接人生に斬りこんで来る普遍的なものであって欲しい。とかなんとかいいつつ、やっぱりこういう映画もたまにはいいですね。それにしても、アニタ・エクバーグ、なんだかジャバ・ザ・ハットみたいになっちゃったね。8点(2004-07-17 00:53:03)(笑:1票)

60.  怒りの荒野 オープニングがカッチョよい。というか、ダサい。というか、ものすごーくアタマ悪い。シビレた。ジュリアーノ・ジェンマ演じる主人公は冴えないお掃除ボーイ、観てるとどうしても、悪魔の毒々モンスターにおけるメルビン君を思い出してしまう。しかしそこに現れた、渋くてダサくてカッチョよいオヤジ、リー・ヴァン・クリーフ! ジェンマにガンマン心得十か条を伝授していくのだが、これがどうも、非常に成り行き任せというか、テキトーにその場の思いつきで言ってるとしか思えない。でもジェンマは(何故か)メキメキ腕を上げていく。すばらしい。映画の内容的には、それなりにアクションを交えて飽きさせないものの、あまりまとまりは感じられない。俄然盛り上がるのはやはりラスト。両雄並び立たず、何はともあれ決闘!であるが、ジェンマが手にする「ドク・ホリデイの銃」などという味のあるギミック、そして添えられた手紙には元師匠の「これを読む頃には自分は死んでいるだろう」などという出来すぎた文句が。う~む。やっぱりラストもシビレてしまったのであった。そして私もガンマン十か条を反芻し、明日からの生活に役立てていこうと決心するのであった・・・。そんなバカな。7点(2004-06-26 01:47:24)

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