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プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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41.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 過去の微妙な栄光にすがるヤク中のお兄ちゃんにしても、身勝手なステージママ状態のお母ちゃんにしても、ソファに並んで座ってるだけでなーんにもしてなさそうな姉妹達にしても、そして、一見マトモそうに見えるガールフレンドにしても、ダメさを漂わす街の人々にしても、実はみーんな同じ、「自分の現実はダメだけどミッキーなら」と夢を託しているのですね。そしてそれぞれに「自分にとっての理想のミッキー」像があるから、その差異から摩擦が生じてあちこちで諍いが起こっちゃう。当のミッキーにとってはたまったモンじゃありません。その摩擦に潰されそうになって、だけど段々と自発性を持ち、紆余曲折しながらもそれらの総てを受け止め、みんなの夢を叶えてゆく姿は映画を見ている側にも同様のシンパシーを与えてゆく感じです。なんか苦いドラマを見ていたつもりが、見終わってみれば妙にスッキリ感動!って映画で。ダメなみんなだって、それぞれに頑張って、本当にイヤな奴らにしか見えなかったハズが、なんだか清々しく。特にやっぱりお兄ちゃんのダメっぷりが際立っているがゆえに効いてくる感じで、クリスチャン・ベール好演。その佇まいだけでダメっぷりを漂わせてます。ますます『太陽の帝国』の少年とはまるでイメージが結びつかなくなりましたが。蛇足ですけど、エイミー姐さん、おっぱい透けてますが。一応ディズニー・プリンセスなのに・・・[映画館(字幕)] 8点(2011-04-01 21:23:08)(良:2票)

42.  ザ・タウン 《ネタバレ》 凶悪な犯罪者のドラマなので、基本的に感情移入はできず。だから自分の中では追われるシーンや包囲されるシーンでも、少なくともサスペンスものとしては成立してないんですよねぇ。悪い奴らなんだから、さっさと捕まってくださいな、って思いながら見ておりました。環境や生まれ、血のせいにすんなよ、みたいな感じで。ゆえにラストは、あれってアリなのか?って。結局、彼は最後に花屋で一線を越えてしまった訳じゃないですか。たとえ倒すべき悪であっても。あの時点で最早歩むべき道はないよ、と思ったら・・・。でも、これってつまりはかつてベンが脚本を書いた『グッドウィル・ハンティング』のダークなマイナスベクトル版。この映画の内容じゃあ、とてもじゃないけれど「悪いのは君のせいじゃない」とは言えないんですけどね。ベン、90年代のセンスをずーっとひきずってるんじゃない?みたいな。映画を見ていて他に思い出したのって、同じ90年代の『パーフェクト・ワールド』『ヒート』『ショーシャンクの空に』だし。こういう犯罪映画が予め定石を踏んでゆくのが見えているっていうのって、なんかどうも毎回ピンと来なくて、だからってラストだけ意外?で納得できるかって言うと、そんなワケもなくて。ただ、映画的にはテンポ良く、見せ場もあって退屈はしませんでした。街の空気を匂わせるような風景描写も生きていましたし。そして、それだけ。[映画館(字幕)] 6点(2011-02-09 15:07:54)

43.  ザ・ロード(2009) 《ネタバレ》 原作未読ゆえ、恐れ知らずな状態になりますが、少なくともコレは単なる低予算B級SF映画。現代の黙示録として優れた原作って事らしいんですけど、映画は延々と人食いから隠れる逃げるを繰り返すばかり。いや、人食いが横行する世界で息子を守るという大義ゆえに、他人に施しを与えず、盗み、人を殺め、そして衰弱してゆく父と、天使を象徴する無垢な存在としての息子ってところに飽食の先の行き詰まりの状態と未来へ続く法とが描かれているんでしょうけどもさ。でも、終末=人食いって発想がピンと来ないんですわ。『ザ・ウォーカー』と思いっきりネタかぶりしていて、『ドゥームズ・デイ』みたいでもあるのですが、『マッドマックス』『北斗の拳』的世界観も含めて、本当にそうだろうか?って。あえてそういう類型的で貧困なイメージの中に放り込んで見せたい語りたいものってなんだろうか?って考えた時に、響いてくるものがちっともないのは自分には今や家族ってモノの存在が大変に希薄だからなのでしょうかねぇ? 子供でもいれば、ここに大きな共感や恐怖があるのかもしれませんけど。自分には、この映画、間違ってシャンテにかかっちゃったシネパトス映画としか映りませんでした。ってローカルな事を。そうそう、息子が途中で風邪っぽくなって寝込みますけど、あの世界では苗床となる人間が殆どいないので、ウィルスの存続もまた難しいハズだと思うのですが。そこのところ、原作ではどうなってるんでしょ?[映画館(字幕)] 4点(2010-10-12 20:37:24)

44.  THE LAST MESSAGE 海猿 《ネタバレ》 サイテーな3D。立体の効果がちっともなくて、ただ見辛いだけ。振り回しまくりなカメラ、低コントラスト、暗い画面って3Dに不向きなんですが、ほぼ全編ソレですからねぇ。六本木ヒルズのスクリーン7にフルサイズで上映できないというマヌケな状態。最初から3Dで撮るつもりだったのならば仕事があまりに雑だし、後で3D化を目論んだのならば金儲けに走ったとしか言い様がなく。3D映画は入場料二割増しになりますからね。さて、これまで『海猿』なるものを全く見た事がないのですが、そんな人間はある程度無視して突き進みます。人間関係の説明なんかは無し。意味不明ハイテンション肉体誇示プロローグの後、唐突に物語は事故現場へ向かう状態から始まるので『海猿』って世界に入り込む糸口もなく、海洋パニック映画としての世界のみを楽しみましょう、って状態。で、パニックものとしてはワリと早い時点で「その程度か」って事になってしまうのがツラいんですよね。プラントに取り残された5人の人間の脱出の物語です、って相当限定されたモンだなぁ、と。パニック映像は頑張っておりますが、日本映画独特のクドいスローモーションと大変な状況でモタモタとクサいドラマ語り出すあたりに辟易。それでも回想映像入れて感動の押し付けしないだけマシか、と思ってたらクライマックスでこってり回想。最大の障害だったハズの台風はいつの間にか消えちゃうし。登場する人々のハイテンションっぷりも、この世界に慣れてないからか、奇異に映るばかり。更にはクドく何度も大写しになる「海上保安庁」の文字。なんだか、いろんなものを誇示したい広告みたいな映画でした。なんていうか、もう、さすがフジテレビ、としか・・・[映画館(邦画)] 4点(2010-10-05 21:28:41)(良:2票)

45.  ザ・ウォーカー 《ネタバレ》 本が○○だったらつまんないなぁ、と思ったらモロに○○で、あーあーって。その上、終末の世界で文明崩壊してて人食いがあったりして、悪夢の『ドゥームズデイ』の再来か?と。近未来SFって言ったって、基本、西部劇ですしね。でも、クライマックスからオチで「そう来たか!」って。オチだけで「ああ、面白かった」って。個人的にはオチを楽しむ映画。それに盲信的な信仰に対する批判の映画でもあって、必ずしも一方的価値観に基づく物語でもないのだなぁ、と。主人公が啓示を受けて行動しちゃってる時点で、西洋的価値観の世界の話ではあるのですが。色のない退色した世界の渇いた感覚が絶妙で、でも金門橋にたどりついたあたりから空に色が着いているのは、そこにまだ文明の光明が残っているからか、それともそこから新たな再生が起こる事を意味しているのか。あのオチを見た後だともう一度見直したい気持ちもあるのですが、もう一度お金を払うだけのものかと言うと・・・うーん。[映画館(字幕)] 6点(2010-06-22 16:18:26)

46.  サロゲート 《ネタバレ》 「身代わりロボットがいたら、どんなにか便利だろうなぁ。(中略)トホホ~、やっぱり生身の体がいちばんだぁ。」という藤子不二雄のマンガみたいな物語をハリウッドが大人向けにマジに作ってます。人が寝ていてロボットばかりで動いている世界なんていうのは、とてもじゃないけれど非現実的だっていうのが判っているので、まずはその世界をなんとか納得するまでが大変。『マトリックス』みたいに仮想世界にしてしまった方が、よっぽど便利な状態だと思うのですが、それだとただの『マトリックス』のパクリになってしまうので、無茶な設定を優先、みたいな(でも結局『アバター』とカブってるんですが)。見てる側はいろんな無茶に目をつぶって。で、なんとか納得したつもりで映画に向き合うと、今度は物語がどっちを目指しているのかが全然見えてこなくて、また大変。ロボットが悪い、人殺しが悪い、企業が悪い、システムが悪い、アイツが悪い、コイツが悪い、いやいや自分が悪い、って、向かうべき方向がクライマックスのオチまで延々とぐるぐると迷い続けるので、登場人物以上に見てる側が振り回されます。プリウスが走っていたり、USBメモリ使ってたり、最初に出てくる字幕が「現代」となっている以上、実は今を舞台にした話なようなのですが、現代人がシンパシーを抱ける程に説得力がある話ではないのが大変キビシいところ。未来世界にして独自の美術世界を展開したらおとぎ話として楽しめたと思うのですが、そこまでの予算はなかったのかな。いや、それだと今度は『アイ,ロボット』とカブるのかな・・・[映画館(字幕)] 4点(2010-01-22 18:04:50)(良:2票)

47.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 毎度、映像のスタイルにばかり凝って、中身スカスカなトニー・スコットに期待できるワケもなく、快作だったウォルター・マッソーとロバート・ショウの74年版を越える事なんて期待してもいませんでしたが、それにしてもこの凡庸さ、退屈さはどうしたモンかと。あちこち74年版を踏襲しつつも、ちっともノッてゆけない、妙に褪めて映ってしまうのは、サスペンスの組み立てが下手だからでしょうか。トラボルタがやたらキレやすい、小物然としていて、そこに裏があるのかと思えば、ただそのまま行動が隙だらけの人間なだけですし(金の相場云々の裏は丸出し過ぎて裏のウチに入らないですよね)、デンゼル・ワシントンとの駆け引きにしても息詰まる展開と言うよりはギャーギャー騒ぎ立てているばかり。タイムリミットまでに現金を届ける部分も見た目をハデにしたら逆にマヌケに映ってしまい(いちいち事故ってみせてもねぇ)。派手なら、騒げば、娯楽映画として成立すると思ってるような映画。トニーってば80年代でアタマの中、止まってますな。[映画館(字幕)] 3点(2009-09-04 17:44:21)

48.  サンシャイン・クリーニング 《ネタバレ》 どんなコメディかと思えば『おくりびと』アメリカ版みたいな内容で。あれほどには良く出来た(出来すぎな)調和はしていないのですが。だからこそ、苦味が心に残るところもあって。幼い頃に母を亡くした姉妹が、仕事を通して死というもの、そこから生というものを見つめてゆく姿は、荒れた生活描写とは逆にピュアで、ああ、クリーニングに浄化をかけているのだなぁ、なんて考えたりして。失われた者と失われた物、失われた時間に対して、どう折り合いを付けて先に進んでゆくのか、全く別の性格を持つように思えながら、実はそっくりで、ただ立場が違うがゆえに対立する姉妹の対比が切なくも胸に染みてきます。終始描かれる、物に対する執着が彼女達の人生を象徴していて、それは獲得と喪失と妥協の繰り返し。マイナスばかりの人生でも、命あるうちはどうであれ先が存在することだけは確かなのですね。弱点としては母の死が自殺によるものである以上、姉妹には父親に対する何らかの思いが存在しているハズなのですが、そこには全く触れてなかったところですか。あえてそこに思いを見出せるとすれば諦めくらいで。ともあれ、姉妹の二人の好演が目立つ作品でした。[映画館(字幕)] 7点(2009-08-03 16:57:32)(良:1票)

49.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 信州の武田勢の旧家って言ったらウチの母方のご先祖の天敵ですなぁ。それはともかく。楽しめはしたのですが、なんだこのマンネリ感、ってところで。細田監督の引き出しはこんなにも少ないの? 毎度のリング状電脳空間、夏、入道雲、画面に平行な構図。やってることずーっと同じ。いい加減飽きますって。『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』と本家『ウォー・ゲーム』(83年のジョン・バダム監督のヤツね)をベースに、あと『どれみ』やら『時かけ』やらでお馴染みな細田エッセンスを振りかけたら出来上がり、みたいな。もっと新鮮な驚きを見せてよ、お願いしますよ。キャラが意外なまでに面白味に欠けるのもどうなんだろうなぁ、と。主役かと思われたヒロインなんて延々と役立たずだし、おばあちゃんが頑張るのかと思えばあれだし。大家族という一集合体が1つのキャラとして成立してる、って点では面白いのですが、個々ではそんなにはねぇ。家族ってシステムと仮想システムとの対比から「こころ」に触れてゆこうとするテーマはいいと思います。だけど、この作品には広くアピールするだけの一般性も普遍性も足りてない感じがしました(もっとハッキリ言うとオタクくせー)。大体、OZのシステム自体が疑問だらけなのですが、抵抗なくみんながみんなあのシステムを受け入れているという設定があり得なさ過ぎて、テーマを語るためのハッタリだとしてもアナログな人々の頑固さを実感しまくりながら生きてきた身としては説得力がまるで感じられません。あと、『時かけ』に続き「泣く」シーンを特異点として入れてるのは宮崎アニメを意識し過ぎかな。元々「泣く」シーンは宮崎アニメのポイントなのですし。宮崎アニメの呪縛から逃れられない限り、宮崎駿は越えられないですわな。次はもっと全然違った色を期待します。[映画館(邦画)] 6点(2009-08-02 16:30:04)(良:2票)

50.  ザ・マジックアワー 《ネタバレ》 「黒い・・・何十人の女よ!?(笑)」って、そういう映画のお遊び部分は大変楽しませて頂きました。前半は笑いっぱなし、笑いまくり。見る前は『サボテンブラザース』や『バグズ・ライフ』『ギャラクシークエスト』の更なる亜種として認識していて「大丈夫かいな?」と思っていましたが、実際はそれらにそんなには似ず、オリジナルな楽しさを醸しておりました。ただ、後半に至って(そう「これ、もしかして映画じゃないな」なところから)失速。本来どっかんどっかんと畳み込まないとアカンところからがモタついて残念。上映時間長過ぎはここら辺の過剰な思い入れのせいかぁ、って(憧れていた俳優が云々、マジックアワーの語源が云々のあたり)。2時間以内に収めようよ。そして、それに結びつくように大変気になってしまったのが、せっかくだから、勿体ないから、みたいな作られ方。最後のひと押しは、最初から考えてたオチなのでしょうが、どう見ても「せっかく用意したのに勿体ないから」付け加えたって思えてしまうんですよね。そして映画の作りそのものがそんな感じ。ゲストキャラを無理に突っ込んでるのも勿体ないから、上映時間が長いのも勿体ないから、そして、エンドクレジットにあんな無粋な映像を流すのも「勿体ないから」。映画はさぁ、最後に幕が閉じるまでが作品でしょう(まあ、最近は幕付きなハコが少なくなりましたが)。アレはDVDの特典映像にでも入れておけばいいのに。いかんせんアレはクドいよ。カントクもこれで映画4本目になるんだから、そろそろ切り捨てるべきモノは切り捨てる、ってのを覚えて欲しい気が。そうそう、忘れてました。女優さんをもう少し綺麗に撮ってくれませんかねぇ。深津さん鈴木京香さんはやつれてる風、戸田さんは魔法使いのオババ風、綾瀬はるかさんは野暮ったくて『僕の彼女はサイボーグ』の美しさとは別人みたい。[映画館(邦画)] 6点(2008-06-12 20:33:58)

51.  最高の人生の見つけ方(2007) 《ネタバレ》 なんだか、すっげー食い足らない!みたいな。主役二人の存在感、演技は最高なんですけど、それを映画が全然受け止めきれてない感じ。ハリウッドメイドの軽食なんですよ、脚本とか演出とか。これまでいかに生き、そしてこれからいかに死んでゆくか、そんな深い深い素材が、全て予測された味付けだけで終わっちゃう。スパイス不足で良くも悪くも口当たりのよいばかりの映画。まず起点に超お金持ちの財産があって、その財産を頼りに物語が進んだ上で、お金が人の価値の全てじゃない、なんて至極真っ当な事を語られても、それはファンタジーの次元ですからねぇ。さて、ですがここで1つの大きなポイント。性格も、育った環境も全く違った二人が病院で同室になり、意気投合して病院を抜け出し、二人で同じ時間を過ごし、人生を見つめてゆく事になるという、基本設定同じな『タイムズ・スクエア』(’80)という映画がありまして、でも中身は貧乏しながら自分を見つけようと足掻く少女達の青春物語。なので、この映画と真逆の、対を成すような感じですが、それを見ていたお陰で非常に感慨深く映画を見る事ができ、実際の映画の実力を大きく上回る価値を見出せたような気がします。人生の始まりと終わり。何かを創り上げてゆこうとするキモチと何かを遺そうとするキモチ。全然時代もセンスも別の映画なのに、まるで2本で1セットみたいな。なので、点数は『タイムズ・スクエア』という映画があったお陰な点数。正しい映画の評価の仕方じゃないですが、私にとっての価値、って感じですね。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-12 23:07:56)

52.  ザ・フィースト モンスターパニックもので、コメディで、閉ざされた空間で戦う物語、という事で『トレマーズ』の再来を期待した訳ですが、あれほどには面白くなかったというのが正直なところ。ノリとしてはむしろ『フロム・ダスク ティル・ドーン』や『プラネット・テラー』的な感じの、ヘンな人達が巻き込まれてぐちょぐちょ~、って世界。汚~い汁っ気はやたらに多いんですけど、楽しさ怖さは少な目。このテの映画の定石を崩して意外性で展開してゆくというのが売りになってるんですが、それとて想定の範囲内なんですよね。映画として徹底的に破壊と再構成をしているって訳ではなくて、単なる変化球に収まってる感じ。一方でモンスターホラーとして真面目に見ようとしても怪物としてのディティール描写に乏しく(モンスターのシーンになると途端にカメラが動き過ぎて何が起こってるのか肝心なところがちゃんと見えません。ワザとなんでしょうけれど)、登場人物は記号化されていて、あんまり面白くない、と。字幕でいちいち解説してくれる人物のイメージに頼る事で、映画としてキャラを面白くする努力を放棄しちゃってる気がして、それって本末転倒だなぁ、って。何が起こるか、誰が生き残るか判らない意外性ではマジメに作ってるハズの『ディープ・ブルー』や『ポセイドン』の方がよっぽど上だったりして。結果的には普通にB級でした。ベン&マットは「ボク達ってばタランティーノ&ロドリゲス的な面もあるのよ」みたいなのを誇示したかったのかしら? 劇場で周囲に誇示するかのように妙に大声で笑ってたマニアな人達が、その実、お寒い感じにしか思えなかったのが印象的な映画でした。[映画館(字幕)] 5点(2008-04-01 22:00:31)(良:3票)

53.  ザ・シューター/極大射程 《ネタバレ》 かつて優秀な軍人だった男が今は一人山に引きこもっていて、でもそこに軍幹部が訪れて、ってなんだかセガール映画みたいだなぁ、と思ってましたが、結局そういう映画の世界から全くブレる事のない正統派B級映画でした。上院議員や軍幹部の陰謀はなんだか雑ですし、やってくる敵のみなさんはみんなマヌケ、全身丸出し状態で走っても弾が当たらない、悪の権力者なんぞ殺してしまうのがいちばん、というイケイケ(死語)なオチまで含めて、誠に正しい姿をしております。綿密に張り巡らされた陰謀と情報合戦の世界を描いた息苦しい映画かな?と思ったのですが、見終わってスッキリな筋肉系シネマだったので、まあ個人的には嬉しい誤算ですか。でもマーク・ウォールバーグってば、そういう路線を突っ走るつもりでなんでしょうかねぇ? だったらもう少しアクションで見せて欲しい気もしましたが。セガールだったら何十人やってこようが全部拳で倒してるぞ、って思ってしまいました。もっともそれじゃこの映画での主人公のスキル設定そのものが無意味になっちゃいますね。[映画館(字幕)] 6点(2007-06-02 16:44:51)

54.  佐賀のがばいばあちゃん 《ネタバレ》 画面から匂いのしてくる映画でした。夏の川辺の匂い、かまどの煙の匂い、釜から立ち上る湯気の匂い、蚊取り線香の匂い。昔の日本の匂いを画面から感じられただけでも、この映画いいな、と思いました。物語は悲劇に寄る事なく愛すべき人々の温かさを描いていて、悪人なんて全然出てこなくて、だけど人の優しさ、温かさが逆に少年の生い立ちを際立たせて切なく悲しかったりもします。散文調でドラマの流れがないために、深みが感じられない面はあるのですが(ばあちゃんの言動は面白くも含蓄に富んでいますが、貧しさの中で7人の子供を育て生きてきた重さが伝わってくるようなエピソードは全然なくて)、ばあちゃんと少年の過ごす時間を見つめられただけで、ほわほわじんわりと染みてくる映画でした。まー、でもあの少年が後に「もみじまんじゅう!」ってところに至ってしまいますよ、っていう繋がりを感じさせてくれても良かったかな。なんで真面目そうなサラリーマンなのかな?[DVD(邦画)] 8点(2007-05-20 01:43:24)

55.  さくらん 「新しいは古い、古いは新しい」そんな事を思いながら見てました。予想していたより遥かに古臭いです。鈴木清順と五社秀雄をブレンドして思いっきり薄めたような印象。目新しさと言えば役者と音楽くらいのもので、演出や編集は、もっともっとぶっ飛んでしまっていいんじゃない?と思いました。本来、もっと鮮烈な色になったであろう要素が、沈んだトーンの中に埋没しているように見えてしまうのは、何がいけなかったのでしょう? 赤の色調の中にまた赤を乗せて、全体が赤になってしまうと際立たせなければならない要素が弱くなってしまう、でも写真家な監督ならそれは充分に理解している筈ですし・・・うーん。ライティングにメリハリがなかったかなぁ。美術や衣裳、結髪のスタッフがきっちり仕事をしているのが目に見えて、それは古い伝統の世界をちゃんと生かしてるなぁって、そういう点では感心したのですが。フレームを四角く切り取って、その中心に華を持ってくるような描き方にはハッとさせられる一瞬があって、全編このセンスで押し通してくれたなら、物語自体はベタでもいいくらいに思ったのですが、どうも全体の薄味感はいかんともし難いのでした。土屋アンナを起用したのなら、もっともっとぶち壊せたでしょうに。[映画館(邦画)] 5点(2007-03-17 21:08:09)

56.  THE KISEI 寄生 《ネタバレ》 あからさまに『セブン』なメインタイトルから始まって、でも中身は『リング』のコピー(それに『ローズマリーの赤ちゃん』とか『マニトウ』とかブレンドして)。期限付き呪いを見てしまいました、ってヤツです。この映画の最大の問題点は、判り易過ぎる、って事でしょうか。何しろオープニングで経緯を説明しちゃってるものだから、謎解きとしての面白さは殆どない上、隠されている真相さえも途中でどんどんと読めていってしまうという。しかも恐くないのですから、ホラーとしては厳しい出来。一方で、説明不足で「ん?」と思ってしまう箇所が何点か。いきなり他の人間が既に引越してきて住んでいる場所に引っ越す気になるヒロイン、サイトを見て15日後に死ぬとまでハッキリしているのに霊は信じず、かと言ってヒロインの死が迫っていても特に捜査は進展させてない刑事、サイトを見たからなのか、同じ産婦人科に行ったからなのか、どっちなのよ?な設定、そもそも何をもって解決とするのか、何が謎なのかすらハッキリしない展開(当然ながら、和製ホラーお馴染み、それで終わりだと思ったら大間違いパターンにはしっかり突入しますが)。その上、ケリを付けるのがいきなり刑事が・・・って、それまでのホラー設定台無しじゃありません? 刑事に・・・させるために今まで呪い続けましたか? むう。唯一、刑事が見る幻とラストだけは謎なままになっておりますが、あれってどう解釈しましょう? あちこちからネタを引っ張ってきたのはいいけれど、それを上手くひとつにまとめる事には無頓着、って感じの映画でした。[DVD(字幕)] 4点(2006-12-04 01:52:44)

57.  サマリア 《ネタバレ》 重く、痛く、そして切ない映画でした。っていうかこの監督の映画はいっつもどこへ物語が向かうのか見当がつかなくて、見ている間ずーっと心がざわざわ。ヨジンにとってのチェヨン、私としては別の存在だと思って見てましたが、同化していたがゆえにチェヨンの死後のヨジンの行為は喪失した部分を埋め合わせていってるのだと思いました。対する父の行動は北野映画の如く寡黙な暴力が爆発しておりまして、見ていて非常に痛いのですが、そこに同情はありません。ひとつの家族を破壊させ、一人の人間を殺害し、自己完結への道へ進む、それは正義ではなくて、娘が離れてゆく、家族の姿を維持できなくなる事に対する足掻きのような感じ。夢のシーンは願望を象徴しつつ、実際には娘の一人歩きのための道を作る。父を追う娘を車という形で俯瞰したラストがとても印象的でした。この監督の作品を見るのはこれで3作目ですが、どうも描かれている事そのものは実際の事象として明確に捉えるべきではないようですね。死、殺人すらも象徴的なものでしかなく、世界を描くためのピースのひとつに過ぎないような感じ。状況や背景を深く追求するよりも、感覚を以って接する映画という感じでしょうか。まあ、平たく言っちゃうと娘のセックスに対する不安と諦めの映画、とゆー元も子もない説明が付けらんない事もないですが。韓国映画は美と醜とが同体として描かれている映画が多いのが特徴的ですね。美しさとおぞましさが同時に心にこびり付きました。[DVD(字幕)] 8点(2006-11-21 02:05:18)

58.  Sad movie/サッド・ムービー 《ネタバレ》 ややっ? 世間の不評悪評を覚悟の上で見に行ったら、意外にも良かった、感動しましたよ? そりゃもう韓国映画のベタな物語を4つ合わせただけ、みたいな状態ではありますけど。ガンに冒された母と、その息子。消防士と、その恋人。耳の不自由な少女と、絵描きの青年。別れ話の代行をする男と、その恋人。それぞれがどんな物語になるかなんて「はいはい、毎度のパターンね」って判ってしまうようなもので、実際その通りの展開しかしません。また、それらが同時進行で描かれるために、どうしても薄くなってしまうエピソードがあるんでないの?と思われそうですが、これもまたその通り。ええ?アレで終わり?ってエピソードもあります。同時進行ですから、当然クライマックスに怒涛の泣かせに突入しますが、あっちで泣かせ、こっちで泣かせと、どうも泣かせも集中できずに散漫になりがち。1つ1つ独立した映画にした方が良かったんじゃないの?というツッコミも否定できません。でも、リンクしている部分の構成なんかは結構楽しめますし、ベタさ加減を全面的にとことん味わいましょうって姿勢で見るのならば、やっぱり「ああ、ええわぁ」って思えます。韓国映画のベタなところと同時に綺麗なところだけを濾過して描いている状態なので、世界から雑音も響いてきませんしね。動き過ぎなカメラワークが煩わしく感じましたが、まあ、深い味わいはないけれど、韓国映画ベタベタバイキングとしてはお腹いっぱいになれます。個人的には着ぐるみ少女のエピソードをもっとたっぷりと1本で見たかったですが。[映画館(字幕)] 7点(2006-11-11 17:03:05)

59.  ザ・ブライド/花嫁はギャングスター II 《ネタバレ》 前作を見て、続編がある以上は見ないワケにゃいくめぇヨ、と借りてきました。冒頭のアクションシーンで「ああ、モロに続編だぁ、わーい」と喜んだのですが(いや、前作が大好きってワケではないんですけどね、ヒロインがカッコイイしね)、ビルから転落して記憶喪失になって中華料理屋の出前持ちになっちゃいました、ってところからの展開は「あれ?」って感じ。体に染み付いたマフィアのボスとしてのスキルが面白いエピソードを色々描いてゆく、って程ではないし、ボスを探して子分達が奮闘する、って訳でもないし、ゆる~いコメディとして非常にまだるっこしい展開が続いてゆきます。更に中盤以降、脚本が破綻しはじめ、記憶が甦る後半に入るとメチャクチャ。そこから胸のすくようなアクションが展開するのかと思えば、ちっともキレがないし、中華料理屋のマスターの娘が実の娘じゃない、って唐突に語られて意味が判らないし、マスター唐突に死んじゃうし、敵ボスや再開発話の行く末が不明だし、チャン・ツィイーは刺身のツマ未満の存在だし、まるで30年前の香港映画を見ているような粗雑さ。冒頭のアクションシーンに製作費の大半使っちゃって、あと予算なくなりました、みたいな感じのいい加減な映画で、ああ、韓国映画でもこういうダメな映画ってのはあるんだなぁ、としみじみ。それにしても、続編である以上は前作のダンナの存在はとっても重要だと思うんですが、まーったく登場もしなければ言及もされず、でも写真では登場して、一体どうなっちゃってるんでしょ? 本当にいい加減だなぁ。[DVD(字幕)] 4点(2006-11-01 01:06:55)

60.  殺人の追憶 「グエムル」「ほえる犬は噛まない」そしてこの作品と見て、この監督さんは『韓国のまとまらなさ』を作品にまとめるのがとても上手なのではないかな、と思いました。3作共通して見えてくるのは、単純に正義や悪で物語を組み立てるのでなく、正義も悪も美も醜も何もかもが一つの個の中に渾然一体となって存在して、それが集まってひとつの世界、ひとつの社会を形成している状態。この映画での判らなさ加減、スッキリしなさ加減、混乱と惨劇と悲劇の中にブラックな笑いまでが織り込まれた状態、それは監督が自嘲的に思う韓国という国の姿なのかもしれません。86年という舞台は、今とは違う韓国の世界であった筈、なのですが、ここで描かれた空襲避難訓練は形骸化しつつも継続し続け、そして今、北朝鮮の核実験によって再び国が市民に訓練への参加を喚起しているニュースが流れるにつけ(街中を歩いている人々に警官が注意する姿など、この映画のまんまです)、韓国という国の抱えた問題はずっと尾を引き続けているのですね。もちろん、日本はそれを対岸の火事として眺めていていい国ってワケじゃないんですけど(だからって線引っ張って壁立てて武器構えてろ、っていうワケじゃないですけどね、勿論。小泉政権はそういう方向に持ってゆこうとしたんでしょうけどもさ)。[DVD(字幕)] 7点(2006-10-26 00:32:34)(良:1票)

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