みんなのシネマレビュー
かっぱ堰さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456

41.  心霊写真部 弐限目<OV> 《ネタバレ》 とにかく主人公がかわいすぎる。しーちゃんかわいいかわいいかわいいかわいいで頭が一杯になって冷静に見ていられない。基本的には女優がかわいいわけだが、劇中人物としても、休日に同級生男子と池袋に出かけたのをデートだろうと先輩にからかわれて「違うのに!」と反論するのがかわいい。 またストーリーとしては前作と同様、心霊関係の世界でありがちな話を解説付きで取り上げているので堅実ともいえる。この弐限目では5話と6話が少しシビアな感じで、うち5話の竹中美歩役は熱演ごくろうさまだった。また6話の桂川ナオ役も、完璧美少女でもないが実年齢より大人びた感じで、役どころとの関係でもかなりいい雰囲気を出している。 このあとに予定されていた参限目と四限目は制作されず、結局この弐限目で中断した形になっているが、ここまでの範囲でいえば、かわいい主人公が出る一話完結の楽しいシリーズであり、毎度の心霊ネタやゲスト女優も見どころになっている。それだけならわざわざ映画にする意味がないということになるだろうが、個人的にはこれで満足である。 なお現在、幻の参限目と四限目で想定していた内容を含む新作がすでに完成しており、まもなく公開されるとのことで期待したいところだが、主演女優が別人なのはやはり残念なことである。結構な年数が経っているため高校生役はさすがに無理なのはわかるが、しーちゃんが出なければ個人的には価値が半減するわけで、この面でも旧作に負けないものになっていればいいがと思っている。[DVD(邦画)] 6点(2015-03-31 00:23:57)《改行有》

42.  心霊写真部 壱限目<OV> 《ネタバレ》 別のDVDでたまたまこれの予告編を見たところ、主人公があまりに可愛いので本編も見ないわけにはいかなくなった。こんなに可愛いのは反則というしかなく、ニコ生ホラー投票1位とかいうのもほとんどこの人のおかげだろうという気がする。高校入学直後という劇中の設定年齢と、女優の実年齢には実はかなりの差があるが、とにかく可愛いので無問題である。ちなみにこの女優が本当に高校生の年齢だった頃の姿は「幸福のスイッチ」(2006)で見られる。 それで内容としては、ホラーとして見ればそれほどユニークでもなく、アイデア自体はどこかで見たような話も多いが、しかし現実に心霊関係で語られがちな事象を取り上げているのでわざとらしいところはあまりない。特に第1話など、一つのエピソードに複数の原因が関連づけられているのはストーリーとして整理されていない印象もあるが、実際にこういう場所では類が友を呼んで様々なモノが共鳴するといったような、いわば常識を踏まえたものとして見ればかえって真実味が感じられる。ホラーというより心霊現象好きとか、実話系怪談のファンが好む内容かも知れない。 また主人公の圧倒的な可愛さもあってエンターテインメントとしても悪くない。主人公がおののく顔がたまらなく可愛らしいが、ほかにもこの壱限目ではカラオケとかプリクラといったものが出るので女子中高生が多く賑やかで、うち特に第3話の瑞希役は熱演ごくろうさまだった。またどうでもいいことだが、第1話の題名で肝試しをひらがなで「きもだめし」と書いていたのが低年齢向けのようで微笑ましく、全般的に結構いい印象を残すお話だった。 なお、こんなC級ホラーでも書こうとしたらあらかじめちゃんと作品登録されていたのはありがたいことだった。常に周囲の皆様への感謝を忘れずに生きていかなければならないという教訓である。[DVD(邦画)] 6点(2015-03-31 00:23:46)《改行有》

43.  女優霊(1996) 《ネタバレ》 演出面で古臭いところもあるが、全体としていわば正統派の雰囲気を持った怪談になっている(終盤の一部を除く)。映画撮影の現場ということで内輪ネタという感じもなくはないが、もともと実話系怪談でもスタジオというのは何かが籠った場所として扱われる傾向があり、これはこれでオーソドックスな設定ともいえる。 ところでストーリーはよくわからない点が多いが、表題のモノが撮影所にいた理由に関しては、やはり昭和46年のドラマ制作が原因だったと思われる。ドラマの内容自体、母と娘の想像が架空の人物を生み出すような話だったらしく(これは結構怖い)、これを演じた結果、本当にその人物が撮影所内に現実化してしまったということらしい。映画制作というものが、何もなかった空間に別の世界や人間を創り出すことの神秘性を描き出そうとする意図があったのなら、撮影所を舞台にしたことにも一定の必然性が感じられる。 一方で劇中の監督が幼少時に今回の事件をあらかじめ体験していたらしいのは意味不明だが、そもそもこの記憶のせいで監督が映像の道を志し、ドラマのストーリーにヒントを得たかのような映画を作ろうとしたということであれば、むしろ初めから全てが仕組まれていたのではという疑いも生じる。今回もまたお蔵入りのフィルムができてしまったということだろう。 主人公は外見的にも情けない感じで監督としての威厳が感じられないが、終盤で醜態をさらすのは心が子どもに返っていたためだろうから仕方ないのだろうし、また故郷の母親は普通に気の毒に思われる。向上中だった若手女優を含め、登場人物がそれぞれ映画にかける思いがありながら、全て断ち切られてしまった悲哀も感じられなくはなかった。  なお完全に余談になるが、若手女優役の若手女優(石橋けい)を見ていて、「有言実行三姉妹シュシュトリアン」<TV>(1993)の出演者と気づいて笑ってしまった(役者が可笑しいのではなく番組が変)。劇中人物としては残念なことになってしまったが、本人は今も元気で(当然だが)女優として活動中のようである。[DVD(邦画)] 6点(2014-12-20 19:28:26)(良:1票) 《改行有》

44.  呪怨2 (2003) 《ネタバレ》 どうせまたこれまでと同じようなものだろうと思って見たら結構怖い映画だった。主人公の自宅で、何が出るか出ないのかわからない雰囲気の中に主人公が一人でいる場面などはたまらない不安感がある。また「千春」編では、傍らに人がいるかどうかもどこにいるかも関係なく、前後の脈絡もなしに突然異世界に引っ張り込まれて見たくないものを無理やり見せられていたのが非常に嫌な感じで、これでこのシリーズの特徴である逃げ場のなさがさらに強化されたように思われる。ほか今回は、変な場所で眠ってしまったところを誰かに名前を呼ばれた気がして目が覚めた、という感覚に少しこだわっていた感じもあった。 ところである出来事が発生時点より後でなく、発生以前にまで遡って影響を及ぼしていたのはこのシリーズとしては斬新である。また全体的によくわからない展開の中でも特に「千春」編は難解だが、ここでは千春にとっての結末が2種類あったようで、これは2つの並行世界それぞれで起こった出来事を示していたと解釈できる。かつ片方の千春は練馬の家に行っていない可能性があり、それでも結局呪われたということは、並行世界の境界を超えて呪いが及んだことを意味しているのではないか。これと前記の時間遡行を考え合わせれば、練馬の呪いは時空間の制約を受けずにどこまでもついて回るものであって、これはもうほとんど宇宙最強の呪いのようにも思われる。 今回の年代設定が2006年だったのは制作時点からすれば近未来だが、これは劇場版1の終盤部分と共通であり、両者は「千春」でつながっていることから、1と2は同時並行的な設定になっていたらしい。どこまでも同じことを続けるつもりでもなく、今回の劇場版では1と2の二通りの結末を見せていったん締めたという印象もある。ただ今作の趣向である世代継承ということ自体はそれほど感心するようなものではないが、まあ全体としてこのシリーズの中では見ごたえのある部類と思ったので、今回は珍しく少しだけいい点を付けておく。 なおキャストに関しては、いわゆるのりピーには個人的に特別な思い入れはない(世代的に少しずれている)ので淡々と見ていたが、新山千春とか市川由衣といった人々は見て損にならない。ほか個人的にはメイクの恵ちゃん(演・山本恵美)というのが外見的には地味だが登場人物として好印象だった。今回はこの人が一番かわいそうに見える。[DVD(邦画)] 6点(2014-11-30 22:25:43)《改行有》

45.  呪怨 -終わりの始まり- 《ネタバレ》 [2014-11-30 DVD視聴に伴う改訂]  OV版1から劇場版2までの4作から各種素材を持ち寄ったように見えているが、基本的な筋立てとしてはOV版1の発端部分と劇場版2の受胎部分を直接つないだ形になっており、これを白塗り少年を軸にまとめたことで、けっこう筋の通ったストーリーができた感じである。 この映画でも時系列錯綜の特徴は継承しているが、呪いの原点に関して旧作になかった設定を追加しており、そのせいもあって初見時には時系列に関する個人的仮説が途中でひっくり返される感じもあった。また学校教員が関わるのはOV版1と共通だが、この人がただ巻き込まれるだけでなく、終盤で決然と現場に乗り込んで行ったのは少し感動的で、この辺は旧作の貧相で情けない主人公と一線を画している。今作は最後が涙で終わっていたのも好印象だった。 一方でホラーとしての怖さはほどほどで、旧作の形式を継承していることもあり、この辺で出るだろうと構えていられるのは観客に優しい面がある。しかし旧作だったらこうなるはずだと見せておいて、おっとそう来たか、と思わせる箇所もあったのは可笑しい。また特徴的と思われたのは音響面で、ピアノの場面に続いて何度も起こる楽音的な大音響や、人物の絶叫に続く電車の金属音は印象的だった。 ところで出演者に関して、まず主人公役の女優はこれまで特に注目していなかったが、この映画を見るとあまりにもキレイでカワイイので感動した。劇中ではこの人の脚がきれいなのをしつこく見せつけていたようで、そういったところにもこだわった映画かも知れない。 一方で女子高生の七海が他の3人に比べて特別扱いだったのはストーリー上の必然性がなく、これはキャスティング上の事情によるのかと思うが、こういう人は顔が汚れないで終わるのは不公平である。個人的には莉奈役の女優が好きで見たわけだが(意地悪な感じだが可愛い)、ほかの女子高生もそれぞれ個性的で、こういった多彩な女優を見られるのはこのシリーズのいいところなのかも知れないと改めて思った。またDVDの出演者インタビューを見たところ、佐伯伽椰子役の最所美咲という人が柔和な感じで心和むものがあった。これからもみんなに愛される女優であってほしいと他人事ながら願っている。 なおエンドロールで動物を虐待していない旨の表示が出るが、劇中の描写は人間を含めて悲惨であるから、よい子の皆さんは真似しないでいただきたい。[映画館(邦画)] 6点(2014-06-28 23:50:58)(良:2票) 《改行有》

46.  死亡時刻<OV> 《ネタバレ》 題名は「死亡時刻」だが、DVDの中身は「死角関係」との2本立てになっている。監督の公式サイトでは「密室シリーズ」と称しており、前者は2006年、後者は2005年の制作で、外部情報によると前者は2009年に渋谷・ユーロスペースのミディアムショートフィルムフェスティバル「真夏の夜の万華鏡」で公開されたとのことである。 それでまず「死亡時刻」に関しては、主演の粟田麗さんがとにかく可愛らしい。彼女のファンが全国にどの程度いるかわからないが、見て損はないと一応お知らせしておきたい(こんな所に書いても誰にも届かないだろうが)。内容の方は殺人をテーマにしたサスペンスのように想像するが、実際見てみるとそれだけでもない。短時間に各種要素を詰め込んで退屈せず、ラストもきれいに収拾されて一応しんみりさせる構成になっている。 また「死角関係」は女3人男1人の四角関係で、これもサスペンスフルな展開で先が読めないが、最後はちゃんと丸く収まりラストは爽快である。小粒でキュートだが心の広い主人公を主演女優(つぐみ)が好演していた。 両方とも小気味よさを優先した短編で深みはないが後味は悪くなく、また女優が好印象だったので少しいい点にしておく。 なおこの監督はもともと脚本家として関わった映画が多かったようで、監督としての代表作は上記2009年時点で「ホッタラケの島 遥と魔法の鏡」(2009)だと紹介されていたのは笑ってしまったが、それはそれで自分としても嫌いでないので結構である。[DVD(邦画)] 6点(2014-01-13 18:27:49)《改行有》

47.  人生、いろどり 《ネタバレ》 マーケティングの観念もなくいきなり市場に持ち込むなどということをしていた時代から、農家の老婦人が端末を操作する現代までの数十年間を2時間に収めた形になっており、駆け足に見えるのは仕方ない。よく知られた「葉っぱビジネス」の話であるから新規事業の立ち上げに関わることも一応入っているが、それより現代農山村や高齢化をめぐる問題点を手際よくまとめた映画という感がある。 まず基幹農作物の低迷により、これまで家計を背負ってきた男衆が勢いを失う一方で、農村女性が力を発揮できる機会が増えたことが明瞭に示されている。特に劇中で印象的だったのは、主人公が働く理由は自分の人生を具体的に豊かにし、またその成果を愛する者と共有することだが、それが夫には理解できていないことだった。 また高齢者の生き方に関することが大きなテーマになっており、主人公の友人が途中で死去したのも悲しいというよりは、最後まで夢をもって前を向いて生きたのが幸せだったと取るべきなのだろう。最近は定年帰農という言葉もあり、自分などは農家出身の人々は死ぬまでやることがあって羨ましいと思っていたわけだが、むしろ農家かどうかを問わず人間は死ぬまで働き楽しむ機会が与えられていると解すれば、これは高齢化社会全般に通じるメッセージともなる。逆にその点で、農山村の生活にこそ人間本来の生き方があるといえるのかも知れない。 ところで劇中では仲卸のお嬢様がとにかく不快で、こんなのが嫁入りする話にするくらいなら、主人公のところの働き者の嫁さんに早く子どもを作らせろと思っていたのだが、最後はちゃんと腹が大きくなっていたようで喜ばしい。ただ主人公が樹を植える話に関しては、申し訳ないが一般論としては悲観的にならざるを得ない。次世代の者の進路を縛るわけにもいかず、また劇中の新ビジネスのようなものがよほどの所得を生まない限り、食っていけない場所に人は住まないということだが、まあそれを何とかするためにもこの映画が作られているわけである。 なおこの映画を見ていると、出演女優が何歳になっても年齢相応の役を務めているのに感服する。特に佐々木すみ江氏は相当の年齢だろうが、それでもできうる限り役者人生を続けていこうとされている姿は、この映画のテーマに照らしても鑑になるものと感じられる。[映画館(邦画)] 6点(2013-12-22 17:45:36)《改行有》

48.  四月物語 《ネタバレ》 冒頭から可笑しくて和んでしまった。本物の家族なわけだが、本物の(田舎の)家族に見えている。主人公は最初からあまりに美形で言葉が完璧に東京風なことは残念だが、それ以外はちゃんと地方出身の女の子になっている。 地元を離れて全国の出身者と接してみれば、同じ日本人で日本語を話していても口のきき方や表情に違和感があり、言葉はわかっても真意が測りかねる場合がある。育ちや経歴の差に気後れしたり、ものの考え方や感じ方も違っていて、同じ国にこんな人の住む世界があるのかと思うことさえある。一方では人づきあいの不器用さのため、悪意はないのに行き違いが生じて変に気まずい思いをすることもある。自分にとっては大昔のことだが、主人公がそれをそのままなぞっているようなのは微笑ましい。90年代末にしては純朴すぎるようではあるが、監督が大学に進学した頃(80年代初めか)が基準なのかも知れない。 また劇中では主人公が、初期目的の達成のため積極的に行動しているようでいて実は運任せだったのはまことにじれったく見えたが、最後にはちゃんとそれらしい結果が出せていたのは他人事ながら喜ばしい。ここまで4月中に実現できたならいい出来だろう。田舎には絶対いないタイプの温和な紳士に出会えたのも幸いで、これからはどんどんいい方向へ展開していきそうな予感がある。最後のモノローグには申し訳ないが大笑いしてしまった。何だかずいぶん自信がついてきたらしい。 全体的に緩い感じではあるが、個人的には見ていて恥ずかしいやら懐かしいやら笑えるやらのほのぼのした映画だった。風景も美しい。主人公も可愛い。[DVD(邦画)] 6点(2013-02-10 19:24:33)《改行有》

49.  シークレット・マツシタ/怨霊屋敷 《ネタバレ》 「戦慄の日系ペルー・ホラー」などと書かれると見ないわけにはいかなくなる。「おぞましき日本の呪い」(笑)にもそそられる。配給は一部で有名なオカルトメディアTOCANAとのことで、松下さんは鑑賞無料にしたという適当なノリも悪くない。内容としてはペルーの著名な心霊スポットを扱っていて、ホラー映画というより怪談話や都市伝説の愛好者に受けそうな映画になっている。 所在地は、首都リマの歴史地区から少し外れているが都心部の目立つ場所にあり、Googleマップでみると「Casa Matusita/お化け屋敷/24時間営業」と表示されてクチコミが書き込まれている。当時の外観は映像に出ていた通りとして、内部の撮影はどこでしたのかわからないが、2階の窓から旧アメリカ大使館を映した場面は、実際に現地からならこう見えるだろうという映像になっていた。 外部情報によれば、この場所にあった日系人の会社は1950年代から2005年まで1階を借りていただけらしく、2016年には老朽化のため2階を取り壊した上で全体の改修工事をしたとのことである。現地報道によれば、本当の所有者としてはこの映画などの公開のせいで、根拠のない噂話がますます勢いづくことに嫌気がさしていたようだった。 ちなみに序盤で出ていた精神病院は都心部から南西5kmくらいの海際にある国立病院で、松下邸とは直接関係ない。ここに関わる有名な都市伝説というのはラルコ・エレーラの幽霊の女性(La mujer fantasma del Larco Herrera)というものと思われる。 物語に関して、予告編では「これは実話です。」とされているが、劇中の具体的な出来事に関してはウソに決まっている。ただし導入部のインタビューでは実際の都市伝説を結構まともに解説していて、細部はともかくこういう都市伝説が存在することは事実である。ここに出ていた人々のうち、Percy Taira(ジャーナリスト・ライター・詩人、YouTubeチャンネルあり)とFernando Vivas(ジャーナリスト・政治アナリスト)は実在のペルー人だというのが現実感を出している。 劇中人物が撮っていたのは卒業制作とのことだが、性質としては日本にもあった心霊番組の特集で、霊能者とともに現地取材して適当に騒いで帰るようなものを想定したと思われる。ホラーとして見れば取ってつけたような和風要素はあるにしても、基本は洋モノ風の物理的なドタバタが多く独創性もあまり感じない。しかし全体的な企画としての面白味は感じられたので、結果的にそれほど悪くは思わなかった。正直嫌いでない。 [参考]エンディングの曲が気になったので本気になって調べると、和楽器の音楽ユニット「びかむ(ビカム)」が2004年に出した「今は昔、~竹取物語~」というアルバムの曲であり、「果てしなき我が問いは…」は「月白み」、「屋根に千人、築地に千人…」は「その日、月輝き」から採っている。かぐや姫と帝の恋を中心に描いた作品とのことで、こんな迷惑系突撃ホラーにはもったいないまともな音楽なので紹介しておく。[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-24 11:22:59)《改行有》

50.  死体語り 《ネタバレ》 ブラジル映画である。場所はサッカーチームの名前や警察(サンパウロ文民警察)からして同国第一の大都会サンパウロである。Vila Gustavoという地名は主に中流層の住宅地だそうで、犯罪集団のボスがこの名前を聞いて怪訝な顔をしたのは、対立勢力の居場所として不自然だからと思われる。 最初は面白い設定で始まったと思ったが、結局最後は普通一般の心霊ホラーに移行してしまった感がある。死体と話せることの背景設定として、いわゆる霊魂というものが死後に身体を離れるのでなく、キリスト教でいう「最後の審判」までは遺体にとどまったまま墓にいる、という考え方ならユニークだと思ったが、劇中妻が家にまで押しかけて来たからにはそうでもないということか。あるいは墓にいられず神の世界にも行けない連中が、終幕時に外を歩いていたという意味か。 また「マーク」したのが誰かの説明はなかったが、少なくとも家族殺しを許さないのが神だというからには、キリスト教の神様がこの映画での行動主体として存在していたはずである。一方で序盤から神と悪魔について語る声が聞こえたり、TVの悪魔祓いを映したりして悪魔の存在を匂わせた上で、神がいるなら悪魔もいる、とまで言わせたからには悪魔も存在しなければ変なはずだが、悪魔の関与を明瞭にする場面は最後までなかったように見えた。例えば劇中の出来事を神と悪魔が分担していて、神が家族殺しの罪で主人公を見放してしまい、そこに悪魔が付け込んで破滅させようとしたのなら、劇中妻だけが極悪人であるかのように思わなくていいかと思ったが、そのように確信できる証拠もない。本来はそれなりに子のことを思っていたはずの母親(自分の無惨な姿を見せるなと言っていた)も死後に変わってしまったのなら残念だ。 なお題名に関して、原題は意外にも「死体は語らない」という意味である(nãoはnot)。これも例えば死体が話すように見せておいて、実は悪魔や神が話していたというなら間違っていないわけだが、実際はそうとも言えない場面が多かった。ただ少なくとも、全部が主人公の妄想だったというのはこの映画としてありえない。 そのようなことで、どのように筋を通そうとしているのかわからない映画だったが雰囲気は悪くない。最後に子どもらと一緒に助かった人物は最初から清楚系に見えたが、実際に信仰心の篤い真面目な人だったらしい。それにしても神だの悪魔だのと無関係にやたらに人が死ぬお国柄のようだったので、渡航時には十分注意してください。[インターネット(字幕)] 5点(2022-11-19 10:15:45)《改行有》

51.  真・鮫島事件 《ネタバレ》 今どき鮫島事件かとは思ったが、永江監督の映画では「2ちゃんねるの呪い 劇場版」(2011)でも同じ題材を扱っていたので本人的には馴染みがあるものらしい。 今回は新型コロナウイルス感染症流行の時節柄ということでリモート飲み会の場を設定し、また呪いの拡散が「被害者が加害者に」なる点でウイルスと同様だという理屈を語っている。しかしそれをいえば吸血鬼とかゾンビも同じであって、実際に感染症映画兼ゾンビ映画というのもある(「デッド・シティ」(2019)など)ので独創的な発想ともいえないが、まあ今の世相を反映した映画ではある。 鮫島事件の話自体は昔からある「牛の首」のようなもので、この映画も“そんな怖い話は誰も聞いたことがない”系のオチかと思ったが、さすがにそれでは映画にならないということか、実体のある話を作っていたのは前作と同様である。空虚な言説が恐怖を拡散するというなら「コンテイジョン」(2011)のようになるかと思ったが、それよりはホラー映画としての娯楽性を優先した形かも知れない。 ホラーとしては、この監督らしく低予算ながら一定水準を確保した映画ができている。終始webカメラだったかのようなこだわりはなく、普通に変化のある映像を作っているが、邦画ホラー恒例の現場突撃を別人にやらせておいて、主人公はリモートで見ているという形で特徴は出していた。最初に違うところから入っても、結局同じところに行きついたというのは絶望感の表現になっている。 ちなみに「誰か来たようだ」は笑った(ギャグか)。またどうでもいいことだが現場の窓に「傲慢」と書かれていたのは、よくそんな字が手で書けるものだと感心した。よほど漢字の得意な奴だったか、あるいは片手にスマホを持って見ながら書いたと思われる。 出演者に関しては、リモートという設定もあって女優(女性俳優)の顔をでっかく映す映画である。今回主演の武田玲奈さんは、序盤は大映しすぎて粗が見えるようだったが、後半の怖い場面ではちゃんと可愛い顔を見せている(全身像も当然ある)。ちなみに妹の言うなりに使われるお兄ちゃんはひたすら気の毒だった。妹が可愛いと兄も優しいらしい。 ほか「カメラを止めるな!」(2017)で知られた しゅはまはるみという人も出ていたが、ラストの場面でこの人の肌を舐めるように映していたのはどういう趣味か。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-17 09:10:10)(良:1票) 《改行有》

52.  樹海村 《ネタバレ》 樹海とコトリバコを題材にした映画だそうだが、後者に関しては前作もそうかと思っていたら今回が本番だったらしい。ちなみに他の映画としては「fuji_jukai.mov」(2016)や「ことりばこ」<OV>(2011)を見たことがある。 樹海とコトリバコの相性がいいとは思えないが、そこはいろいろ小理屈をつけて無理やりつないでいる。その上で、昔から今まで社会に排除されてきた人々の怨みと、「神の森」の怒りが一体になって復讐する話にしたようでもあるが、変に込み入ってしまってわかりにくい。 またコトリバコは本来、特定の家系を断つため女性と子どもに害を及ぼすものとされているが、この映画では何で主人公宅の物置に置かれていたのか不明なのは困る。しかし最終的には依然として危険ながらも、呪うのではなく女性と子どもを守護するため女系に伝えられる形にしたとすれば、一応のハッピーエンドと取れなくはない。なお琴音~鳴・響~音々という、音にちなんだ名前自体に意味があるかはわからなかった。 ホラーとしては特に怖くないがそれほどふざけた場面もなく、主に前半はいわばスタンダードな邦画ホラーを真面目に作ったようで悪くない。主人公姉が喪服のまま茶の間で寝てしまった場面は往年の「呪怨2」(2003)を思わせる。そのうちに、どこかで見たような場面(「自殺サークル」(2002)など)が出て来るとか、終盤は諸星大二郎風の異世界ファンタジーのようになったりして統一感がない気もしたが、現地に多数ある苔玉のようなものを死者に見立てたらしいのや、保護室の場面などは印象に残った。 また面白かったのは、現代ではいわゆる霊感を精神病と決めつけたがる風潮があるのを、要は自分が怖いと思うものを否定したいだけではないのか、と皮肉ったように見える場面だった。また修学旅行を嫌がるという話も、数日前にネット上で見たばかりだったので今風に感じた。 出演者としては山田杏奈さんが主演と思ったら、姉役の山口まゆという人もW主演として同等以上の存在感を出している。また大谷凜香という人が前作と同じ役名で出ており、これは時空間に遍在する突撃ユーチューバーなのかと思ったが、次回作もあるのなら活躍を期待したい。山田杏奈さんとは「ミスミソウ」(2017)以来の夢の共演かと思ったが一緒に映る場面はないのだった。 ほか黒沢あすかという人はホラー映画でも時々見るので、正直またこの人かとも思ったが、すりガラスの向こうの顔はこの役者向きの趣向だった。[ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-07-03 09:46:41)(良:1票) 《改行有》

53.  人狼ゲーム デスゲームの運営人 《ネタバレ》 今回は運営組織が代わったらしい。撮影場所も、以前は小山町フィルムコミッションの関連施設(静岡県小山町)だったが今回は自動車労組のセミナーハウス(静岡県御殿場市)を借りている。 背景設定としては、運営側の主人公がやっていた個人事業が買収されて本式の殺人ゲームをするようになったとのことで、出資者も顧客も外国の富裕層ではないのかと思った。運営の粗雑さが低コスト化や社会の劣化を思わせるものもあり、荒唐無稽なはずの殺人ゲームが妙に現実感を増してきているようなのは気分が悪い。 今作では運営側を前面に出して、ゲーム自体というより全体的なサスペンス展開で見せている。それほど悲惨な場面はなく、緊迫感に欠けるところもあるが意外な結末ではあった。しかしいくら観客側が配役を知っているからとはいえ、人狼があまりに饒舌なのは怪しすぎる。こんなのの言辞に惑わされず直感的に投票していれば、可哀想な予言者が死ぬこともなかったはずだ。 初めのうちは殺人ゲームの運営/参加を平然とやる連中ばかりのようで暗澹とさせられるが、それだけではないところも見せている。人間にとって、実は他人の人命などそれほど重大事でもないのが本音であり、“いのちは何より大切!”的な主張などは偽善に思えることもあるだろうが、しかし何としても守りたい特定個人がいるというのも人間である。誰しも本当に大事に思う人間がいて、そこに共感する他者もいて、そのような関係が広がれば人命尊重という共通認識の基盤もできていくはずと解されなくもない話だった。 なお今回はかなり特例的なエピソードのため、このままシリーズがまた続いていくような気は全くしない。次はどうするつもりなのか。 登場人物に関しては、「可愛い子」が多い理由を運営側が一応説明していたが、実際に今回はそういう印象が強い。参加者側の主人公役は「ビブリア古書堂の事件手帖」(2018)で栞子さんの妹役だった桃果という人で、今回は賢明で芯の強いちゃんとした人物らしい顔を見せている(守りたくなる)。今後の活躍を期待したい。 また人狼役の朝倉ふゆなという人は「くちびるに歌を」(2014)にも出ていたようで、今回はイヤ~な人物像を芸達者な感じで演じている。ほか個人的には運営側チーフのお気に入り(演・山之内すず)もわからなくはないが、何より可哀想な予言者(演・森山晃帆)が早々に退場してしまったのが残念だった。[DVD(邦画)] 5点(2021-05-15 09:13:04)(良:1票) 《改行有》

54.  人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 最初に延々と解説が入るのは面倒くさい。登場人物の台詞も説明口調で聞きづらいところがある。 映像的には昭和30年代頃の雰囲気を出していたようで、見た目としてはとにかく茶色っぽい印象のアニメだった。今の感覚ではイケメンともいえない男が主人公なのも昔くさい。ほかの登場人物もみな基本的に昭和日本人風だが、赤ずきんちゃんだけはなぜかスカートが短めなのが昔らしくない。過激派は紳士的ではないだろうから、扇情的に見えると簡単に暴行されてしまうのではないか。 内容的には、とにかく共感できない人物ばかりで困る。まず過激派連中は何のために戦っているのか全くわからない。これは人間が無意味に戦いたがるという普遍的真理の表われか、あるいは劇中の戦いが無意味なこと自体を表現しているのか。また主人公が狼扱いされるのも意味不明だと思ったが、これは逆に本来何もない男であって、自分が狼とも思っていないのを周囲に言われていただけかも知れない。 最後の決断も、明らかに迷っていながら結局腰砕けに終わってしまうので落胆させられる。その辺の連中を皆殺しにして逃げようとするなら自分が「猟師」になれたわけで、それで結果的に殺されたとしても人として死ねたはずだ。しかし、そもそも主体的に生きようとする意志のない奴だったため、ここで死んでいいのかどうかも自分で決められなかったのではないか。結局は狼のように、群れの掟に従うしかない悲しい生き物だったということらしい。君には失望した。 どうも無理やり人か狼か選ばせるシチュエーションを作ったようで素直に納得しかねるところもあるが、要は題名の「人狼」とは、ファシズムとかコミュニズムその他の全体主義なり集団主義に適合した人間のことなのかという気はした。流されたり乗せられたり取り込まれたりせず、まずはしっかり個を確立しろというメッセージだとすれば、現代にも通じるところのある映画かも知れない…何か大昔の映画でも見せられたような気分でいたが、必ずしもそうでもなかったか。 ちなみにこの映画を見て、狼というのは孤高の英雄には向かない生物だと改めて認識させられた。それよりは、獅子にせよ虎にせよネコ科動物の方が雄々しいキャラクターに向いている(何気にネコ派アピール)。[DVD(邦画)] 5点(2021-05-15 09:13:01)《改行有》

55.  シライサン 《ネタバレ》 小説版は読んでいない。 まず目に関して、失明してもその場では死なず、例えばバケモノだけが見える状態でずっと生きていかねばならなくなって絶望する、という話だったら怖いと思うが、今回はそういう趣向ではなかったらしい。また「〇〇」という言葉を20歳まで憶えていると死ぬ、という都市伝説のように、記憶が自分の意思で制御できないことは恐ろしさにつながるが、この映画ではその点は強調されず、呪いの開始時点を示すにとどまっている。 主人公が考案した対抗手段は独創的なようでもあるが、自分としては既に2011年の別の邦画ホラーで見たことがあり、正直またこれかと思わされただけだった。ただしその映画が、あからさまに観客を巻き込もうとする作りで悪意まで感じられたのに対し、この映画は遠慮気味でかえって意図が不明瞭になっている。エンドクレジットの「脚本…」には気づかない観客がほとんどではないか。 どうもホラーとして徹底せず、あえて怖さを削いでいるような微妙な感覚の映画だったが、ドラマの面では最後まで主人公男女が他人行儀だったのは悪くないと思った。特に男が善良そうで嫌味がないので、せっかく一度はつながったのに切れてしまった、という切ない心情を素直に受け取れなくもなかった。 その他雑記: ○真面目なホラーなら、わざとらしく声を作った小噺など披露しなくていい(怪談師志望か)。何でみんな話し方を真似するのか。 ○黒目がちなバケモノの顔は古代メソポタミアの男女像を思わせる。じっと見ることにどれだけの意味を込めてあるのかわからなかったが、とりあえず観客側も「映画一本分くらい」は気を散らさずにちゃんと見ていろ(エンドロールも)とは言われていたらしい。ちなみに複数のうち1人でも見ていればいいのなら便所には行ける。 ○主人公が読んでいた「民間伝承における死生観」という本のページをよく見ると、「死者の出た家で猫を飼っていた場合…」という同じ文章がなぜか二か所に書いてあるのは不気味だ。気づいてしまうと呪われる。 ○劇中時期が3/11の前後だったことに意味はあるか。あったとしても失敗している。 ○キャストに関して、主演女優は地味に見えるが印象は悪くない。江野沢愛美という人はモデルが本業だろうが今回は全体像でなく顔で見せている。また「地獄少女」(2019)にも出ていた仁村紗和という女優が個性的美女で目を引かれた。谷村美月さんは最後まで生き残る役だった。[インターネット(邦画)] 5点(2020-10-17 08:22:29)《改行有》

56.  シムソンズ 《ネタバレ》 「本当にあった最高の青春ストーリー」と書いてあるが、かなりウソくさい映画である。チームのメンバーにはそれぞれモデルになった実在の人物がいるとのことだが、いくら何でも本物の選手がこんなバカだったはずはない、とか思ってしまうと劇中の人物像が素直に受け入れられなくなる。また実際にオリンピックに出たチームだと思うからこそ大会で勝ち上がる展開が正当化されるものの、実際見ていると、こんないい加減な急造チーム(大会まで何カ月だったのか?)に負かされる対戦相手が可哀想になる。全体的に実話から補強されていながらも、その実話(現実)との間の違和感が足を引っ張る感じの映画になっている。 しかしそういう点を完全度外視すれば普通に楽しく普通に感動的なドラマである。当初の「楽しんでやれ、そして勝て」という方針は明快だったが、どうやら本当に最後までその通りにしようとしていたらしい。公開当時は「ウォーターボーイズ」(2001)や「スウィングガールズ」(2004)と比較されることも多かったようだが、この映画は最後に盛り上げるだけで終わりでなく、未来につながる形に作ってあるので物語としてまともといえる。あえて勝利者が賞賛されるラストにしなかったのも悪くない。 チームの4人がそれぞれ美形または可愛いのは出来すぎのようでもあるが、今年のオリンピック日本代表がまた別種のかわいさで評判になっていたこともあり、この点はそれほど非現実的ともいえない。キャストの中で個人的には、以前に「妖怪大戦争」(2005)を見た関係で高橋真唯(当時)という人に目を引かれてしまう(それほど可愛くもないが嫌いでない)。ちなみに決勝の対戦相手は、女優の派谷恵美さん以外は本物の選手だったとのことである。 余談として、この映画が撮影されたのは2005年の11~12月、公開は2006年2月18日だが、映画制作に協力した常呂町は公開直後の2006年3月5日に周辺3市町と合併して新・北見市の一部になり、この映画が町として最後の大きなプロジェクトだったとのことである。映画で披露された北海道方言は「…べ」「したっけ」程度だったようだが、今年の流行語大賞になった「そだねー」も当時から言っている人はいたかも知れない。[DVD(邦画)] 5点(2018-12-22 18:54:23)《改行有》

57.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 基本は恋愛映画のようだが、ひと通り見てああそうですかで終わってしまい、深入りする気になるわけでもなく引き込まれもしなかった。あらかじめ感情移入の種なり解釈の柱になるものを持っていないと上っ面で終わってしまうということかも知れない。自分としてはただ第三者的に眺めるだけの映画だったが、一つだけ思ったのは、自分の所業を悔いることと、相手がどう思っていたかは別次元の問題という状況はわからなくもないということだった。 なお妖婆のようなヒロインの話し方には最後まで馴染めなかった。また男が最後によりを戻した元彼女はどこがいいのか全くわからず(驚くほど可愛くない)、これは男がとりあえずの間に合わせとして使っただけだろうという印象だった。 ほか登場人物がほとんど関西弁で、「西寝屋川警察署」(架空)という言葉も映像に出ていたので北河内という設定かと思うが、そういうディープな?大阪に沈んだヒロインの境遇と、地方から出て来た男のギャップを出そうとしたようでいながら実際そうでもなく、この場所設定の意義があまり感じられないのは少し変に思った。ヒロインの住居のある一角も、いたいけな(したたかな?)少女2人とエロオヤジ1人の存在感しかなく、乾いた空き家が建ち並んでいるだけに見える。 ちなみに撮影地は首都圏のようで、海の場面はどうせ千葉県だろうと思っていたらその通りだったらしい。制作上の事情はあるのだろうがこういうところは結構興醒めで、かえって初めから東京の話にしてしまっても支障なかったのではと思う。[DVD(邦画)] 5点(2018-09-24 08:49:56)《改行有》

58.  人狼ゲーム マッドランド 《ネタバレ》 前回から半年で新作というのではほとんど量産体制である。 副題の印象として、佐賀県のガタリンピック(1985~)のようなことを泥まみれでやるのかと一瞬思ったが当然そんなわけはなく、実際見ればいつもの研修施設のようなところで撮影している。landに付くならmadではなくmudと思うのが自然だろうが、ちなみに原作では英語で書いてあるので間違わない。またついでに書くと、今回は人物の背景に明らかに富士山が映っていた。要は小山町フィルムコミッションの関連施設である。 今回も役者の熱演は相変わらずである。前回は「運営」の内幕に立ち入っていたので、今後はシリーズ全体の終結に向けた動きが出て来るのかと思っていたがそうでもなく、まだまだ同じパターンで続く予感を残して終わっている。 今回特に感じたのは(以前からあったことだが)、登場人物がやたらに怒鳴るのがやかましいことで、人の感情を音量で表現しようとしているのかと思うほど気に障った。また女子が男言葉で他人を罵倒するのは21世紀の今日よくあることかも知れないが、20世紀人としては当人を思いやる気持ちが薄れてしまうので困る。これもまた感情を刺激するための安易なツールにしているようで気分が醒める。 そのようなこともあり、今回は一部を除いて登場人物の誰にも共感する気にならなかった。終盤での主人公の意外な行動はいわば無償の愛によるものだろうが、当初の純粋な利害関係がどのように変質してこの結果になったのか、描写はあったようだが納得はしない。性的マイノリティの心情も説明は理解できるが共感どころでなく、どうもドラマ部分が弱いのではと思ったが、唯一心から共感できたのは虐げられた男の最後の行動だった。個人的感覚ではこれこそが正しい人の道である(途中でやめなければもっとよかったが)。 ところで映画の宣伝上、このシリーズは「本格派女優の登竜門」とされているようで、別に桜庭ななみとか土屋太鳳といった人々がこのシリーズでのし上がったわけではないだろうが、中身が濃いので役者が印象に残るのは間違いない。今回は特に飯田祐真という人が否応なしに目についたが、ネットで検索しようとすると普通一般の美少女タレント並みに「飯田祐真 かわいい」とかいう予測候補が出たりしてイメージが大混乱する。とりあえず自分としては「TOKYO CITY GIRL -2016-」というもののDVD化に期待したい。[DVD(邦画)] 5点(2017-10-29 19:40:28)《改行有》

59.  人狼ゲーム ラヴァーズ 《ネタバレ》 若手役者の熱演で知られるシリーズの5作目だが、ここまで来るといつまで続けるのかと問う気もしなくなる。今回は最初と最後、特に最後の施設映像が好印象だった。また中盤の長回しは約6分である。 今回はシリーズ初の「運営」という言葉が出て、ゲームの背景が少し明らかにされている。この世の悪は「金持ち」のせいというのは安易な感じだが、身内が有力者すぎて手が出せないことはありえなくはないので、一応は荒唐無稽になり切らない線を狙ったとはいえる。この運営側に関する説明は、前回ラストの出来事(ただし原作限定)と整合しており、また第1作の段階でも一部示唆されていたことが思い出される。「いけにえ」の存在も前回の劇中で匂わされていたもので、次第に真相に近づいていく雰囲気はないでもない。 今回初出の「恋人」は、その言葉自体にドラマ的な意味はなく、単なる役職以上のものではないらしい(原作者はそれなりの意味を付与していたようだが)。全員が経験者のため無用の混乱がなかったのは歓迎するが、一方で「処刑」を参加者自らすることになったのは過激さを増すための強化策ということか。しかし同時に追い出し方式が提案されていたのは結構なことで、毎度流血の大惨事では面倒臭いだろうし、またこの人だけは無惨な姿を見たくないという人物もいる。 最後の指名は意図がよくわからなかったが、金額の問題だけだったとすれば残念なことである。死んだ本人はこれで納得していたようでもあるが、しかし他人の純粋な好意を費消する形で個人的欲求だけを満たそうとするのではあまりに後向きな結末である。自分としては最後に残った者が死者の思いを受け継ぐ形にしてもらいたかったわけだが、当日朝の言葉からこういう結果につながるとも思われない。最後まで良心を持ち続けた人物を好んで犠牲にするのが「絶望型エンタテインメント」にふさわしいということか。 個別の人物に関しては、個人的には八木ひなた(演・溝口恵)という人がいい感じで、役者としては年上の方だろうが、劇中ではひ弱そうで控え目な下級生の姿ができている(鼻水が垂れずに済んだのは安心した)。またあからさまな美男美女ばかりを揃えないのがこのシリーズの通例だろうが、今回は名前に似合わず地味な牧詩央里という人物が「最悪!」と言ったあたりの“普通の人”感が非常に好きだ(少し惚れてしまった)。金髪の男は屑だ。[DVD(邦画)] 5点(2017-10-29 19:40:25)(良:1票) 《改行有》

60.  人狼ゲーム プリズン・ブレイク 《ネタバレ》 シリーズ4作目である。新作が出るたびに見る義理などないわけだが、今回は贔屓の若手女優が出ているからという理由が一応ついている。4作目にして初めて計画的な脱出を試みたのが特徴点だろうが、死角があるとか道具が備えられているとかは都合が良すぎる。 今回の主人公は最初から綺麗事(贖罪意識を含む)にとらわれがちで、自分としては第1作の桜庭ななみ嬢の再来かと思ったが、終盤に至ってもまだ情緒的な発言が多く、どこまでも現実を受け入れられない愚かな人物にも見えた。またラストでは、本物の愛で結ばれた2人だけが助かった、ということならかなりありきたりな展開で、かつ不自然である。 しかし好意的に見るなら主人公の行動も、状況に流されて悔恨を残すことは二度としたくない、という強い思いがあったからと取れる。またそのような純粋な思いに幼馴染が同調したからこそ、最後まで信頼関係を維持できたというならわからない話でもない。今回の主人公は単に生き延びただけでなく、最後まで屈することなく自らの意思を貫き、その上で本当に脱出してみせたというのが題名の意味と思われる。さらにそれが犯罪の摘発にまでつながるとすれば、単なる脱出ではなく文字通りのbreakということになるのかも知れない。そういう点でシリーズ全体の行方に関わる内容だったようでもあるが、次回もまたこれまでの繰り返しになる可能性はなくもない。 ところで余談として、エンドクレジットを見ているとゲームの参加者12人を役職別に並べていき、11人まで出したところで回想場面の子役2人が挟まって、最後を「ヒステリック女」役の山谷花純さんで締めていたが、ほとんど同年代の出演者の中でこの人だけを大御所のように扱うのが珍しい。実際この中では役者のキャリアが長い方かも知れないが、それよりこの人が最近の戦隊ヒロイン(手裏剣戦隊ニンニンジャー)、主役(小島梨里杏)はその前任者だったということで、この2人を並び立たせる扱いにしていたのかも知れない。 また眼鏡少女(岡本夏美)は、お笑いホラー「カルト」(2013)で悪霊に憑かれたかわいそうな少女役をやっていた人だが、今回も結局かわいそうな役で終わってしまった。劇中人物としては飛び抜けて理知的で、これからしっかり勉強してそれなりの人物(裁判官とか?)になりそうだったが残念なことである(悪いのは誘拐犯だ)。ほかの悲惨な死に方をした皆さんもご苦労様でした。[DVD(邦画)] 5点(2016-11-10 20:34:31)《改行有》

0110.88%
1272.17%
2614.90%
3987.87%
418014.45%
532726.24%
628522.87%
717814.29%
8614.90%
9171.36%
1010.08%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS