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プロフィール
コメント数 2389
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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121.  ショーン・コネリー/盗聴作戦 《ネタバレ》 ショーン・コネリーがマンション強盗を企むお話ですが、コネリーの情婦を始め仕事仲間がそれぞれ別の政府機関に盗聴されているという不思議なプロットです(情婦は旦那が盗聴してましたっけ)。コネリーだけが盗聴されていないのですが、盗聴する側には各自に脱税や反体制活動など監視する容疑があるのだけど、コネリーの犯行計画には興味を示さないというお役所体質が強烈に皮肉られています。ウォーターゲート事件が起きる前にこういう視点を持っていたとはさすがシドニー・ルメットですが、ボーっと観てたらこの皮肉が伝わらないぐらい淡々とし過ぎているのがこの映画の欠点でしょう。やっぱ目立つのは本作がデビュー作のクリストファー・ウォーケンの存在感で、実に若々しくてナイスです。後半マンション強盗が失敗し警察がコネリーたちを追い詰めてゆくところは『狼たちの午後』を彷彿させてくれますが、ルメットの監督した映画って必ず犯罪が失敗する特徴がありますね。というわけで、『ショーン・コネリーの盗聴された作戦』が正しい邦題でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-13 19:56:26)

122.  CIAの男 《ネタバレ》 監督・脚本・主演のダグラス・マクグラスという人、『ブロードウェイと銃弾』の脚本書いたアレン組の一員何ですね(それにしてもこの人若いころのジーン・ケリーにそっくりだなあ)。それでウディ・アレンがこの映画に出演しているのでしょうが、あんだけ出番が多いのにノン・クレジットとはどういうわけ? ネタとなっているカストロ暗殺計画やピッグス湾侵攻作戦は実際にCIAが失敗した史実なのがミソなんですが、けっこう笑わせていただきました。出演俳優陣も豪華で、シガニー・ウィーバーも『エイリアン3』に続いてスキンヘッドになっての熱演です。その割には観終わってあまり印象が残らないのが不思議ですが、まあこういう軽いノリのコメディもいいもんですよ。 9.11以降、こういうCIAをおちょくった作品が観られなくなったのはちょっと残念です。[ビデオ(字幕)] 6点(2010-11-10 00:15:13)

123.  シービスケット 「涙の感動実話」と聞いていたけど、不思議と胸にグッとくるものがなかったのですが、なんでだろう? まず自分は競馬に興味がないということなのかな。それでも競馬シーンのカメラワークは迫力満点で素晴らしい。映画全体がきっちりし過ぎているので、もうちょっと遊びや余裕があると良かったと思います。 ウィリアム・H・メイシーの使い方は最高でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-14 22:18:28)

124.  シン・レッド・ライン 《ネタバレ》 良くも悪くも、映像詩人テレンス・マリックらしい戦争映画でした。“Thin Red Line”とは、そもそも19世紀のクリミア戦争で赤い軍服を着た550人のスコットランド兵が二列横隊でロシア軍騎兵の突撃を撃退した故事のことで、マリックは神が定める生と死の境目として“Thin Red Line”を使っていると思う(もっとも原作小説の題名なのですが)。草が生い茂る丘に風が吹きぬけて、夏草がまるで“ウェーブ”しているかのように揺れるシーンは、“草フェチ”であるテレンス・マリックらしさが良く出ています。戦闘シーンは考証が行き届いていてリアルなのですが、兵士たちの描写はちょっと変わっていて私には疑問があるところです。だいたい、兵士は戦場でこの映画の様に内省的になれるものだろうか、そんなはずはないと私は思うのです。ひっきりなしに流れる登場人物の自省的なモノローグでストーリーが進行しますが、「神と自然」の関係なぞ生死をかけた戦場で人の心を占めるものでしょうか?  “Fuck”を連発する『フルメタル・ジャケット』や『ジャーヘッド』の海兵隊員たちとは対極になるのでしょうが、兵士とはどこの国でもとことん物を考えないように訓練される存在のはずです。そういう意味でも、本作はマリックの戦争を題材にした哲学ファンタジーだと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-02 23:50:52)(良:2票)

125.  ジャスティス(2002・ブルース・ウィリス主演) 《ネタバレ》 人種迫害が旗印のナチス・ドイツを倒す『良い戦争』を戦っているアメリカ人が、捕虜収容所内で自分たちの人種差別と向き合うという魅力的なプロットなんですが、結局映画の結末までそのプロットを引っ張れなかったというとこでしょうか。B・ウィリスの行動が今一つ説得力がない、なんでそんなことするの?という不自然さが本作の最大の欠点だと思います。まあ、“あと少しで戦争が終わるのに…”ということは完全な後講釈ではありますがね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-08 20:55:44)

126.  白い肌の異常な夜 《ネタバレ》 女の園に紛れ込んだイーストウッドがやりたい放題!この映画のイーストウッドは、なんかヒュー・ジャックマンに雰囲気が似ていて、モテるのは当然という感じです。しかし戦争中とは言え南軍兵士を殺しまくるし、畑の作物には火をつけるは極悪非道に暴れまくってたくせに、女たちには『私はクエーカー教徒の衛生兵です』なんていけしゃあしゃあと嘘をついてちゃ、そりゃ足一本ちょん切られてもしょうがないでしょ。ドン・シーゲルの演出もカット・バックやモンタージュを多用して、彼らしくないちょっとシュールな怪作です。本作は『主演作品中、イーストウッドが唯一他人によって殺される』貴重な映画だそうですが、その死にざまはあまりカッコ良いものじゃなかったですね。[DVD(字幕)] 6点(2010-01-20 23:03:39)

127.  シリアナ 《ネタバレ》 脚本家が同じだけあって、まさに「トラフィック」石油版という感じでした。そもそも「シリアナ」というのはこの映画の舞台になっている中東の架空の王国の名前なのですが、それすら解説を見て初めてわかるというストーリーの説明不足はイライラさせられます。この映画の場合、余程米国内の政治や行政に詳しい人でないと、米国内での企業合併に係わるストーリー展開が理解できないでしょう。「トラフィック」のような麻薬戦争というテーマと違って、誰が「善」で誰が「悪」なのかがこの脚本ではすこぶるわかりにくい。まあ身も蓋もないことを言えば、登場人物みんな「悪」だというのが多分正解なのでしょうが。体重を17キロも増やして演じたというジョージ・クルーニーの熱演は光っています。ジンクス通り、オスカーを獲るのに体型をいじって役作りをするのは有利みたいですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-02 00:40:26)

128.  ジョルスン物語 《ネタバレ》 黒塗りメイクで歌ったことで知られるアル・ジョルスンの伝記映画です。厳格なユダヤ聖職者の家庭で育ったジョルスンは、旅芸人のエンターテイナーに類まれなる歌の才能を見出され、二人で全米を公演してまわります。ソロで歌わせてもらえずくさっていましたが、酔っ払って同僚が舞台に立てなくなったとき、黒塗りメイクで彼のふりをして舞台にでて初めてソロで歌ったことで運が開けるのです。映画はそれからのジョルスンのサクセスストーリーを駆け足で描いていきます。ジョルスンは世界初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」で映画史上初のセリフ「お楽しみはこれからだ!」を発したことで有名ですが、この映画でもこのエピソードは当然再現されています。製作された1946年はジョルスンや関係者たちが存命中なので全体的にきれいごとすぎる内容なのが残念ですが、それを補って余りあるのがラリー・パークスの吹き替えをしているジョルスン本人の歌の数々でしょう。本当に素晴らしい歌声で、このジョルスン本人の歌声が聴けるだけでもこの映画を観る価値があると言えます。[ビデオ(字幕)] 6点(2009-05-27 21:32:45)

129.  将軍たちの夜 《ネタバレ》 ピーター・オトゥールとオマー・シャリフという「アラビアのロレンス」の二人が第二次世界大戦中のドイツ軍将校を演じています。そういやプロデューサーのサム・スピーゲルと音楽のモーリス・ジャールも一緒ですね。お話は戦争映画と言うよりはミステリーサスペンス映画と思った方が正解です。ピーター・オトゥールが演じる将軍が犯す売春婦殺人事件を、戦中はオマー・シャリフが演じるドイツ軍将校、戦後はフィリップ・ノワレが演じるフランス警部が追い詰めていくというのがストーリーです。特筆すべきはピーター・オトゥールで、変態将軍を実に不気味に演じています。その反面オマー・シャリフはどう見てもミス・キャストで、ドイツ軍将校らしくないのが残念です。大量殺人が横行している戦時中に売春婦殺しを執拗に追いかけるオマー・シャリフは、この脚本では雑すぎて観客を納得させられません。オマー・シャリフが属する国防軍と、武装親衛隊の将軍ピーター・オトゥールとの対立という見方もできなくはありませんが。[ビデオ(字幕)] 6点(2009-04-03 22:27:54)

130.  シシリーの黒い霧 《ネタバレ》 イタリアの戦後史に疎いこちとらには、この映画の背景なんてさっぱりでございました。シシリーといえばマフィアの本場ってぐらいの知識はありましたが、第二次世界大戦後にシシリー島に独立闘争があったなんてこの映画で初めて知ったぐらいです。まあ簡単に言うと、山賊からその独立闘争の武装勢力のリーダーになったジュリアーノという男がいて、彼が闘争が収まってからもマフィアと組んで共産勢力を虐殺して憲兵隊に追われる身になり、挙句の果てには射殺死体で発見されたという事です。ジュリアーノ一味の残党はその後に皆逮捕されてメーデー虐殺事件の裁判にかけられますが、その裁判の推移とジュリアーノ生前の活動が交互に描かれるので注意して観ないと何が何だか判らなくなっちゃいます。ジュリアーノは冒頭で死体となって登場するのですが、面白いことにその後の過去のシークエンスでも彼が部下たちの近くにいることは暗示されますが決して画面に映されないところです。終盤で仲間に射殺されるところでも部屋は真っ暗で姿を見せず、二言三言のセリフが辛うじてあったぐらい、これがジュリアーノ役の俳優が発した唯一のセリフでした。イタリアン・リアリズモの系譜に繋がる監督らしく音楽もほとんど使わずに徹底的なドキュメンタリー調、イタリアの政治情勢に詳しくないとそのリアリズムが仇となって余計に難解なストーリーに感じられます。それでもジュリアーノ一味壊滅のために村の男性を軒並み連行しようとする憲兵隊に女性たちが抗議に押し寄せるシークエンスは、迫力と緊迫に満ちた映像でした。しかしながらラストで射殺された男はいったい誰?と最後まで惑わされる映画でした。因みにあるレビューによるとその男はマフィアのボスだという事ですが、普通に観ていりゃそんなん判るわけないだろ![CS・衛星(字幕)] 5点(2023-12-11 21:54:01)

131.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 オリジナルが“グロい&気持ち悪い”がテイストだったとすると、このリメイクはひたすら“痛い”を追求する映画でした。片腕や手首を自分で切り落としちゃうはチェンソーで足切りされるは、マチェーテで素足がスノコ斬りされるし極めつけは文字通り“釘付け”にされるところ、思い出しただけで背筋がゾワッとします。でも、やっぱオリジナル版に比べると落ちるんだよなあ、それなりにまとまってはいるんだけどね。 もちろんプロットは同じなんだけど、オリジナル版の設定をミラーイメージみたいに再構築するという工夫が感じられました。オリジナル版のシェリル=アッシュの姉がミア=デビッドの妹となるわけです。実は最後にミアがアッシュの役割を果たすというのもサプライズでしたが、彼女が電気ショックで正常に戻るというハチャメチャな展開やまさかのハッピーエンド(?)という幕の閉じ方はちょっと支持できませんね。オリジナル版でアッシュがけっきょく使えなかったチェンソーをリーサル・ウェポンとして使う発想は、時空を超えての伏線回収なのかしら?たしかに兄妹の関係やらドラマ性が加味されていたのは今風ですけど、ラブクラフトのネクロノミコンを引用した前作なのに今度は死霊の正体を単純に悪魔としてしまったのは、個人的にはちょっと許せないです。 それにしてもミアちゃん、悪魔に勝って放心状態なのはいいけど、手首を切り落としたことを忘れちゃってんじゃない?経験したことないけど、すっごく痛いと思うんだけど…[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-15 20:54:38)

132.  地獄の警備員 《ネタバレ》 92年の製作、もう三十年も前の映画なんですね。この頃はまだバブルが残っていたころ、そういや商社なんかではいわゆる絵画ビジネスなんて代物が流行っていましたね。「セザンヌを85億円で落札出来たら安い買い物か?」なんて会話があって、時代を感じさせられます。そして警備員に電源を落とされて外部に電話して助けを求めることが出来なくなる、そうかまだこの頃は携帯もPHSもメールもない頃、せいぜいポケベルが最先端ツールで、現代の若者には絶対理解できないシチュエーションだと思います。 松重豊が演じる元力士という設定の警備員はいわばジェイソン的なサイコキラー、というよりなぜか赤いロングコートらしきもの着ていて『帝都物語』の嶋田久作みたいな感じ。彼の登場シーンはすべて薄暗いシーンなのではっきりした姿形を認識しづらいけど、どう見ても“身長が2mちかい元力士”にはほど遠い感じがするのが難点。それこそ嶋田久作をキャスティングした方が正解でしょう。殺しの手口も巨漢という設定を活かしたあまり凶器に頼らない工夫が認められます。まあキ〇ガイのすることですから理屈が通らなくても全然かまわないんですけど、終盤でヒロインが唐突に警備員を説得というか対話を始めるのは黒沢清映画らしいところです。あと大杉漣がヒロインを個室に連れ込んでいきなりズボンを脱ぐところや、ラストで長谷川初範の奥さん(?)として洞口依子がワンカットだけ登場するところなんかもね。 怖いか、面白いか、と問われれば「微妙です」としか答えられないけど、不条理劇のようなものを好む方にはお奨めできるかも。[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-11 23:03:01)(良:1票)

133.  釈迦 《ネタバレ》 日本初の70ミリ映画として有名だけど、最近はあまり語られることのない寂しい超大作でもあります。熱心な日蓮宗(あの宗教団体ではない)信者であった大映社長・永田雄一としては、やはり“自分がやらなきゃ誰がやる”という感じのテーマであったのは確かです。イエス・キリストの生涯を描いた映画は古今で数多製作されていますけど、マホメットを画像・映像化することがご法度であるイスラム教は別にしても、お釈迦様を正面から映画化したのは浅学ながら本作しか知りません。 製作費が七億円というのは確かに破格の超大作で、現代の貨幣価値でいうと何十億ということになりますかね。でも七億円というのは永田雄一お得意の大ぼらで、実際には一億七千万程度というのが真相みたいです。70ミリ撮影と銘打っていますが『スパルタカス』で使われた35ミリビスタビジョン・カメラをパラマウントから払い下げてもらい、それに圧縮レンズを装着して撮影して現像時に70ミリに焼き付ける“なんちゃって70ミリ”方式だったみたいです。でもそのカメラは重量860キロもある代物で、おかげで見せられるのは演劇公演の舞台映像みたいに動きが極端に少ない映像になってしまっています。 美術やセットには確かにカネをかけているのは判りますが、問題なのは脚本です。この映画では本郷功次郎演じるシッダ太子よりもダイバダッタの勝新太郎の方が目立ちすぎちゃってるんですよ。なんせ本郷は開始二十分あまりのところで悟りを開いて仏陀になってからは、影や遠景で存在を示しているだけでまったく画面に登場しないんですから!まるでマホメットの映画を見せられているみたいです(笑)。対する勝新は座頭市になる直前のキャリアで、『マグマ大使』のゴアみたいな風貌の悪役王子を熱演しています。ストーリー自体も史実を改変しているのは良しとしても、釈迦入滅後のエピソードまで同時代の出来事としたりして、要は詰め込み過ぎなんです。出演者はまさに大映オールキャストで豪華絢爛、雷蔵の義父である市川壽海まで登場するのは珍しい。 まあ言ってみると特撮スペクタクルは期待するほどでもなかったし、文字通りの“説法映画”というわけでした。これを70ミリスクリーンで観ればまた印象も違ってくるのかもしれませんが、現在70ミリスクリーンで上映できる映画館なんて日本にあるんかね?[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-04-20 23:27:02)

134.  13日の金曜日(1980) 《ネタバレ》 『13日の金曜日』シリーズと言えばジェイソンが暴れまわるお話しだと思いきや、この第一作ではジェイソンのおかしくなった母親が殺しまくる犯人だという設定なんですね。最後に登場するジェイソンはこの設定では死者、つまりスピリチュアルな存在だったというわけで、単なるモンスター映画と成り果てた続編群との違いは大きいんじゃないでしょうか。このシリーズは “『13日の金曜日』フランチャイズ”とも称されているそうですが、『ソウ』シリーズなんかと違って毎回の監督・脚本家・製作者が異なっているので“フランチャイズ”とは言い得て妙かと思います。 カーペンターの『ハロウィン』と並んで70年代から80年代にかけてのスラッシャー・ジャンルのパイオニア的な立ち位置ですけど、製作者の発想といいストーリーと言いほぼ『ハロウィン』のパクりみたいなもんです。それも製作者や監督たちの出自もあり、B級映画の域を脱していないのも確かです。尺を稼ぐためか登場人物たちの何気ない意味もない行動を長々と見せたりして、これも監督の力量のなさが成せる技なんでしょう。俳優たちもジェイソンの母親役の他は若手の安い無名俳優ばかり、その中でケヴィン・ベーコンだけがビッグな存在になれたのは目出たい事です。スラッシャー・シーンは若き日のトム・サヴィーニが担当、ちなみにラストのジェイソン登場も実は彼のアイデアだそうで、まあ当時は『キャリー』のパクりだとしか評価されなかったみたいです。 はっきり言えばほんと大したことのないB級映画なんですけど、インデペンデント系としては初めてメジャーが配給したことは、本作の最大の功績なのかもしれません。「映画界にはびこる最も卑劣な生き物」と監督ショーン・S・カニンガムを罵倒した批評家もいたそうですが、いくら何でもそりゃ可哀そうです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-03-22 19:44:43)

135.  ジョーンの秘密 《ネタバレ》 80歳を超えた老婆ジョーン・スタンリーはある日スパイ容疑でMI5に逮捕される。容疑が信じられない息子で弁護士のニックが取り調べに立ち会うが、そこで母親の驚くべき過去と向き合うことになった。 これは1999年に起きた“メリタ・ノーウッド原爆情報スパイ事件”に着想を得た小説の映画化です。ソ連は1949年にアメリカに次いで原爆開発に成功しましたが、ソ連の原爆開発は米英の原爆開発プロジェクト内に潜むスパイからの情報が無ければこれほど早期に成功しなかっただろうというのが定説で、英国の原爆開発情報を漏洩していたノーウッドもその一人だったというわけです。 この映画と言うか原作小説はこの事件をモチーフにしているに過ぎず、主人公の名前から登場人物および事件の経過はほぼフィクションです。あとこの映画はジュディ・デンチが主演となっていますが、どう観てもデンチとソフィー・クックソンのダブル主演で、過去のジョーンを演じたクックソンの方が圧倒的に出番と存在感がありました。 海外の作品評では「魅力的な実話を当惑するほど退屈な形でドラマ化した」「ジュディ・デンチの圧倒的な才能を無駄にしている」などと酷評されていますが、私もそこまで言っちゃうと可哀そうかなと思いますが当たらずとも遠からずかなと思います。ジョーンをスパイにリクルートしようとするケンブリッジ大学の研究者や外務省の若手官僚などのいかにも胡散臭いキャラたちも登場しますが、どうもこの連中がストーリーから浮いてしまっていたんじゃないかと思います。どうせフィクションならもっとサスペンスを盛り上げるストーリーテリングにした方が良かったと思います。途中からジョーンの夫・ニックの父親が登場しないのが気になっていましたが、ラスト近くでそれが明かされたのが本作で唯一の感銘を受けたところでした。結局はスパイ・ミステリーというよりも、ジョーンの純愛物語だったと言えるでしょう。そして出番は少なかったけど、ジュディ・デンチの存在感はさすがでした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-15 22:29:35)

136.  シャッター(2008) 《ネタバレ》 すみません、大変不謹慎なのかもしれませんが、アメリカ人夫婦がビジネスで日本に来て霊に憑りつかれるというプロットが、私にはどうしても『ゴースト・イン・京都』という製作者たちは真剣に怖がらせるつもりで撮ったのに出来上がりは抱腹絶倒だったという珍品ホラーが思い出されてしまうんです。これはスーザン・ジョージや服部真湖という東西セクシー女優をフューチャーしたお色気路線も濃厚なホラーでしたが、本作とはストーリーや雰囲気は全然違っていて、一緒にされたら怒られそうです。ぶっちゃけて言えば、『ゴースト・イン・京都』というよりかは『ロスト・イン・トランスレーション』のホラー版というのが正解です。 感想は一言で済ますと標準的なJホラーという感じですかね。主演女優も『ザ・リング』のナオミ・ワッツの劣化版というルックスで、これはヘアメイクなんかから見ても明らかに狙ってますね。でも幽霊役に奥菜恵を持ってきたのは大正解だった感じがします。これほど幽霊が似合う女優だったとは意外でした。体重計の数値を見て首を傾げるナースという伏線はラストで回収されますが、それにしても二人合わせて120キロとは、男の体格から導き出される目方からすると奥菜恵の体重は推定○○キロ、ていうか、なんで幽霊に体重があるんだよ(笑)。[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-01-24 01:01:50)

137.  娼婦ケティ 《ネタバレ》 ポール・ヴァーホーヴェンがハリウッドに行く前にオランダで撮った五本の長編映画の一編です。“娼婦”なんて邦題がついているけど、実は五本の中でいちばん大人しい映画なのかもしれません。ケイティ・ティッペルという女性の自伝小説が原作で、この人はなんとノーベル文学賞の候補になったことがあったそうです。 時は1881年のオランダ、ケティは貧しい労働者の家庭の生まれ。五人姉弟の二女だけど姉はしょうもないアバズレ、アムステルダムで娼婦をして家族を養っています。母親は長女に「もっと稼いで来い!」とハッパをかけるとんでもない鬼母です。雨が降ると家中くるぶしまで浸水、暖を摂る為に家族全員の靴を燃やしたり、ここら辺の貧困描写はヴァーホーヴェンらしく容赦ないです。仕事もクビになりよくあるパターンでケティも娼婦になるのですが、姉の様に娼館勤めではなく街娼(俗に言う立ちんぼってやつです)、しかもヒモよろしく母親が見張っているときます、ほんとに怖―いおばはんです。ところが商売中に知り合った画家のモデルになり、彼を含む三人の男がケティの運命を変えることになります。 結論から言うと後年自伝を書く作家になるぐらいですからハッピーエンドは当然のごとく予想できますが、『マイ・フェア・レディ』のヴァーホーヴェン版になってもおかしくないけど、そう単純な撮り方を彼がするわけないですよね。オランダ時代のヴァーホーヴェンは反権力・左翼的な視点が目立つ撮り方をしていますが、本作でも労働運動や極端な貧富の差などの社会矛盾が前面に出されていて、それに翻弄されながらも逞しく生きるヒロイン像が描かれています。ケティ役はモニク・ヴァン・デ・ヴェン、『ルトガー・ハウアー/危険な愛』では脱ぎまくってとんでもない演技を見せてくれた当時のヴァーホーヴェンのミューズです。本作では脱ぎはしますが比べたら大人しいもので、これは当時彼女と実質的な夫婦関係だった撮影のヤン・デ・ボンに遠慮したみたいです。ルトガー・ハウアーは気障な銀行員というキャラで出演ですけど、彼らしくないなんか可愛らしいルックスでした。 なんか大河小説の抜粋版の映像化というのが印象ですが、ヴァーホーヴェンはプロデューサーの介入が多かったとブツクサ言っていたそうです。それでも音楽なんかに青春もの映画のような雰囲気があったりして、ヴァーホーヴェンらしい味わいがあったのは確かです。[ビデオ(字幕)] 5点(2020-01-19 22:54:02)

138.  人生はシネマティック! 《ネタバレ》 バトル・オブ・ブリテンの真っ最中、空襲に痛めつけられている英国民を鼓舞しようと情報省はプロパガンダ映画の製作を企画した。題材はダンケルク撤退、「双子の姉妹が小舟でダンケルクに赴き兵士を救出した」という新聞の記事をもとにした英雄譚でいこうじゃないか!となって省内で白羽の矢を立てた女性職員を脚本家に仕立てて製作開始。ところが彼女が双子姉妹に会ってみると新聞の記事は話を盛り過ぎてほとんどフェイクニュース状態、姉妹が操縦した船はエンジン故障でダンケルクどころか英国領海を出てすらいなかった… というプロットの映画です、いわゆるバック・ステージものと言われるジャンルになるかと思います。映画製作の裏側を見せる作品はいろいろありますが、本作のヒロインは脚本家で脚本家の視点で撮られているところがその手の映画としては珍しい視点だと思います。“予期せぬ出来事が続いて撮影現場が混乱する”というのが定番のストーリーテリングですが、この映画ではそのシークエンスが割と抑え気味で、そのためかコメディ色が薄くなっています。ベテラン名優役のビル・ナイは確かに彼らしい役柄で光っていますが、全般にヒロインを含めて主要キャストが地味な顔ぶれなのがなんか弾けてない感を強くしてしまっている気がします、まあそこがいかにも英国映画というテイストなんですけどね。登場キャラやその周辺の人々がぽつりぽつりと空襲で死んでゆくのがリアルなところなのかもしれませんが、ヒロインと恋仲になる脚本家が死ぬところだけは「そんな死に方ありか!」とただただ驚いてしまいました。 決して悪い映画だとは思いませんが、観客の期待する水準までには達しなかったなというのが正直な感想です。コメディ要素がもっと強い方が良かったかと思います。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-26 23:39:26)(良:1票)

139.  ジグソウ:ソウ・レガシー 《ネタバレ》 『ソウ』マラソン完走者のくせに、またまた新作が世に出たといって観てしまう自分が情けない、というか、お前ら性懲りもなくシレっと撮るなよ!とジェームズ・ワンおよびリー・ワネル両名に説教したい。 製作者たちは原点回帰と呼ばれたいのかもしれないが、よくよく考えると今回のお話しは前シリーズのエッセンスを薄めて一本の映画にしました、ってことなんですよ。ジグソウの後継者が誰か?というくだりは、まさに前シリーズの『3』当たりまでのストーリー展開とほとんど一緒だといえます。途中からジグソウ本人が登場してきてまさかの心霊ホラーかと慄きましたが、種明かしされればこれは『4』で使っていたような時系列をいじくった映像的トリックにすぎず、完走したくせに前シリーズの細部を忘却の彼方に追いやってしまった自分が情けない。でも言わせていただければ、これはミステリー系映画のトリックとしては禁じ手なんじゃないかと思いますけど… やはり私も、ラストは“Game Over”で幕を閉じてほしかった方です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-19 00:41:46)

140.  13時間 ベンガジの秘密の兵士 《ネタバレ》 2012年オバマ政権時代の事件なんだそうですが、「へー、そんなことあったんだ」ってくらい自分には「遠い」どころか「全然知らない」出来事ですね。実話なんだからしょうがないと言ってしまったら身もふたもなくなっちゃいますけど、事件の背景やら敵味方の区別がつかない現地勢力など観ていてストレスがたまることたまること。でも一番不可解だったのは領事館が攻められてなんと大使まで死亡しているのに、上空までドローンを送って状況を把握していてもけっきょく見ているだけで終わってしまった米軍の信じられないほどの不甲斐なさです。これはもちろん現場じゃなくて上層部の判断あっての対応でしょうが、さすが腰抜けオバマ大統領の面目躍如です。この映画の隠れテーマはこの対応に対する批判なんでしょうが、さすがにマイケル・ベイといえどもそこまで露骨に政治性をもった撮り方はできず、大統領選の真っ最中にリベラルが主流でヒラリー・クリントン支持一辺倒だったハリウッドではさすがにトーンダウンせざるを得なかったんでしょうかね。でも事件の概要などの予備知識をいっさい持たずに観たおかげで、先の読めない緊迫感だけはひしひしと伝わってきました(まさか大使が死ぬとは予想もしませんでした)。とはいえ作品の出来は『ブラックホーク・ダウン』には遠く及ばず、最近はこの手の非対称戦争ものが量産され過ぎのきらいがあるので、ちょっと食傷気味です。日本ではとうとう劇場未公開で終わったというのも、やむを得なかったんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-05-29 23:10:34)

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