みんなのシネマレビュー |
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2. シティ・オブ・エンジェル 《ネタバレ》 当時、この映画のCMで流れていたBGMに、私の心は奪われました。透き通るような女性ボーカルの声、柔らかなメロディ、美しいメグ・ライアン。(ニコラス・ケイジに関しては自主規制)「あの曲をもう一度聴きたい」その一心で映画も楽しみにしていました。 しかし、不運にも劇場に足を運んで鑑賞することが出来なかった私は、DVD化を待ちました。月日は流れ、劇場公開から2~3年後、ついに私は本作を鑑賞することに!!しかし、あの音楽が私の耳に届くことはありませんでした。激しく落胆しました。これで作品自体が面白ければまだ救いがあったのかもしれません。けれど、皆さんもご存知の通り内容はこのザマ。何なんですか?この映画は。 私のやり場のない怒りは作品への嫌悪に変貌を遂げましたが、これもまた月日の流れとともに沈静化が進みました。そして数年前、ようやくあのBGMがPaula Coleの「I don't want to wait」だったということが判りました。 そして、ついにレビューする日がやってきました。怒りも収まり、時間も経ち、冷静になった自分で公正なレビューができるからです。 この映画は3点です。 3点のうち2点は、映画のCMにPaula Coleの歌を使ったことに対してです。つまり、映画自体は1点でも良いと思っています。 月日が経とうが、怒りがおさまろうが、ひどい映画はひどいままだということに、少々複雑な思いでもあります。[DVD(字幕)] 3点(2012-04-28 23:23:03)(良:1票) 《改行有》 3. 13階段 《ネタバレ》 あら、意外と低評価ですね。 私個人としては、とても良い作品だと思いました。 マイナスポイントは、終盤のシーンです。 10年前の出来事に対して説明が必要だったのは解りますが、この独白で、 かえって純一自身の冷たさや弱さが際立ちました。 あんなに純一に対して一途で献身的な友里に対し、冷たい態度ばかりとるなんて…。 友里の優しさや強さに、少々甘えすぎでは?と感じました。 しかもあの瞬間に目覚めるなど、あまりにもタイミングが良すぎだと思い、マイナスとしました。 しかし、それでも好評価なのはそれなりに理由があります。 死刑囚160番、寺田は最期に言います。 「ここに向かう途中で見たタンポポがとても綺麗でした」と。 恐らく、拘置所内にはタンポポなど咲いていないのではないでしょうか? 仮に咲いているとしても、死刑執行目前の受刑者の目には、決して触れない場所のはず。 だから南郷には、寺田の言葉の意味がずっと引っ掛かっていたのでしょう。 タンポポの花言葉には「真心の愛」「神のお告げ」「愛の信託」「思わせぶり」「別離」 などがあります。 恐らく寺田は、最期の道々で「神のお告げ」に巡り逢ったのではないかと思います。 もっと言えば、自分の最期が南郷に託される事を予見していたのかもしれません。 だからこそ寺田は、唯一最期の言葉を南郷へ向けたのでしょう。 刑務官としての南郷たちの「真心」に感謝し、さようならという「別離」の言葉を、 「思わせぶり」な言葉で伝えたように、私には思えたのです。 (勿論、寺田がこうした意味のすべてを知っていたとは思いませんが) だからこそ寺田は、怖がらず、足掻きもせず、胸を張って逝けたのでしょう。 そして、最後にタンポポが押し花にされていたのも、純一と南郷の別離も意味し、 また同時に夫婦や家族としての愛の再生も意味していたと思います。 「生きる」という事とは「失敗と再生の繰り返し」。 臭いものに蓋をして現実から目を背けて続けていては、愛にも、真実も、救いにも、 一生辿り着けないということなのでしょう。 しかし、その辛く厳しい過程を辿ると心に決めた時こそ、手を差し伸べてくれる人や 傍に居てくれる人が、この世にはいるのだ…と、不動明王様は教えて下っている。 私には、そう思えました。 この映画自体も思わせぶりでしたが、こういう思わせぶりならたまには良いものです。[DVD(邦画)] 8点(2012-04-28 21:33:27)《改行有》 4. 死霊の盆踊り 《ネタバレ》 おっぱいがこんなに魅力的に思えなかったのは初めてでした。 [インターネット(字幕)] 0点(2007-12-17 11:04:53)(笑:4票) 《改行有》 5. 下妻物語 《ネタバレ》 ロリータとヤンキーまではいかなくても、そういえば私の周りの友達も みんな個性が強くて、自分とは性格や考え方が正反対の子が多かった。 恋愛ではよく正反対の者同士が惹かれ合うけど、 女同士でその仲が成立するのは確かに難しい。 きっと女は男より欲深くて自尊心の高い生き物だからかもしれない。 それでも心を通わせていくのは、お互いに『尊敬』をし合っているからだと思う。 桃子は周囲の目や言葉など気にせず、冷酷なまでに自分の世界をどこまでも貫く。 それが自分の幸せに通じる、と言うことを知っているから。 そんな桃子の「強さ」にイチゴは憧れと尊敬の念を抱いたのでしょう。 逆にイチゴは、人から虐げられる外見をしていてもポリシーとルールは持っている。 自分を変えたくて始めたことでも、すべてソレに染まる必要はないことも知っている。 そんなイチゴの「純粋」さに、桃子は戸惑いつつも『感情』を学んだのだろう。 桃子に足りなかったモノを持っていたのがイチゴ。 イチゴが欲しかったモノを持っていたのが桃子。 唯一、二人に共通していたモノは『素直さ』だったのだろう。 自分の世界を貫くのも、ストレートに感情を表現するのも、 どちらも自分に対しても他人に対しても素直でなければ出来ないことだと思う。 単純な構図だけど、人間が人間に惚れる時は、きっといつだってシンプルなんだ。 「男の友情は強く、女の友情は脆い」ってよく聞くけど、 女の友情だって捨てたモンじゃないでしょ。[DVD(字幕)] 9点(2006-08-18 10:22:50)(良:1票) 《改行有》 6. ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 この映画を見る度に、男性がいかに脆く純粋な生き物で、女性がいじらしくも強い生き物であるかを実感する。 ジョゼのキツい物言いは、恐らく自らの不安・恐怖・コンプレックスを隠すための防壁なのだろう。 乳母車に隠れ乗る事でしか外界を知る術がないジョゼ。 外の世界を知りたいジョゼが自分の願いを叶えるには、 「好奇の目を向ける人々の存在」というリスクを背負う必要がある。 ゆえに自己防衛本能が生まれる。 また、それを譲れないのは「壊れ物だろうと私は私」という自我確立の意味もあるのだろう。 誰にも頼らず、誰に頼ればいいのかも解らず、頼み方も知らないとは、なんとも悲しい。 しかし、そうした生き方を選ぶ事しか彼女は知らなかったのだろう。 強いフリをした弱い人間は、肝心な時に素直になれず、本心とは裏腹な事ばかり口にする。 「帰れと言われて帰る奴は帰れ!」と心にもない事を泣き叫びつつ、 すぐに「・・・嘘や、おって」と翻すいじらしさには、同性の私でさえ彼女を愛しく感じた。 愛する人に心からの望みを口に出来たからこそ、ジョゼは纏っていた鎧を脱ぎ、女になったのだろう。 しかし、ジョゼには二人の関係が永遠に続かない事も解っていた。 出来るだけ長く一緒にいたい気持ち、変わりゆく自分、叶った夢、そこにあった幸せ。 それだけで十分なのだと、彼女は自分に言い聞かせていたようにも思える。 それがサガン著「一年ののち」にの、例の台詞に帰結するのだろう。 対する恒夫は、純粋にジョゼを愛するも、背負う物の大きさに気づき、逃げ出す。 しかし「失って初めて気づく存在の大きさ」で、初めて心の痛みを知る。 寂しさに弱いせいか無意識に「独り」を回避してきた恒夫の決断が、傷口に塩を塗る結果となってしまったのだろう。 みっともない姿を晒しながらも涙が止まらない彼の姿は、切なさを覚える。 最後、ジョゼの目は力強く、凛としている。 過去、現在、未来の全てを受け入れ、生きていこうとする強さが感じられた。 池脇千鶴の「セックスの無い恋愛など有り得ないから脱いだ」という発言と、彼女のその度胸に盛大な拍手! <追記> 前回鑑賞から2~3年経ち、改めて見直したが、何故か初めて涙が出てきた場面があった。 それは、二人が結ばれた時のジョゼの「うち、あんたのこと好きや」と言う場面。 なぜ、こんなに優しく切ないのだろう。[DVD(字幕)] 10点(2005-06-29 17:38:40)(良:2票) 《改行有》 7. シザーハンズ 何故もっと早く見なかったんだろう…これが率直な感想です。 当時の私は、ウィノナがあまり好きではありませんでした。 共演時にはデップと恋仲にもなったため、愚かな嫉妬心から鑑賞を渋っていたのです。 今では、そんな理由で観なかったアホで浅薄な自分を大変悔やんでおります。 涙が枯れるほど、泣いてしまいました。 「ラブストーリーは苦手」と食わず嫌いをしていた私に、 初めて、ラブストーリーで純粋に流れる涙の美しさを教えてくれた映画でした。 狂おしいほどに、切ないです。 一度見ただけで大好きな映画になりました。 何度も何度も繰り返し見たくてDVDを買ったのに、 思い出すと切なくて、胸が苦しくて、見れないんです。(意味ねぇ~w) ティム・バートンは、本当に少年のように純粋な心をお持ちの方なのでしょうね。 真っ直ぐで、だけど切なくて、触れたら壊れてしまいそうなガラス細工のような恋。 それを逆説的な映像美で演出するので、そのアンバランスさが何よりも心に残ります。 いつか自分に子供が出来たら、ぜひ見せたい作品です。 この役はデップだから出来た役であり、デップのための役でしょう。 そして「ウィノナ、やっぱり可愛いし演技上手いわ…」と、悔しいけど彼女も好きになってしまいました。 単なる好みや愚かな先入観で作品を見ようとしないのは、 映画を愛する人間としてあるまじき行為なのだ、という事を実感させてくれた作品です。[DVD(字幕)] 10点(2004-06-07 17:55:56)(良:1票) 《改行有》
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