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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ショート・カッツ 20年近くまえ、映画館で観た。まだ10代の自分には早すぎた気がして、撃沈した。そして、アラフォーの年末、ふと見返してみた。「ショートカッツ」というタイトルのとおり、短いシーンがめまぐるしく移り変わる。それがとにかくスリリング。ある程度まとまった「エピソード」を重ねるオムニバスとは全く違う。最初1時間は話も見えず、やっぱりしんどかったが、途中から突然物語がつながり、登場人物が生き生きと動き始める。そのへんは後発の群像劇『マグノリア』や『クラッシュ』とも似ているけれど、やっぱりぜんぜん違う。何が違うか考えてみたのだけれど、結局、この映画は、徹頭徹尾、登場人物のあいだの「関係」を執拗に描く。関係を欲望し、関係に絶望し、関係を喪失し、関係がうまれる。アルトマンらしい「文明批評」。唯一無二の映画体験だと思う。残念なのはラストかな。『マグノリア』の元ネタではあるといえるが、この映画に限っていえば、もっと別の可能性があったように思える。[DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 18:10:27) 2. 四月物語 リアルに懐かしい風景(ロケ地の近くに昔住んでいたたもので・・・)とノスタルジックな映像が、個人的には妙にハマった。98年の映画だけど、片思いで大学まで決めちゃうという前時代的な主人公のキャラや大学の風景に、それ以上の古くささ(80年代末~90年代はじめくらい)を感じるのも、そのノスタルジックな雰囲気ゆえなのか。ただ、ぷつりと終わってしまうラストは、東京に来てもどこか周囲と別世界を生きていた主人公が、新しい生活の世界に本当に足を踏み入れた瞬間を描いたという感じがして好きだ。あ、あとお隣さん、ふつうに怖いです。カレー食べてる姿も、どこかホラー調でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-06-30 09:39:07)(笑:1票) 3. 12人の優しい日本人 元ネタの単なる日本版というのではなく、ある種の「理想主義」を皮肉るような、ユーモアとペーソスの効いた展開は好き。稚拙ながらも実はちゃんと自己主張している登場人物たちの議論を、イライラ一歩手前で苦笑しながら楽しむことができたのには感心。元ネタがいいのはもちろん、三谷幸喜の脚色も見事だ。とはいえ、やっぱりこれは舞台劇だ・・・。セリフまわしもオーバーアクションもいかにもだった。やはり映画化というからには、もう少し「映画ならでは」の部分がないとちょっと寂しい。6点(2005-01-13 11:17:44) 4. ショーシャンクの空に 公開当時に映画館で見ましたが、普通にいい映画でした。正直いって、あんまり印象には残らなかった。どっちかっていうと、ケチつけにくいソツのなさが先行して、心を動かされるっていう感じではなかった。本サイトも含めて、10代・20代の方々が多く参加してそうな映画ランキングなんかでこの映画が、かなりの上位にあるのを見ると、なんか妙に自分の「歳」を感じてしまうという意味で悲しい映画です。7点(2004-03-12 13:31:48) 5. シザーハンズ 「手がハサミ=好きな人を抱きしめられない」というセンチメンタリズムをベースに、ティム・バートンが作り出した「箱庭」のような郊外ミドルクラスのアメリカン・ライフの現実。ファンタジーなのに現実的。ウィノナの金髪があんまり似合ってなかったけど、あれも含めて「一つの世界」にどっぷり浸れる幸福をかみしめた1本。10点(2004-03-12 13:12:44)
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