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プロフィール
コメント数 211
性別 男性
年齢 34歳
自己紹介 日本は公開日が世界的に遅い傾向があるので、最近の大作系は海外で鑑賞しています。
福岡在住ですが、終業後に出国して海外(主に韓国)で映画を観て、翌日の朝イチで帰国して出社したりしています。ちょっとキツイけど。

Filmarksというアプリでも感想を投稿していますので、内容が被ることがあるかもしれません。ご了承ください。

これからも素晴らしい映画に沢山出会えたらいいなと思います。よろしくお願いします。

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1.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 キレッキレのキアヌが観れるシリーズ三作目。 「ジョン・ウィック」シリーズは2014の登場以来、5年で3作を展開させてきたが、軸をブレさせずにどんどん面白くなっている。 短いスパンで3作も作るとなると、マンネリ打破とか、新たな展開とかで、そもそものアイデンティティを失って自爆してしまう例は多い。近年で思い出されるのは、誘拐の解決が見せ場だったのに、ただの濡れ衣サスペンスになった「○○時間」、記憶が飛ぶほど飲んだ翌日のドタバタのない「●●●オーバー」などだろうか。 変わって本作は、右肩上がりに批評家・観客の評価を得続けているのが凄いところ。 少なめだった予算も、作品の成功と共に少しずつ拡大されている。つまり、初期コンセプトの範囲内で、「出来ること」が単純に増えていき、面白いアクションシーンをどんどん実現できているのではないか。 もちろん派手になったからと言って、大味な部分はない。個々のアクションシーンのアイデアや徒手格闘の練度には驚嘆すべきモノがある。 もうね、笑っちゃうんですよ。 キアヌがめっちゃ頑張ってて、半笑いで応援するしかないんですよこれ。 キアヌがちょっと街を流しただけで、刺されるわ殴られるわ車に跳ねられるわと、序盤のテンションから既にぶっ飛びすぎだろうと。 ニューヨークの治安はどうなってんだと。 馬の蹴りとか、キアヌちょと気に入ってるし。 話も単純というか潔い作りで。行きたい場所に移動して、戦って、、、でもハル姐さんとワンちゃん部隊とか、要所で素晴らしいアイデアが炸裂してて面白い。これは良い。唐突なにんじゃりばんばんも良い。 終盤に至っては、ガチなシラット勢に囲まれボコられる我らがキアヌ。 これはヤバイ(笑) キアヌさんってこんなに雑に壁にぶつけても良いの?良いんです。 観た後は「え、キアヌ…死んでないよな」という心配がよぎるほど、体を張ったキアヌが観れる本作。 面白かった。 続編を匂わせる終わり方で、まだまだジョン・ウィックの受難は続きそうだけど、 頑張れキアヌ、おまえがナンバーワンだ。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2019-08-26 18:09:58)《改行有》

2.  シャザム! 《ネタバレ》 面白すぎる。 完全勝利のDCEU最新作。 個人的には今年最大のアメコミ大作「アベンジャーズ/エンドゲーム」より100億倍楽しみにしていた一作。 劇場で「シャザム!!!!!」と叫んでチケット購入する日をどれだけ待ったことか。(なお自動券売機で静かに購入した模様) ともかく待望の実写化なのだ。 さて、本作はティーンエイジャーを主役に据え、大切な人達とのドラマをどこまでも明るく陽気に描き出していくのが特徴的。 大人に向けた難しい作品が増えた昨今、「シャザム!」はアメコミ映画を子供たち、そして一緒に映画館に出かける保護者=家族のもとに届けてくれる何気に希少な一本だ。 いや~全編通して笑った。 ザッカリー・リーヴァイのコメディアンっぷり、ナイス。 「マイティ・ソー」シリーズのファンドラル(2作目からリキャストされ参加)役だった時は、ほとんど存在感の無かった彼だがここまで面白いとは。 黒髪スリックヘアでスーパーマンとほぼ変わらないのに、溢れ出るコミカルさがもうスゴかった。なんなんだその笑顔は。 ギャグはキレッキレ。マーク・ストロングがなんか言ってるけど遠すぎて全然聞こえない件については変な声が出てしまった。スーパー聴力は備わってなかったのね、いやいや面白い。 (そういえばマーク・ストロングは同じDCヒーローの「グリーン・ランタン」にも出演しているが、これはDCEUにはカウントされず、今後グリーン・ランタンはリブートして合流予定らしい。ライアン・レイノルズがやらかした件で単体作品はスキップされるかと思ったが…。 また、ザッカリーもそうだけどウィザード役のジャイモン・ハンスゥもMCUとDCEUの両方に出演してて、いかに選手層の厚いハリウッドと言えど、ダブりが出るほどアメコミ映画が作れられてるんやなぁとしみじみ考えたりする。) 話を本編に戻して、この映画の素晴らしい点は、ヒーローのオリジン・ストーリーなのにメチャメチャ面白いってところだ。 ドラマも説明もめいっぱい詰め込んでるけど、破たんもなく、悲惨さもなく、とてつもなく楽しく仕上げられているのがスゴイ。 ティーンエイジャーという設定を活かし、スーパーパワーを笑いと共に展開させる小気味の良さ。フレディの仕掛けるサディスティックなイタズラも光る。 ヴィランを通したドラマの展開も秀逸だ。 実はアメコミの敵は、主人公と似たモノ同士として描かれることが多い。 本作も例に漏れず。シヴァナはウィザードと遭遇しながら、ビリーとは違う方向に堕ちてしまった悪役である。 2人を比べると、ビリーは一見、試練ナシでシャザムの力を受け継いだように見えるかもしれない。 しかし彼もまた、探し続けた家族との悲しい別れに打ちのめされるのである。 だがビリーはケンカしていたフレディに電話できた。 彼には喜びや悲しみを共有してくれる人がいた。 一人でつらいなら、だれかが助けてあげればいい。例えスーパーパワーを持った超人だとしても、大切な人からまた別の力を受け取ることもある。 シヴァナとの対比は、チャンピオンのピュアな資質をより明確に表現する。 ヒーローとは傷ついてもなお、与え、そして分け合うことができる者のことだ。 終盤、ついにビリーはその本質を見極め、シャザムの力を文字通り分け与えるのである。 作品の持つメッセージ性と、熱いアメコミのスピリットが見事に合致するファンタスティックな一幕である。笑いつつ感動。 (実は原作でのシャザムが単体ヒーローではないと知りつつ、しかしこの設定は2作目以降だろうと踏んでいたので尚更ビックリ。予告でもでないしね。) ラストはビリーとフレディの友情や家族の絆にウルっとさせられ、スーパーマン登場からのご機嫌なエンディングを迎える本作。 最強に面白い。 フィラデルフィアに現れたロッキーに次ぐニューヒーロー、スーツは絶妙にダサいがバズると良いなぁ。[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2019-04-16 22:03:24)(良:1票) 《改行有》

3.  ジュラシック・ワールド/炎の王国 《ネタバレ》 リブート続編ものとしては驚愕の興行成績をのこした「ジュラシック・ワールド」の続編。 前作が「ジュラシック・パーク」をかなり意識した作風だったのに対し、本作はジャングルと文明の中を恐竜が闊歩するというシリーズ2作目「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」を彷彿とさせる構成だ。 死にゆく運命にある恐竜たちを救うという斬新なアプローチで、ディザスターと恐竜パニックを両立させた前半は、映像もパワフルでなかなか面白い。 しかしながら、結局これがどういう話に転がっていくかというと、もはや潔さを感じるほどいつも通りの展開である。 恐竜の武器化という毎度おなじみの陰謀に加え、普段なら少年を競り落としてそうな金持ちたちが「恐竜オークション」に興じるという下りだが、もう何が起こるかは見え見えである。 「これはプロトタイプだ、売るなよ?絶対売るなよ!?」 「だまらっしゃい、これはビジネスなんだぞぉう」 (えぇ…これ絶対プロトタイプが暴走するヤツですやん…。) まぁそもそもこのシリーズはこういうプロットの映画なのでそこはご愛嬌なのだが。 それに、船の搬入口にダイナミックジャンピング駐車した主人公を警備が見過ごしてしまうほどの世界観なのだから、これぐらいのザル管理には驚いてはいけないのだ。楽しんだもの勝ちである。 良い点もある。 「生命は生きてゆく道を見つけるものだ」というそれらしいテーマを扱っており、描く過程こそ雑だが、人造人間が人の思惑に翻弄される命=恐竜の道を開くという落としドコロは良いと思う。幼いメイジーに出来る自身の存在の正当化、唯一の存在証明が、またも檻の中から恐竜たちを、生命を解放するのである。 もちろんそれを大層厳かに、小難しく掘り下げることはない。この映画が子どもたちに向けた夏の楽しい超大作であること制作側もよく分かっている。 本作は突出して良いとも言えないが、いつもの恐竜パニックを楽しむというスタンスで観れば決して損はしない作品である。 僕は今も恐竜が大好きだ。それだけで見る価値は十分だった。 それでもエンディングには少なからず新鮮な驚きがあった。 地球=「ジュラシック・ワールド」となってしまったため、どのような世界観で続編を作っていくのかについては非常に興味深いではないか。 ユニバーサルスタジオと言えば、改造車でストリートレースに興じる不良達を、いつの間にかインターポールと合同捜査しながらサイバーテロリストと北極で潜水艦バトルを繰り広げるまでに育て上げた超絶プロデューサーである。 次回の「ジュラシック・ワールド」は、20XX年・人類は人工知能ラプターとの絶望的な戦争を繰り広げていたが、ついにジョン・コナー率いる抵抗軍が……くらいはぶっ飛んでいるハズだ(適当)[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2018-06-18 14:02:04)(良:1票) 《改行有》

4.  ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 《ネタバレ》 故ロビン・ウィリアムス氏の主演作「ジュマンジ」のことはよく覚えている。子供のころにVHSに録画して楽しく鑑賞した記憶があるが、なんとあれから20年以上の月日が流れたらしい。(その間にザスーラという、Wiki曰く精神的続編が制作されている) 今みると、古いCGの嘘っぽさだとか、子役時代のキルステンのキュートさとか、子供のころとはまた違った部分に気づくかもしれない。本作「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が公開される間に、僕もしっかり大人になっていたということだろうか。 今作では子供に見向きされなくなったジュマンジが、ビデオゲームにトランスフォームして新たなゲームに誘う。 大人になるにつれて、僕もやはりゲームから遠ざかってしまったが、この導入にはある種の懐かしさ、そしてワクワク感を感じずにはいられない。NESよりさらに古っぽく、アタリやコリコを彷彿させるレトロなルックス。カートリッジタイプながらローディングを有するというヘンテコ極まりないゲームコンソールとはソソるではないか。 自分はザ・ロック主演くらいしか前情報が無い状態で本作に臨んだため、今時のティーン達が癖のあるゲームキャラになるという設定から十分に笑わせてもらった。 ゲームナードとアメフトヒーローのパワーバランスが入れ替わり、合理主義者は半袖ハーフパンツのララ・クロフトのようなゲーム仕様に、セルフィー女子に至っては性別を超えてしまう。 ヒーローになって世界を救うも良し、トホホなキャラで笑いを取るも良し。リアルとはかけ離れた自分になれるのもゲームの面白さである。 演じるキャストも良好。 圧倒的強者感を醸しながら、ネタのテンドンに耐えうるコメディアンぶりを発揮するザ・ロックの楽しいことなんの。青い顔でツンケンしているイメージ(GotGのネビュラ)が強いカレン・ギランも今作ではかわいい。(ちょい役で出てくるコリン・ハンクスは年とともに父トム・ハンクスに似てきてる気がする) 以降も過剰搭載されたギャグの応酬が続く。もちろん映像的なギャグや下ネタも挟まれているのだが、絶妙に「ゲームあるある」を持ち出してくるのが良い。 コマンド入力による無双、味方のライフを犠牲にしてステージクリア、NPCキャラへのツッコミなど、身に覚えのある人もいるのではと思う。 また、回復アイテム(ケーキ)からの謎の死や、ほとんど見えないプロジェクタイル(このゲームでは蚊)という、洋ゲー特有のあの理不尽さもよく表現できている。 さらにアドベンチャーゲームの世界を描いているから、荒唐無稽なアクションの展開にも無理がない。いや、無理なアクションを展開させても問題ない世界観というべきか。 ド派手でヒロイックなアクションも抜かりなく、映像面においてはゲームと映画の好コラボと言える。 しかしながら僕が最も素晴らしいと思うのは、この映画が「ジュマンジ」を楽しむティーンや子供たちにとって非情に真摯に作られているという点だ。。 主役4人が居残り組として集められる導入部分もその例で、彼らの抱える欠点が分かりやすく処理されていてよい。向き合うべき問題があり、それを克服するにはどう行動するか。ジュマンジに勝つ為に何をすれば良いのか。 それは結果を問わずに壁に挑戦し、仲間と結束して互いの信頼を育むことに他ならない。友情、努力、なんたらかんたら~…の精神がしっかりと息づいている。 コメディと映像の勢いも素晴らしいが、ド直球の「成長」ドラマも熱いのである。 日本では4月公開となったが、本作は世界的には年末のホリデーシーズンに公開された。 同時期にはスター・ウォーズの新作が公開されており、多くの作品が競合を避けたわけだが、本作はあえて真っ向勝負を選び、多くのファミリー層の支持を得た。 実際、僕の行った回は、家族連れや友達同士の観客で大入り、終始笑い声の絶えない賑やかな上映であった。 ゲームあるあるというニッチな笑いをフィーチャーしていながら、その根底にファミリームービーとしての万人向けの面白さ、そして子供たちに向けた教訓をしっかりと内包した「ジュマンジ」。大ヒットも納得の痛快アクションコメディである。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2018-02-06 18:11:02)《改行有》

5.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 これは難しい。そもそもこの映画の立ち位置が難関なのである。 前ボーンのいい所は、そのシンプルさにあった。無駄をそぎ落とした脚本の中に、極限の諜報世界が息づいていた。 しかしリニューアルを図った「レガシー」が頓挫してしまった以上、やはり集客力のあるマット・デイモンのボーンを作らなければならず、さらに過去の焼き直しにならぬように、大幅なアップデートも必要になるのだ。 いやいやこれは難しい。シリーズの良さと、製作側の希望が最初から全くかみ合っていない。それでもこの難題に対してグリーングラスは善戦したと思う。高難易度の撮影や編集テクニックが伺える他、アクションも派手な見せ場が並ぶ凄い映画になっている。 というかスターと巨匠の黄金コンビに巨額の予算を投じることで、高水準な作品を作ったというのが正解か。 それなりにいい映画になっているのが個人的にはある種、タチの悪さを感じるところ。「これ、凄いけどボーンの必要あるのかな」というのが正直な感想である。 ボーンが戦う理由から弱い。まだまだ出生の秘密あるよと言われて、自分探しの旅へ出発である。物語的にボーンの動く理由としては良いのかもしれないが、観客としてはこの付け足し設定には雑さを払拭できない。終盤には復讐にシフトしていき、彼の人間的な感情を際立たせるのかと思いきや、敵もがっつり復讐で動くヤツが用意されおり、この路線変更もやはり空回り気味か。 そもそも私怨で動くようなヤツもこの作品には向かないのではないだろうか。この手の映画ではたまに「Not personal.(これはビジネスだ)」という台詞を耳にするが、ボーンの世界観はまさにそんな感じだ。指令を受けた工作員が問答無用で標的を殺す、または殺されるか。それだけの世界だ。 トミー・リー・ジョーンズが復讐心を操っていたにしろ、結果的に2人の工作員が復讐合戦でカジノに突っ込むとは何事か。 また、昨今のCIA絡みのインシデントを扱っているのも、食い合わせが悪かったか。バックドアに端を発するアップル対CIAを模した陰謀から始まり、スノーデンやらSNSやらを通じて、アメリカの抱えるプライバシーや監視への問題提起が展開する。グリーングラスにとってはこの手の話は得意分野であり、故に新要素として時事ネタを取り込んだのだろうが、途中からこの問題にシフトしていくようなプロットでは駄目だろう。 こんなのはマクガフィンでいい。ボーンとCIAが最後に出会うためのお膳立てであり、ただの記号で良い。 この問題を扱いたいなら、これを軸とした脚本にボーンを絡ませていかないと問題提起にもならないだろう。 もちろんいい所もいっぱいある。一貫した激しいカット割りの連続も相変わらず臨場感がある。世界規模のロケーションも007のそれとはまったく異なる趣があっていい。他のスパイ映画ならパルテノン神殿をフィーチャーしそうな所、それを空撮にとどめて国会前のシンタグマからオモニアまでの範囲でアクションを撮っちゃう所なんて渋いなぁと思う。 マット・デイモンとグリーングラスのタッグは、やはり素晴らしいシーンを生み出しているのだ。 しかしながら物語は詰め込みすぎ、アクションはラストのカーチェイスで一気に娯楽寄りになってしまい、映画内でのバランスはかなり悪い。このコンビでこの脚本なら、「グリーン・ゾーン」のような選択肢を提示した方が良かったのではないか。 本当に良くできたスパイアクションだが、「ボーン」のアイデンティティはあまり感じられないといったところか。[映画館(字幕)] 7点(2016-10-09 02:41:22)(良:1票) 《改行有》

6.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 リメイクか思うほど、シリーズ1作目を意識した作り。だがテーマパークを中心としたプロットは映画館と相性が良く、子供にとっても敷居が低い。到着するや否や、はやく園内を回ろうと急ぐ子供を見れば、この映画が子供たちに向けたアトラクションであることが分かる。悪くいえば一作目の焼き直しだが、新しい世代の子供たちに贈るワクワク感を否定はしない。この決断は支持したい。 一方でシンプルにまとめられたメッセージも興味深い。人間の欲求がエスカレートして止まらなくなれば、どこかに綻びが生じ、破綻を招くということ。 利益のためには、より強く、歯の多い恐竜を次々に発表せねばならず、それはまるで、シーズン毎に多機能になるスマホのような商品である。あまりにも進化した機械が、個人情報や著作権に猛威を振るうように、恐竜にコストをかけて、従業員や安全管理の質が下がったのも、人間のやり過ぎた行動に伴う結果。こんなやり方では、客のフォローもせず「だってそう言われたもん」と言い放つキャストがいるのも納得だ。 映画は「恐竜」という誇張された現実を描いているが、現実にもそんな危機は訪れている。 黒のタートルにデニムのウー博士は、「ジョブズを意識した、あの中国の実業家」のようでもあり、現代に合わせた警鐘なのでは…と訝しむのは考え過ぎかとも思うが、そんな奥深さも本作にはある。 これらは劇中で「学ばない奴らめ」という台詞でまとめられるが、これこそ久しぶりの新作に合致する最も強烈なメッセージである。 もちろん映画では深く掘り下げられないが、その必要もない。子供たちが、何か悪いことをする大人がいる、と肌で感じられる程度の描写で十分である。 それくらいのシンプルな教訓でいい。それに観ている間は、僕だって子供のように夢を見れる。子供と同じ視点でワクワクして園内を探検できる。 T-REXの堂々たる登場に、起死回生のラプターの助太刀、そしてモササウルスの一撃による極めて映画的な決着。スクランブラーとラプターの併走もカッコいい。一人の少年として、手に汗握り映画の世界に没入してしまう。 やはり恐竜にはロマンがある。 人間は変わらない生物だろうが、いい意味で変わらないものもあってほしい。動物園に恐竜がいたら…そんな子供のころの夢をスピルバーグは今も真剣に応援してくれる。[映画館(字幕)] 7点(2015-08-14 13:09:07)(良:1票) 《改行有》

7.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 本格謎解ミステリー映画という触れ込みだが、結末より重厚で品格のある美術や、苦悩する人間のドラマに注目した方が楽しめるように思う。なぜならこの映画のネタバレに当たる部分は殆どの人が観る前からでも予想がつくようなモノだからだ。難解な謎を作り出してしまうと、もう幻覚で片付けるか宇宙人に頼るしかないことなど誰でも知っている。結末など答え合わせにすぎない。配給会社の宣伝文句に振り回されず、スコセッシの演出した空間で展開する豪華演技派達の熱演を堪能した方がいい。ただ総合的に映画事態の印象が薄いことも否めない。ネタバレについてのパンチが弱いだけでなく、「謎解き」についても今一つだ。失踪した女性、灯台の謎といったトリックやギミックに対するディテイルを主人公の妄想で全て片付けてしまうのは非常にもったいない。テディが人間消失の謎を推理で解き明かすというしっかりした謎解きの展開があればまだ面白くなったのではないか。またテディが島の秘密を完全に解明した上で、しかし解決したこと自体テディの妄想だったというオトシ方の方が驚きも増しそうだ。このテのどんでん返しが売りの映画は、最後に行き着く流れが秀逸でないとオチも「ふーん。」って感じで際立たないのでオチなしでも成り立つぞってくらいの力強さが欲しいものだ。また映画自体の評価にはいれないのだが、この映画に関しては宣伝が非常に悪かったと思う。「この二本の線は平行です。」という視覚的な錯覚についての説明、や「結末は話さないで。」などの鑑賞についての注意。何故やったんだろうか。このような宣伝文句を受けて僕はこの映画が、言われないと分からないようなある意味不可避の錯覚現象を画面に散りばめた作品と勘違い(これが脳の勝手な解釈?)してしまった。脳は人間の都合の良いように勝手に解釈し、今見えているモノは現実と違うかもしれないということを始めに断っているようだが、そのような現象に騙されるのは観客の脳や視覚ではない。騙されるのはディカプリオ演じるダニエルズだ。なぜそこまでハードルを上げてしまったのか。謎である。また上映1分前くらいに本作の前売り券の切れ端を何となく見ていて気づいたが、僕の買った前売り券には「67 IS EDWARD」つまり、67番目はエドワード(テディはエドワードの愛称)と暗号っぽくだがハッキリと明記されていた。なぜバラしているのだろうか。謎は深まるばかりだ。[映画館(字幕)] 7点(2010-04-19 05:39:06)(良:1票)

8.  幸せの1ページ 《ネタバレ》 アビーちゃんの魅力で成り立つ作品。子供向けの作品なので「動物と一緒に」で危機を乗り切るファンタジー的なところは気にしないにしても、映画的にこの展開はどうよ?という場面がちょくちょく・・。ジョディが島に着いたときにはすでに親父待ちで、その親父もほとんど自力で帰ってくるなんて豪快すぎる。ってかホーム・アローン?[映画館(字幕)] 5点(2008-09-12 23:04:20)

9.  JUNO/ジュノ 《ネタバレ》 結論からいうと良質な人間ドラマだと思う。あっさりとした描写、個性的な人物など好感がもてる。エレン・ペイジの演技も良かった。でもなんか話が淡々としすぎていて問題が問題と思えない感じもした。シニカルで個性的な作風も最後の方は優等生な感じにまとまってしまうのが残念。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-21 22:32:52)

10.  ジャンパー 《ネタバレ》 ストーリーに関しては甘さを感じるが想像力に満ちたジャンプという能力、クールな世界観や映像は十分に楽しめた。ローマはダラダラだがそれ以外はテンポもよくジャンプのスピード感を損なわない。故に上映時間は短く、ジャンパーやパラディンの設定(中世から戦ってきたとか何故戦うのか等)、登場人物の行動(基本的に皆さんおバカ、彼らの感情もよくつかめない)、伏線(張り方もうまいとはいえないし、すぐに見当が付いてしまう)には疑問点もあるが許容範囲(っていうか想定範囲内)だろう。しかし人質にとられたミリーを救出にいくラストは少々物足りない。爆弾という緊迫要素を放棄しグリフィンという強力なジャンパー仲間がいるにもかかわらずチェチェンに置き去り、一人で対決し、そして勝つ。「特別だから。」という理由ではあっけなさすぎる。グリフィンの扱いも酷い。ジャンパーという身軽なイメージのキャラクターが重火器を装備しているという設定はクールと感じたのだが。個人的に思ったことだけど(ヘーデンが似ていただけに)アナソフィア・ロブが成長してレイチェル・ビルソンというのはちょっと似てないような気がした。それでもサミュエル・L・ジャクソンの持っていた武器の縄状の部分の色が紫色でなくて安心した。紫色だとコルサントへジャンプしたヘーデンから腕を切り落とされていただろう。[映画館(字幕)] 6点(2008-03-01 21:17:35)(良:1票)

11.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 本来は一財産築くためにユダヤ人を雇ったシンドラーが多くのユダヤ人を救おうと決意するまでの内面の変化がよく描けている。シンドラーとアイザックの友情には胸が熱くなった。工場で働くユダヤ人達の個々のエピソードもうまく話の本筋に絡んでいたしジョン・ウィリアムスのスコアも素晴らしかった。パートカラーを使った演出は凄い。凄惨な描写も多いがこの歴史から目を背けてばかりではいけないと思った。重厚な映画だ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-25 17:13:56)

12.  シルク(2007) 《ネタバレ》 雰囲気や世界観は良かった。危険でミステリアスな日本に蚕を求め旅をするという展開は美しい景色も見ることができ魅了される。がしかしこのジャンルの映画にしては上映時間が短いと感じた。エルヴェが日本で何故あの女性に惹かれたのかが説明不足な気がしたし、その女性の行動も腑に落ちない。きっと深い理由や心情が隠されていたんだと思うが、僕にはまだ理解できなかった。またじっくりと鑑賞したい。それでも楽しめたのは美しい景色と雰囲気、役者の演技のお陰と思う。マイケル・ピットは今までにも印象的な演技をみせてきたが今回もよかった。[映画館(字幕)] 6点(2008-01-20 00:21:12)

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