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1. ジョーカー
《ネタバレ》 「俺の人生は悲劇だ──いや違う、喜劇だ。」
このセリフはこの映画のダイジェストの一つです。
しかし私の考えでは、これは正しくありません。
たしかに人生は、「喜劇みたいに見える」かもしれません。
しかし”実際には”喜劇ではないからです。
どこまで行っても結局、喜劇は”息抜き”でしかありません。
(ここで言う「喜劇」は「ゲーム」という言葉に置き換えても良いかもしれません)
アーサーもそれを薄々気付いてたと思うんです。
しかし自分の犯す凶行や町の暴動を喜劇(ゲーム)と思い込むことで、心の一番奥のソフトな部分を守っていたのではないでしょうか?
そう思い込むことで暴動を起こす人々を見てもハッピーだと感じることができたのだと想像します。
アーサーはサイコパスなのではありません。むしろ共感性の高い性格の持ち主だ(った)と思われます。
作品内で頻繁に登場する「マイノリティを笑いものにしたジョーク」に象徴される、誰もが誰もを平気で踏みつけにする社会。
その社会の上層に位置する人々も、他人より多く他人を踏みつけにしたからこそ、その地位を手に入れたとも言えます。
これら、他者を何の躊躇いもなしに、踏みつけにし、笑えるものこそ「サイコパス」なのではないでしょうか?[映画館(字幕)] 8点(2019-11-13 00:47:46)《改行有》
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