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1. セブン
暗い。ひたすら暗い。映像もストーリーも何もかもが。雨が降ってる。服が湿ってる。傘はあるが、何の意味も持たない。早く着替えたい。この空間すべてから開放されて陽の光を浴びたい。そんな気にさせる。しかし、これは良作だ。本作以後、日本でも「精神世界モノ」「猟奇、残酷モノ」が一時期大流行して、便乗した映画やドラマも数多かったが、殺人の異常性ばかりに執着して、ドラマ本来とは別の、裏側にある「しだいに感じさせていく恐怖」までは描ききれていなかった。この映画が同類の作品よりも遥かに優れているのは、先見性ではなく、この「裏側にある恐怖」をひたひたと、しかし確実に訴えかけてくる力がある点だ。それは「本当にあったらどうしよう」といった現実的な恐怖ではなく、鑑賞後、あれやこれやと勝手に想像力が肥大していってしまう、抑えようのない働きに対する恐怖感だ。ところで、端役で出ていたグウィネス・パルトロー。本作のせいで「幸の薄い女」との印象が私の中では定着してしまい、シェイクスピアに恋をしても「結局、幸せにはなれないんでしょ、君は?」と、迷惑な邪推が頭の中でもたげてしまうのだった。嗚呼、抑制不能の自己想像力・・・9点(2004-01-31 23:41:04)(良:1票)
2. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
アル・パチーノの「どうだ!うまいだろ臭」が強い感じがする。確かにうまいよ。でも過度になってしまって、少し嫌味だ。人生訓すぎる脚本もマイナス。人間の高潔さを説いた人間が、買春していちゃ「そりゃないぜ、パチーノさん」と突っ込みたくもなる。ここから先は作品の出来不出来ではなく、完全に個人の好みになるが、高潔さや勇気を描くのにこんなにダイレクトなやり方は芸に乏しいと思った。まるで小学校の道徳の教科書のよう。あからさまな倫理観を表現されても「so what?」というのが率直な感想。 3点(2003-11-18 01:28:43)(良:2票)
3. 世界中がアイ・ラヴ・ユー
「ありがとう、ウディ!」と、言いたくなったよ。ゴキゲン度120%!ストーリーのディテイルとか、「ご都合主義過ぎる」とか、細かな「アラ」を捜そうと思えばいくらでもあるだろうけど、この映画はそんな見方で寸評する作品じゃない。私なんか途中から自然とリズム刻んでしまったほど軽妙で、愉快だった。本当に、幸せになれる映画で、文句なく満点!10点(2002-06-20 23:53:47)(良:1票)
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