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1. 切腹
すばらしいの一語に尽きます。巧妙なストーリー展開もさることながら、とにかく刀ではなく言葉の鍔迫り合いが見事。アクションはほとんどないのに、ずっと緊張感が持続していました。力のある脚本とはこういうものかと、ただただ感服するばかりです。終盤のチャンバラシーンだけ「暴れん坊将軍」のように派手でしたが、これはサービスの一環なのでしょう。
特に印象的なのは、一番最後の三國による冷徹な“後始末”。50年前に作られた、400年前を舞台にした作品であることを一瞬忘れるほど、ものすごいリアリティを感じました。今日のあらゆる組織においても、大なり小なり似たような処理は行われているでしょうから。[インターネット(字幕)] 10点(2014-07-28 03:18:20)《改行有》
2. 戦争と平和(1965-1967)
やたら饒舌なシーンがあるかと思えば、真意を汲み取るのが難しいシーンもあり。やたらとテンポが遅いと思ったら、一気に時代が飛んでいたり。「これが異文化コミュケーションというヤツか」と実感できます。
個人的には、後半に行くほどおもしろかった。特に第3部の敵も味方も優劣もよくわからないグチャグチャな戦闘シーンは、まるで「19世紀のハンバーガーヒル」といった感じ。なかなか見応えがあります。しかし、これだけ長時間見せられたわりに、印象はちょっと薄いかな。
それにしても、共産陣営の総帥国家の下で莫大な予算と時間を与えられ、しかも世界的文豪による世界的名作をもとに1本の映画をつくる作業は、想像を絶するプレッシャーだったことでしょう。もしコケようものなら、「失脚」や「亡命」の憂き目に晒されていたかも。全編にわたるピエール君の苦渋の表情には、そんな監督の立場が反映されているようにも思えます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-05 03:13:04)《改行有》
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