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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  セッション 《ネタバレ》 主人公・アンドリューがフレッチャー教授率いるバンドに参加した初日。休憩時間中にはワイワイ楽しくやってた先輩達が、フレッチャー入室と同時に凍りつき、ヘタに目立ってはいけないと全員が目を伏せる光景から、これはドえらい所へ来てしまったという緊張が走ります。その後、何度も何度も同じパートを演奏させ、「お前の音はズレてるのか?ズレてないのか?」と執拗にデブをいびり倒す辺りから、フレッチャーは本領を発揮し始めます。とはいえ、この状況、この迫力で問い詰められて冷静な分析などできるわけもなく、事実がどうであったかよりも、どう答えれば場が収まるのかを考えてしまうのが人情というもの。可哀そうなデブはそんな魂胆をフレッチャーに見透かされ、バンドを追放されてしまいます。フレッチャーほどではないにしても、どう答えても地獄が待っている無限ループの理不尽な質問責めは多くの人が経験したことがあるだけに、作品のつかみにこれを持ってきた監督の采配は見事でした。ここで私は一気に引き込まれました。 アンドリューの音楽家生命を完全に潰すために晴れの舞台で騙し打ちをしたことから、フレッチャーの人間性が腐っていることは間違いありません。ただし、音楽家としての指導方法の是非については評価に迷います。彼は数十年に一人の天才を発掘し、その才能を開花させることを目標としており、そもそも凡人を相手にしていません。よって、ほとんどの生徒は、彼の指導に付いていけなくて当然なのです。さらに、一般社会と違って音楽は一部の才能溢れる者のみで占められる世界であり、人よりも上手程度ではプロとして生きていけないだけに、彼の目標設定も的外れではありません。また、結果的にその目的を達成して一人の天才演奏家を作り上げることに成功したのだから、その方法は事後的に肯定されえます。新入生クラスで譜面めくりをしていたアンドリューに何かを見出してバンドに参加させたのはフレッチャーであり、音楽家としての慧眼も彼にはあったのです。 ただし、過剰な指導方法は多くの脱落者を生んでおり、本来は才能を持っていた者が、それを開花させる前に道を断念したかもしれないという可能性も否定できません。日本の部活動等でもしばしば取り沙汰される問題ですが、一流の人間を作りたければある程度のしごきはやむを得ないが、どこまでやるべきなのかという難しい線引きについて考えさせられました。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-09-19 02:13:48)(良:1票) 《改行有》

2.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 IMAX3Dにて鑑賞。見たのは先週なのですが、どうしても感想がまとまらず、レビューの投稿に1週間かかりました。なんせ、「物凄く面白かった!」以外の感想がまったく頭に浮かばなかったのですから。。。 アルフォンソ・キュアロンは、ここ10年で私がもっとも衝撃を受けた大傑作『トゥモロー・ワールド(邦題がクソ過ぎ)』を撮った監督。フィクションの現場に観客を放り込むということに徹底してこだわる人で、『トゥモロー・ワールド』においても、主人公が見聞きするもののみで映画を構成していました。本作はそのコンセプトをより先鋭化したものであり、余計な説明というものが一切排除されています。早々に地上管制官が劇中から姿を消し、生存方法の説明が終われば相棒・ジョージ・クルーニーも退場し、以降は主人公たった一人の戦いが延々と描かれます。主人公には、娘を失って生きる意欲を失っていたという背景が設けられているものの、それすら過大に扱われていません。ただ生きようとする者の執念を、圧倒的な技術力と演出力で描いただけの映画。そりゃ、「面白かった!」以外の感想は浮かびませんよね。。。 本作のビジュアルは驚異のレベルに達しています。従来のSF映画が時代遅れに感じる程であり、本作のスタッフは映画を新しい局面へと進化させたと言えます。また、観客に宇宙遊泳の感覚を味わわせるという点で、本作は史上最高のライドムービーとしても評価できます。本作については映画館での鑑賞が必須であり、家庭での視聴は論外。本サイトにおいても、映画館での上映終了後のレビュー投稿は禁止して欲しいと感じる程です(DVDがリリースされた際には、作品の本質を味わえなかった人たちによって、「思った程ではなかった」という否定的なレビューが続出するであろうことが容易に予想できます)。。。 蛇足ですが、本作を見ていると、ハリウッドにとって中国は大事なお客さんなんだなということがよく分かります。2007年に人工衛星の破壊実験をしたのは中国だったのですが、本作ではロシアが犯人にされており、一方、中国の宇宙船が主人公の命を救う救命艇の役割を担っています。すべてが完璧で禁欲的な映画だっただけに、こうしたマーケットへの配慮が、作品の完成度を多少なりとも毀損しているように感じられて残念でした。[映画館(字幕)] 9点(2013-12-23 02:56:55)(良:3票) 《改行有》

3.  セデック・バレ 第二部 虹の橋 ついに日本軍との大決戦がはじまる第2部ですが、アクションはとにかく凄いことになっています。物量で劣るセデック族は、地の利と持ち前の敏捷性を活かしたゲリラ戦で日本軍に対抗するのですが、彼らの流れるようなアクションの数々には圧倒されました。特に、断崖絶壁に日本軍を誘い込み、身動きがとれなくなったところで一網打尽にするという前半の見せ場は壮絶そのものであり、非常に危険な撮影を敢行したことが画面越しにも伝わってきます。また、クライマックスの白兵戦もハリウッドレベルの迫力であり、台湾映画史上最高額の製作費は画面にきっちりと反映されています。。。 ただし、話の整理がきちんとできていないので、映画としてはイマイチでした。反乱部族は2手に分かれ、彼らの妻子は別に移動。さらには体制側についたセデック族も現れ、複数の集団が入り乱れるややこしい話に突入するのですが、戦況の動きが丁寧に説明されないため、誰が何をやっているのかが分かりづらくなっています。感動的な音楽をバックにあるキャラクターが壮絶な死を遂げても、それが一体誰なのかが分からないということが何度もあり、ドラマが盛り上がるほどにこちらのテンションが下がるという悪循環が発生しています。台湾の人たちにとっては、今更個々のキャラクターを説明する必要もない程有名な事件なのかもしれませんが、外国人にとっては少々厳しい内容でした。[DVD(字幕)] 5点(2013-11-26 01:20:19)《改行有》

4.  セデック・バレ 第一部 太陽旗 大日本帝国の支配に耐え兼ねて反乱を起こしたセデック族の物語であり、国民党政権時代には抗日の英雄として敬われていたモーナ・ルダオの生涯とくれば、日本人の我々としては大いに不安な題材だと言えます。おまけに、プロデューサーには『南京1937』を手がけたジョン・ウーも名を連ねており、これは久々に反日超大作が来たかと覚悟して鑑賞したのですが、そんな不安とは裏腹に、内容は極めてフェアなものでした。さすがは親日国・台湾。。。 内容は『ラスト・オブ・モヒカン』と『アポカリプト』と『ラスト・サムライ』を合わせたようなものであり、滅びゆく種族が体制に絶望的な戦いを挑むという、この手の映画としては非常に典型的な形にまとめられています。テンプレートに当てはめて手堅く作られているおかげで話は非常にわかりやすく、しかもエモーショナルです。また、良い日本人も悪い日本人もいたという点や、植民地支配は負の面だけではなかったという点にもきちんと光があてられており、政治的に偏らないよう細心の注意が払われていることにも感心しました。さらには、セデック族は日本人の女子供にも容赦なく手をかけたという事実からも逃げておらず、台湾側にとって都合の良いことも悪いことも、すべて映画にぶち込んでやろうという作り手の気概を感じました。台湾映画史上最高額の製作費が投入され、絶対にコケることができない本作において、これだけやりきってみせた崇高な姿勢には尊敬の念さえ抱きます。。。 また、演技の質の高さも必見です。主人公・モーナ・ルダオを演じるリン・チンタイは演技経験ゼロのド素人。原住民の若者をオーディションする際に案内人として雇ったおじさんが監督の目に止まり、そのまま主人公に起用されたという滅茶苦茶なキャスティングであり、しかも彼はセデック語が分からないのでセリフ丸暗記で挑んだらしいのですが、そんな彼がモーナ・ルダオになりきり、ベテラン俳優をも超えるほどの威厳とカリスマ性を放っているのですから、これぞ映画のマジックです。日本人キャストも、そこいらの邦画以上の熱演を披露しており、すべての演技が必見と言えます。セデック語に日本語と、台湾人の監督にとっては馴染みのない言語が入り乱れる内容ながら、きちんと演技指導をやっているのですから、その手腕には驚かされます。[DVD(字幕)] 7点(2013-11-26 01:19:30)《改行有》

5.  世界にひとつのプレイブック 当初はシドニー・ポラックが監督に指名されていたものの、「俺じゃ無理だ」と言ってデヴィッド・O・ラッセルに手渡されたという本作。完成した作品においてはシリアスとユーモアが複雑に絡み合った絶妙な塩梅が実現しており、ラッセルの手腕が光りまくっています。予定通りにポラックが監督していればシリアスに振れすぎてしまい、ここまで楽しい映画にはならなかったでしょう。。。 ラッセルには本作の主人公と同じく双極性障害を患うご子息がいるようで、そうしたプライベートでの経験が映画にも活かされています。精神障害の患者を抱える家族のドラマと言われれば、それこそ『普通の人々』のような地獄の葛藤を想像しがちですが、ラッセルは必ずしも負の面ばかりではないという切り口でこれを描いています。子育てに失敗した父親が、もう一度これをやり直す機会として息子の精神障害が機能しているのです。本作はラブストーリーである同時に、家族の温かみが描かれたドラマでもあります。息子は過去に他人を半殺しにし、現在も頻繁に警察のお世話になっているが、家族は彼を決して厄介者とは扱わないし、腫れ物に触るようなよそよそしい態度もとらない。家族にしか出せない温かみが主人公を包んでいる。本作はその描写に成功しているのです。最近は手抜きが目立つデ・ニーロも、本作では久しぶりに高いパフォーマンスを披露。軽さと重さを絶妙に使い分けた演技には舌を巻きました。。。 他方、ジェニファー・ローレンスのオスカー受賞については疑問符が付きます。撮影当時21歳にして16歳年上のブラッドリー・クーパーの相手役を務め、デ・ニーロやクリス・タッカーをも圧倒した高いパフォーマンスには敬意を表するにしても、やはり、この役柄を演じるには年齢が若すぎたように思います。ティファニーはセックスをちらつかせることで男を操るメンヘラ女で、この役柄のイタさを伝えるには20代後半から30代前半の女優が必要だったのですが(当初はズーイー・デシャネルやアン・ハサウェイがキャスティングされていた)、これを若いローレンスが演じてしまったのでは少々ヤンチャなおねえちゃんになってしまうのです。監督も、彼女についてはねじ込まれたキャスティングであったことを匂わせる発言をしており、ローレンスのオスカー受賞については『恋におちたシェイクスピア』のグウィネス・パルトローのような胡散臭さを感じました。[DVD(字幕)] 7点(2013-10-16 01:47:58)《改行有》

6.  センチュリオン 『ドゥームズ・デイ』でやりたい放題やった挙句に赤字を出してしまい、各方面からお叱りを受けたニール・マーシャルですが、後続の本作では心機一転、個性を殺してマジメにお仕事なさっております。。。 序盤の目玉である「ローマ第9軍団出動→不意を突かれて壊滅」の展開はなかなかの迫力と面白さで、小っちゃいリドリー・スコットとも言える素晴らしい演出を披露。1,200万ドル程度の小規模作品とは思えないほどの見せ場を楽しむことができました。基本がしっかりしている監督は、こういう丁寧な仕事ができるので有難いのです。ただし、大きな合戦があるのは序盤のみであり、以降の展開は生き残った7人の兵士による将軍奪還作戦、及び、敵陣からの脱出作戦。思わぬ裏切り者が現れたりと、古代版『荒鷲の要塞』みたいな話になってきます。ここでいきなりスケールが小さくなってしまうのでガックリくるのですが、映画の出来自体は引き続きしっかりとしています。きちんとノンストップアクションになっているのです。ラストの決戦シーンのショボさには再度驚いてしまいましたが、それでも大自然を活かしたアクション、美しい撮影と激しいゴア描写等、マーシャル監督本来の持ち味が活かされているのは、前半よりも後半パートの方だったと思います。水準作ではありますが、観るべき点は多い映画だと思いました。[DVD(吹替)] 7点(2013-01-18 01:15:41)《改行有》

7.  セットアップ 《ネタバレ》 どうやら監督は『ヒート』や『ザ・タウン』レベルの犯罪ドラマを目指していたようなのですが、その試みは完全に失敗に終わっています。裏切りにより敵同士となった元親友というドラマティックな構図をとってはいるものの、役者のパワー不足によってこのドラマは本来持つべき熱を持っていません。主人公が裏切り者を追い掛けるうちに3つの犯罪組織が入り乱れるという厄介な事態へとエスカレートしていくものの、これについても監督が意図したような面白さには至っておらず、すべてが不完全燃焼。また、この手の映画を見慣れている人であれば、マフィア同士を撃ち合わせているうちに主人公が脱出を図るという展開を予想しますが、本当にその通りになってしまうという捻りのない脚本には落胆させられました。さらには、高尚な作品に仕上げるべく見せ場は最小限にとどめられており、ドラマはつまらない、アクションは少ないと、いいとこなしの映画に。全米では劇場公開が見送られDVDスルーとなったようなのですが、そんな扱いにも納得の一本でした。[DVD(吹替)] 3点(2012-09-09 13:58:52)

8.  戦火の馬 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』以降四半世紀に渡り、いかにして悪趣味描写を娯楽作に持ち込むかという難題に勝手に挑戦し続けてきたスピルバーグですが、本作ではついに悪趣味を卒業し、かつての健全な娯楽映画に回帰した内容としています。同時に製作した『タンタンの冒険』も同様の趣旨でしたが、そちらは初のアニメ作品ということもあってやや失敗した感がありました。しかしスペクタクルの巨匠スピルバーグ、実写では外しません。90年代以降のスピルバーグ監督作品としては間違いなくNo.1の面白さであり、この人は映画を撮るのが世界一うまい人であることを再認識させられました。。。 主人公は馬。ディズニー映画のように人間の言葉を喋ることも、誰かがその気持ちを代弁することもなく、本当にただの馬を主人公とした映画なのですが、この馬のキャラがきちんと立っていることに驚かされます。擬人化の名人スピルバーグが久しぶりにその腕前を披露したわけですが、演技部門でオスカーにノミネートされてもよかったんじゃないかと思うほど馬が素晴らしすぎます。そんな馬を囲む人々も基本的には良い人ばかりで、良いドラマを観たなぁという気持ちを存分に味わわせてくれます。。。 最近仲良くしているピーター・ジャクソン(第一次大戦オタク)に影響されてか、本作の舞台は第一次世界大戦。これが実に独特な戦争で、初期には職業軍人による伝統的な騎馬戦が主流だったものの、後期には大量破壊兵器と大人数の素人兵士がその主役となり、開戦時と終戦時とではまるで違った様相を示すこととなった戦争でした。大量破壊兵器の登場とともに、かつての戦場には確かに存在していた「戦いの美学」というものが失われ、戦争はただの殺し合いとなったわけですが、本作はそんな時代背景をきっちりと内容に反映させています。当初は軍馬として大事に扱われていたジョーイが、後には交換可能な運搬手段としてこき使われることとなるのですが、戦場における人道のあり方と主人公の扱いを丁寧にリンクさせている脚本には感心しました。。。 不満点を挙げるならば、ヨーロッパ人が当然の如く英語を喋る点と、ドイツ帝国が一方的に悪者にされている点でしょうか。ユダヤ人弾圧のあった第二次大戦ならともかく、三国同盟と三国協商のどちらに正義があったのかについて議論の割れている第一次大戦においてこの扱いは無神経であると感じました。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-08-10 17:43:31)(良:1票) 《改行有》

9.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 2012年一発目の映画には何か景気の良いのを観たいなというわけで、やたら勢いのあるタイトルの本作を鑑賞しました。悪評が多く聞かれた作品だし、主演は「ザ・コア」のアーロン・エッカートだし、内容に大した期待はしていなかったのですが、映画は自分の目で見るまでは分からないもの。意外にも満足できる作品でした。エイリアンと海兵隊による市街戦という設定は、ゲームではありがちなのですが実写では本作が初。なかなか目の付けどころの良い企画だと思います。内容は事前の予想よりも遥かに硬派で、海兵隊員の大半が有色人種という現実的な設定になっていたり、「自分を見捨てないでください」と言う部下を「戦場では何も約束はできない」と切って捨てるホットなやりとりがあったり、敵エイリアンの急所を見つけるために瀕死の敵ソルジャーをナイフで突きまくる場面があったりと、本気モードで練り上げられた脚本には好感が持てました。「テキサス・チェーンソー ビギニング」で素晴らしい腕前を披露したジョナサン・リーベスマンのビジュアルセンスも爆発しており、「ブラックホーク・ダウン」を思わせる戦闘シーンには大興奮なのでした。役者はよくトレーニングされていて、銃の撃ち方など非常に様になっています。本作は決してバカ映画ではないのです。逃げ遅れた市民を連れて基地までの10kmを移動するのみというシンプルなプロットは効果的で、前半は奇跡的なまでに面白く仕上がっています。残念なのは、主人公達が戦争の大勢にまで手を突っ込みはじめた後半になると話が途端に面白くなくなったことで、彼らは戦争の当事者ではなく、あくまで体験者の一人に留めておくべきだったと思います。宇宙人の侵略目的云々に言及しはじめてから途端につまらなくなったスピ版「宇宙戦争」と同じ理屈ですね。徹頭徹尾、傍観者の視点で「クローバーフィールド」を作ったJ・J・エイブラムスは、やはり偉大なのです。[DVD(吹替)] 7点(2012-01-01 18:39:57)(良:1票)

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