みんなのシネマレビュー |
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1. 正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官 アメリカ移民の映画が複数あるのは、依然大きな社会問題であるから。 真摯だけれど堅苦しく質素な群像劇で、主演のハリソン・フォードにしてからが観察者・傍観者的であり、中心となって動くのは別の人物。 当局と不法滞在者のどちらに非があるかは、特に外国人の立場では皆目わからず、元々移民の国であっても現在ではテロなどで痛い目にあっているアメリカは積極的に入れたくはなさそうであり、一方貧しい移民たちは豊かな生活を求めて切りなくおしよせる。 監督はその移民経験者なので、移民側の作品として見るのが公平なのでは。 見逃してもらったあの少年は、その情けを心に刻んで生きていくのだろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-07 07:05:09)(良:1票) 2. 戦場のピアニスト 《ネタバレ》 長尺が気にならない秀作だとは思うのですが、前半に自らも悲惨な体験をしたユダヤ系ポーランド人ポランスキーの個人的感情が出すぎている気がするのです、仕方ないですけど。 それがあって最後の「地獄に仏」も生きてくるとはいえ、殺戮場面や残酷描写が多すぎる気がして。 シュピルマン目線で撮られた後半の市街戦も遠景であるせいで衝撃度は抑えられていますが、過剰な演出をしていない分現実感があり生々しいです。 必死に生き抜こうとするシュピルマンを演じるエイドリアン・ブロディは、細面の風貌が作品の重さを軽減し、淡々とした演技が灰色の死の世界に生命感を与えていました。 彼と音楽を通じてつかのまの「友情」を結ぶホーゼンフェルト大尉もよかった。 ナチス将校を演じることが多いトーマス・クレッチマンはいつもどんな心境で演じているのか知りたい。 祖国が過去に犯した過ちを、自分が演じることで少しでも償いたい気持ちを持っていてもおかしくはないです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-07 00:00:06) 3. セント・エルモス・ファイアー 「セント・エルモの火」というタイトルをこの映画に使ってほしくない。[地上波(吹替)] 5点(2009-08-18 00:03:26) 4. セーラー服と機関銃 この頃は薬師丸ひろ子のよさがわからなかった。[地上波(邦画)] 5点(2009-08-12 00:00:23) 5. 戦場のアリア お国の事情で戦地に駆り出される兵隊たち。母国は違っても彼らの心情はそう違いはない。音楽を愛する心も。故郷や家族を思う心も。本当は敵など要らないし憎くもない。そんな彼らの聖夜。小さな交歓の数々が彼らの冷え切った心を一時でも溶かしていく。D・クルーガーの美声は吹替えだけれども、男たちの戦場に降り立つ音楽の女神として魔法の時間を紡ぎだす。「リトル・ダンサー」の父親役が有名なG・ルイスが国と信仰の挟間で苦悩する神父として、宗教のもつ狭量さに疑問を投げかける。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-02 17:19:59)(良:1票) 6. 千年の恋 ひかる源氏物語 「源氏」は好きなんですが…天海さん美しいけど源氏の嫌らしさまではお持ちでないし、かと思えばあろうことか老醜までさらすし。(「雲隠」で霞のように消えちゃうから良いのにね)源氏の映像化は「雅な恋」がメインにされてて、政治的な面白さとかコメディ部分は割愛されてる場合が多いですが、それってどう?(ヴィジュアル源氏で一番雰囲気だしてると思うのは、小泉氏の「まろ、ん?」なんですが)源氏ってカオはきれいでも「何やってんのよ、何考えてんのよ!」とツッコミたくなる困った妄執男。でも彼のいない宇治十帖は物足りなく寂しい。そんな光君の複雑な魅力を本当に生かした作品が見たい。[映画館(邦画)] 3点(2006-10-29 15:57:37)
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