みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順123456789
投稿日付順123456789
変更日付順123456789

61.  大脱獄(1975) 先日亡くなった二人の大俳優、高倉健と菅原文太の共演作。東映作品史の分水嶺、という訳でもないかも知れませんが、任侠映画で東映を支えた高倉健が、ヤクザ映画から身を引き東映からも退社する直前、そして菅原文太が新たなヤクザ映画スターとして確固たる地位を築いた頃の作品ですね。で、監督が石井輝男。本作はヤクザ映画じゃなくって、網走番外地第一作にまで回帰した、吹雪の中の脱獄映画。ただし、すでに石井輝男がだいぶおかしな事になっちゃってる(笑)ので、殺人シーンにおける残酷描写が、これまたエライことになっちゃってます。心臓の弱い方と笑い上戸の方は、それなりにご注意を(あと、一瞬挿入される機関車の脱線シーンの意味がようわからん)。実際には犯していない殺人の罪から死刑判決を受けながらも、他の死刑囚たちの脱獄騒ぎに乗じて逃亡、雪原を乗り越え、ストリップ嬢との出会いと別れを経て、時には自暴自棄のように暴力的になりながら、自分を嵌めた連中への復讐を目指す。そして、一緒に脱獄し、健さんになぜか付きまとうのが菅原文太。何を考えているのかわからぬ不敵な笑みを浮かべ、それなりにいい味出してます……が、出番は必ずしも多く無いんですね。むしろ、もっとチョイ役ですが、小池朝雄のやたら“いい声”の方が、妙に印象に残ったり。それにしても、健さんにはやっぱり雪が似合いますね。[DVD(邦画)] 8点(2014-12-07 16:20:22)(良:1票)

62.  ダンディー少佐 アパッチ族の襲撃そのものは描かれず、死屍累々たる大虐殺の後が映しだされる映画冒頭、ここからすでに、何やらタマラナイいかがわしさが漂っております。このいかがわしさは、流血を伴う終盤の戦闘シーンなどにも見られる訳ですが。ただ、こういう残酷描写をもって、本作をワイルドバンチの前哨戦みたいに捉えることは(当然ながら)できません。何せ、映画後半、っていうのは勿論ヘストンがケガするところからですが、とにかく変です。奇妙に断片的で、迷走しちゃってます。プロデューサーの意向で作品が短縮されてしまった、というのがこのワケのわからなさの原因なのか?いやいや原因はそれだけじゃなくって、本当にコレ、「決してまとまることのない」作品として作られたんじゃなかろうか。実際、このあたりのエピソードは無い方が自然、つまりプロデューサーはもっと短縮しちゃってもよかったくらい。なのに、親切なのかイジワルなのか、本作の奇妙さを充分に堪能できるようには仕上げてくれております。正直、ペキンパーが本作で何をやりたかったのかはわからないし、ジェームズ・コバーンに何をさせたかったのかは特にわからないのですが(笑)、とにかくこの主人公のダンディー少佐以上に我を通そうとしたんじゃかなろうか。ダンディー少佐、自分では何だか大したことしてないんだけど(そしてどっちかというとオイシイところはリチャード・ハリスが持っていくんだけど)、それでも存在感がある。そして本作の存在感というのもまた、そういう種類のものかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-28 00:09:12)

63.  ターミネーター2 《ネタバレ》 まー要するに「考え過ぎ」というヤツですね。一作目よりも強く一作目よりも不死身の敵役を設定しようという意図が見え透いてしまった時点で、何をやっても驚きは半減、グダグダにならざるを得ない。ついに敵をヤッツケたと見せて、どうせまた復活するんでしょ、とか観客に思われちゃ、立つ瀬がありません。倒しようの無い敵を倒しても、八百長にしか見えなくなっちゃうし……とかいうのは、初めて観た時の感想であって、今となってはそれも、御愛嬌。本作、そりゃ悪いところもあれば、いいところだってある。別の場所にも書いたけど、シュワ型ターミネーターのポンコツぶり、銃の効かない相手に対しひたすら銃で対抗することしか知らない愚直さは、なかなか捨てがたい魅力があります(その代わり、1作目で築いたイメージは犠牲になってしまったけど)。あと、1作目には、「夜」のイメージが強くって、シュワ型ターミネーターの登場するシーンのすべてが夜という訳じゃないけれど、とにかくこの「夜」のイメージがシュワ型ターミネーターの不気味さに繋がっておりました。そしてこの2作目にも確かに、作品自体には「夜」のイメージが引き継がれています。サラ・コナーの病院からの逃走場面しかり、ヘリとのチェイスシーンしかり。その一方で、今回のシュワ型は悪役ではない訳ですから、「夜」のイメージから敢えて引き離すように、砂漠の陽光の下に引きずり出されもします。これも悪くないと思います。ただ、今回のT-1000には、1作目のシュワ型ほど強いイメージを持たせられなかったのが、とにかく本作の一番弱いところ。我々が驚き魅了されるのは、液体金属ターミネーター・T-1000を描写するCGの威力ではあっても、T-1000の存在の不気味さそのものに対してじゃない。例えばトレーラーとバイクのチェイスの後、T-1000が液体金属状態の姿を我々に曝すあの場面、あれは「液体金属とはこういうものだ」とか「どこかの誰かみたいにトレーラーが爆発しただけで情けない骨組み姿にはなったりはいたしません」とかいうことの“説明”でしかなくって……あまりにおおっぴら過ぎ、あまりに健康的過ぎ。もうちょっとT-1000の不気味さを感じさせる演出がなかったのか、と思っちゃう。T-1000は絶対、損してます。[映画館(字幕)] 7点(2014-10-24 21:11:32)

64.  ダラス ビル・ヒコックのお話かと思いきや、ゲイリー・クーパーはヒコック役ではなくって、お尋ね者の役(ヒコック役はよくわからんオジサン)。しかもクーパーは登場早々、ヒコックに射殺されてしまう? という驚きの映画開始ですが、心配ご無用、これはただの死んだふり。彼のチャッカリした面を印象付けたところで、物語は、目から鼻へ抜けるような主人公と、新任保安官との珍道中、となります。この保安官ってのが何とも頼りなく、よってこの二人からなるコンビがなかなかに面白い。クーパーはちゃっかり自分が保安官の顔をし、ホントの保安官は助手扱い。なにせ頼りないんだから、仕方がない。で、以下、彼らが悪徳一味と対決する展開は、まあお約束みたいなもんで、これはこれで楽しい。そしてさらにそこに、このコンビと保安官の許婚との三角関係を絡めてきたのが本作のミソと言えばミソ、な訳ですけれども、ただ、ラストがねえ……この三角関係の顛末、そんなんでいのか~! と文句のひとつも言いたくなる、身もふたも無い(ある意味意表をついた)ラストでして、これは、ヒーローたるクーパーがヒーローの資格を失った瞬間、逆に頼りない男の方がヒーローとなる瞬間(あるいはヒーローとなりえた瞬間)なのですけれども、この新ヒーローの方にスポットライトを当て切れない、何とも気のきかない映画です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-08 00:04:46)

65.  大西部への道 西部へ向かう開拓民たちの旅路を、雄大な自然をバックに、さまざまなエピソードを織り交ぜて描いた壮大な映画。と言う場合は要注意、「物語が壮大過ぎて、映画にまとめ切れなかったね」と陰口を叩かれかねない。でまあ、本作にも、確かにそういう面がありますわなあ。さまざまな登場人物が現れ、さまざまなエピソードが積み重ねられて、それらが絡まり合うことで、ひとつの大きな物語を形成しているのですが、これがうまく噛み合うか、はたまたエピソードの羅列に終わるか。というのは、やはり、登場人物とエピソードをどれだけ印象的に描けるか、に懸かっているのでしょうが、本作、大味な感じは否めません。カーク・ダグラス、ロバート・ミッチャム、リチャード・ウィドマーク、という大物を並べて、とりあえずの貫禄は見せつけるものの、彼らの絡みが特定のエピソードに集中している感じなもんで、貫禄があるように見えた程には、人物像の幅が見えにくい。亡くした妻の話とか、あるいは息子の話とか、様々な膨らみがそこにはありえるハズなんだけど(中でも、カーク・ダグラスと息子との親子関係のエピソードなんて、こんな扱いでいいんだろうか?)。ま、しかし、時には容赦ない残酷な運命をも描きながら、特定の人物に入れ込むことなく、人々の苦難の行程をそのものを物語ること、それが本作の持ち味と言えるかも知れません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-24 14:14:56)

66.  ダイ・ハード 高校生だった当時、公開の数カ月前から、某雑誌で紹介されていたのを読んで、こりゃスゴい映画が来たぞ、と一人で盛り上がってたっけ。前売り券買ったらオマケにくれたマグネット、その後何年も大事に使ってたよ。満を持して、試験休みの平日に映画館に一番乗りしたのも、懐かしいような、大して懐かしくもないような。80年代、スタやらシュワやらのアクション映画に世間がやや辟易してた頃でもあり、必ずしも注目度は高かったとは言えず(クリスマスが舞台なのに正月映画じゃなくって2月公開だったし)、日本で本格的に人気に火がつくのはビデオリリースを待たねばならなかった(この人気を受け、続編の方が遥かにヒットした)。私が何ゆえあんなに事前に盛り上がっていたかというと、雑誌の紹介記事にビルが爆発してる写真が載ってたから。その一点だけで、こりゃ傑作なんじゃないかと期待しまくってしまった。ま、さすがに過剰かつ短絡的な期待だった訳ですが。でもそれ以来、ずっと愛着のある作品です。伏線が張り巡らされているのが面白い? いや、映画における「上手い伏線」ってのはもっとイメージに直結するものでしょう。本作のは伏線なんてのは、およそ機械的な「答え合わせ」に近いもの。2回目の観賞くらいまでは発見もあるけれど、すぐに底が割れてしまう。やっぱり本作の魅力、愛着を感じる点って、ズバリ、作品の素朴なカッコ良さにあると思います。屋上で追うテロリストたち、応戦するマクレーン、カメラが上がるとそこに、銃を構え静かに闊歩するAゴドノフのカッコ良さ。装甲車はカッコ良いし、そこにミサイルが打ちこまれりゃもっとカッコ良い。その瞬間、街中が戦場と化し、気分は大いに盛り上がります。何を考え何を狙っているのか掴めないAリックマンもカッコ良い。Bウィリスは真剣な表情や焦った表情は正直似合わないけれど、飄々としたり弱音吐いたりするとやたら好感度が上がる。FBIのヘリが現れたらさらに気分はヒートアップ。そしてあの屋上大爆破。この爆破シーン、ビルの遠景近景、飛び降りるマクレーンを上から撮ったり下から撮ったり、地上から見上げる人々の姿を交えたり、これでもかと様々なショットで描写し、時間も自由に引き延ばされていて、やっぱりこんなカッコ良いシーン、そうそう無いと思うのです。で結局、何度見ても、カッコ良いなあ、魅力的な作品だなあ、とそう思う次第です。[映画館(字幕)] 10点(2014-04-21 21:49:31)(良:1票)

67.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 ワールド・ウォーZという作品を観ていると、設定上は一応、世界がパニックでさあ大変一体どうしたらよいのか、という内容なもんで、主人公も一応、自信無さそうな迷いの表情を浮かべて見せるのだけど、それがうわべだけで、行動や態度にはあまり反映されないところにちょっと違和感を感じちゃう。世界各地で危機にあいつつ、それを切り抜けていく主人公のストレートな活躍を観ていると、こういう役柄は、半端に迷ってるふりをする主人公よりも、何一つ迷うことのないジェームズ・ボンドみたいなヒトの方が相応しい。で、実際、同じマーク・フォースターという監督が手掛けた007シリーズが、コレなんですな。物語の都合もあれば、クレイグ=ボンドのもつ雰囲気もあるかも知れないけれど、このボンドは、迷わない、表情も変えない、ただ、殺しのライセンスを濫用し続ける彼の行動の中に、怒りが表れている。もちろん007ですから、海上やら空中やらで曲芸みたいなアクションもやって見せなければならず、シリアスなボンド像がそれと相容れるのか、という問題もありましょう。また特に、007シリーズにおける殺しの場面というのは、多少オチャラケを含んだ、一種のショーとしてあったりした訳ですが、本作ではそういう要素が乏しいばかりか、ボンドが最後に敵に与える仕打ちに至っては、それは画面外での「野垂れ死に」ってんだから、画面内での華々しい死に様という悪役の特権を拒絶しており、これまた随分、辛辣なのです(ワールド・ウォーZのゾンビより扱いが悪いかもしれんなあ)。そういうシビアさもあり、はたまた106分という尺の短さもあり(シリーズ最短かな?)、本作、ひきしまった印象があります。ただ、アクションシーンをもうちっと丁寧に見せてくれたら、さらに数段ひきしまったかとも思いますが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-04-15 00:31:50)

68.  ダイヤモンドの犬たち まずは冒頭から、たまらなくご機嫌なノリのよい音楽に、眼下に広がる砂丘。ワイルドでチープで楽しい70年代世界が待ち受けている、という期待が、高まるばかりです。さてここは、砂漠のど真ん中にある、ダイヤモンド会社(いや、ええと、たぶん砂漠のど真ん中だと思うのですが、町からココまであっという間に辿り着くかのような描写もあって、でもたぶん砂漠のど真ん中です、ハイ)。様々な防御線が引かれ、鉄壁の守りなのだけど、その会社の金庫に眠るダイヤの山を狙う、アヤシゲな一味が接近しつつあるらしい。で、(ここが、考えるとよくワカランけど、考えなければ楽しい本作のポイントなのだけれど)会社を警備するピーター・フォンダが、一味をあぶり出すために、自ら会社のダイヤを盗み出す極秘囮作戦に抜擢される。うん、よくワカリマセンね。この囮作戦、一部の者しか知らないため、彼は本当にダイヤを盗み出したと疑われる。さらには例の一味がやってきて。さあここからがワイルドでチープで意外な展開。ダイヤを狙う一味のメンバーには、クリストファー・リーやらOJシンプソンやらがいて、キャラ立ちしているといいますか、それぞれが存在感を示し、物語に厚みを加えます。一方のダイヤ会社の警備を取り仕切るは、さらに存在感示しまくりのテリー・サヴァラス。一応、善悪で言えば善の側なのだけど、どうみてもこのヒトが一番ワルそうなのです。そしていよいよ、砂漠を舞台にしたダイヤの争奪戦へ、まさにワイルドでチープなアクションのつるべ打ち(空撮によるアクションが実に小気味よい)。防御線を突破する際の「走り幅跳び」は正直カッコ悪かったけどね。さて、DVDにはよく特典映像ってのがあって、大抵は見ないで済ましちゃうのですが、本作はたまたま見ちゃったのが、大正解でした。笑撃の“別バーションエンディング”があなたをお待ちしています。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-15 14:40:39)

69.  ダブル・ミッション 3人きょうだいのお母ちゃんの彼氏は、隣に住むダサい中国人。母は彼の平凡さに惹かれている一方、3人は彼のことが大嫌い。しかし彼の正体は何と何と、中国からCIAに出向中(んなアホな)の凄腕スパイなのであった、演じるはもちろん、我らがジャッキー・チェン。ストーリーはまったくツジツマがあっておらず、限り無くマンガ的、こういうデタラメな設定で、真面目に出鱈目を貫けばいいんだけど、ホノボノ路線に小さくまとまってしまって、一体何のために作ったのやらわからぬ作品(単に“ジャッキー・チェン主演”という看板をあげるためだけの作品)になっちゃってます。子供たちがジャッキーを見直す展開はお約束とは言え、見直すほど彼の動きにキレもなく、まさに「設定が先にありき」の頼りなさ。申し訳ないけど、これはジャッキーじゃなくって、ただのジジィです。しかし、最後のNG集を見ていると、あまりに皆楽しそうで、文句を言う気が失せてしまうんです。甘いとは思うけど、そうなんです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-12-31 11:26:00)(良:1票)

70.  ダイ・ハード/ラスト・デイ 高層ビルという密閉空間で孤独な戦いを演じた1作目から、もはやかけ離れまくったシリーズとなっております。第1作が「巻き込まれ型」の映画として楽しめたのは犯人一味の狙いがなかなか明らかにならない不気味さがあったからであり、アクション映画として楽しめたのは丹念なアクション描写があったからでしょう。それに比べると、この第5作。巻き込まれ型の体裁は一応とっているけれども、その方面でのサスペンスがあまり感じられず弛緩してしまうのは、敵方のターゲットがあまりに明確過ぎるから(仮に“ドンデン返しがあったとして”も、それは単なる途中でのルール変更に過ぎず、ターゲットの明確さは維持される)。またアクション描写も、派手でそれなりに楽しませてくれはするのですが、まあ、雑な印象は拭えませんなあ。「ダイ・ハード」の看板、そろそろ下ろしますか…。しかしきっと、ハマちゃんが釣りさえしていればそれは釣りバカ日誌なんだろうし、マクレーンが「ツイてない」とボヤけばとりあえずはそれはダイ・ハードなんでしょう。やたらと事件に巻き込まれてしまうのは余程運が悪いのか、それともここまでヒドイ目に遭い続けても死なないのは、余程運がいいのか。という意味では、世界一ダイハードなマクレーン刑事の真骨頂とも言うべき作品になっていて、車は転がる、ビルから(今度はホース無しで)飛び降りる、ヘリから吹っ飛ぶ、もうアクロバットとも言えないようなあり得ない無茶を連発し、完全にオモチャにされています。死なないんだからしょうがない、どこまでもとことんオモチャになっていただきましょう。でも、今度こそ、最終作だよね~??[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-11-02 20:21:25)

71.  ターミナル 《ネタバレ》 昔、『E.T.』って映画があって、これはエリオット君を中心に観るからこそ感動するんですけれども、間違ってE.T.氏の方を中心に観てしまうと、ああ何とマヌケな宇宙人もあったものよ、ってな事になっちゃう。そうは言っても、E.T.氏にだって、地球に来た目的もあれば夢もあり、故郷には親もいるだろうし、ひとり異国ならぬ異星に残された悲しみもあれば、エリオット君と出会いについての感慨もあるんでしょう。という訳でE.T.の方を中心に持ってきたような感じなのが、この作品。故国の動乱のため、空港に9か月も止まることになった男のオハナシ。最初は殆ど英語がわからず会話もままならない、「ええい、筆談すりゃいいやんか」と言いたくなるのはまあ私もヒアリング能力ゼロだからで、いやいやいや、筆談なんかでコミュニケーションできちゃったら、映画として面白くないですから、コレでいいんです。限られた舞台ですが周囲の登場人物たちのユニークさ、エピソードには事欠かず映画は快調に進みます。異邦人たる孤独な主人公、しかし映画が進むにつれ、みんなそれぞれ多かれ少なかれ、異邦人の要素を持って生きてるんだなあ、と。しかし、最後についに空港を後にする主人公、あまりにサバサバしていて、うーん9カ月も住んでたらもうちょっとこの「場所」に愛着が沸かないもんかな、とも思っちゃう。この辺り、映画の描き方自体がサバサバしているんです。人間関係を中心に描いているもんで、この映画の舞台である空港という「場所」への思い入れが、あまり見られない。私はどうも「場所」フェチなのかもしれず、ちょっと肩透かしな感じもしてしまう。しかし、この主人公は、私なんぞの軟弱者と違い、胸を張って決然と空港を後にする。それは父のため……そういや、『E.T.』のエリオット君には父親がいなかったっけ(いるんだけど不在)。エリオット君は一連の事件を通じて成長する、旅立ちの物語でもあったけど、本作の主人公は、父を愛し、故郷を愛し、祖国へと帰っていく。スピルバーグも(当然ですが)大人になっていくのです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-05 17:49:11)(良:1票)

72.  ターミネーター3 子供のころ(ってか今でもそうだけど)街でクレーン車の頑強で雄々しいボディを見かけたら、「クレーン車でカーチェイスしたらさぞかしスゴイだろう」と思ったもの(誰しも一度は思ったことあるでしょ!)、それをホントにやってくれた画期的な映画。しかしさらに「クレーン車にシュワをぶら下げたらもっと面白いだろう」というところまでは思いつかなんだ。天才ですね…。さてこの、シリーズ中で「どうしようもない」位置をしっかりと占めてしまっている異色作ですが。2作目のパロディですね、これは(さらに、野獣が美女に蹂躙されるこの愛すべき設定は、『スピーシーズ/種の起源』風味とも言えます)。ここに登場するジョン・コナーは、2作目の彼というよりも、2作目を観てその世界に浸り切り、すっかり妄想にとらわれてしまったオタク青年、といったところ。そこに妄想そのまんま、ホントにターミネーターがやってきちゃった、しかも敵は2作目より遥かに素敵な美人ちゃんだし、味方は2作目よりもっと融通の利かないポンコツ野郎。まるで主人公を相手にしていないかのようにロボットどもが暴走し、妄想の主が「現実の妄想」についていけなくなっていく。観終わっていつも感じるのは、「ああ、さすがにそろそろ現実の“現実”に戻らないとな」(笑)。この作品、「もう3作目にもなるので、色々遊んでみました」路線としては大成功だと思うのですが、どうでしょうか。[ビデオ(字幕)] 9点(2013-06-01 05:53:53)(良:1票)

73.  第十七捕虜収容所 冒頭で、戦争映画は数あれど捕虜を描いた作品が無いのが不満だ、などとブチ上げておきながら、捕虜収容所の非人間性をリアルに描いて告発してやろうなんて気はサラサラなく、厚かましくも堂々たるオモシロ娯楽作品に仕上げております。能天気な捕虜たちのドタバタあり、仲間にまぎれた密通者の存在が招くサスペンスあり。登場人物の目を通したいわゆる主観ショットが、セフトンの目を通せば、密通のカラクリが暴かれる過程としてのサスペンスを生むし、アニマルの目を通せば何ともアホらしい女装ネタで笑いを生む、というとにかく楽しい作品なのですが、ただ楽しいばかりではなくて、そんな中にも「ヒーローは、孤独である」というテーマがあって、作品を忘れがたいものにしております。ヒーローは孤独であり他者から理解されぬ不遇の存在であり、しかしそれは自らが招いたものでもある。そして彼はついに、自らその殻を破り羽ばたいていく。陽気さ、緊張感、動きのある見事なストーリー展開、ウン、確かに捕虜映画でこれほどのオモシロ作品が作れるんだから、冒頭の「不満」も一理ある訳です。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-05-06 14:39:02)(良:1票)

74.  TIME/タイム 映画が始まって数分で早速気が滅入ってくる。何と言う身も蓋も無い設定。「お金⇒時間」という寓話だけど、もうこれは比喩でも何でもなくて、「お金」イコール「時間」イコール「生きる資格」という、まさに現実世界そのもの。そう言って悪ければ、「現実世界の延長上に見えているもの、そのもの」ですわな。しかしこの映画、この図式でただ現実を批判しようってだけの作品じゃない。上記の図式そのものよりもむしろ、「貧乏ヒマ無し」っ言葉の方が本作によく合うかも知れない。時間の無い貧乏人は、よく走る。時には走らざるを得ない。男と女が(設定上は息子と母だが)互いに相手の元へと必死に走るシーンがある。そしてまた、共に逃げる男女の、手を繋いで走る姿がある。手を繋いで並んで走っていた男女が、ついに、互いに向かい合って走り始める時、どれほどのスリルと感動を呼ぶ事か。はたまた、敵役の男の、ひとり走り続ける姿、これほど彼の存在を印象付けるシーンがあるだろうか。「走る姿」というモチーフが作品の要素を有機的に繋ぎ合わせ、そこにドラマが生まれる、まさにこの作品はシンフォニーだと思う[ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-04-29 11:42:36)(良:2票)

75.  丹下左膳(1958) 痛快娯楽時代劇とはまさにコレ。って実に月並みな形容ですが、でも痛快、楽しい楽しい娯楽作品。互いに「バケモノ」だとか「コジキ」だとか呼び合ってる不適切表現オンパレードなところは目をつぶるとして(でもこれも痛快だったりする)、コケ猿の壺をめぐる騒動を、魑魅魍魎のごときキャラクターたちが百鬼夜行よろしくドタバタ暴れ合わって、豪快に描いております(もう正直言って、百万両の行方などどうでもよくなってきちゃう)。美空ひばりに襲いかかる山形勲の、のしかかってくるような背後の影! 宵闇の街をひた走る大友丹下左膳!! 危うし、大川橋蔵!!! って、美空ひばりの役ドコロはメチャメチャ強い女剣士だったハズですが、どうしてこの場面だけヒヨワな乙女になってしまうのでしょうか。いいんです、面白いんだから!!!! 怒涛のクライマックスに、乞うご期待。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-02-18 20:35:17)

76.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 被占領国ならではの戦争映画、ともいうべきシニカルさ。舞台は、ドイツ軍に追われた連合軍が撤退しようとしているダンケルク。戦争映画らしいスペクタクルな要素は、破壊された街、立ち上る黒煙、打ち捨てられた無数の車両、背景に常にうごめく無数の兵士の行進、などに表れていて、いかにも大作らしい風格があるのですが、だからと言って英雄的で派手な戦闘シーンが繰り広げられるようなタイプの作品ではありません。どこからともなく飛んでくる砲弾や、間歇的に襲ってくる戦闘機の銃弾や爆撃の下、兵士たちはただひたすら身をかがめ地面に伏して攻撃がやむのを待つのみ。中には機関銃で撃ち返すヤツもいるけれど、この映画では、戦火を交えるという意味での戦闘は描かれません。攻撃がやめば、兵士たちの目は日常を見る目に戻ります。何しろ被占領国、戦場と民間人の日常が同居している訳ですから。主人公も、大量の味方兵士の死の直後にはもうオネーチャンのところにシケこんだり。日常と死が紙一重。不発弾を悪戯っぽくしかし命がけで処理してみせたり。発見した敵兵士と撃ちあいになることもあれば、味方兵士と殺しあう場面もあったり(ベルモンド自身による階段落ち!)。ユーモアもあり、皮肉にも満ちた、少々ヒネクレた戦争映画なんですが、ここに描かれた非英雄的で等身大の兵士の姿こそ、ホントウの人間の姿であるように感じられ、その対照として戦争のもつ非人間性が浮き彫りになります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-02 18:17:14)(良:1票)

77.  第三の悪名 最近めっきりおとなしい(?)朝吉親分、巷で自分の噂を聞いたところ、どうやら皆、“朝吉は先の大戦で戦死した”と思っている。彼はもはや過去の人。一方で街にはまた怪しげな連中が跋扈し始めているのだけど、それが何と朝吉親分の軍隊時代の上官。当時は理不尽な暴力を振るった上官も、今では暴力は部下任せ、自らは「大学出のインテリやくざ」として、理知的にのし上がろうと野望を抱いているらしい。演じる長門裕之のクールな表情が、勝新のクールさのカケラもない表情と対照的過ぎて、あははは。しかし作品の性質上、結局は朝吉親分が暴力を振るいまくって解決しちゃうお話なんだから、知性は否定され、「いやぁ、暴力って、本当に素晴らしいですね」というコトを言いたい作品、なんですかねえ。ともかく、元上官とのカラミに加え、“モートルの貞”の仇との対決あり、いとこい師匠のチョイ役出演あり、となかなか楽しめます。清次のキャバレーに悪辣なツラ構えの連中が集まってくるシーンが圧巻! 朝吉の姿を皮切りに、店内をグルリ一周見回すカメラ、一周してもとのアングルに戻るかと思いきや、全く別の角度から朝吉を捉えている! 今どきのハリウッド大作にも負けないトリッキーなカメラがスゴイ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-25 06:38:41)

78.  弾丸を噛め 「歯を食いしばって耐えろ」という意味のこのタイトル、何だかハードボイルド作品みたいな感じですが、内容は全く違って、荒野を舞台にした長距離レースのオハナシ、それも超過酷なレースにも関わらず、映画の雰囲気は大らかそのもの。何やらキャラ立ちまくりのレース参加者たちが集まってくる冒頭から、ひと波乱ありそうな感じプンプンなんですが、意外に波乱が無い(笑)。いや、色んな事件も起こるし、ケガをした愛馬を撃たねばならぬシーンなどグッときたりもするし、ラスト近くには取ってつけたような意外な展開もあったりするのだけど、まあ、とにかく大らか。参加者たちの間に絆が生まれ、レースなんかそっちのけになっていく展開(⇒いやいや、もともと最初からそんなに必死でもなかったしね。もう少しメリハリがあっても良いのに、と思わないでもなく)。ってなわけで、大らかなこの作品を、大らかな気持ちで楽しみたいものです。実際に「弾丸を噛む」シーンにニヤリとし、ベタだけど気持ちの良いラストにニヤリとしながら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-17 18:09:11)

79.  タバコ・ロード 汚いものを汚く描いてなお美しい。と言えば、何のこっちゃ、ですが、でもそんな映画なのです。主人公の一家がひたすら貧しく、そして容赦なくトコトン汚い。やることなすこと浅ましい限り。そこにはこの上無いバイタリティが溢れているのです。その厚かましさたるや、見てて頼もしさすら感じられてくる(まあ自分の身近にいないから言えることですが)、ある意味奇跡の存在(ジジイがあの不安定な板の上に何故か座れるような奇跡)。しかしそんなゾンビみたいな貧乏の神様みたいな彼らだって、万能ではない訳で(そりゃそうだ)、社会の無慈悲な残酷さには勝てない。たとえ、地主や銀行家といった社会のひとりひとりは悪い人ではなかったとしても。どうにもならない哀しみがあり、その時、そこに美しさが広がる。そして希望があり、またそこにも美しさがあある。え、やっぱり「何のこっちゃ」ですかね。いやホントにそんな映画なんです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-11-05 21:48:47)

80.  太陽が知っている これは確かに、まさしくひと夏の「プール」を舞台にした映画。肌も露わな、官能と隣り合わせの開放的な世界(普段着で露出があまりに多いとドキリとするもんだけど、水着さえ着ていれば、誰しも肌の露出を厭わない)。そのプール付きの別荘において、男女4人が織りなすサスペンス、ってのが本作な訳でして、愛し合う男女と、そこに闖入し二人の関係を微妙に狂わせるオッサンとその娘の存在。プールで展開される、アヤシゲな男女関係の駆け引き、ライバル同士の火花、そして事件……。ただ、もうひとつツカミどころが無いと言いますか、焦燥感や緊張感みたいなものが感じられなくて。そもそも中心軸たるアラン・ドロンとロミー・シュナイダーの関係が、結婚前の男女というより、不倫関係にしか見えない(この異常な仲の良さは、不倫でしかあり得ないよね、ははは…)。という、もともと危うい印象のある二人のところに、いまいちインパクトの薄いオッサンが闖入してきても、だからどうなのよ、という感じ。娘の方もさほど挑発的な印象もなく。なんだか、アラン・ドロン演じる主人公の一人相撲ですなあ。後半、刑事がもうひと押し頑張ってくれると、また別の方向で盛り上がったのだけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-21 08:18:24)

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.33%
663116.30%
7122131.55%
888522.87%
93749.66%
101012.61%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS