みんなのシネマレビュー |
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2. タイタニック(1997) 《ネタバレ》 これだけ有名になった映画だから、史実的にどうか、物理的にどうか、というのは当然研究されていることでしょう。 でも、最初に見た時に感動した。数年経って再視聴した時に感動した。そしてそれから10年以上経った今見ても感動した。それが全てです。 以下専門的知識ゼロで書きますが、ヒューマンドラマ、パニック映画、どちらの側面を取ったとしても素晴らしい。 それどころか世界観、BGM、キャラクター、展開、演出、全てにおいて素晴らしいと思わざるを得ません。 登場人物の主要キャラは、主人公2人を最初から最後まで軸に描きながらも、その次点に位置するキャラクター、その次々点に位置するキャラクター、その次々々点に位置するキャラクターにまでもものすごく丁寧に描かれている。 主人公のライバルだったり、成金おばさんだったり、母だったり、仕事人であったり、船長であったり、音楽家であったり、鍵を開けてくれようとした人だったり、最後まで絵本を読み聞かせようとしたお母さんだったり・・・ 数え上げればきりがないが、史実的に見れば「死亡した○○人」とある種冷たく機械的に捉えられてしまうその「○○人」にも丁寧に焦点を当て、それぞれのドラマを描く。しかもそれが千差万別であり、みんなの気持ちがわかる。皆に共感させられる。凄い事です。 パニック映画としても、本作を幼き頃に見た後に他の海洋パニック映画を見て、どうも物足りないというか、あれ、こんな感じだったっけ、という感覚を覚えたのをよく覚えています。 それもそのはず。今考えると何のことはない、本作が凄すぎただけのこと。 本作はジャンルとしては「パニック映画」ではなく「ヒューマンドラマ」なわけだけれども、その「パニックシーン」の描き方、パニックシーンに至るまでの経緯が実に上手い。 それまでの描写があるからこそ、パニックが単なるパニックではなく、「人の人生と人生のぶつかり合い」になっている。 すなわち、主人公視点で言うところのモブキャラにも、それぞれ今まで生きてきた人生がある。それまでの思いがある。だからそう行動する。それまでの人生があるからこそパニックたり得る。そう思わせられました。 BGMが素晴らしいのは言うまでもなく、世界観の描写も素晴らしい。誰もがロマンを感じざるを得ない豪華客船という舞台、果てしない海と星空。果てしない自由。 クソ有名な「タイタニックのポーズ」も、ローズが手すりという束縛から手を離し、本当の自由を目にしたという神シーン、だったわけですね。 本作の素晴らしいシーン、素晴らしい演出、素晴らしいBGM、素晴らしい描写、素晴らしい構成等々を挙げればきりがないですが、少なくとも、10点を付けさせていただくに余りある作品と感じます。[DVD(字幕)] 10点(2021-09-12 18:22:07)(良:2票) 《改行有》 3. タクシードライバー(1976) 一度見てよくわからなかったのでもう一度見ましたが、やはりどこに魅力を感じれば良いのかよくわからない、という作品でした。トラヴィスのカッコよさになのか、女の子の名演になのか、狂ってる描写になのか、ラストシーンになのか、社会的なテーマになのか、作品全体の雰囲気になのか。それら全てが素晴らしかったと言われたらそれはもはや価値観の違いということで、私にはピンとこなかった、というのが正直なところです。 「この部分が他の作品より突出して尖っている」というものが特になかった印象で、逆に、当時リアルタイムで見ることで衝撃を得られた系の作品だったのかもしれません。衝撃を受けなかったのは他の作品でそれ以上の尖りを見ているから、的な。[DVD(字幕)] 5点(2021-04-06 19:26:19)《改行有》 4. ターミナル コメディ色がやや強い人間ドラマ。コメディ色は終盤になるにつれて減っていく。空港や飛行機要素はあまりないため、そこを重視しての視聴はしないのが無難。 アメリカ映画の良いところ(でもあり悪いところ)は、「ヒーロー」。この場合のヒーローとは、結果的に大成功させた奴、というようり、感情的に人を突き動かした人物。この前提において、主人公の「人としての良さ」によって、最初は1vs99の状況から、1人、また1人と感情を突き動かせ、最終的には99vs1の状況となり、状況を、周囲を、世界を動かしていく。そういう映画だった。 論理と感情という常に対立する概念を、感情に寄せるのがアメリカ映画。この点、日本人とは若干の差異を感じる。本作を冷静な日本人が観た場合、「システムが全て⇒うん、そうだよな」「ご都合主義すぎ」「変な奴には関わらないようにしよう」「うわこの女無いわ」「こんな展開あり得ないわ」と思うのは至極当然。私も日本人だからそう思うわけだが、それでも心を突き動かされて「すげえ良い映画だ」と思ってしまう。それは、感情部分にダイレクトに響き、自分がこういう映画が大好きだからだ、という、結局にして「好き」という感情面の範疇に入るからだ。 つまるところ、全てが論理的に構成されていない作品は好きではない、という人にはこの映画は向かない。酒飲みながら気楽に頭空っぽにして、この作品に入り込んで、入り込んで、是非観てほしい作品です。[DVD(字幕)] 8点(2019-05-29 21:31:11)《改行有》 5. ダーティ・セブン 南北戦争を舞台としたマカロニ・ウエスタンです。かつてホルマン砦を奪われた北軍のペンブローク(ジェームズ・コバーン)が七人の死刑囚とともに砦の奪還を目指すというストーリー。如何せん七人もメンバーがいるだけに各キャラの個性を描き切れていないのが残念ですが、そのかわり準主人公のエライが良い味だしてます。クールすぎず悪党すぎず、人間味溢れる太っちょのおっちゃん。ベタですが、やっぱりこういうキャラには惹かれますね。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-17 03:16:09) 6. 大列車強盗(1903) 《ネタバレ》 10分ということはとんでもなくテンポが速いのかな?とかいうウルトラ適当な心持ちで観ましたが、速いなんてもんじゃなかった。まさか開始2秒で強盗が始まるとは。サイレント映画は初めて観ましたが、サイレントでも充~~分に内容がわかるものですね。シーンも目まぐるしく切り替わり、駅あり列車あり馬あり銃撃戦ありと盛りだくさん。10分が非常に長く感じました。 映画史や映像技術に疎すぎる私は内容しかわからないので、可もなく不可もなくということで5点とさせていただきます。[インターネット(字幕)] 5点(2014-01-11 20:50:38)《改行有》 7. 太陽の中の対決 《ネタバレ》 う~~む難しい。ストーリー進行はシンプルで、アパッチ族(先住民)に育てられてきた白人である主人公が白人と一緒に駅馬車に乗るが、途中トラブルに見舞われる・・・というものなのですが、その中に潜むテーマが難しいというか考えさせられます。いわずもがな、考え方の相違の問題です。 乗客の白人にとっては「なついた犬を殺し肉を食べる」というのは考えられないものですが、先住民にとっては「極限の空腹状態だったらなついた犬でも食う」となり、同じく「先住民は白人を憎み、畑を耕そうともしない」は「先住民を偏見の目で見ているのがむしろ白人であり、また、荒れ地をどうやって耕せというのか」となります。 本作では主人公は自分中心かつ徹底して合理的で、時に冷酷かと思われるような考えを持っているのに対し、他の白人は非合理であっても社会的な考えを持つ、という風に表現されているのではと思います。そしてその違いは育ちの違いからくるものとも示唆されます。つまり、どっちの考え方も納得できる部分はあるのですね。 主人公が説得に応じ御者の隣に座るシーンや、最後の「助けに行きたければ行けば良い。でも殺されるぞ」という主人公に対し、それでも助けに行こうとする白人。それを見て主人公が自分の考え方を曲げその役を買うシーンなどに、多少なり歩み寄りが見られた、という表現がされているのかなと思います。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-24 03:40:24)《改行有》 8. 大列車強盗(1973) 《ネタバレ》 この映画のテーマは「騙し」なのかな?最初の方はレーン(ジョン・ウェイン)を疑うロー夫人。しかし物語が進むにつれその疑いが薄くなっていく・・・と思ったら最後でどんでん返し。そーゆーことだったのかよ!という感じ。また、溺れたロー夫人にウイスキーを飲ませるウェイン。身体を温めるためともとれるが、カップを叩き割るシーンを「この夫人を酔わせて金塊の場所を聞き出そうとしてた俺は何て卑怯者なんだ」という意味と解釈すれば、騙そうとしていたともとれる。まあしかしこの解釈にも無理があるというか、なるほどねーとはならないですね。そう思わせるには映画としての主張が弱かった気がします。最後の1分を踏まえた上で最初から観ると見方が変わるかもしれないですが、とりあえずはこの点数です。[DVD(字幕)] 3点(2013-12-15 03:26:48)
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