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プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
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1.  タキシード(2002) 《ネタバレ》  映画の利点の一つとして「本当は凄くない人を、凄いように見せられる」という事が挙げられると思います。  それが本作の場合は、全くの逆というか……  「本当に凄いアクション俳優」の代名詞的存在であるジャッキーに「本当は凄くないのに、タキシードのお陰で超人になる主人公」を演じさせてる訳だから、トンデモない映画ですよね。  本末転倒というか「これならジャッキー主演でなくとも良いのでは?」と思える形になっており、褒めるのが難しいです。  そもそも「主人公は凡人であり、特殊なタキシードのお陰で超人になれた」っていう設定、ジャッキーとは相性が悪いと思うんですよね。  公開当時の米国人ならいざ知らず、日本に住んでる自分としては「ジャッキーが凄い奴」である事は分かり切ってる訳で、本作にて「ジャッキーは凄くないよ、凄いのは着てるタキシードなんだよ」ってストーリーを展開されても、全く説得力を感じない。  作り手側も流石にマズイと思ったのか「タキシードを着ると強くなる」ってだけでなく「声帯を変える事も出来る」「銃を組み立てるような精密動作も出来る」といった性能も付け足されてるんだけど、それが成功したとは言い難いかと。  こういう設定の映画である以上、観客には「このタキシードを着てみたい」って思わせる必要があるはずなんですが、本作に対しては全然そんな気持ちになれませんでしたからね。  色んなジャッキー映画を観て「ジャッキー・チェンになりたい」と思った事が何度もある身としては、これは如何にも寂しい。  もっと「タキシードを着て超人になる事の利点」「強くなる事の爽快感」「色んな事が出来るようになる快感」を、しっかり描くべきだったと思います。  一応、所々でジャッキーがアクションを披露してくれてるので、退屈まではしなかった事。  「九割は服でモテる(胸を指差して)あとの一割は、この中」「僕はファンを無視する有名人が嫌いだ」などの台詞は、中々オシャレで好みだった事。  最後はタキシードを着た者同士の対決になる事や、タキシードの特性(煙草を咥えられたら、自然に火を点けてしまう)を利用して勝つ脚本などは、王道の魅力があった事などを考えると「つまんない映画」「嫌いな映画」って程ではないんですが……  誉め言葉よりも、文句の方がスラスラ書けちゃう映画なのは確かだったりするので、困っちゃいますね。  最後の大袈裟な告白が失敗に終わるとか、ツンデレっぽいヒロインと結ばれるオチになるとか、その辺も「良かった箇所」と呼べそうではあるんだけど……  それらに対しても「告白の為とはいえ、自転車に乗ってた人が殴られたりして可哀想なので笑えない」「最終的に結ばれるのであれば、彼女の出番を増やしてヒロインとしての魅力を描いておくべきだった」なんて具合に、次々と不満やら文句やらが浮かんできちゃうんです。  この映画を褒めたい自分と、文句を言いたい自分とが戦った結果、後者が判定勝ちしちゃった感じ。  残念ながら、自分には合わない「タキシード」だったみたいです。[DVD(吹替)] 4点(2023-09-11 23:17:16)(良:1票) 《改行有》

2.  ダウン 《ネタバレ》  自分が所持する円盤の棚を眺めてみると「昔の映画版は無くて、近年のリメイク版のみ持ってる」ってパターンの品が幾つかある訳ですが、これもそんな一品。  勿論「昔の方だけ持ってて、リメイク版は無い」ってパターンもある訳だけど、そういう場合って、やっぱり「所持してる方」が面白いから、自然とそうなっちゃうんです。  本作に関しても同様であり、自分としてはホラー色が強い「悪魔の密室」(1983年)より、こちらの方が好み。  二作とも監督はディック・マースなんですが(別の人が撮ったのでは?)って思えるくらい、毛色の違う品に仕上がっているんですよね。  ホラー映画というよりアクション映画、あるいはエレベーターパニック映画という感じです。  1983年版で印象深かった「ドアに首が挟まって、そのまま斬首される」場面もちゃんとあるし、かと思えば「底の抜けたエレベーターが暴走して、屋上を突き破る」場面とか、新たに追加された見せ場があるのも嬉しい。  主人公が元海兵隊という設定を活かし、最後は「バズーカでエレベーターの心臓部を撃ち抜く」という派手なフィニッシュを決めちゃう辺りも、良かったです。  あと、映画の本筋には全然関係無いんだけど、主人公がジュークボックスの愛好家であり、自宅にわざわざジュークボックスを置いてるって設定なんかも、妙に好きなんですよね。  こういう細かい部分で「作り手と波長の合う映画」って、それだけでも憎めないし、観ていて楽しくなっちゃいます。  導入部から色んな人物が登場する為、主人公が誰なのか分かり難いとか「来るかと思ったら来ない」という肩透かしな演出が多いとか、不満点も色々あるし、決して出来の良い映画とは言えないんですが…… 「まぁ、そこまで悪くないよ」 「俺は結構好きだよ」  と庇いたくなるような、愛着のある映画です。 [DVD(吹替)] 6点(2022-09-21 22:26:33)《改行有》

3.  タッチ CROSS ROAD 風のゆくえ<TVM> 《ネタバレ》  これ、結構好きです。  少なくとも「タッチ」のアニメとしては、劇場版三部作&テレビスぺシャル二本の中でも最も綺麗に纏まっているし、面白かったんじゃないかと。  冒頭に流れる歌も哀愁があって、異国の地で一人ぼっち夢を追いかける主人公に合ってるし、この度久し振りに鑑賞して(良い曲だなぁ……)と、しみじみ浸っちゃったくらい。  それと、本作のストーリーラインについては人気野球ゲーム「パワプロ10」でもオマージュされているんですよね。  「日本の若者が一人渡米し、金髪そばかす娘とロマンスを繰り広げつつ、マイナーリーグからメジャーへの昇格を狙う」って話の流れは、文句無しで魅力的だし、これを殆どそのままゲーム中に流用したスタッフの気持ちも、良く分かります。  ただ、そんな「パワプロ10」に取り入れられなかった部分「主人公達也と、ヒロイン南との遠距離恋愛」については……正直、蛇足に思えちゃいましたね。  原作が「タッチ」である以上、この二人のロマンスは外せない訳なんだけど、今回はそれが枷になってた気がします。  そもそも南が新体操を辞めてカメラマン目指してるって設定自体、劇中の人物同様に「なんで?」と戸惑っちゃうし……  南に「自立した女性」的な魅力を与えようとした結果、空回りしてるように思えました。  他にも「ライバル打者のブライアンが凡退する場面が多過ぎて、凄みが薄れてる」「達也とホセが終盤に和解する流れが唐突」などの作り込みの甘さに「バンクシーンや曲の使い回しが多い」という、アニメとしての根本的なクオリティの低さも見逃せないし……酷評しようと思えば、いくらでも出来ちゃう品なんですよね、これ。  ただ、それでもなお自分は好きというか……粗削りだけど、光る部分も多いんです。  現地娘のアリスは可愛らしくて、南より魅力的に思えたくらいだし、オーナー夫妻も良い人達なもんだから、主人公チームの「エメラルズ」を、自然と応援したくなるんですよね。  「かつては名門チームだったが、今は没落している」「球団の解散が決まった事を知った選手達が奮起し、快進撃の末に優勝する」などのお約束展開も、王道な魅力があって良い。  町から町へ、オンボロバスで移動しながら野球するという、マイナーリーグらしい描写もしっかり挟まれていたし、開幕戦ではガラガラだった客席が、最終戦では満員になっていたのも、凄く気持ち良かったです。  「弟の代わりに投げた」発言からすると、本作は「背番号のないエース」から続く時間軸なのでしょうが、原作漫画しか読んでない人でも、そこまで混乱しないよう配慮した台詞回しになっている事にも感心。  キャッスルロックという地名が飛び出す小ネタなんかも、ニヤリとしちゃいましたね。  「頑張って夢を叶えようとしたら、その過程で他の選手の夢を奪ってしまった」場面を挟み「優し過ぎる兄貴」だった達也に相応しい苦難を用意しているのも、原作漫画が大好きな身としては、妙に嬉しかったです。  そして何といっても、ラストシーン。  達也が最後の一球を投じる直前に「和也……見てるか!」と胸中で叫ぶ場面には、本当にグッと来ちゃったんですよね。  思えば原作においても「好きなんでしょ、野球」「和也くんと、ずっと同じ環境に育ってきたんだもの」という台詞がありましたが、そんな達也の「野球を好きな気持ち」を、とうとう素直に表せる場所に辿り着いたんだという充足感、そしてそんな自分の姿を「和也に見せてやりたい」と思った達也の心意気に、もう観ていて心を鷲掴みにされちゃったんです。  そんな独白の後、幼い和也と達也とがキャッチボールしてる場面が回想で流れるもんだから、もうたまらない。  ここのワンシーンだけでも、本作は観る価値があったと思います。  欲を言えば「和也の力を借りない、達也と新田の真剣勝負」も見せてくれたら文句無しだったんだけど……  まぁ、それは本作から数年後、メジャーリーグの舞台で実現したんだと、妄想で補いたいところですね。  それと、恐らく本作のアリスは新田の妹である由加ちゃんが原型なのでしょうが「達也が好き」「そばかす属性」「一人称オレ」「ピッチャー」って共通点がある事を考えると、吉田君もモデルの一人だったのかなって、そんな事が気になりました。  他にも、あだち漫画で見た事ある顔が、色々と登場していたりするので……  その「元ネタ探し」をしてみるだけでも、それなりに楽しめちゃう一品だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2020-07-25 05:54:50)《改行有》

4.  タッチ(2005) 《ネタバレ》  冒頭のモノローグからして、ヒロインの南目線で進むのかと思いきや、何だかんだで達也が主役でしたね。  原作でも主人公は達也なのだから、当然と言えば当然なんですけど、それなら無理して南の比重を増すような真似しなくても……と、つい思っちゃいました。  この映画、それ以外にも「無理してる」部分が多々あって、ちょっと褒めるのが難しいんですよね。  ラストの告白台詞に関してもそうなんだけど「無理して名場面を挟んでる」「無理して名台詞を言わせてる」感が強くって、観ていて気恥ずかしかったです。  そもそも原作コミックス26巻分を116分に収めるって時点でキツい訳だけど、それに関する原作エピソードの取捨選択も、あまり上手くなかった気がします。  南が新体操やらないとか、その辺は納得なんだけど……やはり、柏葉英二郎の不在が痛い。  「タッチ」で一番魅力的なキャラクターといえば彼だと思うし、せめて明青の監督は彼にして欲しかったですね。  グラサン掛けた強面の監督で、達也に厳しく接しつつも最後は彼の実力を認めるとか、その程度の描写でも充分嬉しかったと思うし……完全にいなかった事にされちゃうのは寂しいです。  そんな柏葉監督だけでなく、西村に吉田といった魅力的な脇役陣も出てこないっていうのに、映画オリジナルキャラである小百合ちゃんを出して、彼女に尺を取ってるというのも悲しい。  序盤から達也に好意を示し、デートしたりもするんだけど、終盤になってからは全く出てこないというチグハグっぷりだったし……  彼女に関しては、あまり存在意義を感じられませんでしたね。  同じオリキャラでも、原田くんと良い雰囲気になるソノコちゃんは画面の賑やかし役に徹していたし、小百合ちゃんもあんな感じで、主筋には絡ませない方が良かったと思います。  決勝戦前日に和也が草野球で投げてるとか(ちょっと無理があるのでは?)と思える描写が散見されるのも辛いところです。  でも、本作にはそんなアレコレも霞むほどの大きな欠点があって……  原作漫画が大好きな身としては、こんな事を書くのも辛くなっちゃうんだけど、この映画って「和也が死んでも悲しくない」んですよね。  映画の中盤、始まって一時間くらいで退場しちゃうし、それまでの尺も達也と南のキスシーンとかに費やしているもんだから、根本的に和也を応援したり、感情移入したりする気持ちになれないんです。  達也と和也の性格の対比も中途半端で、達也は毒舌属性がやたら強化されて「嫌な奴」としか思えない一方、和也の「良い奴」っぷりは全然伝わってこないというんだから、困っちゃいます。  南とのキスシーンや、オリキャラ女性の出番よりも、もっと和也の魅力を表現する事に尽力して欲しかったですね。  「タッチ」という物語の構成上、和也の死が悲劇でなければ面白さの根底が崩れちゃいますし、そこだけはキチンと押さえておくべきだったと思います。  ……以上、色々と不満を述べる形になりましたが、それだけじゃあ寂しいし、何やら申し訳無い気分になるので、以下は良かった点を。  まず、主人公達三人が子供の頃から野球をやってたって設定にしたのは上手かったですね。  ちゃんと幼い南が背番号2を付けてて、その後に捕手となって達也の球を受ける場面にも自然に繋がってますし、南の見せ場って意味ではここの「捕手」の場面が一番良かったと思います。  原田くんに孝太郎など、男っぽい脇役陣が気を吐いて、画面をビシッと引き締めてくれたのも嬉しい。  高校一年で140キロのスライダーが投げられる和也とか、打率が七割五分以上で甲子園七本塁打の新田とか、具体的な数字が出てくるのも、野球好きとしてはテンション上がるものがありましたね。  それと、先程自分は「映画オリジナルの女性キャラ」に尺を取るのを否定しましたけど、映画オリジナルの展開そのものについては、結構良かったと思うんです。  達也が秋季大会で滅多打ちされてコールド負けするのも、その後の躍進が「ドン底から這い上がった」感が出て好みですし、雨の中で原田くんに殴られ、再び野球を始める流れも「泥臭い青春物」って感じがして良い。  和也に命を救われた子供と、その母が命日に上杉家を訪れる場面も、何だか救われるものがありましたね。  新田の最終打席にて、和也と同じスライダーを投げた後、達也らしいストレートを投げて勝利するというのも「和也の幻影を振り切った」「達也として甲子園出場を決めた」感があって、良かったんじゃないかと。  そんなこんなで、原作と比較しちゃうと不満も多々ありますが……  青春映画として一定のクオリティはあったんじゃないかな、と思います。[DVD(邦画)] 5点(2020-07-16 10:33:11)(良:3票) 《改行有》

5.  団塊ボーイズ 《ネタバレ》  「Wild Hogs」という原題が恰好良過ぎるので、邦題もそのまま「ワイルド・ホッグス」にして欲しかったなぁ……なんて、つい思っちゃいますね。  かつて「バス男」が「ナポレオン・ダイナマイト」と改題し再販されたように、こちらも再販して欲しいものですが、流石に難しいでしょうか。  そんなタイトルに関するアレコレはさておいて、映画本編はといえば、実に心地良い「旅行映画」であり「青春映画」であり、自分としては、もう大満足。  ツーリング中の風景は美しいし、音楽も良い感じだし、何より「水場を見つけて、そこで泳ぐ」「テントを張って、皆で焚き火を囲む」などのお約束場面が、しっかり盛り込まれているんですよね。  こういった映画である以上「良いなぁ、自分もツーリングしたいなぁ」と感じさせる事は必要だと思いますし、それは間違いなく成功していたんじゃないかと。  主人公のウディは「破産」に「離婚」にと、様々な問題を抱えているのに、ラストにおいてもそれらの問題が一切解決していないというのも、本作の凄い部分ですよね。  それが決して投げっ放しにならず、劇中で語られた通り「たとえ仕事も家族も失っても、俺には仲間がいる」という前向きな結論に繋がっているんだから、お見事です。  聞くところによると続編の予定もあったそうで、諸々の問題については、その続編にて解決するつもりだったのかも知れませんが、これ一作でも充分綺麗に纏まっていた気がしますね。  この「仲間がいる」という結論は「仲間との絆さえあれば、どんな逆境でも乗り越えられる」というメッセージに繋がっているように思えて、本当に好きです。  一緒に水浴びしたハイウェイポリスをはじめ、同性愛ネタが多いのは鼻白むし「イージー・ライダー」を鑑賞済みじゃないとクライマックスで盛り上がれないんじゃないかと思える辺りは欠点なのでしょうが……それでもやっぱり好きなんですよね、この映画。  特に後者については、元ネタありきのパロディ展開なのを承知の上でも、観ていて熱くなるものがありました。  ピーター・フォンダって、恰好良い歳の取り方をしているなぁって、惚れ惚れしちゃいましたね。  腕時計を投げ捨てて旅に出る「イージー・ライダー」と重ね合わせる為、携帯電話を投げ捨ててから旅に出るシーンも面白かったし、それを踏まえての「時計を捨てろ」というラストの台詞も最高。  敵役となるデル・フェゴスのアジトを爆発炎上させちゃったのは「やり過ぎ」感があり、これじゃあ主人公達が悪者みたいでスッキリしないなと思っていたら、最後の最後で「以前より素敵な住処をプレゼント」というフォローが入っていたのも嬉しいですね。  その後、仲間達による乾杯シーンで終わるというのも、凄く気持ち良い〆方。  この「後味の良さ」は、偉大な先達である「イージー・ライダー」には備わっていなかった部分であり、本作が単なる模倣ではない、オリジナルの魅力を備えた品である事を証明している気がします。  「バイク好き限定」「中年男限定」などの枠に囚われず、女性や子供が観たとしても結構楽しめるんじゃないかな、と思えてくる。  とても愉快な、浪漫のある映画でした。[DVD(吹替)] 8点(2018-07-23 05:17:06)(良:3票) 《改行有》

6.  ダウト ~あるカトリック学校で~ 《ネタバレ》  こういった論戦を扱う場合、どうしても「性的虐待の疑惑を受ける神父」が悪であり「真実を追及するシスター」が善であるという印象を与える事は避けられないと思うのですが、この映画は非常にバランス感覚が巧みでしたね。  前者は子供達に優しい人気者で、古臭い考えの教会を変えようとしている革新派。  後者は子供達に厳しい偏屈者で、古き良き教会を守ろうとしている保守派という対比なのですから、つい前者に肩入れしたくなってしまう。  けれど演じているのが、如何にも裏がありそうなフィリップ・シーモア・ホフマンと、とても悪い人には見えないメリル・ストリープだったりするものだから、観客としては「どちらが正しいのか?」と固唾を呑んで見守る事になる訳です。  特に「上手いなぁ……」と感心させられたのが、生徒から取り上げたトランジスタラジオを愛用していると、シスターが嬉しそうに語る場面。  正直言って、それは最低だよと呆れちゃいましたし、それによって「このシスターは他人に厳しいだけで自分に甘いという、信用してはならない人物だ」という印象に繋がり、最後まで「神父とシスター、どちらが正しいのか分からない」と観客に適度な「疑惑」を与える効果があったと思います。  そもそも彼女は「この教会に悪影響を及ぼす神父を追い出せれば、それで良い」と考えているフシがあり、本当に性的虐待があったとすれば真っ先に優先すべき「少年を神父から守らなければいけない」という意思が感じ取れない為、どうしても感情移入を拒むものがありましたね。  他の教会に転任させても、そこで別の少年が犠牲になる可能性もある以上、神父を追い出すだけでは意味が無いはずです。  彼女が善人であるとは、最後まで思えませんでした。  結論を言うと、この映画では結局「真実」は不明なままです。  勿論、神父は限りなく黒に近い反応を示しているのですが、確たる証拠は劇中で提示されていません。  劇中の「たとえ確信を持ったとしても、それは感情だ。事実じゃない」という台詞にも象徴されていると思います。  そもそも、そんな「疑惑」を抱かれた時点で迷惑だし、一度不名誉な噂に晒されれば、それが事実無根であっても取り返しがつかなくなるという事は、神父の説教の中でも語られています。  過去を探られるのを嫌がった事だって「過去にも同じような噂が立った事があるので、それを知られたらますます自分の立場が悪くなる」というだけかも知れません。  悪く考えるなら「過去には過ちを犯していても、今回は無罪だった」という可能性もありますし、良く考えるなら「少年が同性愛者である事は気付いていたので、彼を疑惑の渦から守る為に自分は立ち去った」という可能性だってあると思います。  だからこそ、ラストシーンにてシスターが「本当に自分は、自分の行動は、自分の過去は、自分の信仰は、正しかったのか?」という「疑惑」を抱く形で映画が完結したのでしょう。  上述の通り、映画だけで判断するなら「疑わしきは罰せず」「神父は無罪である」となる訳ですが、現実世界にて「神父に性的虐待を受けていた少年が無数に存在する」という悲しい証拠が、これまた観客の判断を狂わせるというか「もしかしたら?」という「疑惑」をかき立てる訳で、本当に上手くて、そして狡い作品ですよね。  こういった具合に、煙に巻くというか、あえて真相を明らかにしない映画も嫌いではないのですが、本作は論戦をクライマックスに据えておきながら「神父もシスターも、どちらも勝者とは思えない」「神父は心に傷を負ったまま栄転し、シスターは目的を達成するも罪の意識を抱いている」という、痛み分けのような形であった事が、どうもスッキリしない。  この映画のテーマを考えれば、観客にも「疑惑」を残したままで終わらせるのが正解だったと思いますが……  自分としては明確な「真実」を示してもらいたかったなと、つい考えてしまいました。[DVD(吹替)] 6点(2016-12-22 03:41:56)(良:1票) 《改行有》

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