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1. 父の祈りを
《ネタバレ》 IRAの爆破テロに絡んだ冤罪物で、無罪になるまでの過程を父と息子の絆を軸に、後半のクライマックスまで一気に吸い込まれるように見ました。
息子は罪を着せられて、その関係者ということで父も叔母とその家族も有罪判決を受けてしまう。
例えばこの話に似たような筋書きは「ミッドナイト・エクスプレス」でもあったし(あの話も確か実話を基にしていた)、「日本の黒い夏」(松本サリンが題材です)でもあったけれど、今回の話は民族間の対立・国の威信をかけたテロの犯人探しが背景にあり、スケールも大きく、気持ちも入って見ることができました。
特に後半、それまで自堕落で生きる目的も待たなかった主人公が、父の獄中での死を機会に冤罪を晴らすべく弁護士とともに立ち向かっていく、無罪判決が出たときにそれまでの苦しかった思いを逞しく宣言する場面まで息もつかせぬペースで盛り上がりを見せ、やはりこのような映画に代表される冤罪・法廷物はなかなか見応えがあります。
また、父が獄中で肺気腫を悪化させ他界した後、夜中に獄中の仲間が紙を燃やして窓から外へ投げ捨てる、その弔い火の舞い落ちるシーンが美しく印象的であり、映像的にも好感の持てるカットもあり、ストーリーは直球・正当派だけれど、それだけではない深みのある映画でした。
(父親役の俳優さんは「ブラス」という映画でも肺を痛めていた役柄であったことを鑑賞中に思い出しました。なかなか味のある役者さんですよね。)
[DVD(字幕)] 7点(2007-01-14 00:11:37)(良:1票) 《改行有》
2. 地球へ2千万マイル
やはり、なんといっても「金星竜イーマ」が秀逸です。昔のお話は非常にシンプルで
しかもモンスター・象の動きもユーモラスで、観る方も優しい気持ちになります。
それ以外のヒューマンドラマの部分、即ち軍人と医者の卵の恋愛に関する言葉のやりとりは、「何やっているの?そんないきなりそういう方向に行くかい???」と思ってしまいますが、上演当時(約50年前)この類の映画は単にSFではなく、それ以外の娯楽的側面も持っており(必ずと言っていいほど主人公と相手方の恋愛が描かれる)、どちらかといえば大人をターゲットとしたエンターテイメントな線を狙っていたのでしょう。今のモンスター系のSFはどうかといえば「CGは当たり前、エイリアンも精巧に、バトルもリアルに激しく」という要件を備える事が当たり前になってます。だから「何を観ても同じ」に感じてしまうのですが、そんなときこのような映画を観るとやけに新鮮に感じてしまうのは自分だけでしょうか?[DVD(字幕)] 6点(2007-11-04 20:29:11)(良:1票) 《改行有》
3. 茶々 天涯の貴妃
《ネタバレ》 日本の戦国映画を観たいなと思ってレンタルしましたが、これは全く駄目です。主人公は悲劇の主人公としての品位も艶やかさもなく、その取り巻きの役者も凄い方々が出ているのに、セリフが妙に浮いている。また、ナレーションも富田靖子と時代劇とはミスマッチですし・・・。秀吉と茶々が第一子を亡くしたシーンの台詞のやりとりもピントがずれていて、思わず止めてしまいました。気持ちを取り直して最後まで観ましたが、やめればよかったと思えるほどの出来映え。これは自分だけなのでしょうか?
自分はレンタルですませたので、ここまで言う資格はないかも知れないけれど、これで新春ロードショーとはいただけない。お金を払った方がお気の毒、といえるような映画でした。
[DVD(邦画)] 2点(2009-07-05 14:06:56)《改行有》
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