みんなのシネマレビュー |
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61. 時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 人間誰でも一度は思ったことがあるであろう感情、「人に暴力を振るったり戦争を起こしたりするような人間なんか居なくなってしまえば良いのに」。それをキューブリックは非情にシニカルな乾いた笑いとともに映像化してしまった。人間を徹底的に洗脳し暴力や性欲とは無縁の表面上は全く無害な、まさに〝時計仕掛けのオレンジ〟にして、この世の中から暴力や戦争のない社会を実現してしまおう。でも、それが果たして人間といえるのか? 不条理な暴力や残酷な戦場は決してなくならない、だってそれこそが人間の真実の姿だから。それでも生きていかなければならない人間の業を、コミカルな笑いとともに力強く描いている。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-10 13:02:02) 62. ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 映画通のあいだで評価の高い新鋭監督の作品ということで、同監督の『ヴァルハラ・ライジング』に引き続き鑑賞したのだけど、残念ながらやはり僕には合わない監督だった。センス溢れる映像に乾いた暴力描写、そこに流されるカッコいい音楽と評価されるのは分かるのだけど、どうしても乗り切れない。ほとんど感情表現しない主人公に共感できるかどうかがこの作品(および監督)の評価の分かれ目だと思う。あと、主人公があんなにがんがん人を殺してるのに警察はなにしてるの?なにがあろうと五分で逃げると冒頭で述べていたのに、そこらへんはけっこう大胆。そこにも整合性が感じられなかった。[DVD(字幕)] 5点(2013-04-10 11:57:29) 63. トロール・ハンター 《ネタバレ》 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以来、延々と作られてきたよくあるフェイク・ドキュメンタリーだとほとんど期待もせずに観たのだけど、これが意外に面白かった。その手の映画にありがちな過剰な悲愴感や見辛い画面のブレもなく、上質なユーモアさえ漂わせているところがいい。トロールが太陽の光を浴びると石になる理由を科学的に説明してみせたかと思うと、今度はキリスト教徒の血を嗅ぎ分ける理由はなにも説明なしとか、そんな設定の詰めの甘さがB級感溢れていて素敵。そして、何よりボヤキながらトロールの駆除をするベテラン・ハンターが、普通に親戚に居そうな何処にでもいるおっさんなのが笑っちゃう。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-31 18:16:21) 64. トゥルーライズ 《ネタバレ》 こんなにお金かけた、こんなに馬鹿馬鹿しい映画はある意味貴重。冒頭から、バイクと馬のチェイスにはじまり、国家予算をフルに使った盗聴装置やヘリコプターで何故か妻の浮気調査、後半からは怒涛のアクションシーンががんがん続き、も、もうお腹いっぱい!っていう観客の予想を遥かに超えてジェット戦闘機で大暴れ。そう、映画ってなにやっても良いんです!落ち込んだときなんかに、ふと見返したくなる大好きな作品。[DVD(字幕)] 9点(2013-03-25 12:59:18) 65. ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 いままで数多く創られたゾンビ映画への愛に満ち溢れた良作。もうひたすら生き残った人間を物量作戦で徹底的に追い詰めていくゾンビたちの恐怖に痺れます。そんな極限状況下でショッピングモールに逃げ込んだはずなのに、主人公たちは開き直ったように屋上からゾンビハンティングで暇潰し……、この乾いたユーモアセンスが抜群です。最後の、いままでの鬱憤を晴らすかのように武装バスでゾンビたちを切り刻みながら逃げ出す主人公たちの姿は爽快でした。でも、エンドロールに流れる映像はちょっと蛇足だったかな。[DVD(字幕)] 7点(2012-09-06 19:12:29) 66. ドライブ・アングリー3D 《ネタバレ》 どうしようもなく馬鹿馬鹿しいけど、それでもそれがひどく面白い、そんな映画を撮ろうとして見事に失敗してます。なにより変にストーリーに謎を持たせようとしたのか、話が見えてこず途中でだれる。それでも役者陣は豪華で良かった。高級食材を、料理をしたことのない素人が調理したような映画。[DVD(字幕)] 4点(2012-08-16 16:52:06) 67. トゥルー・クライム(1999) 手堅く作られた、社会派サスペンス。イーストウッド監督作品としては、珍しくエンタメ要素の強い作品なので、比較的気軽に楽しめる。最後は少々ご都合主義に過ぎるきらいもあるが、最後まで緊張感を持って観ることができる良作。[DVD(字幕)] 6点(2012-07-26 15:17:09) 68. Dolls ドールズ(2002) 《ネタバレ》 外人が好みそうなオリエンタルでエキゾチックな映像をこれでもかとふんだんに使い、明らかに日本の観客を無視して創られた映画。どうして文楽の映像が織り込まれるのか、その意味も皆無だし、なにより愛する人のために目を潰すエピソードなど明らかに外国で評価の高い谷崎潤一郎からの本歌取り。日本では比較的評価の低いことへの反発でこの映画を創ったのだとすれば、それに付き合わされる観客の身にもなって欲しい。[DVD(字幕)] 3点(2012-06-14 16:16:20) 69. トゥルー・グリット 《ネタバレ》 最近、かなりシニカルな作風の続いたコーエン兄弟が久々に撮った娯楽作。さすがにキャリアに裏打ちされた演出が、隅々にまで冴え渡っています。特にアル中のカウボーイを演じたジェフ・ブリッジスの演技は白眉です。また、頭の硬い青年を演じたマット・デイモンも着実に演技の幅を広げています。安心して楽しめる映画なんだけど、恐らくこの次はまたシニカルな実験的映画を撮ってしまうのが、コーエン兄弟なんだろうなぁ。[DVD(字幕)] 7点(2012-04-27 22:02:14)
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