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1. トランスアメリカ
《ネタバレ》 性同一性障害は今や社会的に認知されてはいるが、到底、本当の苦労など実感できるわけがない。しかし、この映画を見ていると、主人公に共感できるのはぜだろう。主人公の数奇な境遇、義父から性的虐待を受けていた息子は、同性愛者に体を売ったりポルノ男優もこなす。今まで見た映画は、これだけのドロドロとした題材があると、泣いたり叫んだり怒ったりと、上っ面な悲劇を演出しがちだが、この映画は違う。静かな展開をベースに要所要所のみで感情表現をし、主人公の優しさ、悲しみ、生きる意味、を見事に描いている。脚本といい、それぞれの役者の演技といい、とても良質なものに仕上がっている。ゆえに主人公の胸中が切々と伝わってきた。納得できる作品である。ところで、映画の中盤で付いていた主人公のペニスが、終盤で無くなっていたのには驚いた。役作りのために20kg太ったとか歯を抜いたという話は聞いたことはあるが、この俳優はペニスを切除するとは凄い根性だ、と思ったら、女優だったとは。素晴らしい演技に脱帽。[DVD(字幕)] 9点(2009-10-18 12:39:56)(良:1票)
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