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1. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビ映画としては傑作、旧作のリメイクとしては落第作といったところか。
人類がゾンビ化していくという焦燥感、文明が崩壊していく絶望感、娯楽を独り占めする快楽、いずれも旧作の足元にも及んでいない。旧作はシーンを適当に切り取ってもそこに意味を見出すことが出来た。ああこうなるだろうなとか、こんなもんだよなとか考えさせられるのだ。旧作を終末シミュレーション映画だとすれば、今作はパニックホラー映画である。
走るゾンビはより危機的状況を演出してくれるし、タイムリミットを設定された篭城戦も悪くない。パニックは矢継ぎ早に襲い掛かり、後半に行くにつれ加速していく。
メイクは充分すぎるほどグロテスクだし、物語のテンポもよく、緊張感もある。
ただ旧作のファンである私からするといいたいこともたくさんある。
たとえば、舞台となるショッピングモール。見た人なら分かるだろうが、旧作のモールは作中でほとんど公開されている。三階建てで屋上にはガラスの天窓があり、その下には倉庫がある。モールから少し離れた場所にトラックなどの駐車場があり、一般車の駐車場の広さも把握できる。モールの中央には小さな公園があり、展示用の車や噴水が設置されている。エスカレーターは中央と、各ブロックにあり、銃砲店は最上階、ダクトが張り巡らされ、スケートリンクもある。まだまだあるが、これがリメイクではどうだろう?
噴水があり、エレベーター、警備室、各店舗などあるのはわかるが、それぞれの位置関係はとても把握しにくい。モールの外観は写されるが、銃砲店との距離感しか分からない。
テンポを重視したために、状況は分かるが、環境が分かりにくくなっているのだ。
ただ、旧作と比較しなければ非常に出来のよいゾンビ映画である。
リメイクでなく、単純に新作のゾンビ映画として撮影すればよかったのにと思う。[DVD(字幕)] 8点(2008-07-26 02:44:59)《改行有》
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