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プロフィール |
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886 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. トップガン マーヴェリック
前作については思い入れはなく、期待もしていなかった。
確かに本作の完成度は高く、本物志向のアクションとスケールの大きさで、
往年のハリウッド映画の王道がコロナ禍の映画館に観客を呼び戻した意味で貢献度は大きい。
最高の続編を作ろうとしたトム・クルーズをはじめとする制作チームの執念と情熱を感じた。
でも、"足りない"。
映画館の大画面や大音響で体験しなければ本作の真価が発揮されないのは分かっている。
それよりも見せ方や物語が枠に嵌りすぎて息苦しさも感じてしまうのだ。
もう少し意表を突いた演出や展開があっても良かったのではないか。
その年の最高の映画として、アカデミー作品賞に推す人が大勢いるのは分かるし、
取れなかったことに対して不満が少なくないのも分かる。
いつの時代もたとえ新鮮味がないものであっても、
誰にも分かりやすく安心して楽しめる映画を求めている観客が圧倒的に多いのだから。
私はその観客の一人にはなれなかった。[インターネット(字幕)] 5点(2023-03-24 23:37:19)(良:2票) 《改行有》
2. ドライブ・マイ・カー
《ネタバレ》 3時間深淵を見つめる旅。
まるで"見る小説"の如く、虚飾の皮を剥くように二元論では決めつけられない人間の正体に向き合っていく。
妻の主人公に対する愛情は本物か"スタイル"だけなのか、女性ドライバーの母親に対する愛憎も同様だろう。
内心分かっていながらもどこかで"表面だけだとしても繋ぎ止めたい"と"本心に向き合いたい"のせめぎ合い。
劇中劇の『ワーニャ叔父さん』で絶望した男がもがきながらも生を選ぶさまは、主人公の現状と大きく重なり、
複数の言語で紡がれることもあってかディスコミュニケーションによる困難をより際立たせる。
過ぎ去ってしまった機会は二度と来ない。
その後悔は死ぬまで続くかもしれない。
辛い人生がこれからも繰り返される。
それでも新たな一歩を踏み出した主人公は、亡くなった娘と重ねるように女性ドライバーに思い出の車を託す。
彼女は新天地で車を走らせる。
抑制された演出と演技によるフランス映画みたいな作品で、
現時点の評価が平均6~7点で留まるあたり、エンタメとは対極の作家性の強さを象徴している。[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-19 00:29:22)(良:1票) 《改行有》
3. ドント・ルック・アップ
《ネタバレ》 トランプ大統領誕生から露わになった分断と、扇動するメディアを総括した2020年代の『アルマゲドン』。
彗星衝突という非現実な事態なんて周囲は信じずエンタメとして消費し、
ディカプリオを始めとする超豪華スター大集合で大真面目にバカ騒ぎを広げていく。
巨大企業との癒着を優先するという初手さえ間違えなければこのようなラストを迎えなかったものの、
自らに事態の深刻さが及ばない限り、誰もが真実を受け入れないものである。
難を上げるなら、2時間半に及ぶ内容をもっと短くできた気がする。
制約がないが故に却って引き締まらない印象を受けた。[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-01 15:34:54)《改行有》
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