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1. AVP2 エイリアンズVS. プレデター
《ネタバレ》 久々にひどい映画を見た。
画面が暗く、何が何をしているのか分からない。まずはこれに尽きる。僕が思うに、同じように「何が何をしているのか分からない」が、とにかくものすごい事が起こっていることを画面から感じさせた「エイリアン」第一作を踏襲しようとしたのかもしれない。だが「エイリアン」ではバケモンは1匹で、何かが起こればそれはエイリアンの仕業であることは誰でも想像がつく。この「AVP2」ではエイリアン多数と、プレデターと、そのハーフが入り交じって登場する。特にプレデリアンについてはこっちは見るのが初めてなんだから、知的生命なのか、野生動物なのか、機械を使うのか、どんな形状をしているのか、見る者はさっぱり分からんわけである。たとえ説明調になろうとも、どんな物なのかをもう少し見せてもらわなければいけない。
話の展開もおかしい。冒頭に、被害にあう町に住む人々の家族関係、友人関係がいくつか描かれるが、この事はエイリアンと闘うにあたって何の関係もない。単に話の焦点が分散し、ぼやけるだけ。
どうやら舞台は、田舎町らしい。山がある。しかし住宅街はけっこう住居が密集している。山中に墜落したエイリアン群。そしてふと気がつくと襲われる人々は屋内でじっとしており、どこをどう通ってやってきたのか分からないが、エイリアンはそこに現れる。
なぜこういう無理なことになったのかというと、そもそもエイリアンを、町や山などの開けた場所で活躍させようとしたこと自体に無理があったから。生身の闘いにおいて人間に対し圧倒的に有利なエイリアンは、逃げ場のない密閉空間で最大の恐怖をうみだす。「エイリアン3」の犬の遺伝子をもったタイプを別にして、エイリアンはどうやらあまり敏捷ではない。真っ昼間、道路をドタドタ走って人間を追いかけるエイリアンというものは想像しにくい。まあこれはこれで恐いことは確かだろうが、そういう場面をつくるためには今まで歴史的に作られてきたエイリアンのイメージを壊し、あらたな像を構築しなければならない。それはこういう、過去の財産を利用して作る映画の最大のタブーであり、実際今回の「AVP2」もやらなかった。だから、舞台は今までのエイリアン関連作品と違って密閉空間ではなく町でありながら、人間が襲われる場所は常に屋内という、不自然な展開にせざるをえなかった。
つまりは、話の基本的設定から間違っていた。[DVD(吹替)] 2点(2008-05-24 23:48:26)《改行有》
2. エイリアンVS. プレデター
《ネタバレ》 本気で期待したらガッカリするかもしれんが、キワモノであることを承知の上で、暇つぶしに観るなら悪くない。
この映画が作られると聞いたとき、少々疑問に思う点があった。見た目と行動がまるっきり野生動物のようなエイリアンと、高度な科学技術で作られたらしき防具と武器で武装しているプレデター。プレデターは透明になれるし、飛び道具まで持ってる。この二つが対等に闘うのは不自然だ。
で、この映画の設定はこうだ。プレデターは、「エイリアン狩り」をおこなうために、(人類にとって)太古の昔に自らエイリアンを地球に持ち込み、飼ってきた。飼育はすべて機械がおこない、プレデターは常駐しない。その 「狩り」 をするためだけに、プレデターは100年に一度地球にやってくる。
これは、映画 『プレデター』 を観たことのある者なら、うなずける話だと思う。プレデターは大量殺戮をするためではなく、自らの武勇を証明するためだけに、強い地球人を選んで 「狩り」 をするのだ。基本的にプレデター優位の戦いである点も納得できる。これを説明する場面が出てきた時、わたしゃ満足しました。それまで下の方をうろついていた目盛りが上昇し、「最低限の満足レベル」を越しました。
あと映像的には、エイリアン、プレデターそれぞれキモいし、グロいし、上出来かと。ああいうもんだから。
途中からプレデターと主人公が仲間になるっつー奇想天外な展開も、考えようによってはよし。人間とは全然力の違うバケモン同士の戦いに人間が一枚かむには、あれしかないわな。で、組むとすればさすがにエイリアンの方はあり得んだろ。
ただ、エイリアンは確かに見た目と行動からすると野生動物としか思えんが、もともと宇宙船を作るくらい高度な文明を持っていたはずなんだがなあ……。もっとも、食物を採る時は一切料理などせず生身の獲物にいきなり食らいつくばかりだから、少なくとも食文化はまったく発達していないと思われる。
それから最後の最後、ラストシーンもいい。あの後味の悪さ、こういう映画には不可欠だろ。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-10 02:48:34)(良:2票) 《改行有》
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