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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ナイト ミュージアム2 《ネタバレ》 「主人公のラリーが夜警を辞めて、社会的に成功してる」って設定、本当に必要だったの? ……って思っていたら、ちゃんとラストにて「必要だった」と納得させられる作りなのが良いですね。 本来、ラリーが夜警を辞めているなんて設定、前作のファンとしては到底納得出来ないはずなんです。 でも、作中にて息子のニッキーやジェデダイアが「どうして夜警を辞めちゃったのか」と文句を言ってくれるから、観客である自分としても「そうそう、その通り」と頷かされて、映画との一体感を味わえるし、最後まで観れば (なるほど、博物館に寄付するオチの為に金持ちにしておいたのか) と、大いに納得。 この「序盤にて抱かされた疑問と不満が徐々に薄まり、最後にはスッキリ消えて無くなる」って構成は、中々気持ち良かったです。 ただ、全体的に考えると……面白さって意味では、前作より見劣りしてしまうかな? 「ジェデダイアとオクタヴィウスの友情」とか「自らが作り物の人形であると悟る切なさ」とか、前作にあった長所はキチンと引き継がれてるんだけど「色々と説明不足なゆえに、観ていて戸惑うストーリー」っていう短所まで、しっかり引き継いじゃってるんですよね。 ヒロイン格であるアメリアとの恋物語は唐突過ぎて応援する気になれないし、ジェデダイアが敵の人質になる場面でも (そもそも彼は人形なので、砂時計に閉じ込められても死ぬって事は無いのでは?) と思えちゃって、緊迫感が湧かない。 終盤の展開もグダグダで、巨大なリンカーン像が援軍に来てくれて一件落着と思ったら、なんかアッサリ帰って再び窮地になるし…… 場面場面は悪くないので「こういう場面をやりたかった」っていう作り手の考えは分かるんだけど、場面の繋げ方が雑なもんだから、不自然さが生じてるんですよね。 パソコンを駆使してサポート役を務めていたニッキーが、途中から全然出てこなくなる(博物館改装後に、ようやく再登場)ってのも構成として如何なものかと思うし…… この辺に関しては、あまり誉める気にはなれませんでした。 とはいえ「1には無くて、2で新たに生まれた良さ」も、ちゃんとあったりするので、決して嫌いではないんですけどね。 ダース・ベイダーが出てくる場面や「携帯電話を拾った水兵が、後のジョセフ・モトローラだと判明する」オチには、ニヤリとさせられましたし。 棒術ならぬ懐中電灯術を駆使して敵を倒すラリーの姿も、正に痛快無比って感じ。 何より前作のラスト同様、今作でも最後は「楽しい博物館」を描いて終わる形になってるのは、凄く良かったです。 前作は「夜の博物館」という、閉ざされた楽園の中で秘密の祭りを楽しんでる感じでしたが、今作はそこに客を呼び込み、より「博物館らしい魅力」を打ち出す終わり方になってましたからね。 (この博物館、行ってみたいな) と感じさせてくれたんだから、やはり良い映画だと思います。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2022-04-14 06:18:57)(良:1票) 《改行有》 2. ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 ベン・スティラーという俳優を初めて意識したのが、この映画だったように思えますね。 コミカルな演技を軸としつつも「決める時は決める」恰好良さに痺れて (この人、良いなぁ……) と惚れ惚れしちゃったのを憶えています。 後に彼の主演作をチェックする事となり、その中には本作より面白いって感じるような品もチラホラあったりしたんですが…… やはり「初めての映画」として、本作は印象深いです。 そんな具合に、自分としては主演俳優ばかり注目しがちな品なんだけど、映画全体で考えても、やっぱり「面白い映画」「良い映画」なんじゃないかって思えますね。 冒頭に色んな展示物を映し出し、予備知識を持った観客には「こいつらが動き出すのか」とワクワクさせる作りになってる辺りなんて、特に良い。 観客の喜ばせ方を分かってるというか、夢や期待を裏切らない作りになってると思います。 本作の特徴としては「女性ヒロインが不在である」って事も挙げられますが、それもまた自分好みなんですよね。 一応、それっぽい存在としては同僚のレベッカがいるんだけど、彼女とはロマンスに発展せず、あくまで同僚止まりで終わっちゃう。 主人公は夜警として頑張り、それが最終的にハッピーエンドに結びつく訳ですが、その姿を「女にモテたいバツイチ男」ではなく「息子に認められたい父親」として描いてるのは、本当に良かったと思います。 ここで作り手が欲張って「レベッカとも結ばれた」なんてオチにしていたら、話の軸がブレちゃいますからね。 色恋沙汰の要素を排し「頼りない父が、可愛い息子を笑顔にしてみせる物語」として纏めたのは、もう大正解だったんじゃないかと。 他にも「ミニチュア模型好きには嬉しくなる場面が多い」とか「自分は歴史上の偉人ではなく、それを模して造られた人形に過ぎないと語るテディの姿が切ない」とか、色んな長所が備わってる映画なんです。 敵が老人三人組じゃあ脅威として弱いなと思っていたら「石板の力で強くなる」って展開になり (ほほう、そう来たか) と感心させられる辺りなんかも、観ていて気持ち良い。 嫌味な感じの上司は、最終的には主人公を認めてくれるし、悪人とは言い切れない老人三人組も博物館に復職する後日談が付くしで、鑑賞後の後味が爽やかなのも良いですね。 最後の「博物館の夜」も本当に楽しそうだし「楽園を守り抜いた」という主人公の感慨が伝わってくる、最高のエンディングだったと思います。 そんな本作の難点としては……色々と説明不足で、モヤモヤしちゃう辺りが挙げられそうかな? 監禁されたマヤ族へのフォローは無いし、ラジコンの車に関しても何故か人形が乗り込み操縦出来ちゃうしで、観ていて気になる箇所が多いんです。 正直、作品の完成度は高いとは言えないかも知れません。 でも、そんな「説明不足」という欠点に関しても (マヤ族の人形達は、あの後なんだかんだで皆の仲間入りしたんだろう) (ラジコンの車は、ジェデダイア達が改造したんだろう) って具合に、あれこれ考えて補いたくなるというか…… ある意味では、凄く想像力を刺激される作りになってるんですよね。 「作りが丁寧で、観た後に何のモヤモヤも残らないような傑作」ともまた違う、独特の味わい。 「想像力を刺激される」「それによって、色んな夢が広がる」という意味では、非常に博物館らしい映画と言えるかも知れません。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2022-04-14 05:55:51)(良:1票) 《改行有》 3. 7つの贈り物 《ネタバレ》 所謂「いい話」であり、感動的に仕上げられた品だと思います。 ただ、映画として「面白かった」「楽しかった」とは言い難い内容でしたね。 理由としては、冒頭で「主人公は自殺する」と分かってしまう事。 そして、かなり早い段階(映画が始まって十五分ほど)で「いずれ死ぬ主人公は、自分が贈り物をする相手は誰にすべきかを審査している」という真相まで種明かししている事が挙げられそう。 「贈り物」=「臓器移植」である事も、審査対象となる人物の顔触れで分かるようになっているし、根本的に「謎解き」要素が据えられていないのですよね。 だから観客としては「この先どうなるんだ?」「彼は一体何が目的なんだ?」という興味を抱き続ける事が出来ない。 である以上、この映画のメインは「主人公による審査」となる訳ですが、それがどうにも単調で、正直退屈なんです。 なんせ悪人は序盤の医者くらいで、後は悉く「善人」「合格」なのだから、余りにも予定調和な展開。 死期が迫っているヒロインと恋仲になり「余命僅かな難病物」のテンプレをなぞる形になる辺りも、更に既視感を強めていた気がします。 唯一、それを崩すアクセントとして「臓器移植ではない、住居提供」のシークエンスがあるのですが、それも「家庭内暴力を受けている女性と、その子供達を救う」というお約束展開なせいか、まるで目新しさを感じないから困り物。 勿論、王道だからこその魅力は盛り込まれていましたし、自分としても、この中盤の「家を譲る」件が一番感動したのですけどね。 ただ、その結果「感動のピークは過ぎたのに、主人公とヒロインとのやり取りを一時間近くも見せられる」という事になってしまい、折角の感動も冷めてしまった形。 盲目の青年とウェイトレスの微笑ましい会話や(このままでは、彼女に愛情を抱かれてしまう)と察した主人公が、あえてヒロインを冷たく突き放す件など、好きな場面も幾つかあるのですけどね。 もう少し全体のバランスが違っていたら「いい話」ではなく「良い映画」と表現出来ていた気がします。[DVD(吹替)] 5点(2017-09-13 19:22:47)(良:1票) 《改行有》 4. 9デイズ 《ネタバレ》 主人公が双子の兄弟に成り済ます為、チェコ語を習得したり、葉巻の吸い方やワインの飲み方を学んだりするパートが面白かったですね。 黒人男性版の「マイ・フェア・レディ」「プリティ・ウーマン」といった趣があるし、実際に劇中で後者の曲が流れたりするのだから、作り手としても意図した演出であったように思えます。 観賞前の期待通り、安心して楽しめる娯楽作品なのですが、ちょっと細かい点が気になったりもして、そこは残念。 例えば、高層ホテルにて刺客に襲われた主人公が、咄嗟に窓の外に逃げるというシーンがあるのですが、ここの件って、どう考えても窓の外の方が室内より危なかったりするんです。 何せ、足場が自分の靴ほどしかない訳で、実際に主人公は落ちそうになりながら、おっかなびっくり移動しているんですからね。 対するに、室内にいる刺客なんて全く強そうじゃなくて、主人公もガラス瓶で殴って撃退したはずなのに、わざわざ危険な窓の外に逃げたのだから、どうにも不自然。 恐らくは、その後の屋外での追いかけっこに繋げる為の脚本なのでしょうが、それならもっと自然にやって欲しかったなぁ……と、つい思ってしまいました。 「別人に成り済まして危険な取引を行う」という王道ネタを扱っているわりに「正体がバレそうになってドキドキさせられる」展開が無かった辺りも、不満ですね。 そういったベタな面白さを避けた以上は、他に何か目新しい面白さを提供してくれるのかなと思ったけれど、それも無し。 結果的に、映画の後半においては「主人公が別人に成り済ましている」という設定が忘れられてしまったかのようで、観ていて居心地が悪かったです。 そんな本作の白眉としては、主人公の母親の存在を挙げる事が出来そう。 最初は厳しい人なのかなと思ったら、実は息子に無償の愛を注いでいるのだと分かり、グッと来ちゃいましたね。 自分は、どうもこういうギャップのある描写に弱いみたいです。 息子の為に都合してあげたお金が「ビンゴの賞金250ドル」という辺りも、絶妙な塩梅。 「この母ちゃんの為にも頑張ってくれよ」と、主人公を応援する気持ちにさせられました。 それだけに、報酬の一部を母親に渡すラストシーンでは「一万ドルじゃなくて、九万ドルの方を母親にあげれば良いのに」と思わされたのですが…… 実際にそうしようとしたら「私は一万で良い。九万は結婚資金に使いなさい」と叱られちゃう気もしますね。 最初は仲が悪かった堅物の相棒が、慣れないジョークを口にして祝福してくれたという、結婚式での風景も素敵。 後味が良い結末のお蔭で、なんだかんだ言っても満足出来た一品でした。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-10 12:54:20)(良:2票) 《改行有》
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