みんなのシネマレビュー |
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1. 二百三高地 《ネタバレ》 「戦争」というものの姿を、フィルターをかけずにそのまま映し出している作品。幹部だけでなく、個々の兵士たちの思いも描かれており非常に考えさせられました。今の時代こそ、こういう作品が必要だと思います。 仲代達矢と丹波哲郎の素晴らしい演技も印象的でした[インターネット(邦画)] 10点(2023-12-30 00:30:37)《改行有》 2. 偽大学生 《ネタバレ》 体制側も反体制側も目指す目的は違えど、やっている事にそう変わりはないと言う事を辛辣に描いた作品ですね。 結局のところ、人間なんて所詮己の欲望から逃れることの出来ない不完全な生き物な訳ですから、様々な目的や理想に対し純粋さを保つことなんて出来るわけがないんですよね。だから、純粋であるように振舞うためには、虚構の世界を作り上げるか、もしくは狂気の世界に身を置くことを選ぶしかないのかなと思いました。 ジェリー藤尾の迫真の演技がとても印象に残りました。 [映画館(邦画)] 9点(2008-02-25 21:02:40)《改行有》 3. 日本の黒い夏 冤罪 《ネタバレ》 一冊のノンフィクションを忠実に映像化した感じの映画でした。「冤罪がどうやって作られたか」というテーマを拙い部分はありながらも、感情的・一方的にならずあくまでも冷静に、かつわかり易く描いていて非常に面白かったです。マスコミに興味のある方には是非お勧めしたいですね(ちょっと作りは安っぽいですけど)。 しかし、冤罪が悪意(まあ、某カルト集団が諸悪の根源であり憎むべき存在ではあるのですが)によって作られたのでは無く、警察にしてもマスコミにしてもあくまで自らの職務(使命)に忠実であったが故に作られてしまったということが非常に恐ろしいですね。警察は犯人を検挙し社会の安全と平穏を保つ、マスコミは高視聴率やスクープを目指し広告等の収入を確保するという与えられた役割を忠実に果たすために動いているわけで、それをしなければ生活が成り立たなくなっていくわけですから・・・・・・。ただ、そのことによって被害を受ける人が出てきたわけですから全く同情はできませんけど(人を傷つけ苦しめる使命などありえません)。 散布されたサリンがまるで夜霧のようで、幻想的な悪夢のようでしたね・・・・・。被害にあった方々のご冥福を心からお祈りしたいと思います。 [DVD(邦画)] 9点(2007-07-27 17:59:57)(良:1票) 《改行有》 4. 虹の女神 Rainbow Song 《ネタバレ》 2時間という決して短くない時間があっという間に過ぎていきました。もう、この映画の上野樹里は、個人的にストライクど真ん中で、とても良かったです。正直、相田翔子の出番削って、もう少しシーンを増やして欲しかったくらいです(ちょっとクドかったんで・・・・)。 あと妹役の蒼井優はやはり只者では無いですね。もう存在感があるというかオーラ出まくりで、脇役でも出演シーンでは完全に主役になっていますからね・・・・。 この2人の旬の女優がそれぞれ持ち味を出してるんですから面白くない訳がない。いやあ、映画館で見れて本当に良かったなと思える作品でした。 [映画館(邦画)] 9点(2007-03-18 15:59:56)(良:1票) 《改行有》 5. ニノチカ 《ネタバレ》 素晴らしいコメディ映画でした。グレタ・ガルボのコメディエンヌぶりも良かったですし、ソ連の役人3人組がまあとぼけた連中でとにかく面白かったですね。ガチガチの共産主義者の役で笑顔をまったく見せないガルボが、初めて笑うシーンでは本当に画面に引き込まれました。 ストーリー(当時のソ連をおちょくりまくってます)の展開、テンポも非常に良く、あっという間に観終えてしまいました。 1939年製作なんですが、今見ても全く色褪せることのない作品ですね。また、ルビッチ監督の他の作品も見てみたいと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-06-25 17:25:53)《改行有》 6. ニューヨークの恋人(2001) 《ネタバレ》 タイムスリップものにハズレなし。この作品も、「ラブコメ女王」メグ・ライアンと貴族役が見事にハマったヒュー・ジャックマンの良く出来た恋愛ドラマを通じて、1876年と現代のギャップを楽しみながら観ることが出来ました。 まあ、タイムスリップの理論とかいろいろ突っ込みどころはあるんでしょうが、SFでは無いので気にしない方が良いですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-08 14:47:56)(良:1票) 《改行有》 7. 人間蒸発 《ネタバレ》 非常に衝撃的な作品でしたね。途中までは、普通に失踪した男を追っていたのが段々脇道に逸れていき、最後はとてもカオスな状況で終わってしまう展開にはまさに「口あんぐり」でした。 これは、ドキュメンタリーという手法についてのドキュメンタリー映画ですね、しかもアンチテーゼを幾分か含んだ・・・。今村監督自身が「何が真実かなんて誰にもわからない」というようなことを言っていますが、ドキュメンタリー自体も実はフィクションに過ぎないということをこの作品は示そうとしているように感じました。この作品でも失踪者の婚約者とその姉の水掛け論一つも決着させることもできないまま終わってしまいます(しかし、本当にくどかった・・・)。結局、真実なんてものは神の領域であり、ドキュメンタリーごときが映し出せるものではないということなんでしょうかね。 [映画館(邦画)] 8点(2007-12-02 23:10:50)(良:1票) 《改行有》 8. 二十歳の原点 《ネタバレ》 中学の頃、原作本に出会ったときの衝撃は今でも忘れられません。今回、映画版を観るにあたって、自分なりに持っていたイメージが崩れるのではないかという心配もありましたが、そんなこともなく、当時の様子の再現映像として非常に興味深く観ることができました。高野悦子役の角ゆり子も、最初は幼さすら感じさせる女子大生が徐々に変わっていく様をうまく演じていて良かったと思います。地井武男は今のイメージとは全然違う感じで新鮮でしたね。 本を読んだり、四人囃子のサントラを聴いている段階では白黒のイメージだったのが、この映画を観たことによって色が付いたという感じです。 [映画館(邦画)] 8点(2007-08-31 11:17:55)《改行有》 9. にあんちゃん 《ネタバレ》 観終わった後、「俺も頑張らないといけないな」と思いましたね。本当に、どんなに環境が辛くても苦しくても前を向いて生きていこうとする若い兄弟の姿には心を打たれますね・・・・。 貧しい炭鉱町の描写の生々しさはまるでドキュメンタリーを観ているかのようでした。 しかしまあ、北林谷栄の存在感は本当にすごいですね。 [映画館(邦画)] 8点(2007-07-19 22:23:51)《改行有》 10. 人情紙風船 《ネタバレ》 70年前の作品ということで、さすがに古さは感じましたが、逆にそれがリアルな感じになっています。(この作品から70年程遡ると江戸時代ですからね・・・・) 非常に重苦しいストーリー(現代社会の閉塞感にも相通じるものがあります)ですが、時に喜劇的な要素も含まれているので最後まで一気に惹きこまれるように観ることができました。 しかし、長屋の様子や縁日のシーン、そして雨の情景など日本的情緒の映し出し方が本当に素晴らしいです。あと、セットや小道具も中々効果的でした(ルビッチ監督の作品を思い起させます。) 何というか、観終わった後何度も反芻してしまう作品ですね。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-13 18:11:42)《改行有》 11. ニワトリはハダシだ 《ネタバレ》 見終わったあと、爽快な気分になりました。国家権力にぶら下がり私利私欲に走る連中の足元をひっくり返すところは非常に痛快ですし。社会的弱者と呼ばれる人たちへの応援歌的なところも好きですね。主人公の兄妹をはじめ出演者の演技も良かったです。 舞鶴に行ってみたくなりました。[DVD(邦画)] 8点(2007-04-14 21:40:45)《改行有》 12. 日本以外全部沈没 《ネタバレ》 とにかくいろんな意味でチープです。酒場の与太話を映画化したようなもので、はっきりいってしょうもない作品ですけど、大好きですこういうの(本当に、今外交問題を抱えている国のトップ達の掌の返しぶりといったらw)。日本人の内弁慶的な所がちょっと強調されているような気もしましたけど、パロディですからね・・・・・。しかし、「北」のあの人のキャラって本当に強烈ですね、反則に近いです。 チープではありますが、童話(「てぶくろ」というウクライナの話)が出てくるところやラスト近くの蝋燭を囲むシーンなんかはちょっと良かったですね。(ラストはまさに人類史上最悪の瞬間ですが・・・・。) 登場人物は稲川素子事務所所属タレント勢揃いといった感じで、こんなに外国人タレントっているんだと感心してしまいました(笑) ただ、将来的に日本でも移民問題は出てくると思うので、笑ってばかりもいられないかなとは思います。 原作は未読なので、読んでみたいですね。 [DVD(邦画)] 8点(2007-01-07 20:23:37)《改行有》 13. 憎しみ 《ネタバレ》 あまり、見ることのできないフランスの一面を見ることができる作品です。ここには、我々が思い浮かべるいわゆる「フランス」は出てきません。黒人やアラブ人、ユダヤ人といった移民系の若者達のある1日の姿を通して、フランスの抱える闇の部分を映し出しています。そのエピソードのふしぶしに、彼らがおかれている立場というのが表現されています。一般のフランス人からはゴロツキ扱いされ、警察は完全に犯罪者予備軍としてしか見ていなかったり・・・・・ こういう重いテーマではありますが、非常にセンス良く作られているのはさすがフランスと いう感じですね。 スキンヘッドに銃口を向けるシーンからラストにかけての展開が圧巻でした。白黒の映像がリアルさを増幅させていて、非常に緊迫感がありました。(まあ、後味の悪い終わり方ではありましたが。) オープニングの暴動シーンで流れるボブ・マーリーが非常にクールでした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-01 13:45:02)《改行有》 14. ニュー・シネマ・パラダイス やっぱり、映画って素晴らしいな・・・・としみじみ思わせてくれる作品でした。ラストの場面はやはり感動しました。まあ、いろいろな思いがあのキスシーンを繋ぎ合わせたフィルムに重なりあって最高のエンディングを創りだしていると思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-19 23:59:37)《改行有》 15. ニクソン 《ネタバレ》 3時間以上もある作品でしたが、白熱した内容に引き込まれ長さはあまり感じませんでした。ニクソンについては、ウォーターゲート事件で辞職した人位の知識しか持っていなかったのですが、アンソニー・ホプキンスの熱演もあってかなり興味を持ちましたね。まあ、冒頭で推測が入っていると但し書きがついているくらいなので、現実と違う部分はあるのでしょうが。 ただ、やはり政治の世界というのはいろいろあるんだなと改めて思いました。(あの清廉潔白なイメージの強いケネディでさえ大規模な選挙違反をしていた位ですから・・・・・) [ビデオ(字幕)] 8点(2006-07-25 20:42:55)《改行有》 16. 2番目のキス 《ネタバレ》 『ぼくのプレミア・ライフ』のアメリカ版です。しかし、『ぼくのプレミア・ライフ』でのアーセナルの優勝も劇的でしたけど、この作品のレッドソックスも非常に奇跡的ですよね・・・・・。(こういうミラクルに出会えるからスポーツ観戦は止められません) しかし、このレッドソックスファンの気持ちは、好きなチームを持っている者としては非常に良くわかりますw やはり、重要な試合がある日は他の用事を差し置いてでも見に行きたいですし、歴史的瞬間には絶対立会いたい!と思いますから。(だから、ヤンキース戦で9回に7点差ひっくり返した試合を見逃して悔しがる気持ちは痛いほど良くわかりました・・・・) 非常に楽しい時間を過ごすことが出来ました。野球に興味が無い人でもラブストーリーとしても良く出来てる作品だと思いました。(ただ邦題は何とかならないですかね?映画館で作品名を言うのがちょっと恥ずかしかったです。) しかし、本人役で出ているデーモンがヤンキースに移籍してしまうとは・・・・・・・。(松井の名前もチラッと出てきます。) [映画館(字幕)] 8点(2006-07-14 23:46:48)(良:1票) 《改行有》 17. ニライカナイからの手紙 すばらしい作品です。ちょっと哀しいけど、見終わった後、何かこう前向きになれる映画です。竹富島の光景がとても心を癒してくれます。 最近、手紙のやりとりは年賀状位しかしてませんが、直筆の文字の暖かみもまた良いなと、この作品を見て思いました。 蛇足ながら、この作品には郵政民営化を進める動きに対するアンチテーゼが感じられたんですけど、私だけですかね? [DVD(邦画)] 8点(2006-05-07 20:48:01)《改行有》 18. ニューヨーク、狼たちの野望 《ネタバレ》 華やかなマンハッタンの隣にひっそりと位置し、NY市の行政区の一つでありながら存在感のないスタテンアイランドと、同じように己の存在感の薄さを感じながら生きている3人の男たちのドラマです。 とにかく、主演の3人の配役が見事で面白かったです(マフィアの親分役は、あの「フルメタル・ジャケット」のデブを演じたヴィンセント・ドノフリオです)。また、同じ事件を3名の異なった視点で描く手法も効果的で良かったと思います。スタテンアイランドの存在を上手く設定に取り込んでいるのも興味深かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2011-08-24 00:37:49)《改行有》 19. 西の魔女が死んだ 《ネタバレ》 サチ・パーカーの「魔女」役が非常に嵌ってましたね(お母さんであるシャーリー・マクレーンも魔女みたいな女優さんですからね)。特に独特な日本語の発音が絶妙でとても心地よかったです。そして、その「魔女」の魅力を垂れ流すだけでなく、考え方の違いから来るすれ違い、感情のぶつかり合いもしっかり描いてるのも良かったと思います。 山梨の風景も非常にきれいで、大画面のスクリーンで見たかったですね。まあ、ゲンジ役の木村祐一がどうみても怪しい関西のオヤジだったのはちょっとアレでしたけど・・・。 派手さはありませんが、じんわりと心に響いてくる映画でした。 [地上波(邦画)] 7点(2011-07-02 00:27:49)《改行有》 20. 日本解放戦線・三里塚の夏 《ネタバレ》 圧倒的な闘争のリアルに引き込まれました。目的を遂行するために手段を選ばない国家権力の姿、そしてその強大な力に立ち向かう農家の方の力強い姿が赤裸々に映し出されています。 しかし、出てくる男性がどうも理屈っぽく感じる(農家の方々に対し妙に上から目線なのも非常に鼻につきました)のに対し、農家の女性の方々の明快さ、強さがとても印象的でしたね。機動隊だって公団の人間だって皆女性が産んだんだと堂々と言い切るおばちゃんには、男は誰も勝てません・・・・ [映画館(邦画)] 7点(2011-06-04 09:09:14)《改行有》
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