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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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41.  ニュールンベルグ裁判 長い映画ですが、惹きつけるものがあり、長さを感じさせずさすがと思いました。しかし内容的にはちょっと気になるものが。熱血弁護士を演じたマクシミリアン・シェルはオスカーを獲得しましたが、彼の熱弁は、映画の見どころの一つであるとともに、戦争のもつ矛盾や皮肉へと繋がっていく重要な指摘だと思って聴いてました。なのに映画は、この点を深く掘り下げることなく、「知らなかったじゃあ、済まないんだよ」ってなまとめ方しちゃって、単純化も甚だしいところ。他人事じゃないんだよ、明日は我が身だよ、わかってんの?と言いたくなります。さらにあんな後日談がついたんじゃ、映画のまとめ方としちゃ悪くないけど、戦争の何がこのオチで描けたんだろうか。「国家意識」と「個人の良心」だけで語ろうとしても、戦争の本性は決して暴けないんじゃないでしょうか。ま、しかし、昔の映画です。時代背景も考慮に入れて観るべき映画なんでしょう。ケチつけちゃいましたが、基本的にはいい映画だと思います。7点(2003-05-25 14:22:34)

42.  日本侠客伝 絶縁状 古風なタイトルですが、意外にこれが、現代劇。頂上作戦の頃でしょうかね。 主演はもちろん高倉健ですが、出演者クレジットのトメが藤山寛美。まあ、要するに、アレです、寛美さんが松竹新喜劇をクビになった不遇の時代・・・いや、復帰後にあたるのかな? 小島慶四郎も参戦して、東映でミニ新喜劇を繰り広げてます。 冒頭、主人公が刑務所で親分に面会する会話シーンからいきなり、マキノ監督らしいというか、カットを割りまくってますが、寛美さんの屋台前でのやりとりのシーンなどでもカットを割りまくると、ちょっとギクシャクしてくる。寛美さんが箸を持ったまましゃべってるのですが、カットが切り替わると明らかに箸の持ち方が変わってたりして、やっぱり映画俳優の方がこういうのは慣れてるのかな、とか。 内容が近代的になると、悪役も人相の悪い極悪オヤジではなく、いかにもクールで狡猾なイメージとなり、やっぱりここは渡辺文雄の出番です。このズル賢さを連想ゲームでも活かせていたら・・・。 いかにも好漢の主人公に、陰湿な悪役、一方ではユーモアも振りまいて、悪くない陣営だと思うのですが、今ひとつノレないというのが正直なところ。寛美さんはどうしても映画では浮いてしまうし、いくら健さんが好漢とは言え、正業を始めるやいきなり好調らしいのも、ちょっと安直に感じたり。 ラストの殴り込みまで、一通りは楽しめるものの、変化球的な作品の割に、全体的な印象としてはやや薄いように思います。[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-24 09:19:26)《改行有》

43.  日本女侠伝 激斗ひめゆり岬 《ネタバレ》 1971年の作品、ってことですから、沖縄返還直前ですね。まだアメリカに占領されてたころの沖縄。 藤純子がバリバリのおきなんちゅメイクで登場し、違和感ありまくりなのですが、男勝りでちょっとガサツな感じのお姉さん、といったところ。こういうのを「女侠」って言って、いいんですかねえ。任侠道でも何でもなく、普通に「社長」です。 とは言え、そこには例によって例のごとく、あくどいヤクザどもが登場し、あの手この手の嫌がらせ。 かつての激戦地沖縄、ということで、不発弾を始め、ヤバそうな武器がゴロゴロしていて、ちょっといくら何でも、と言う気がしつつ、見て見ぬふりを。 主人公と最初はぶつかりつつも、やがて互いに信頼関係で結ばれるヤクザ者が、菅原文太。二人の向こうには海に沈む夕日。いやあ、沖縄だなあ。 普通ならクライマックスの殴り込みでそのまま映画が幕を閉じるところ、この作品では苦みに満ちた後日談を付け加え、沖縄の置かれた状況の理不尽さを表すワケですが、ちょっと無理矢理、ですかねえ。[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-25 22:16:21)《改行有》

44.  日本海大海戦 海ゆかば 昨日は横須賀行って、記念艦として保存されている三笠を見て来ましたもんで、やはりこの『日本海大海戦』かな、と。東宝が誇る戦争スペクタクル巨篇。・・・・・・ではなくて、ここは東映部屋でした。 東宝版は全編通じて日露戦争の経緯が描かれ、しかも製作が1969年ってんだから、司馬さんの「坂の上の雲」は連載途中の時期だし、吉村昭さんの「海の史劇」もまだ書かれてない。そんな頃に日露戦争を詳細に描いて、しかも円谷英二の集大成とでも言えそうな見事なミニチュア特撮が繰り広げられます。 そんな事もあってか無くてか、この東映版は一兵士、それも軍楽隊に所属する兵士の目から、日本海海戦を描いてます(「坂の上の雲」でも軍楽隊に触れた記述が有りましたね)。青春モノ路線、という事でしょうか、それにしても現場のイザコザばかりではなく、もう少し各階層の人々のドラマを多層的に織り込んでくれたらなあ、と思ってしまい、戦局などもあまり描かれていないので、この映画だけでは背景が掴みにくい部分もあるかも知れません。 ただ、「一人の若者」の目から見た戦争、っていうのは、そもそもこういう「わからない」感じなんだろうなあ、とも思わされます。目先の日常の先に、突然、凄惨な戦場が現れる。 東映三部作の一本目『二百三高地』では、まだ戦場にも大らかさが残っていた、みたいな描写もあったけど、この作品では軍隊の陰湿さとか軍国主義の蔓延とかいった、太平洋戦争テイストが混在していて、かえって目新しさを失ったステレオタイプ感もあるのですが、一青年の視点で描くとなると、そういう路線になってしまうんですかねえ。 主演は三船敏郎、というのは大人の都合であって(それにしても14年前の東宝版からあまり老け具合が変わってない気が)、実際の主人公は沖田浩之。「A~B~C~」と、E気持ちそうに歌ってた印象しかないアイドルの彼が、丸刈りにして主人公役に取り組んでおり、持ち前の眼光の鋭さは確かに、主人公の気持ちの強さにマッチしてます。三原順子も悪くない。だけど全体的に弱い印象なのは、ドラマの不足でしょうか。軍楽隊という立場をドラマの中で活かすのにもやや持て余し気味、のような気が。 クレジットでは「協力」として三笠保存会の名前があり、この東映版でも記念艦でロケ撮影したシーンがあるのかどうか?いずれにせよセットはなかなかよくできてます(もう少し色んな角度から撮影して欲しかったけど、これも何か事情が?)。特殊効果は中野昭慶が参加し、海戦シーンもなかなかのもの。ここでも凄惨さや残酷さが前面に出ているのが、本作の特徴です。[インターネット(邦画)] 6点(2022-02-06 06:54:55)《改行有》

45.  日本暴力列島 京阪神殺しの軍団 すべてフィクション、と断ってますが、「すべて」はウソですね。モデルあり。 これもまあ、大きな組織(皆さんご存知の)がある一方で、その影響を逃れられないながらものし上がって行こうとする小さな組織を描くパターンですが、小林旭がチンピラ風情の活きのいいところから物語が始まって、実録ヤクザ映画ではなかなか見せることができなかった「マイトガイらしさ」みたいなものを、ここでようやく垣間見ることができます。 こういうアキラを見てると、もしかしてチョウ・ユンフアって小林旭を意識してたのか?などと思ったり。雰囲気似てます。 どうもヤクザ映画に出て来る梅宮辰夫って、何かヘンなんですけど(眉毛が無いのが裏目に出てるような・・・)、ヘンなりにこの作品では主人公の相棒役としてしっかり印象を残してます。中島ゆたかの役どころは踏み込みが浅く、ちょっと勿体なかったかな、とも。 在日の問題を取り上げてる点は注目に値しますが、もう少しそれに纏わるエピソードがあってもよかったかな、という気もします。[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-18 20:41:22)《改行有》

46.  二代目はクリスチャン 《ネタバレ》 カトリックのシスターとヤクザ、というムチャクチャな組み合わせを、どうやって作中で実現するか、ってトコロが、ホントは見たかったんですけどね。その点では、物語の最初っから両者に接点有りまくりで、いささか物足りない。 しかしその部分の描写は飛ばすとして、ヤクザの方が積極的にシスターに近づこうとするメインの物語は、ユーモアの中に哀愁のようなものを感じさせて、これはこれで悪くない。結局、美人シスターの前で男どもが次々に命を落としていく、という、「男は皆、美人の肥やし」説にしっかりと則っています。いやそんな説があるのかどうか知らんけど。 殴り込みのシーンも往年の任侠映画を思い起こさせたりして、カタルシスばっちし。ただ、そこに至るまでの部分は、一部シーンでちょっとセリフ過多の印象あり。[インターネット(邦画)] 6点(2021-09-28 22:24:49)《改行有》

47.  22年目の告白 -私が殺人犯です- 《ネタバレ》 ミステリなどというものは映画にはならない、などと主張する気もないし、そんなストイックな態度を貫ける自信など毛頭ないのだけれど、本作などを見ていると、やっぱり難しいなあ、と思っちゃう。 中盤、テレビの生放送を舞台に4者が向き合う場面。まさに「これぞ」という場面なのに、ふと気づくと、この4人のうち背景がそれなりに描かれていたのは伊藤英明だけ。それとて、このシーンを盛り上げるためならもう一息、彼の過去をそれまでのドラマに織り込むこともできたんじゃないか、と。ましてや残り3人の、「何も描かれなさ」加減といったら。 この時点で、よほど脚本がアマいか、それとも、背景を描けない「ミステリ上の」事情があるのか、のどちらかということになっちゃう訳で。 で、結果的に、ロジックの整合はとれていて、しかも2段オチ的な構成、ミステリとしては確かにまとまっているんだけど、それを優先した不自由さ、というのも、付きまとってしまう。 それを補うためなのか、クライマックスシーンでは危機を時間的に引き延ばそうとするのだけど、これがまた、どうにも取ってつけたようで、やや空振り気味。 とは言え、時効という人為的な制度の皮肉というか矛盾というか、といったものは物語に巧みに織り込まれてて、その点はオハナシとしてはよくできています。残念ながらそれは、「映画としての魅力」とは別次元での感想に過ぎないけれど。 それよりも、仮にそこが作品のポイントだったとして、では後日談的なあのラストシーンに対しては、「蛇足」以外にどういう感想を持てばいいんだろうか?[DVD(邦画)] 6点(2021-05-05 18:09:15)《改行有》

48.  日本女侠伝 鉄火芸者 藤純子さんの日本舞踊、さすがですね。冒頭のタイトルバックから、安心して見られます。本編の中でも随所で腕前を披露していて。寛美先生もご満足でしょうな、きっと(気難しげなお師匠さんの役です)。 物語はというと、曽我廼家明蝶vs安部徹、マジメ企業と悪徳企業との戦い。曽我廼家明蝶は藤純子演じる主人公の芸者さんのパトロンみたいな感じですかね。で、彼のもとで菅原文太が働いていて、藤純子と知り合って・・・ってのはいいけれど、二人が実は初対面ではなくって、過去に意外な接点があった、というあたりが、正直、出来過ぎた話で、もう一つ乗れないところ。回想シーンでこの事実を一気にバラされると、見てる方もちょっと面食らってしまいます。いや、出来過ぎで何が悪い、と言われりゃ、そうなんですけれども。 それ以外にも、ちょっと「え?(笑)」というような思わぬ事件が発生したりして。ちょっと強引かな、と。 とは言え、クライマックスに向けては、これはもう、強引で大いにOK、ああ、やっぱりそうなるよね、という大事件と、最後は殴りこみ。 結局、菅原文太であったり、エロ親父の伴淳三郎であったり、「男のヤセ我慢」みたいなのが見せ場になっていて、藤純子が啖呵を切ろうとなんだろうと、女性はそっと静かに耐えるだけ、というのが、女性を主人公にした作品にしてはちょいと寂しい部分でもあるのですが、今の視点でそれをどうこう言うのも、ちょっと違うかな、と。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-12-06 19:04:43)《改行有》

49.  日本沈没(1973) 最初の方で小松左京さんが登場するシーン、なんだかやたらニヤつきながら画面を横切っていた、という印象があったんですけれども、今回、久しぶりに観てみたら、意外にニヤついてなかったなあ、と。そういや左京さんはもともとがこういう顔立ちなのであった。 中盤には監修の竹内均先生ご本人が登場しますけれども、かつてテレビでよくお姿を拝見していた頃の印象からは、たしか声がもう1オクターブくらい高くなかったっけ、とか思っちゃうのですが。もしかして歳とともにだんだん声が高くなっていって、ついにあのエキセントリックな境域に達したのでしょうか? まあ何にせよ、竹内先生の解説はさすが、とてもわかりやすいですね。 ・・・ってのはいいんですが、本作、映画全体がどうも解説くさくなってしまってるのが、ちょっとかったるい。SFであると同時に社会派作品、でもあるのでしょうが、成り行きの描き方が、どうも事務的、とでもいいますか。もうちょっと藤岡弘(、)には活躍して欲しいところで、小林桂樹の暑苦しい顔と丹波哲郎の暑苦しい存在感でこの尺を乗り切ろうとしても、ちと長すぎる感。 もちろん特撮の方は東宝作品だけのことはあって、そして中野昭慶氏だけのことはあって、ミニチュア撮影の粋を凝らし、さすがに気合が入ってます。人間が火だるまになるスタントも交え、なかなかのスペクタクル。 だけどやっぱり、沈む日本列島全体をそのまんま俯瞰で描写してみせるのは、何度見ても、無理があるなあ、と思っちゃいます。そんな映像を出すよりは、誰もが知っている日本各地の名所を水没させてみせるようなシーンを描いた方が、効果的ではなかったのかな。 ラストシーンは、とてもイイんですけどね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-24 03:57:29)《改行有》

50.  日本ダービー 勝負 実在の調教師をモデルに、彼の半生記を描きつつ、日本ダービーの歴史そのものも描く作品となっています。実在の人物をモデルにしているとは言っても、主人公の名前は少し変えられており、オハナシの方はおそらく相当変えられていることと推察されます。 この主人公を演じているのが三橋達也、ってのが、東映作品にしては珍しく、頑固一徹の調教師を演じつつ、彼の盟友役の若山富三郎と丁々発止のやりとりを見せてくれます。 しかも彼の弟子が高倉健であったり菅原文太であったり、彼の息子が梅宮辰夫であったり、と、今見りゃ脇役陣がえらく豪華。いささか収まりが悪い。高倉健の奥さん役には、いつのまに結婚したのやら気が付いたら藤純子。細かいコト抜きに、じゃんじゃん時代が進んでしまう、大味な作りになってます。 ところどころに挿入される競馬の映像が、過去に行われた実際の日本ダービーの貴重な映像なのか、それともそれっぽく見せてるだけのニセ映像なのか、ワカリマセンけれども、これという演出もなくレースの様子をロングで捉えた映像だけでは、あまり迫力が伝わらず、もどかしいところ。 で、さらに本作の奇妙な点が、時代が下って現在(1970年)の日本ダービーが近づくにつれ、最近のレースの模様ばかりが紹介されて、主人公のことはほったらかし同然となってしまう。何だコレ、伝記映画かと思ったら、「今年の日本ダービーに乞うご期待」という、壮大な前フリ、壮大な宣伝だったのか、と、ちょっと唖然としてしまいます。 ま、別にイイんですけどね。イイんですけど、でも、あまりに唐突に映画が終わるもんで。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-19 21:40:37)《改行有》

51.  日本暗黒街 鶴田浩二演じる主人公、今ではカタギになってステーキハウスのオーナーやってるけれど、ある日、速水機関とやらのボス・藤田進に呼び出され、一回限りの約束で、下部組織の麻薬密輸のテコ入れを引き受けることになる。が事はそれだけで終わるわけもなく・・・。 ってオハナシですが、やっぱり鶴田浩二のド真面目顔はステーキハウスのオヤジにしか見えず、この顔で麻薬取引だの何だのと言われても、正直、違和感は拭えないんですけれども。ただ、まあ、金子信雄よりはスゴ腕のキレ者なんだろう、ってのは確かに、見れば充分伝わります。 こんな優秀な人材を組織が簡単に手放す訳もなく、一回限りの約束のはずが、深みにはまっていってしまう鶴田浩二。 内なる復讐心を胸に秘め、ついに鶴田浩二は組織の殲滅を図ることになるのが、お約束のクライマックス、なんですけれども、藤田組と金子組をタブらかして互いに戦わせよう、っていうズルさが、『用心棒』のミフネなら許せても、これが鶴田浩二だと「その顔で、なんて卑怯なんだ」と言いたくなってしまう。二枚目のツラいところ。 ズルくても何でも、その結果、クライマックスはしっかりと一大銃撃戦へと相成りますので、その辺りはご勘弁を。 という訳で、主役はもうちょっと二面性を感じさせる俳優さんの方が良かったのでは、という気もしますが(中国人役の安部徹はさらに似合わない気もしつつ)、一方で、西村晃は見事にハマリ役。主人公を慕いつつ、しかしついつい要らぬ事を仕出かしては主人公に迷惑をかけてしまう、まさに、疫病神そのもの(笑)。彼と主人公の何とも言えぬクサレ縁を目の当たりにすると、この映画の主役はやっぱり「面倒見良さげ顔」の鶴田浩二でよかったのかな、という気もしてきます。どっちやねん。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-13 09:34:00)《改行有》

52.  摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に いや懐かしい。とは言っても、何回観ても面白さがイマイチよくワカランのですけどね(笑)。 サクセスストーリーとは言え、やってる事と言えば、オバさんに体売ったことと他人の手紙を盗み見たくらいのもんでしょう。 などと言っては身も蓋もないですね。そういう少々困った主人公ではあっても、マイケル・J・フォックスが演じていると何だか憎めないんです。同じ会社の中でありながら、スーツを着た人たちとカジュアルな服装の人たちがいて、それぞれ別の世界を形成しており、ほとんど階級社会。その両者の間を、まるで一人で「王子と乞食」を演じるみたいに器用に行き来してみせる。彼が最後にどうやって成功するかよりもむしろ、そこに至るまでの、何ともテキトーな器用さが魅力になっていて、これで態度がデカかったらヤな奴ですけれど、ここでマイケル・Jの背の低さがまた、大いなる武器になってます。ほかの俳優が演じてたら、これだけのヒット作にはならなかったのでは。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-01 14:33:06)《改行有》

53.  ニード・フォー・スピード とりあえずカッチョよいクルマが走りまくる映画です。クラッシュシーンもありますが、とりあえず破壊マニアよりスピードマニア向けの映画、といったところでしょうか。公道でのカーレースで、仲間を殺された挙句に、その罪を着せられ服役させられた主人公。仮釈放後、仲間を殺した男・ディーノへの復讐のため、カーレース開催地であるサンフランシスコへと、はるばる車を走れらせる。と言えば何だかロードムービー風で、しかもその途上では、彼のレース参加阻止を企む刺客が襲い掛かる、とくればこれはゼッタイに面白くなるはずなんですけれど……なーんか、薄味なんですよね。この道中をどれだけタップリ描けるかが見せ場のひとつだと思うのですが、もうひとつ印象を深められないまま、映画の尺だけは2時間超と間延びしてしまって。ラストのレースも、どこがゴールであとどのくらいの距離なのやらもわからず、そりゃスピード感は満点ですが、それでもやや漫然とした感じで、切迫感に欠いてます。逆に言えば、高級車仕様のキレイに仕上げた映画、といったところでしょうか。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-02-07 09:27:07)

54.  忍者秘帖 梟の城 原作は言わずと知れた、司馬遼太郎の直木賞受賞作。これ、“歴史モノ”というよりも“伝奇モノ”と呼びたくなる色合いがあって、何やらもっともらしく歴史上のお馴染みの人物名を織り交ぜつつ、内容的にはやや荒唐無稽とも言える超人的でハードな忍者アクションが展開され、なかなかにアヤシゲな面白さに満ちた作品なのですが(だと個人的に思っているのですが)。で、特にアヤシゲな感じを受けるのが例の“石川五右衛門”のくだり、一瞬ズッコケそうになるけれども、それでも司馬遼太郎が敢えてこのエピソードを入れたのは、歴史の裏で人知れず暗躍し人知れず去って行った名もなき忍者が、ここで突然、その名を知らぬ者無き“石川五右衛門”という名前に置き換わる、というインパクトを狙ったのか。それとも単なる悪乗りか(笑)。さてではこの映画ですが。「忍者秘帖」と銘打っただけのことはあり、また尺も短いため、歴史モノの要素は削ぎ落して(秀吉の人物像も正直、影が薄い)、忍者アクションに特化しています。一瞬とは言えワイヤーアクションまで登場し、妖怪映画みたいです。対決、死闘の描かれ方は、原作のもつ緊迫感に負けず劣らず、なかなかにトンがった演出でアピールしてきますが・・・・・・その結果、バタバタした印象ばかりが残ってしまうことにもなるのですが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-15 22:39:59)

55.  ニューヨーク 最後の日々 ある種、業界ネタっぽい馴染みのない世界のオハナシ。この、「こういう職業あんねんで知ってたか」的な業界ネタと、「娯楽作ちゃいまっせ地味でっせ」的なシブい作風と、「地味な作品だろうと何だろうと大いに演技しまくってやるぜ」的なアル・パチーノ、という、ややチグハグな三すくみの構造に、ちょっとついていけませんでした、はい。豪華な出演者が、ちょっと重しになっちゃてますかね。ある初老のパブリシストの、最後の仕事。この大仕事だけは成功させたい、という思いを抱きつつ、彼はその最後の仕事に臨むが、周囲の状況は次第に彼を追いつめていく。というより、彼を追いつめるのはむしろ、彼自身の思いであり、彼が背負ってきたパブリシストとしての過去のキャリアそのもの。過去の成功というものは、未来の安泰と引き換えに得たものに過ぎないのか? と言う訳で、特殊な職業を描きつつも一般的な人生の不安に踏み込んだ作品、でもそれにしてはキャスティングが特殊過ぎませんかねえ。[DVD(字幕)] 6点(2011-01-12 23:55:39)

56.  28週後... レンタル店に行くと、よくこういう、「ヒット作にそっくりな邦題をつけて、間違って借りさせる」的な三流作品置いてますね。とは言っても、コレは珍しく、正規版の続編。とは言っても、ダニー・ボイルは製作総指揮とかいう名誉職で、監督・脚本はよくからんヒトがやってたりする。『28日後...』はそれなりに楽しんで観たけれど、これは「もっと変な映画かと思って観たら、意外にフツーのゾンビ映画でした」という、意外性が意外にも無かったという意外性によって楽しめたのであって、別に、もう一本同様の映画を観たいとは思わない。「イヤなら観るなよ」と叱られそうだけど、でもですね、レンタル店で「お父さん、遅い」と子供に急かされると、こういうの(続編モノ)をつい手に取ってしまうものなんですよ。ってな訳で。うーむ、ゾンビ襲撃のパニックシーンが、「何かのドアップ」がチラチラするばかりで、さっぱりわからん。とか言うのは、ヤボなんですかね(ヤボでも、言ってやる)。しかしまた一方、ゾンビと市民が入り乱れたところに狙撃兵が無差別射撃をするシーン、これはどうなんでしょ。狙撃兵の目から見て、ゾンビか人間かわからない、という混乱は伝わるんだけど、正直、私の目にも、どれがゾンビかイマイチわかりにくい。こうしうシーンの構成って、狙撃兵からの混乱した観点のほかに、ゾンビと人間を区別できる視点、人間が射殺されてしまう悲劇を伝える視点、ってのが、あってよさそうなものなんだけど。物語は、ゾンビ病の再発と、免疫のあるヒトのオハナシ。あまり新味が無い。またそこに、「家族」とか「父との葛藤」みたいな定番のテーマ(であるが故に難しいテーマ)が絡む、らしいのだけど、これまた何とも浅い。オマケみたいなもの。とか、ボロクソなんだけで、でもやっぱり、「大都会を舞台に、よくこんな映画撮ったなあ」という感動については健在、いやむしろパワーアップしており、その点におけるファンタジー性に関する限り、本作も十分に楽しめたなあ。[DVD(字幕)] 6点(2009-12-02 03:35:05)

57.  日本のいちばん長い日(2015) 「日本の」というより、「昭和天皇の」いちばん長い日、といったところでしょうか。 と言っても、昭和天皇のみにスポットを当てる訳でもなく、全体をボヤボヤっと描いて、どうも焦点が定まらない感じ。天皇だって、阿南陸軍大臣だって、みんなひとりの人間として苦悩したんだよ、ってことでしょうか。戦死していった名もなき大勢の人たちだって、そうだろうと思うんですけどね。 宮城事件の描かれるウェイトもあまり大きくない印象で、あっさり終わってしまう。いや、岡本喜八版と本作、どちらの方が実際の事件の雰囲気により近いのかは知りませんけれども、映画のもつ緊迫感、喜八さんの映画とは比べるべくもありません。あの息詰まる焦燥感は、どこへ。 心に残る映画と、残らない映画との、違い。[地上波(邦画)] 5点(2016-11-19 15:35:34)《改行有》

58.  ニッポン無責任野郎 前回の主人公が「タイラ」だったから今回は「ミナモト」だなんて、そんないい加減な、無責任だぞ。いや、無責任なのは作品の趣旨通りでしたね。でもこの続編、特に最初の方では「これは無責任なんじゃなくて、積極的なサギ行為じゃないか」と心配になってくる。いや、これは映画の中なんだから、とアンチモラルを笑い飛ばす無責任な度量こそ、我々に求められるところなんだろうけれど、「心配になる」というのは、主人公の行動そのものより、「これは即席続編の常として、ネタ切れなんじゃないの、脚本が練れてないんじゃないの」という心配。実際、練れてないんじゃないですかね。ところどころスバラシイ迷言で笑わせてくれますけどね。また脚本が練れて無くても相変わらずカメラは踊っていて楽しいですけどね。前作ではもう少し主人公に“挑戦”の姿勢があり、また実際、困難にもぶつかったりしていたのが、今作では、意図も簡単に周囲の人間を手玉にとっちゃう、まるで操り人形。会社をクビになっても「何とかなるさ」と希望を語る訳でもなく、「クビですか、待ってました」みたいな感じ、単なる「ラストのオチに向けた準備」に過ぎない訳で。楽天的なのも、ある一線を越えると、もはや「前向き」とは言えず形骸化、どこか停滞感が出てしまう……。それにしても前作といい今作といい、この主人公をこれだけ見事に堂々と体現する役者は、植木等以外に思いつきませんね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-07 06:52:30)(良:1票)

59.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 広げまくった大風呂敷を一生懸命たたむのが、この「最終章」とやらの宿命なんでしょう、まあとりえず御苦労さまでした。まあ、何となくスッキリしましたよ、とは言っても別に、“ともだち”の正体が判ったからではなく、そんなもん“ともだち”の正体は鬼太郎のオヤジに決まっておろうが、と最初からまるっとお見通しであった訳でして(この言い方で合ってますか?)。このスッキリ感って何だろう、これは作品に対するものではなくて、自分に対するものですね。何というかまるで、以前から大嫌いだったヤツと久しぶりに会話をかわしてみて、意外にも平静な気持ちでいられた、そんな時に感じるような達成感ですね。[地上波(邦画)] 5点(2011-01-08 17:17:51)

60.  2000人の狂人 《ネタバレ》 NHKの朝の番組を見てますと、よく、地方で行われたイベントなどがトピックスで取り上げられてたりしまして、これがまた参加者100人ぐらいのちっこいちっこいイベントだったりするもんだから、「オイオイそんなの全国ネットで紹介するか?」と呆れたり「NHKはどうやってそんなミニ行事のニュースソースを得たのだろう」と驚いたり・・・・・・。でまあ、そんなレベルの地方イベントをそのまま映画にしたような作品、でありまして、実に微笑ましい。田舎町のこじんまりしたイベント、それがこの映画のすべて(いや実際、この映画の中で一番目をひく存在、それは背景に映ってるエキストラのおじさんたち、かもしれない。映画の内容ばかりでなく、映画の撮影自体が田舎町の楽しいイベントの一環になっているように見えてしょうがない)。陽気なカントリー音楽に乗って次々に展開される殺戮の饗宴、って言っても被害者役のヒトがわーわーわめきながらトマトケチャップまみれ(?)になるだけだしなあ。人体損壊は市販品と思しきマネキン人形で見事に表現(独特の硬質感。笑)。恐怖「樽回し」なんて、なかなかのアイデアでちょっと感心しちゃったぞ。と言っても頭使ってるのはココだけ、という話もある。映画の音響効果はメチャクチャ。ハモンドオルガンをベースにしたBGMもまた、いかにもお手軽感あふれておりますが、主人公が脱出を図るあたりからはフルートやクラリネットもアンサンブルに加わり室内楽的な響きも楽しめる(でも安っぽい)。脱出経路に待ち受けるは「底なし沼だっ」(笑)。いいですねえ、底なし沼。恐怖映画の必須アイテムです。そしてこの底なし沼がラストシーンにつながっているのが心憎い。そうそう、ここでも頭使ってたな、このシーンも感心した(笑)。このラストシーンにおける、百年祭実行委員の2人の会話もなかなか秀逸です。 ⇒というわけで5点。「可も無く不可も無く」ではなく、「可だらけ不可だらけ、差し引きで」、という気持ちをこめて。[DVD(字幕)] 5点(2006-12-06 12:18:25)

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