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1. 日本沈没(1973)
《ネタバレ》 ジャンルとしてはSFになるかもしれませんが、この後に2度の大震災を経験しているだけに、単なるフィクションとは思えません。まして竹内均先生まで登場し、教育番組さながらの解説を加えているわけで、そのうち本当に沈むんじゃないかと思うほどリアルでした。
特に私にとってのハイライトは、中盤に丹波哲郎が老人と静かに語り合うシーン。日本人をどこへ逃がすかという話の最後に、老人が「何もせず、列島とともに海に沈んだほうがいいという意見もある」と語ると、丹波哲郎が一言も発さずにポロッと涙を流すんですよね。このシーンはいろいろ予想外で、かなりグッと来ました。
悪く言えば「一億玉砕」の発想ですが、では他国から土地をもらって移住して新日本を建国したり、あるいは世界中に分散したりして救われるかといえば、たぶんそうではない。虐げられたり、排斥されたり、子々孫々はもっと悲惨なことになりかねません。だったらいっそ潔く…、という選択もなくはないかなと。そんなことを考えると、映画の本筋とは離れて背筋が寒くなりました。
なお映画としては一本調子。本当に沈没するだけ。「奇跡の一本松」のような、物理学的または生物学的な〝希望〟も見たかったかなと。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-05-18 03:11:24)(良:2票) 《改行有》
2. ニコライとアレクサンドラ
多くの方がつけているように、まさに「7点」の映画。まずニコライとか、レーニンとか、スターリンとか、トロツキーとか、ラスプーチンとか、かつて教科書で見た通りの風貌で楽しめます。ロシア革命前後に何があったのかを知るにはちょうどいい、内容も教科書的な作品です。
しかしそうであるがゆえに、教科書を読んでいるような退屈感もあります。レーニンが何をして支持を集めたのか、逆にラスプーチンやアレクサンドラが何をして嫌われ者になったのか、もう少し具体的に見たかった気が。それから4姉妹、顔立ちは若干違いますが、個体差はほとんどありません。
とはいえ、特定の人物を露悪的に描かないところは格調の高さを感じます。強いて挙げるなら、大義名分を得た一般大衆はかくも残酷になれるというお話ですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-14 18:27:04)《改行有》
3. 人間の証明
松田に三船に鶴田…。この3人の共演というだけでも観る価値があります。というか、観るべき点はそれぐらいか。大勢のキャストとストーリーをギッシリ詰め込んで、バタバタと駆け足で進行した印象です。その割にファッションショーのシーンがダラダラと長いのは不思議でしたが。ただし、聞きごたえは十分。さすが、大野雄二の音楽はすばらしい。ちなみに私、封切り30年目にして初めて観ました。それもギャオさんで。タダならいいか。[インターネット(字幕)] 5点(2006-07-12 18:09:40)
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