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1. 野火(2014)
私は幸いにして戦場の凄惨さを知りませんが、まあこんな感じだったんだろうなあと思わせてくれる作品でした。しかし、それ以上でも以下でもありません。やたらとグロい描写がありますが、中盤以降は「またか」という感じ。人間の戦場における狂気は恐ろしいですが、平時における「慣れ」も恐ろしいものです。
それと、この作品に限らず、だいたい邦画はセリフがはっきり聞き取れません。小声で早口で話すので、当然でしょう。そのたびに手元のリモコンでボリュームを大幅に上げると、次の瞬間には効果音やBGMが大音量で流れたりして、夜間に茅屋の大画面テレビで見ている身としては気が気ではありません。こういう部分で観客への配慮って、してくれないんですかねぇ。役者の滑舌を基礎から鍛え直すとか、せめて字幕を入れるとか。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-09-18 02:10:01)《改行有》
2. のぼうの城
《ネタバレ》 安いお子様ランチを食わされている感じ。器(役者のネームバリュー)とか盛り付け(CG)だけそれらしく見せているが、中身は甘ったるくて、物足りなくて、現実離れして、ガッカリ。
ただ唯一、いかにも日本的だと思うのは、合理的判断のできないリーダーが必要以上に評価されること。一時の感情で無謀な戦争に突っ走り、膨大な人命と田畑を犠牲にした上、結局は〝虎の子〟の姫まで奪われる。「勝った」と全員が浮かれていましたが、それによって得られたものは何一つありません。むしろ再建コストなどを考えれば、戦前より明らかにマイナスです。本来なら、こういう無能なリーダーこそ全責任を問われて処刑されるべきでしょう。
ところが、「人柄がいい」とか「庶民的」とかいう理由で人気を集め、全員が盲目的に熱狂して追従してしまう。ひとたび方向性が決まると、転がる石のように誰にもブレーキがかけられない。仮に冷静に降伏を提案する者がいれば、〝非国民〟と蔑まれたかもしれません。
それがいかに危険な状態かは、この一件から約350年後、すべての日本人が焼け野原の中で思い知ったはずです。俗に「反戦映画」という言い方がありますが、この映画はかなりの「好戦映画」でした。その意味では、コメディというよりホラーです。[CS・衛星(邦画)] 2点(2017-01-14 14:14:24)(良:3票) 《改行有》
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