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プロフィール |
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894 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 戦闘シーンがほとんどない、極めて限定的な舞台なのに、却って濃密になり、愚かな戦争への皮肉が効いてくる。
ユーゴスラビア崩壊から民族独立運動が始まり、泥沼の内戦に陥るも膠着状態のままモヤモヤに終わったあの感じ。
ボスニアもセルビアもマスコミも国連も、それぞれの思惑が働き、
巨大組織の特性で身動きが取れないまま、後味悪く去っていく。
除去できない地雷を背に動けない兵士を残して。
そしてカメラも彼を見捨てるブラックさが何とも。
今の世界情勢だからこそ、より強烈に響く。
無力な個人が集合しても組織とはかけ離れた大衆でしかない。
そんな大衆を扇動するモンスター組織が暴走すると性質が悪い。[DVD(字幕)] 8点(2017-02-28 23:38:37)(良:2票) 《改行有》
2. ノーカントリー
《ネタバレ》 老人の住む国などない。
どの時代も「昔は良かった」とか「最近の若者は」と嘆いていただろう。
80年代のアメリカですら、常に理不尽な暴力で満ち溢れていた。
アントン・シガーは、まさに己のルールで遂行するアメリカの影の象徴だ。
目的のためなら道行く人ですら銃を向ける死神である以上、
殺害シーンが次第に省略されていき、ある種の諦めを受け入れさせる。
一方、大金をくすねたカウボーイは主人公のように思えるが、
終盤でいきなり死体で再登場する無情さ。
そして理屈を捏ね繰り回すも何も出来ない老保安官。
徹底的に行間で描かれる諦観と閉塞感がアメリカの病理を浮き彫りにさせる。
二度シャツを買うシーンが出てくるが、
もし少年たちが大怪我したシガーからお金を貰わなければ、
ひたすら物質主義に邁進する現在のアメリカに希望はあったのだろうか?
現代アメリカに警鐘を鳴らした本作の教訓が生かされることなく、
『血と暴力の国』は斜陽に突き進む。[映画館(字幕)] 7点(2017-01-31 23:48:24)《改行有》
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