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1. 大いなる幻影(1937)
映画では、男女や友人同士といった人間社会の「感情」を描いたり、自然風景の美しさを描いたりすることはあるが、人間の生き方そのものを「美」として表現しているこの映画はなかなか稀有である。それが少しも浮き上がることなく、色あせた収容所の壁の中で、まさに窓際に咲く一輪の花のように、鮮やかに映えている点は素晴らしい。「貴族社会」というと、「世間知らず」「脱世」というようなイメージが先行してしまうが、そういうところゆえに生ずる美しさ、というものを感じることができた。歴史の授業では、貴族文化は権威を誇示するものという面を強調されて教わってきたが、そんな一面で捉えられるものではなく、世俗を超越した、気品あふれる「花」のような美的感性を無視することはできないと感じた。対照的にジャン・ギャバンの演技は実に世俗的で、この対比がまた人間模様をかもし出していて、実に楽しい。9点(2004-02-24 00:24:49)(良:4票)
2. お葬式
チエホフの「桜の園」をすごく意識して作られたのか、親戚、隣人など、配役とキャラクター設定がとても緻密。セットも伊丹監督の自宅を正面から見据えた舞台として見せるなど、工夫されていて面白い。佐野浅夫、左右田一平、関山耕司、横山道代、藤原鎌足などのたたずまいも、とてもリアルだった。宮本信子だけがウソ臭いのが残念・・・。8点(2004-02-02 20:08:56)
3. オー・ブラザー!
映画に差し込まれる幻想的なシーンと音楽が、ほのぼのとしたトーンの中でアクセントとして映画を引き締めている。ジョージ・クルーニーは若い頃の三船のようだ。残念なのはホリー・ハンターの描き方が薄っぺらで、離婚に至る経緯や、愛情の深さなどを感じ取りずらくなっている。過去に仲がよかったのは子供の多さでわかるくらい(笑)。まあでも今の時代にこういうゆったりとした映画があってもいい。寓話としてよくできていると思った。7点(2004-01-31 15:25:17)
4. 王立宇宙軍 オネアミスの翼
映像だけ見ていて、このストーリーを語るのに最適な描写なのかどうか首をひねるような場面がそこかしこにあり、同好会の実験映画的な要素を感じてしまったため映画に入り込めなかった。森本レオの声もアンマッチだ。キャラクターに魂が感じられない。3点(2003-12-23 16:16:35)
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