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プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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変更日付順12

1.  オフィサー・アンド・スパイ 《ネタバレ》 19世紀フランスで実際に起きた冤罪事件を元に、巨大な権力に立ち向かったあるスパイの闘いをリアルに描いた歴史サスペンス。監督は、数々の賞に輝く名匠ロマン・ポランスキー。さすがベテラン監督だけあって、その円熟味を増した演出はもはや匠の技。非常に複雑でしかも基本地味なお話なのに最後まで観客を惹き付けてやまないストーリーテリングの巧みさは素晴らしいと言うほかありません。DNA鑑定はもちろん、指紋鑑定すらない時代に、ただひたすら破られて捨てられた機密文書を入手し気の遠くなるような手間と労力をかけて再現してゆくところなんて凄いとしか言いようがない。んで、肝心の証拠となるのは、専門家とは言え一人の人間が行う筆跡鑑定のみ……。そりゃ冤罪も生まれますわーー。でも、主人公はただ社会正義の為にそしてかつての教え子の冤罪を晴らすために孤軍奮闘してゆく。保身に走る上層部、主人公を陥れようという同僚たち、そして明らかとなる主人公の不倫スキャンダル……。それらのドラマが後半になるにしたがって加速度的に盛り上がっていくところはもはや圧巻。背景にある、根強いユダヤ人差別の問題にもちゃんと目を向ける監督の目線の鋭さにも感心させられます。そして迎えるほろ苦い結末。歴史の巨大なうねりの中で今はもう忘れられてしまった無名の人々の人生に改めて光を当てるこの物語の深い余韻に、自分はしばらく浸っておりました。最後まで充分見応えのある歴史ドラマの秀作、お薦めです。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-06 09:35:24)

2.  オフィシャル・シークレット 《ネタバレ》 2003年、イラク戦争開戦前夜のイギリス。政府の諜報機関で北京語の専門家として働くキャサリン・ガンは、そんなきな臭い空気に違和感を覚えながらも黙々と働いていた。そんなある日、彼女はアメリカの同じく諜報機関からあるメールを受ける。それは、イラク攻撃の正当な根拠となる国連決議をえるために、小国の代表団を盗聴せよというものだった。しかも場合によっては脅してでも票を獲得せよとも読める内容に、キャサリンは激しく動揺する。「政府は国民を騙してでも戦争をしたがっている」――。深い憤りを感じた彼女は、密かにメールを持ち出し、それをマスコミへと流出させるのだった。だが、それが記事となって世に出ると、キャサリンの想像を超えるような政府による圧力が重くのしかかることに。連日の厳しい聞き込み調査に同僚の解雇をもちらつかせる嫌がらせ……。我慢できなくなった彼女は思わず自分が犯人だと名乗り出るのだったが、国家権力の横暴は予想を遥かに超えるものだった。イラク戦争の裏に隠された不当な国家機密を巡り、人生を翻弄される平凡な女性の運命を描いたポリティカル・サスペンス。人気女優キーラ・ナイトレイがそんな国家権力と戦う女性を熱演しているということで今回鑑賞してみました。監督は、大国の思惑によって振り回される第三世界の真実を常に弱者の視点から見つめるギャビン・フッド。この監督の前作でも見せた、綿密な取材に基づくであろうリアルな演出は今回も健在。こういう権謀術数渦巻く政治劇って、普通は政権中枢の政治家たちを大きくクローズアップするもの。でも、本作では政府機関で働いているもののあくまで何処にでもいる平凡な女性であるこの主人公の目線からのみ描いている。おかげで、ちょっとした正義感から起こした行動のはずなのに、それが原因で人生を破滅させかねない事態に陥る恐怖がひしひしと感じられました。己が利益のためには、無力な一市民など簡単に踏み潰してしまう国家権力の横暴に改めて空恐ろしさを覚えます。また、リークされた情報をすっぱ抜いた新聞社内のドラマも良く描けている。特にメールを勝手に校正して窮地に陥ってしまう女性事務員のエピソードは何とも切ないですね。そして、最後の裁判の結果。こんな不毛な戦争で命を落とした多くのイラク国民やアメリカ兵たちのことを思うと、決して手放しでは喜べない。国家権力がいかに自らの都合のいいように情報を操作しているかがよく分かる、良質の政治サスペンスでした。[DVD(字幕)] 7点(2022-02-24 06:00:31)

3.  オフィーリア 奪われた王国 《ネタバレ》 言わずと知れたシェイクスピアの古典的名作『ハムレット』を、ヒロインであるオフィーリアの視点で描いた宮廷劇。主役であるオフィーリアを今やハリウッドのトップ女優となったデイジー・リドリーが務め、脇を固めるのはベテランのナオミ・ワッツとクライブ・オーウェンということで今回鑑賞してみました。が、正直さっぱり面白くなかったです、これ。とにかく演出がお粗末すぎ!なんとも分かりにくいうえにさして面白くもないストーリー、揃いも揃って魅力に乏しい登場人物たち、シェイクスピアの元ネタを全く活かしきれていない凡庸な台詞回しの数々……。もう最後までずっとあくびが止まらなかったです。いやー、久々にここまでレベルの低い作品に出会ってしまいました。[インターネット(字幕)] 2点(2020-12-18 21:39:09)

4.  お嬢さん(2016) 《ネタバレ》 日本統治下の朝鮮を舞台に、ある貴族の怪しげな豪邸で繰り広げられる三人の男女の駆け引きを退廃的に描いた官能サスペンス。まあやりたいことは分かるし、日本の大正から昭和初期のエロ・グロ・ナンセンス文化を多分に取り入れたデカダンスな世界観はよく出来ていたとは思います。江戸川乱歩や夢野久作チックなこの感じはけっこう嫌いじゃない。ただ、いかんせんお話が方がいまいち面白くないんですよね、これ。無駄に長いうえに、肝心のことの真相も容易に読める代物で僕は途中でダレちゃいました。体当たりで頑張った主演女優二人の濡れ場もなかなかエロかったとは思うのですが、ちょっと下品すぎますね。これくらいなら日本の百合系AVでもっとドエロいシーンがいくらでも観れますし、そもそも僕は映画にそーゆー要素を求めていませんので。なんだか無駄に悶々ムラムラさせられた140分でした。映画が終わってすぐ、そっち系の動画を再生したのは言うまでもありません(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2020-09-11 01:54:34)

5.  オペレーション・フィナーレ 《ネタバレ》 1960年5月11日、その日は多くのユダヤ人にとって忘れられない歓喜の日となった。ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺、その最高責任者として何百万ものユダヤの民を死に追いやった戦犯、アイヒマンが潜伏先のアルゼンチンで拘束されたのだ。事前に情報を入手したイスラエルの諜報機関モサドにより、自宅近くのバス停で拘束された彼は、そのままイスラエルへと密かに移送される。本作は、そんな〝オペレーション・フィナーレ〟と呼ばれた極秘作戦を実話を基に描いた社会派サスペンスだ。姉をナチスによって殺され、戦後はナチ戦犯を追い詰めることに執念を燃やしたイスラエル工作員を演じるのはオスカー・アイザック。そしてヒトラーやゲッペルスと並び世紀の極悪人として名高いアイヒマンを演じるのは、なんと名優ベン・キングズレー。この二人の重厚な演技合戦はなかなかのもので、彼らのお互いの信念に基づいた息詰まるような駆け引きは見応え充分。特に大量のユダヤ人を殺戮しておきながら、自らの家族に対しては深い愛情を示すというアイヒマンの複雑な人物像をリアルに演じたB・キングズレーはさすがの貫禄でした。ただ肝心のお話の方は、確かに頑張ってるのは分かるんですけど、なんだろう、この全体に漂うもうひとつ感は。サスペンス映画のセオリーにかなり忠実に作られてはいるのですが、最後までいまいち緊迫感が盛り上がらないんですよね、残念ながら。それは、これが実話を基にしていて最後は作戦が確実に成功することが分かっているからなのかと言うと、同じく実話を基にしたアカデミー賞受賞の名作『アルゴ』が最後は全員助かることが分かっているのにあれだけサスペンスフルだったことを思うと、やはり違うのかな、と。うーん、明確にここが駄目というのは特にないんですけど、こればっかりはもう理屈じゃないんでしょうね。実話の重みに引っ張られて最後まで興味深く観ることは出来ましたが、そこまで心に残るものはなかったです。同じくアイヒマンを扱った映画としては、『ハンナ・アーレント』と言う秀作があるので興味を持たれた方はそちらも併せて鑑賞することをお勧めいたします。[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-16 00:14:58)

6.  オクジャ/okja 《ネタバレ》 スーパーピッグ――。それはアメリカの大企業ミランド社がチリの農場で偶然発見した新種の豚だ。最小限の食料で何処までも大きく育ち、しかも排泄物は少量、何より「美味しい」その豚は、世界の食糧危機を救う奇跡の豚として世間の注目を集める。将来の安定供給を目指すミランド社は、発見された27頭の子豚を世界各国に配布し、どの国の飼育方法がもっとも優れているかをなんと10年間モニターする計画を立てる。そして、10年後…、ミランド社が世界に配られた27頭のスーパーピッグを調査してみると――。韓国の人里離れた山の中で、小さな女の子ミジャに育てられたオクジャ。丸々と太っただけでなく、豊かな自然の中で伸び伸びと育ったその豚は誰が見ても見事な豚だった。ニューヨークで大々的に発表されることになったオクジャは、ミランド社のトラックに乗せられ、そのまま首都ソウルへと搬送されることに。だが、幼いころから家族同然に暮らしてきたミジャは到底納得いかない。何としてもオクジャを取り戻すため、すぐさまソウルへと向かうミジャ。そこにミランド社を敵視する過激な動物愛護団体も現れ、ソウルは大混乱へと陥ってしまう。果たしてオクジャとミジャは無事に再会を果たすことは出来るのか?韓国映画界を牽引するポン・ジュノ監督が、豪華キャストを揃え、そんな愛くるしい食用豚を巡るバトルをノンストップで描いたエンタメ大作。とにかくこのオクジャと言う巨大豚のフォルムがとても魅力的でした。となりのトトロとクマのプーさんとダンボを足して割ったような愛くるしい見た目でありながら、ちゃんとリアルさも感じられる絶妙な匙加減で大変グッド。そして、この豚と友情を育む女の子もその素朴な見た目とは裏腹に行動力抜群で、こちらも負けず劣らず魅力的。彼女がオクジャのためにソウルの街を疾走する前半部分はテンポも良く、演出もキレッキレで普通に面白かった!トラックの天井に摑まった女の子がトンネルにぶつかりそうになるシーンなんて手に汗握っちゃったし。途中からこのチェイスに参加する動物愛護団体のメンバーもなんだかとぼけた味があり、オクジャを乗せたトラックを運転する若者が変にクールなのも見ていて楽しい。そして舞台がニューヨークに移ってからは一転、一気にシリアスさが増すのも素晴らしい演出でした。何処かアウシュビッツを髣髴とさせる暗い飼育場で、ただ屠殺されるために並ぶ豚たち――。食べられるために生まれてくる命は自然の摂理として正しいのか?激しいカーチェイスやオクジャの愛くるしい造形で前半はたっぷりと楽しませ、後半は他の生物の命を頂いてその生命を維持する人間の業についてちょっぴり考えさせられる、素晴らしいエンタメ作品でありました。[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-26 00:30:46)

7.  オーヴァーロード 《ネタバレ》 1944年、ナチスドイツとの熾烈な戦闘が繰り返されるヨーロッパ戦線。アメリカの若き空挺部隊の兵士たちは、ドイツ軍の猛攻撃を受けながらも輸送機で目的地上空まで辿り着く。パラシュートで何とかフランスの大地へと降り立った彼らは、郊外の小さな村へと到着するのだった。生き残ったのはボイス二等兵をはじめとする4人の兵士たち。教会にナチスが建てたという電波塔を速やかに破壊せよという命令を果たすため、彼らは偶然知り合った村娘の民家を隠れ家にしてそれぞれ任務遂行への道を探る。だが、目的の教会へと忍び込んだボイス二等兵は、そこで驚くべき光景を目にするのだった――。悪魔のようなナチスの科学者たちは、村人たちを材料に恐るべき実験を繰り返していた。なんと彼らは死人たちを蘇らせ、死をも恐れぬ兵士を創り上げようとしていたのだ!圧倒的に困難な状況の中、甦った死人軍団を相手に何とか任務遂行を目指すボイスたちだったが…。対ナチスの戦争ものとゾンビパニックものの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、戦争もののグロにゾンビもののグロを掛け合わせるというアイデアはけっこう新鮮で、このグロの相乗効果はなかなか良い感じでした。全体的に演出のキレも良く、特に冒頭ナチスの猛攻を受けながらのパラシュート降下シーンはかなりの迫力で摑みはばっちり。中盤、主人公がナチスのうじゃうじゃ居る教会内へと忍び込むシーンなども緊迫感があって普通に楽しかったですし。ナチスの人体実験と言うよく考えればけっこう不謹慎な内容ながら、これがなかなかゾンビものとよく合う。粘液質な液体からゾンビがぬるぬる出てきたり、首だけの女性がまだ生きていたりと、その手の映画のツボはちゃんと押さえられていたのもポイント高いです。ただ、さすがに後半脚本に突っ込みどころ満載なのが本作の残念なところ。あの村娘の家に囲われていた叔母ゾンビは、いったい何のために出てきたのでしょう?クライマックスは設定のむりむり加減がたたってだいぶ破綻しかけちゃってます。そもそもこの兵士たちが何のために戦ってるのか観ていていまいち分からなくなってくるので、物語としてのカタルシスがかなり弱い。電波塔破壊かゾンビ殲滅か、焦点をどちらか一本に絞るべきでした。とはいえ、エンタメ映画としてはある一定の水準に達しているので何も考えずに観る分にはぼちぼち楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2020-03-01 00:35:07)

8.  オーシャンズ8 《ネタバレ》 伝説の大泥棒ダニー・オーシャンの妹、デビー・オーシャンとその8人の仲間たちの華麗なる〝大仕事〟を描いたクライム・エンタメ作品。まあいわゆる『オーシャンズ11』の女性版スピンオフ作品なんですが、本家と同様に主演陣が超豪華!サンドラ・ブロックをはじめ、ケイト・ブランシェットやヘレナ・ボナム・カーター、アン・ハサウェイなどといったハリウッドを代表する新旧の超有名女優がキャスティングされ、もうそれだけで華やかで画的には観ていられます。でも、内容の方は正直イマイチ。脚本が充分練られていないため、こういう映画に最も必要なハラハラドキドキ感がまったく足りていません。わりかし簡単に物事がうまくいきすぎちゃうんですよね~。もっと手に汗握るスリルというものを僕は味わいたかったですね。映像はゴージャスで華やかだっただけに残念![DVD(字幕)] 5点(2019-05-25 21:28:17)

9.  女は二度決断する 《ネタバレ》 ドイツのトルコ人街で小さなオフィスを構える夫とともに、ささやかながらも充実した毎日を送っていたカティヤ。もうすぐ7歳になる息子と一緒にこれからもっともっと幸せになるはずだった。そう、あの日を迎えるまでは――。子供を夫のオフィスに預けた直後、道端に仕掛けられた爆弾が爆発し、彼のオフィスが全焼してしまったのだ。急いで駆け付けたカティヤに告げられたのは、とても信じられないような残酷な事実だった。「そんな、私の愛する家族を返して!」。その日から、独りぼっちになってしまったカティヤの苦難の日々が始まる。酒や麻薬に溺れ、絶望に浸るような毎日。ついには自ら死を選ぶほどに追い詰められたカティヤ。だが、そんな彼女の元に一本の電話が入り、犯人と思しき人物が捕まったと知らされる。容疑者は人種差別主義を公然と叫ぶようなネオナチの夫婦。正義と復讐のために裁判を見守ることにしたカティヤだったが、運命は何処までも残酷な事実を彼女に突きつけるのだった…。ある日突然、爆弾テロによって家族を失ってしまった一人の女性の苦難の遍歴を綴った魂の記録。とても重たい物語ではあるのですが、監督の群を抜いたストーリーテリングと細部にまで拘ったであろうディテールの確かさ、深刻なテーマを真正面から見つめた冷徹な姿勢等によって最後まで惹き付けられて観ることが出来ました。何より主人公を演じたダイアン・クルーガーの真に迫った熱演が素晴らしい!ある日突然、大切な家族を失って苦悩する母親を見事に演じ切っていて、まるで鋭い刃で全身を弄られているかのような痛々しさに胸が押し潰されそうでした。そうして始まった裁判シーンも法廷劇として一級の出来で、画面の隅々にまで漲る緊張感は息を呑むほど。自分がしたことなど露ほど悪いと思っていないだろうネオナチ夫婦の不気味さや、職務とは言えまるで被害者が悪いとまで言いかねない言説を繰り返す弁護士の嫌らしさもしっかりと描き切っています。そうして言い渡される判決と、母親が下した二度の決断――。敢えて賛否が分かれるだろうこのラストにした意図は分かるのですが、僕はどちらかというと否の立場ですね。これではやはり憎しみの連鎖に終わりは見えないし、この重たい物語には少しでも希望が欲しかった。それでも敢えてこのラストにするのであれば、最後に僕はもっと主人公と犯人との対話が見たかった。何故ならその対話の中に、この憎しみの連鎖を超えられるような、何らかの思想的希望を僕は少しでも見出したかったから。[DVD(字幕)] 7点(2019-05-04 22:48:06)

10.  オンリー・ザ・ブレイブ 《ネタバレ》 森林消防隊として次々と起こる山火事の消火活動とその訓練に明け暮れる男たちの死闘を実際の事件を基にして描いた災害アクション。男臭い無骨な隊長役をジョシュ・ブローリン、夫を献身的に支える妻役にジェニファー・コネリー、他にもジェフ・ブリッジスといった豪華な面々がキャストを務めております。熱気がこちらにまで迫ってきそうなほどリアルに再現された山火事のシーンなどはなかなか迫力があり、映像面ではけっこう頑張っていたと思います。ただ、いかんせん無駄なシーンが圧倒的に多い!!トータルで130分あるこの映画の中で3分の1はほぼいらんシーンだったと言っても過言ではありません。実話を基にしたという本作、思いっきりネタバレしてしまうと隊長をはじめとする19人の主要メンバーは最後、全員殉職してしまうのですが、監督は恐らくこの重い事実に相当引きずられてしまったのではないでしょうか。彼らの生きた証を少しでも多くの人に伝えたいと思うあまり本来ならカットすべきシーンもなかなか切れず、結果としてだいぶ間延びしたストーリーになってしまってます。隊員たちの休日のバーベキューシーンやバーでのだらだらしたシーンを延々見せられても、正直興味ありませんって!クライマックス、ようやく山火事のシーンが始まってこれから盛り上がるぞってなったのに、そこは意外にあっさりと終わらせるのもいかがなものか。誤解を恐れずに言えば、いくら重い事実を基にしているからと言ってもこれは映画です。物語としての面白さを二の次にするのは違うと思います。人の心に届いてこそだし、そのためにはいらないシーンはバッサリ切る覚悟も多少の事実の誇張も必要でしょう。それでこそ、死んでいった彼らも浮かばれると思うのですが…。誰にも知られることなく、常に死と隣り合わせの困難な仕事に従事している彼らのような人たちの思いは充分伝わりましたが、残念ながら映画としてはいまいちだったと言わざるを得ない作品でありました。[DVD(字幕)] 5点(2019-04-06 23:15:26)

11.  オリエント急行殺人事件(2017) 《ネタバレ》 アガサ・クリスティーの古典的な推理小説を豪華な俳優陣を配して再映画化。原作は読んだことなかったので、まっさらの状態で今回鑑賞してみました。それが良かったのか、反則すれすれの真相も含め、僕はけっこう楽しめました。基本は密室劇なので、実力派の役者陣の織りなす演技合戦は普通に見応えあり。まぁ古典なので新しさは一切ありませんが、こうゆう安定感もたまにはいいかもです。[DVD(字幕)] 6点(2019-03-29 22:47:08)

12.  オレの獲物はビンラディン 《ネタバレ》 「ビンラディンを捕まえ、法の裁きを受けさせることが出来るのはお前だけだ!」という、突然の神の啓示を受けた糖尿病を患う中年男ゲイリー・フォークナー。主治医の先生を騙して資金を調達し、ヨットやパラグライダーという移動手段を手に入れ、そして通販で一本の日本刀を入手するとゲイリーは綿密?な計画を練ることに。様々な紆余曲折の末になんとかパキスタンまで向かった彼は、まるで憑りつかれたように山岳地帯の何処かに潜伏中だというビン・ラディンを捜しはじめる。当然、彼の友人たちや恋人はなにかと振り回され、現地で職務を遂行中のCIA職員にまで影響を与えるようになる。一方何も知らない現地のパキスタン人は、突然現れた日本刀を振り回す白人男を面白がり、ゲイリーは一躍有名人へとなってゆく…。そんな実在するイカレタおやじのイカレタ旅路をスラップスティックに描いたブラックコメディ。うーん、正直いまいち笑えなかったですね、これ。大して面白くもない小ネタをひたすら垂れ流してるだけで、ストーリーが一向に進んでいかないのが致命傷。だいたいパキスタンまで到着するのが遅すぎて、途中のダレ具合が半端ないっす。また登場人物が物語の中で誰一人として動き出さないのもいただけない。主人公はもちろん、彼の恋人の娘である脳性まひの女の子なんて、いくらでも面白くなりそうな素材なのに全く活かされていません。実話とは言え、いかに映画として面白く魅せるかがスタッフたちの腕の見せ所なのに、いったい何をやっていたのでしょうか。途中で何度も睡魔に襲われながらなんとか最後まで観ましたが、得られたものは何もなかったです。イカレタおやじを嬉々として演じていたニコラス・ケイジの嵌まりっぷりに+1点![DVD(字幕)] 4点(2018-12-03 22:25:56)

13.  オートマタ 《ネタバレ》 ロボット・プロトコル第1「生物への危害を禁ず」第2「自他の改造を禁ず」――。2044年、太陽熱の異常な高温化により、地表の大半が砂漠と化した未来社会。激減した人類は、オートマタと呼ばれる原始的なロボットを頼りに細々とその営みを続けていた。環境汚染対策、治安維持、老人介護やペットの世話、果ては売春と社会の隅々にまで浸透したそんなロボットたちは全て、二つの安全規格(プロトコル)によって制御されている。オートマタの製造・販売、開発やメンテナンスまで一手に引き受けるのは巨大企業ROC社だ。その保険部門で働くジャック・ヴォーカンは、ある日、信じられないような報告を受ける。とあるオートマタが、なんと自分の身体を修理・改造していたというのだ。「第2プロトコルが破られた」。ジャックはすぐさま調査に乗り出すのだったが、そこには人類の存亡を巡る陰謀が待ち構えていたのだった……。荒廃した未来社会を舞台に、ロボットの機密を巡る陰謀に巻き込まれた男の運命をスタイリッシュに描いたSFサスペンス。冒頭から強調されるいかにもブレードランナーを意識した――というかもろパクリな未来社会に苦笑しつつも、この陰鬱でダークな世界観はなかなか好みなのでけっこう期待して鑑賞してみました。なんですけど、うーん、僕はものの見事に嵌まらなかったですね、これ。やりたいことは分かるのだけど、なんか全体的に空回っているような気がするのは僕だけでしょーか?いつか海に行きたいと願う主人公も悪役となる企業の重役もプロトコルを破った黒幕も、結局何がしたかったのか最後まで観てもいまいちよく分からなかったんですけど。なので、クライマックスの銃撃戦もまあ気持ちが乗らない乗らない(笑)。こういうのがやりたいという監督の思いが先走った結果、脚本がおろそかになっちゃった典型的なパターンじゃないでしょうか。期待してた分、色々と残念なSF作品でございました。4点。[DVD(字幕)] 4点(2017-05-03 00:12:02)

14.  黄金のアデーレ 名画の帰還 《ネタバレ》 1998年、ロサンゼルス。長年この地で小さなお店を営んできた平凡な老婦人マリア・アルトマンが、オーストリアという国を相手にある訴えを起こす。それはこの国で長い間国宝として大事にされてきたクリムトの名画『黄金のアデーレ』が第二次大戦中ナチスによって不当に奪取されたもので、本当の所有者である自分に速やかに返還すべきだというもの。まだ駆け出しの弁護士を専属で雇い、巨大な国家権力を相手に無謀ともいえるそんな戦いを挑んだマリア。それでも彼女には決して負けられない理由があった――。幼い時に亡くなった彼女の叔母アデーレこそがその名画のモデルだったからだ。つらい過去を忘れるためにずっと足を踏み入れたことのなかった祖国の地にまで足を運び、マリアは煩雑な手続きの壁に立ち向かってゆく。同時に、それはナチスに蹂躙された彼女の激動の半生をも甦らせてゆくのだった……。世界的な名画の裏に隠された、時代の荒波に翻弄され続けたとある女性の真実を描いた大河ドラマ。興味深い題材ではあるし、主役である老婦人を気品豊かに演じたヘレン・ミレンの魅力も相俟って、なかなか堅実に創られた歴史ものとして最後まで面白く観ることが出来ました。時代考証もしっかりしていたし、ドラマとして過不足なく演出出来ていたと思います。なのだけど、正直に自分の感想を述べさせてもらえれば、「何かが足りない」。全てに対して何処か踏み込みが甘いような気がしてしまうのです。クリムトの名画に隠された真実、国家権力に戦いを挑んだ市井の一市民、ナチスに蹂躙された家族の物語と、どの題材も魅力的であるのにそのどれに対しても表面的なアプローチしかなされていない。なので、本作は結果的に薄味な印象を観客に与えてしまう。題材が良いだけに、「惜しい」と言わざるを得ません。監督には、破綻を恐れずもっと踏み込んだアプローチをしてほしかった。そうすれば、より多くの観客の心に残る「名画」となれたであろうに。[DVD(字幕)] 6点(2016-12-23 22:30:53)

15.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 面白いとは思うけど、自分はそこまで嵌まらなかったっす![DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 22:17:51)

16.  おみおくりの作法 《ネタバレ》 彼の名は、ジョン・メイ。22年間、ケニントン地区の民生委員を勤めてきた真面目な男だ。その仕事は、管轄区域内で孤独死した身寄りのない人々の事後処理をすること。部屋に遺された僅かばかりの遺品を手掛かりに、身内が発見されれば速やかに連絡を取り、発見されなければしめやかに葬儀を執り行う。だが、多くの場合、彼らの身内が発見されることはなく、発見されたとしてもあからさまな拒否反応を示される。ジョン・メイは、誰からも気にされることもなく孤独に葬られていったそんな人々を見送っては哀しみを深めていくのだった――。40代も半ばに差し掛かった彼自身もまた、ずっと独りきりで生きてきた孤独な男。ただただ与えられた仕事をこなし、日々独りぼっちで食事をしてきた彼にある日、人生の転機が訪れる。それは、市の財政悪化に伴う突然の解雇通告。戸惑いながらも現実を受け入れた彼は、最後に廻ってきた仕事だけは責任をもって終わらせようと決意する。その仕事とは彼の自宅前のアパートで孤独死した独居老人、ビリーの〝おみおくり〟だった。一度も会ったこともないビリーという名の老人の経歴を探ってゆくうちに、そんな酒浸りで孤独に死んでいった彼にもちゃんと一人の人間としての過去があることが分かってゆく……。一度も会ったこともない人々をただ淡々と見送ってきた孤独な男を通して、人として誰もが避けては通れない生と死のドラマを静かに見つめたヒューマン・ドラマ。全編に流れるこの静謐な空気は確かに素晴らしいとは思うのですが、あまりにも淡々としすぎていて正直、僕にはちょっと合わなかったです。というのもこの主人公であるジョン・メイという人に、僕は全く共感できなかったんですよね。映画を観ている間、この人、いったい何が楽しくて生きてるんだろうって思って…。だって酒や女はもちろん、趣味らしきものも全くないんですもん。たとえば、夜な夜な熱帯魚を愛でるとか誰にも読まれることもない小説を書いているだとか、極端な話、覗き見を趣味にしてるだとか、そんな人間的な側面があったればこそ感情移入できるのに、それが彼にはいっさいないんですよ。まるでロボットみたい。なんだかいかにも作為的に作られたキャラクターのような気がして僕はちょっと感情移入できませんでした。でも、意表を突くあのラストシーンだけはけっこう良かった!そう来るか~って感じで。そこはちょっとジーンと来ちゃいました。という訳で、+1点。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 20:11:26)

17.  オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 《ネタバレ》 それはたった一度の過ちだった――。イギリス、ロンドン。愛する妻と2人の息子に恵まれ、仕事でもビッグプロジェクトを任されるなど、順風満帆の生活を送っていた建築技師、アイヴァン・ロック。だが、彼はその夜、そんな愛する家族が待つ家へと向かう道を逸れ、高速道路へとハンドルを切るのだった。目的は、一つ。それは7ヶ月前にたった一度だけ関係を持ってしまった女性の突然の出産に立ち会うため。孤独に道を走らせるアイヴァンに、当然家族から何度も電話が掛かってくる。さらに間の悪いことに、明日はヨーロッパで最大規模を誇る高層ビルの大事な基礎工事立会いの日だった。総責任者である彼がいなければ工事は始められない。このまま車を走らせれば、会社は首。だが、アイヴァンは男のけじめをつけるため、たった一人で夜の高速道路をひた走るのだった……。都会の片隅で、たった一度の過ちから人生の危機を迎えてしまったある一人の男のドラマを、高速道路を走らせる彼の車の中のみで描いたヒューマン・ドラマ。映画が始まって86分、登場人物はトム・ハーディ演じるこの一人の男しか出てこず、彼にかかってくる色んな人々との会話のみでドラマを展開してゆくというなかなか挑戦的な作品だった。なのに、最後まで観客の興味をぐいぐい惹き込むこの監督の手腕は大したものだ。彼に電話をかけてくる人々も誰もがちゃんとキャラ立ちし、今何処で何をしているのかが容易に映像として浮かんでくる。トム・ハーディの相当に役作りしているだろう一人芝居も充分に見応えがあった。そして、何より映像が美しい。夜の高速道路、窓のフレームに写り込む色とりどりの幾つもの灯りがとても綺麗で、この孤独な男の心情を色濃く表している。小品ながら、なかなか見応えのあるドラマだった。ただ、お話としてはありきたりなもので少々物足りなさを覚えたのが僕としてはちょっと残念だった。6点と言ったところか。[DVD(字幕)] 6点(2016-04-15 21:34:46)(良:1票)

18.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 すいません、正直に言わせてください。びっくりするくらいつまらなかったです、これ。何が駄目かって、「登場人物がそろいもそろってほとんど魅力がない」、これに尽きる。特に主人公アンナが自己憐憫にまみれた非常にネガティヴな性格で、観客からしてみればはっきり言ってどうでもいいつまらないこと(継母が自分を育てるために行政からお金を貰ってたなんて極めて普通のことじゃないですか!)でウジウジクヨクヨ悩んでいるものだから、観ていてとても苛々させられます。別にいいんですよ、主人公がそんな性格であっても。でもね、物語として多くの人の心を捉えたいのであればそれなりの演出ってものが必要になると自分は思うのです。本作においてその役割を担うのはやはりマーニーでしょう。主人公に魅力がないのであれば、もっとこのキャラクターの個性でもって観客の心を摑むべきだったのに、彼女もまあステレオタイプのいかにもな不思議系お嬢様キャラで魅力なんて欠片もありません。そうかと思えば、主人公アンナが迷い込むことになる夢幻の世界がいかにもジブリアニメらしいファンタジックなものだったかというと、それもない。もしこれが宮崎駿監督や高畑勲監督の作品なら、アニメという表現を最大限活かして、そんな日常の裏側に潜むもう一つの世界をいかにも彼ららしい夢溢れるファンタジーとして描いただろうに、本作の凡庸ぶりは監督の才能の差なのか。それとも旧世代からの脱却を図ろうとして見事に失敗したパターンか。どちらにしろ、最後まで大して面白くもない陰気なお話が延々と続く退屈極まりない作品でありました。ただ、一点、僕の印象に残ったのは、主人公アンナとマーニーとのなんだか百合っぽい怪しい関係性。もっとこの部分を活かして、思春期少女の今にも壊れてしまいそうな危うげな世界をもっとダークにもっと濃密にそして淫靡に描き出していればもっと見られた作品になったかも知れないが、ジブリならそれも無理か。二大巨匠が一線を退いてしまったいま、曲がり角を迎えつつあるスタジオ・ジブリを象徴するような作品でありました。[DVD(字幕)] 4点(2016-01-06 23:46:13)

19.  オールド・ボーイ(2013) 《ネタバレ》 「視聴者の皆様、こんにちわ。20年も続く長寿番組『犯罪ミステリー』のお時間です。今夜は特に記憶に残る謎を振り返ってみましょう。それは“ドナ・ホーソン殺人事件”です。彼女は20年も昔にレイプされ残虐な方法で殺されました。容疑者は元夫であるジョーという男。だが、このジョーはもう20年も失踪したまま、その生死すら不明。夫婦の遺された娘であるミアは、いまや美しい女性へと成長しました。今日は、そんな彼女をゲストに迎え、事件のことや失踪した父親への想いを語ってもらいましょう」――。妻と離婚し、3歳になる娘ミアとも離れて暮らす営業マン、ジョーは毎日のように酒に溺れてはトラブルばかり引き起こす困った男。仕事で重大なミスを犯してしまった彼は、今日も深酒して路上で飲んだくれていた。だが、酷い二日酔いで目を覚ましてみると、彼は見知らぬモーテルの一室に閉じ込められていたのだった。出口はどこにもない。小さな窓から夜毎差し出される食事とウィスキー。唯一の娯楽であるテレビからは、なんと自分が妻殺しの容疑者として追われていることを告げられるのだった。そして……、ジョーは恐るべきことにその日から20年もの長きにわたって監禁されるのだった。変わりゆく世界、成長する娘。やがて、彼は何の前触れもなく解放されて……。日本の漫画を原作に、韓国で映画化されたそんなミステリアスな作品を、スパイク・リー監督が豪華な役者陣を揃えてリメイクしたサスペンス・スリラー。原作の漫画も韓国の映画もいっさい知らず、何も予備知識もないままにこの度鑑賞してみました。それが良かったのか、冒頭から観客にほとんど考える隙を与えずに小気味よく展開されるその不穏なストーリーに一気に惹き込まれ、主人公ジョーが解放されてからも全く謎が明らかにされず、さらにはこのジョーがもう無茶苦茶に暴走していく展開に僕のテンションは上がりっぱなしでした。うん、こりゃ面白いっすわ~。サミュエル・L・ジャクソン演じる看守の相変わらずの怪演振りも良い感じだし、ヒロインの女の子も可愛かったしね。ただ中盤、ジョーが監禁施設に乗り込んでいくシーンでは、さすがに漫画が原作になったからなのかちょっと荒唐無稽にし過ぎちゃった感があって僕はそこからちょっとノレませんでした。いやいやさすがに1人対100人でばったばったと敵を倒していくとかあり得ないっしょ。てか、敵の皆さんも拳銃くらい用意しとこうよ(笑)。う~ん、個人的にはもうちょっとリアルに描いて欲しかったかなぁ。それに最後に明らかになる真相もちょっと無理が有り過ぎる気が……。とはいえ、元になった韓国映画を知らないので比較は出来ないのですが、この個性豊かな登場人物たちやぐいぐい観客を惹き込むストーリー展開、全編を支配する不穏な雰囲気等々、僕はなかなか楽しめました。うん、7点![DVD(字幕)] 7点(2015-05-03 18:04:15)(良:1票)

20.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 謎の地球外生命体“ギタイ”の襲撃により、突如として滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。入隊したばかりのケイジ二等兵は、上司の命令により、いきなり戦いの最前線へと送り込まれてしまう。戦場など初めての彼は当然、そんな凶悪な敵にあっという間に殺されてしまうのだった――。だが、次の瞬間、ケイジはその前日の朝へと舞い戻ってしまう。「これはいったいどういう事だ?」と当然のように戸惑うケイジ。そこから、同じ時間が延々と繰り返される地獄のような無限ループの日々が始まるのだった……。日本のライトノベルが原作ということで、そんないかにもな内容に、子供のころから「スーパーマリオ」や「悪魔城ドラキュラ」、最近だと「ダークソウル」系のいわゆる死にゲー、そんなアクションゲームにがっつり嵌ってきた僕としては、その死んだら最初からやり直し、もっと長く生き残りたかったらここでジャンプしてこの敵をかわしタイミングよくこのアイテムを使って…みたいな内容に否が応にもテンション上がっちゃいました。うん、やった、やった、こういうこと(笑)。超受身のヘタレ男だった主人公が、超活発で強いヒロインの女の子の強引な導きにより強くなって、いつしか立場が逆転してツンデレ状態に…な~んて、いかにも日本の男子中高生が好きそうなライトノベル的ストーリーがアメリカで、しかもトム・クルーズ主演で製作されたってのもなかなか感慨深いものがあります。ただ…、本作はそーゆーライトノベル、もしくは死にゲー的な内容のなさが最後まで付き纏うのが賛否が分かれるところかな。これで、ストーリーや映像に革新的なものがあれば傑作にもなりえただろうに、残念ながら本作は「プライベートライアン」や「スターシップ・トゥルーパーズ」「マトリックス」という有名映画の良いとこ取りをしているだけでそんな傑出した部分がほとんどありませんでした。という訳で、確かに娯楽映画としてはぼちぼち楽しめましたけど、僕の中では「宇宙戦争」や「オブリビオン」と言ったトム・クルーズ主演の過去のSF娯楽映画の一つとして一纏めにくくられそうな、そこそこレベルの作品でございました。でも、お酒のおともに最適ではあるよん。[DVD(字幕)] 6点(2015-04-26 11:31:58)

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