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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  パットン大戦車軍団 あれ、今まで何度か観たヤツでは、冒頭の演説シーンがラストにもあったと思ったけど(ただし冒頭よりもやや口調が柔らかい)、今回観たヤツではパットンがどこか遠くへと立ち去って終わっちゃった。ちょっとカッコつけ過ぎじゃあないですかね。この映画、頭悪そうな邦題がついていますけど(笑)、戦争映画というより伝記映画。ドイツとの戦争が終結してなお、映画が続き、むしろその後日談においてパットンの本領発揮みたいなところがあるのが面白い(何だか今回観たヤツは、“戦後”の部分が物足りなく感じちゃう)。このユニークな脚本を書いた人ってのが、映画監督のコッポラって人らしい、と言う訳で、私は子供の頃、コッポラってのは何だかとってもエライ万能人であるかのように思ってました。今ではどっちかというと、本作の脚本がとりわけ優れている訳ではないような気もしてますが。エピソードの羅列になっちゃってる感じ(そこがコッポラらしいのかも?)。敵の爆撃機に拳銃で応戦しようとするとか、アフリカで自分の前世を暗示する場面とか、兵士殴打事件とか、色々エピソードを盛り込む割にはそれが単発で、彼の変人ぶりを描くことに関してはやや未消化な感じも。一方で、戦闘シーンのスペクタクルばかりに頼ることなく、パットンの足跡を追うことに専念しつつ(「歓迎パレード」のシーンであったり、背景を変えながらひたすら続く「行軍」のシーンであったり)、その中で、パットンの変わっていく面と変わらない面を描いて行くのは、やっぱり上手いと思います。最初の方では「こんな頑固親父、皆に嫌われて、生きてて楽しいのかね」と思われるパットンが、だんだん愛すべきキャラに思えてくる。ジョージ・C・スコットの一直線ぶりがいい(そして脇にひかえるカール・マルデンのデカ鼻もいい)。パットンが、行軍の邪魔になるロバだかラバだかを容赦なく射殺する前半と、活き活きとした表情で楽しそうに行軍の交通整理をする後半。うーむ。何だか星野監督の中日時代と阪神時代みたいではないですか(……この喩えはイマイチでしたね、すみません)。歴戦の中で角がとれて丸くなったようなパットンだけど、反骨精神は最後まで貫いて見せる。あのペットの犬もイイですね、どこからあんな犬見つけてきたんですかね。「魅力ある主人公」映画部門、第1位に推薦いたします。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-15 08:23:53)

22.  バットマン(1989) ティム・バートンが製作にも関わって歯止めが効かなくなった第2作よりも、ある程度制御された(ようには見えないけど。笑)この第1作の方が、やはり楽しめます。大の大人たちが、コスプレしてメークして、変なマシンが続々登場して、ヒーローごっこに興じて、と言う訳で本作は、お祭り映画ですね(第2作はもはや“奇祭”という感じ)。それにしてもジャック・ニコルソン、どんなにメークしてもやっぱりニコルソン顔なのが、ある意味スゴイと思います。このヒト、指名手配されたら、絶対逃げ切れないと思う。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-04 09:55:51)

23.  パーフェクト・ワールド ラスト近くにハロウィンネタを持ってきたところが憎い。じゃなくてもう、ズルい。くそーそうきたか、中盤の展開を、最後にそう持ってくるか。そんなの感動せずにはおれないではないか。ズル過ぎ、ヒキョーだぞ。ウチの幼稚園の娘は最後の30分くらいしか観てないのに、泣いてるしなあ。父ちゃん、もうワケわからん。ケヴィン・コスナー演じる男、それなりにイイ奴ではあるけれど、所詮は殺人者。いや、脚本家の立場からすりゃ、彼に殺人を犯させず、もっと好人物に描くことの方が簡単なワケだけど、敢えて殺人者として描く。なぜならその事は、少年と彼との友情の障害とはならないから。友情は善悪を超える、という信念が、ここにある。“完全な世界”とは、“完全な人間だけが住む世界”のことではなくて、むしろ“あらゆる人間が存在しうる世界”。その不完全な人間たちが互いに補い合って、“完全な世界”が形作られる。うーん、何だか、ハメられたような感動なのだけど、悪い気はしないね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-28 22:45:54)

24.  ハンター(1980) これも、私が子供の頃から、だーい好きな映画の1本。改めて観てみても、メッキが剥げるどころか、ますます面白さに引かれてしまう、まさにアバタもエクボとはこのことですね(笑)。車をゴチゴチぶつけて登場する、主人公の賞金稼ぎ。まずは黒人の少年をひっ捕らえ、さらにもう一軒ハシゴ、とばかり次のターゲットの住処を襲撃→室内には列車の模型が走ってる→突然登場するは(模型からは想像もしなかった)大男→大立ち回りの末、見事に捕らえる→先の少年とのバランスが悪く、車が傾いてる。ぶはははは。ああ、面白い。え?何が面白いか、ワカランって?いやあ、このナンセンスさがタマランのです。バクダン兄弟との死闘(?)もサイコー。追いつ追われつの末、畑に描かれる、ミステリーサークルもどき。バカバカしくって面白く、それでいてストーリーは、シリアスさとテンションを増し、興奮を盛り上げていく。立体駐車場のカーチェイス! 追う車と追われる車の関係が、駐車場の「上下」で描写されるなんて、面白すぎるぞ。次第に“命がけ指数”を高めた物語は、ついに、主人公が狙われる立場となる、危険な展開へ。単に賞金稼ぎのエピソードを寄せ集めただけでなく、しっかりと大きなクライマックスへと向かう、脚本の巧みさ(へー、ハイアムズだったのか。自作でこのくらい面白い脚本が書ければ・・・)。なんとなく、あちこちでダーティハリーの二番煎じっぽいところもあるのですが(バスの上ならぬ地下鉄の上に載ったり、サイコ野郎が登場したり)、晩年のマックィーンがユーモラスに演じたこの主人公の魅力は、間違いなく独特のもの。忘れられない映画です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-03-23 15:27:23)(良:1票)

25.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 娯楽にトコトン徹したこの映画、最大の強みって、「毎回、期待しないで観て、毎回、違う場面で笑ってしまう」という点、ですかね。中身が無いという点では中身スッカラカンとも言えますが(←そのまんまやんけ)、娯楽性の詰め込み具合に関して(のみ)言えばとても濃い内容、PART2、3へとどこまでもおバカに発展するネタの原型が、この1作目の中にすべて存在しているとも言えそう。ところで、久しぶりに観て苦笑してしまった点は、「ああ、そういやマーティって、きょうだいがいたんだっけ」。確かに本作では兄姉の写った写真が重要なアイテム、彼らのことを忘れちゃいけないんだけど・・・PART2,3から受ける印象では、マーティが一人っ子としか思えなくなるのよね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-03-02 18:39:01)

26.  バルカン超特急(1938) 《ネタバレ》 おバカなやり取りあり、ミステリあり、マジックあり、恋あり、アクションあり、という実に贅沢な(個人的に)、いくらホメてもホメ足りない映画。前半のホテルでの、出来そこないの喜劇みたいなグダグダ~ッとした感じが、もータマリマセン、完全にツボ。邦題が『バルカン超特急』っつうんだから、どうせこの後舞台は列車に移るんだろうけど、もうこのまま列車なんかのらずにグダグダ続けてくれればいいのに、と思う。しかしそんなワガママは通用するはずもなく、グダグダな人たちを乗せて列車は発進。しかし当然ながら、ここがらがさらに面白い(それまで一体ワシャ何に喜んでいたのやら)。列車という密閉空間で、忽然と消失したフロイとい女性。主人公はフロイを探し求めるが、ナゼか他の乗客たちはフロイの存在自体を認めない。このあたりの謎の提出の仕方が、ミステリとして第一級のワクワク感。窓ガラスに現れる「フロイ」の文字にゾクゾク。しかも主人公が気付く直前のシーンで、ちゃんとこの文字を何気なく(本当に何気なく、気付かないように)我々に見せてくれるのが心憎い。ところで、この文字、もっと前のシーンでフロイ夫人自身が指で書いたものだけど(この伏線の張り方がグー!)、オヤオヤ、さっきのシーンとちょっと筆跡が違うんでないかい?と細かいツッコミも入れておこう。そして謎は突然、全貌を現し、ストーリーは一気にテンポアップ、後半の銃撃戦へ! またこの銃撃戦が、どうしてなかなか、いやワタシ、こういうの好きだなア。と言うわけで、大方予想通りのオチまで含めて、大満足のオモシロ映画でした(・・・個人的に)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-29 22:31:46)(良:1票)

27.  パピヨン(1973) そりゃまあ、マックィーンが男前だとは言いませんけどね、かのヒーローがどうしてこの役にここまでフィットしてしまうのか(こりゃまるで、サルが人間にとっつかまって虐められる『逆・猿の惑星』by フランクリン・J・シャフナー、ですね)。見事なハマリっぷりに、観た後でふと一抹の寂しさすら感じないでもなく。一方、ダスティン・ホフマンはと言うと、いつになく役作りを放棄、地で演じてます(そんなワケないか)。この役は彼以外の役者が演じたら絶対イヤミになる。彼のスゴさは、演技力云々よりも、‘どんな「共演」もこなしてしまう’ところ、ですかね。それにしても、観てて切なくなる映画でありました。実録っぽさと、幻想味が、奇跡のように両立しております。残酷なまでに青い空、そして海・・・はあ~(溜息)。ゴールドスミスの音楽、甘いメロディも提供しておりましたが、エンドタイトルに硬派な音楽をぶつけてきたのが、映画をぐっと引き締めており(廃虚の映像に実にマッチしてる)、たまらない余韻を残します。必聴です。彼ほど、無調でありながら親しみ易い音楽を書いて来た作曲家もザラにはいないのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-04-09 11:08:30)(良:2票)

28.  バウンド(1996) こけ脅しみたいな何ともワカリやすい演出がテンコもり(特にカメラ)、ストーリーも先が読めないようでいてどこか懐かしいテイストもある、観てて何だかうれしくなってくる作品。とにかく活きのいい映画ですなあ。『レザボア・ドッグス』とはまたひと味違った、密室劇風バイオレンス映画。おもろいよ。9点(2003-08-10 22:15:09)

29.  バニシングIN TURBO かのロン・ハワードを育てたのは実はロジャー・コーマンであったことを端的に示すケッ作(ほんまか?)。富豪の娘とロールスロイスで駆落ちしたロン・ハワード。懸賞金目当てに彼等を捕まえようとする人々が、次々車をかっぱらって、またそれを追いかける人が現れて、と、話は無限に膨らんでいく、まあそういった感じのお話。全編カーチェイスのみ。いくら何でもこれは面白すぎる。ところで!この映画の編集は、何と、これもやはりコーマン門下のジョー・ダンテ!(まだ「ピラニア」を撮る前でしょう)9点(2003-05-10 00:06:11)

30.  花嫁の父 《ネタバレ》 娘を嫁に送り出す父の姿。と言っても小津作品とは違い、ややコミカルにデフォルメされて描かれてますが、さだまさしの「親父の一番長い日」ほど極端ではありません。 ところどころでクスリと失笑まじりの笑いを引きおこす親父の姿、しかしあの悪夢にうなされる場面なんてのは、笑えるシーンではあるのですが、なかなかの恐怖も味わわせてくれます。かなり、コワいです。 やがて結婚式となり、人々が集まってきて、群衆シーンと言う程では無いにしても、画面に動きが出てくる。で、式が終わってみんないなくなり、しみじみ。 ってのは、いつの時代もどこの国でも、同じなんですねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-24 06:43:31)《改行有》

31.  パラサイト 《ネタバレ》 要するにこの映画が何を言っているかというと、生徒から見たら学校の先生ってのはホント、得体の知れない人たちだ、ということでして。何せ学校の先生ってのは、いつ何をキッカケに怒り出すやら、訳がわからんもんね。どうやら先生たちのみに通じる価値観みたいなものがあるらしい。いやあくまで「生徒から見たら」、って事ですけれども。 特に体育教師ってのは、得体が知れない。ましてやその教師がターミネーターそっくりだったりなんかしたら、もう。。。 不良生徒からすれば、先生たちは勿論の事、他の生徒たちだって充分、得体が知れない。信用できるのは、一緒にヤクをやる、仲間だけ。この映画、そういうオハナシ。 しかしさらに映画の先を見ていくと、一緒にヤクをやってる連中だって結局、信用できないことがわかってくる。よくできたオハナシです。いや、映画の製作者にそういう意図があったかどうかは知りませんが、よくできた映画は結果的によくできたオハナシになる、ということですね。 走って逃げろと教師に言われたイライジャ・ウッドは、クライマックスにおいて走って逃げることになる。「攻撃は最大の防御」か、それとも「防御は最大の攻撃」か。 『スクリーム』みたいな一種のパロディというか(同じ脚本家ですしね)、作品自身のジャンルに対する自己言及が取り入れられていて、「盗まれた町」が再三、言及されるのですが、登場人物たちは『遊星からの物体X』のことをもっと気にしなくてよいのだろうか?と心配になってくる。案の定、クライマックスには『物体X』的な危機が待ち受けるのですが、ああいうハリボテではなく、ちゃんと動くヤツが襲ってくるのが嬉しいではありませんか。クライマックスにおけるプールを舞台とした一連のシーンは、出色だと思います。この作品、前回観たのはずいぶん前ですが、このシーンは強く印象に残ってて、また嬉しくなっちゃいました。[インターネット(字幕)] 8点(2023-03-19 17:30:32)《改行有》

32.  パリは燃えているか 乱暴な感想ですが、こういう映画、やっぱりこの「約3時間」という長さが、いいなあ、と思っちゃいます。描いても描いても描き切れない、という、この長さ。 で、また、この「市街戦」というやつに、惹かれてしまう。日常であるはずの街の風景が、戦場と化す。大規模な破壊シーンなどは出てきませんけど、パリでのロケ撮影をこれだけやったのだから、やっぱり大したもの。かつて戦場となったこの街、あわや灰燼となり果てかねなかったこの街で、その戦いを描いて見せる。街の歴史、歴史を抱えた街。その歴史があってこそ、今の街がある。 不足を言えばキリがないだろうけれど、充分に堪能させられる、約3時間でした。 とは言えやっぱり、セリフは各国語でやって欲しかったなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-29 20:40:04)《改行有》

33.  パージ:大統領令 これまでの2作では、この「パージ」というシステムがすでに存在することが前提だったけど、この第3作では大統領選を絡めて、「そのシステムを我々は選択するのか否か」ということを問いかけています。全米ライフル協会についての言及、現体制を支持する宗教団体、対抗する女性候補・・・いかにも共和党vs民主党の構図です。勿論、積極的な殺戮である「パージ」が実世界で行われている訳では無いにせよ、「大きな政府」を目指すのか「小さな政府」を目指すのか。「小さな政府」の行く先には、社会保障の削減、弱者の切り捨てがあり、結局それは、満足な医療を受けられずに命を落としたり生活苦から自殺に追い込まれたりして弱者が抹殺されていく世界が待っているのではないか。そう考える人々にとっては、このシリーズは第3作に至っていよいよ切実な寓話となってるとも言えるのでしょう。 ただ、日本でぬるま湯に浸っている私のような者には、ホントのところはよく分からない・・・。 1作目ほ籠城モノ、2作目はサバイバルでしたが、3作目はまた趣向を変えてきて、両者の中間と言えなくもないけれど、これがなかなかの面白さ。自分の店を守ろうとする市井のオヤジの話と、パージに反対し命を狙われる大統領候補の話とをうまくクロスさせて、巧みに物語を進めます。 万引きを見咎める場面など、非常に魅力的。どういう事態になるのかとハラハラさせつつ、エピソードを通じて登場人物を物語の中に配置してみせる。元スケバンみたいなお姉さんが、イイ顔してるんです。 そしていよいよ、パージの夜が始まる。どこから持ってきたのかギロチンで処刑が行われていて、これが残酷描写そのものよりも、滲むような光の中で描かれているその不気味さの方に、強い印象を受けます。その後も再三登場する、光の中に浮かび上がる惨劇、あるいは教会での儀式。 不気味さとサスペンスと、そしてアクション。ここまでの3作の中では一番面白かったかも。[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-28 13:12:45)(良:1票) 《改行有》

34.  ハンガー(1983) 《ネタバレ》 アート系の雰囲気を漂わせつつも、ちゃんとホラーになっているところが、エライと思います。アバウトな感想ですみません。 風に布が揺れ、光が揺らめいて、まるで海の底でひっそりと繰り広げられるような、吸血鬼の世界。 この吸血鬼は、日の光があたっても平気らしいし、十字架やニンニクで苦しんだりもしない、らしい(ニンニクに耐性があるのかどうかは映画には出てこないので、あくまで想像)。だけど、都会の片隅で、絶滅危惧種のごとくひっそりと生きている。 最初はデヴィッド・ボウイが物語の中心かと思いきや、彼は、年老いる哀しみを我々に見せつけながら、ひっそりと姿を消す。 そして彼の代わりとなるのがスーザン・サランドンで、カトリーヌ・ドヌーヴとの同性愛描写となるのだけど、ショートカットの顔立ちはそのままデヴィッド・ボウイを想い起こさせる瞬間もあり、性差を超えたイメージとなっています。 ネックレスも物語の中で上手く使われて、ラストで重要な役割を果たし、物語に説得力を持たせています。ホラーらしい見せ場もちゃんと準備されていて。 吸血鬼映画には、こんな映画もあれば、『極道大戦争』みたいな映画もある。いやはや、奥が深いです?[インターネット(字幕)] 8点(2021-03-30 07:21:11)《改行有》

35.  薔薇の標的(1980) パルプ小説風のハードボイルド。麻薬取引の場で組織の裏切りにあい、銃撃戦の末、舎弟を失い自らも獄中の身となった舘ひろしが、4年後に出所し、組織への復讐を誓うってのが映画のツカミ。逮捕後の彼を誰かがサポートしてくれていたらしいけど、それが誰かはわからないし、舘ひろしも気にしないまま、復讐への第一歩を歩み始める。 「安っぽい犯罪小説らしさ」という骨格が、アクション映画としてうまく生かされてます。すべてが刹那的、すべてが唐突で、物語の辻褄とか何とかいったものも二の次。主人公が危機に陥れば突然助っ人が現れる、などというご都合主義も、港に佇む舘ひろしが中島ゆたかをいきなり引っ叩く唐突さも、映画の起伏や推進力に大きな役割を果たしていて、我々を惹きつけます。前半やたら女優を脱がせたり、中盤で住宅街を舞台に無茶なカーチェイスを展開したり、なんてのも、一種のご愛敬、一種の映画の華。 舘ひろしと中島ゆたかの関係を軸にしつつ、主人公の仲間である内田良平のサブストーリーみたいなものもあり、チョイ役で特別出演の松田優作も含めて、登場人物がそれぞれに印象的。 音楽はハネケンさん、ジャズが物語にマッチして、虚無的なラストに至るまで、雰囲気がよく出ています。 魅力的な作品だと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-02-11 09:27:32)《改行有》

36.  遥かなる大地へ 一見、文芸大作風の佇まいではありますが、それにしては、しがない小作農の倅である主人公が、妙にムキムキ過ぎて、なんでこんなにムキムキなのかというとそれは主人公を演じているのがトム・クルーズだからであって、結局、中盤は賭けボクシングのシーンが長々と続くことになり、文芸大作らしからぬ格闘アクション映画へと変貌する、という寸法。うん、こうでなくては! 伏線というか、同じモチーフが映画に何度か登場してて、それは例えば、人の死?に伴いカメラが上昇するシーンとか、手際よく洗濯するシーンとか、そういうヤツですけれども、そのセンで行くと、「トム・クルーズの股間をニコール・キッドマンが覗き込むシーン」ってのも、映画のどこかにきっと繋がっているハズ、なワケです。きっと、あの股間に置かれた鉢の下には、「荒野に突き立つ旗」か何かが、あったのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-23 20:25:21)(笑:1票) 《改行有》

37.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 これはもう、見事にヤな感じのオハナシで、見終わったらだいぶ、ヘコんでしまいます。 スペイン内乱が一応終結したとは言え、独裁政権下の閉塞感の中、ミニ独裁者ともいうべき義父の姿と、幻想世界を彷徨う少女の姿が、並行して描かれます。それぞれの世界は最初、互いに関連を持っていないようであり、少女は幻想世界に逃避しているようにも見えるけれど、厳しい現実を前に、いつまでも逃避できる訳もなく。双方の世界は「血」のイメージで結びつけられているようなところもありつつ、やがて2つの世界がクロスした時、物語は悲劇を迎える。 で、ここで冒頭シーンに繋がるのですが、いざ繋がってみると、何だか、この映画の中で展開されてきた数々の幻想世界のシーンが、実は瀕死の少女が最後に見た幻に過ぎなかったような気がしてきて(そういう解釈が妥当かどうかはさておき、どうしてもそんな気がしてしまって)、少女の哀れさに、気が滅入ってしょうがないのでした。[DVD(字幕)] 8点(2019-03-19 23:30:19)《改行有》

38.  パトリオット・ゲーム 人工衛星からの映像が出てきたり、暗視ゴーグルつけて突入するシーンがあったり、と、『ゼロ・ダーク・サーティ』の20年前にもう同じようなことが本作で描かれているワケですね。それだけでもう十分『ゼロ・ダーク・サーティ』には分が無いと思うのですが、しかし、コチラは荒唐無稽なアクションでアチラは実話の映画化となると、なぜかコチラに分が無くなってしまう。 まー無理に比較することもないんですけど、でも、この映画、イイと思うんですけどね。ハリソン・フォードもちゃんとイイ顔してれば、ショーン・ビーンもちゃんとイイ顔してて(ちょっと線が細いけど)、やむにやまれぬ戦いがある。終盤の追跡劇の見せ方も、なかなかの手際の良さ。 リチャード・ハリスも脇役ながら、ちゃっかりと存在感を示していて・・・って、彼が目立つくらいなら、テロリスト一味の面々をもう少し目立たせてあげて欲しかった、という気がしないでもないですが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-02 20:33:10)《改行有》

39.  パリより愛をこめて タイトルから誰しもが007を思い出すワケで、実際、主人公もスパイ見習いみたいヤツで、さあこれからスパイらしくイッチョやってやるぜ、なんて意気込んでいると、次の仕事ではとんでもなくガサツなオッサンと組むハメになり、スパイの繊細さなどすべて吹き飛ばされてしまう、という展開。ガサツなんてもんじゃないですね、破天荒そのもの、このジョン・トラボルタの怪人ぶりが、作品のオモシロさ、ですね。 あ、一応、伏線をはったり、意外な展開でそれを回収したり、という面白さもあるんですけれどね。でもそういう仕込みも、何だか、トラボルタにぶっ壊されるためにあるかのような。 ホント、ハチャメチャでありながら、うまくまとめています。逆かな。うまくまとめているくせに、デタラメそのもので、痛快なんです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-26 03:26:15)(良:1票) 《改行有》

40.  パトリオット・デイ 無差別爆弾テロは、そこにたまたま居合わせた人々の運命を大きく狂わせる。という事を端的に表すかのごとく、映画は断片の寄せ集めとして描かれ、それらの断片が集積され互いに繋がっていくことで、大きな事件の全貌が浮かび上がってきます。その手腕、実にお見事。圧巻です。 断片であるがゆえに、この先どうなっていくのかわからない不安感、緊迫感があり、またその断片が意外な形で繋がった時、運命のようなものを感じさせたりもします。 一方、事件の背景とか捜査のやり方とか、おそらくは映画で触れにくい部分ってのが多々あって、(我々の意識がそちらに向かないように)ラストは無理やり方向付けされた印象もありますが、当事者のナマの声ってのはやっぱり感動するものがあって、いや、だから、それだったら別途もう一本、ドキュメンタリ作ってよ、と。。。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-01-03 10:07:40)《改行有》

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