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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  PARKER/パーカー 『悪党パーカー』シリーズは過去に何度も映画化されているものの、私が観たのは『ペイバック』のみ。そんなわけで、本作については必然的に『ペイバック』との比較となってしまうのですが、今回の映画化企画にはハードボイルドな空気が足りていないという印象を受けました。。。 この企画の骨子は「毒をもって毒を制す」という点にあり、仁義を守らない小ズルい悪党を、本物の悪党パーカーが度胸や腕っ節を武器に容赦なく追い詰めるところに面白さがあると思います。実際、『ペイバック』ではたったひとりでヤクザの事務所に乗り込み、大親分と対峙しても一歩も引かない主人公の姿が痛快だったのですが、一方で本作の主人公は身分を偽って隠密行動をとり、素行も控えめなので、犯罪者を主人公にしたことの意義が薄くなっています。探偵や元刑事を主人公にしても似たような映画が撮れてしまうのです。また、敵となる悪党たちの悪ぶりが足りていないし、彼らの後ろ盾となっているヤクザがいかにヤバい連中であるかも伝わってこないので、この内容に求められるスリルやカタルシスも不足しています。。。 さらには、主人公達の行動原理が不可解なので、彼らへの感情移入も困難です。南部の成金だと思っていたパーカーが、実は犯罪者であることを知った不動産営業のレスリー。普通ならマッハで警察に駆け込むところですが、彼女はパーカーの前に再度姿を現し、「土地勘のある私が仲間になるから、分け前をちょうだい」と言い出します。いくら金に困ってても、素人はそんなことしないって。そして、そんな怪しい提案を受け入れ、「よし、明日連絡する」と言ってアッサリと仲間にしてしまうパーカー。序盤では、周到な計画の下に動くプロの犯罪者というキャラ付けがなされていたはずなのですが、これでは考えの足らないバカです。そもそも、素人が数分調べただけでバレるような偽装をやってる時点で一流の犯罪者とは言えないわけで、この脚本は設定を煮詰めきれていません。。。 本作で褒められる点は、役者がしっかりとしていたことでしょうか。ステイサムはさすがのB級番長ぶりですが、意外だったのは、アラフォー・バツイチ女を演じるジェニロペのハマり具合です。10年前は女王様だったジェニロペが、ヒロインにすらしてもらえない世にもあんまりな中年女役を熱演。執拗に繰り返される尻ネタも悲しい笑いを誘っています。本作のジェニロペは必見です。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2013-10-04 01:23:42)《改行有》

22.  ハード・ソルジャー 炎の奪還 今回のヴァンダムは、元傭兵で奪還のプロ。「なにが『今回の』だよ、いつものヴァンダムじゃねぇか」とも思うのですが、本作の設定はもう一歩踏み込んでいます。一人を救うために大勢を犠牲にすることが問題視され、引退にまで追い込まれた老兵役なのです。とにかく派手だった90年代アクションの後始末とも言える設定、ヴァンダムのキャリアを総括するような物語となっています。そのような内容を反映してか今回のヴァンダムは老いを隠さないのですが(今やヴァンダムも52歳、ショーン・ペンやジュリアン・ムーア、黒木瞳と同い年です)、この人は基本的に演技が下手ではないので、時代から取り残された殺人マシーン役を実に哀愁たっぷりに演じています。時代や社会からのけ者にされた彼が再び銃を取るまでのドラマには、なかなか熱いものがありました。。。 一方、アクションの方はかなり控えめです。上述した作品内容とのバランスをとるためにドンパチは最小限にとどめられているのですが、ヴァンダムのアクションを見に来た者としては、少なからず物足りなさを覚える配分でした。さらには、今回のヴァンダムは回し蹴りも封印。これも作品内容を考えれば致し方ないのですが、それにしてもヴァンダムの回し蹴りはジャイアント馬場の十六文キックや森光子のでんぐり返しに相当する名物であり、これを見られないのはファンとしてとても寂しいことでした。。。 全体としては力作であるとは思うのですが、90年代アクションの破壊と同時に新たなスタイルのアクションを提示してみせた傑作『ユニバーサル・ソルジャー/殺戮の黙示録』などと比較すると、アクション映画としての着地点を見出せていない点が映画の勢いにブレーキをかけているように感じました。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-05-27 01:59:40)(良:1票) 《改行有》

23.  パーフェクト・センス 《ネタバレ》 世界中が奇病にかかるという物語ですが、『アウトブレイク』や『コンテイジョン』のようなパンデミックものとはまったく別の内容であり、感覚が失われるという大惨事を通して人間の本質を描いた哲学的なドラマとなっています。そういう意味では、『ブラインドネス』がもっとも近いのかも。。。 この映画の特色としては、絶望と希望の対比が非常に巧いという点が挙げられます。露悪的な描写ばかりを重ねた『ブラインドネス』とは対照的に、「人間には良い面も多いのではないか」というポジティブな描写が随所になされているのです。感覚を失っても人々はその制約条件を受け入れる道を見つけ出し、なんとか秩序を取り戻そうとします。略奪や暴行に走る人間もいるにはいるものの、大多数の人々は家庭や職場へと戻っていくのです。こうした人々の力強い姿には感動させられたし、この壮大なドラマをひと組のカップルの物語にまで収斂させた脚本家の構成力には舌を巻きました。。。 これに対する絶望の描写も見事なものです。人々は強く健気に生きようとするものの、そんなことはお構いなしに人類の感覚がどんどん失われていく様には恐怖を覚えました。希望を持とうとする人々の姿が一方に置かれている分、この容赦のない展開には胸が苦しくなるのです。「もうこれ以上、悪いことは起こらないでくれ」と観客に思わせたところで、次の試練がやってくる。なかなか底意地の悪い脚本です。。。 人類が聴覚と視覚を失ったところで映画というメディアの限界を迎え、本作はプッツリと終わります。70年代の映画のような呆気ないエンディングですが、この去り際の良さも私は評価します。この後に起こることは観客が推測可能であり、野暮な締めなど必要ないからです。全人類が『ジョニーは戦場へ行った』状態となった今や、人々は死ぬしかありません。直前に愛する人と再開させたことが神の最後の慈悲だったようで、人類は愛する人の胸の中で死ぬのです。言葉を交わせない、顔も見ることは出来ないが、ぬくもりだけは感じられる。人類滅亡を扱った映画は数多くありますが、ここまで叙情的で、しかも絶望的なものは他にありません。これは傑作だと思います。[DVD(吹替)] 8点(2013-05-01 01:10:55)《改行有》

24.  パーフェクト・スナイパー 規模が小さくとも良作への出演が多く、一般に信頼できる俳優とされているケヴィン・ベーコンと、アクション大作への出演が多いジャイモン・フンスーの共演作ということで、「傑作ではないが、それなりのレベルには達したB級アクションなのだろう」と思って鑑賞したのですが、これが超の付く程の駄作でした。バンコクを舞台にしたハリウッド映画といえば、ニコラス・ケイジ主演の脱力アクション『バンコック・デンジャラス』が思い浮かびますが、それをも下回る完成度でした。。。 本作の主人公はジャイモン・フンスー演じる殺し屋チャーチ、このキャラクターの設計に無理があり過ぎました。彼はバンコクを拠点とする殺し屋なのですが、アジア人の中にいるジャイモン・フンスーはあまりに目立ち過ぎ。殺しの腕前のみならず秘密の保持も要求される殺し屋稼業にはまったく向かない人物だと感じました。爆弾で標的を倒す冒頭が彼の登場場面となるのですが、目撃者が大勢いる中でバレバレの偽装工作をやるという頭の悪さも大きなマイナス。さらには、売春宿の現実を目の当たりにして大変なショックを受け、金や身の安全を度外視してでも売春組織を壊滅させようと躍起になるというメンタルの不安定さにも、殺し屋らしからぬものがありました。彼は自分探しの学生バックパッカーではなく、バンコクで活動する現役の殺し屋ですよ。裏稼業に生きる者であれば、売春宿の実態くらい知ってるのが当然でしょう。キャラ設定と話の内容がまったく噛み合っていません。。。 本作の監督を務めたのは、『マッハ!』で注目されたプラッチャヤー・ピンゲーオ。アジア人監督のハリウッド進出作としては異例な程の豪華キャストに恵まれたわけですが、発言権のほとんどない雇われ監督だったことがその実態のようです。東洋の神秘を履き違えたおかしなスピリチュアル描写があったり、仏教の力で主人公が一時的に無双状態になったりと、まともなアジア人ならば絶対に採用しないアイデアが目白押し。おまけに、タイにとっては国辱に近いほどの物語だし、これだけ意に反した内容の映画を撮らされたことが気の毒になったほどです。アクションの方も遠距離からの狙撃がメインであり、彼が得意とする肉体アクションはあまり登場せず。なぜこの企画にピンゲーオが雇われたのかと不思議になったほどです。[DVD(吹替)] 2点(2013-02-06 18:36:32)《改行有》

25.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 【TANTO】さんが詳しく述べられていますが、とにかく設定に穴が多すぎます。指摘事項の多さたるやトンデモ映画の域に達しており、本サイトの字数制限内ではひとつひとつを挙げきれないほど。そもそもの問題として、地区代表の未成年に殺人甲子園をやらせることが、なぜ国家の統治に役立つのかという理由がサッパリわかりません。深作欣二監督は、殺人ゲームに合理的な説明を付けることは不可能だとして『バトルロワイヤル』の背景説明を放棄し、いきなりゲームを開始するという英断を下しましたが、一方本作はゲーム開始までにたっぷり1時間もかけ、挙句に設定を伝え損ねているのだから話になりません。また、本筋においても、「権力者vs民衆」「金持ちvs貧乏人」「虚構を垂れ流すメディアvsメディアの情報を鵜呑みにする愚かな大衆」等々、多くのテーマが提示されるのですが、そのどれもが上っ面ばかりで煮詰めきれていません。これじゃあ21世紀の『バトルランナー』ですよ。。。 肝心のバトルも、これまたヌルくて参ってしまいます。生き残るのはたった一人、嫌いな奴を殺すことは容易くとも、最終的には仲間と殺し合いをしなければならないことがこの設定の最大のキモだと思うのですが、主催者側からの度重なるルール変更によってこの点がボケボケになっています。さらには、登場人物達の戦力設定もいただけません。弓を得意とする以上、主人公が参加者中もっとも有利であることは火を見るよりも明らかなのです。他には格闘に優れた者や、ナイフの名人もいますが、飛び道具を得意とする主人公に狙われたのではひとたまりもありません。そして、主人公が有利すぎるゲームなど、面白くなるわけがありません。そこで監督が考え付いたのが、主人公に弓を使わせないというシナリオ(笑)。見晴らしの良い広場のど真ん中に敵集団が突っ立っていても、この主人公は彼らを狙ったりしないのです。得意技を封じられた主人公の戦いには、当然のことながら緊張感は宿りません。なぜ、こんなにもバカバカしいシナリオが通ったのでしょうか。。。 以上、さんざん悪口を書きましたが、観ている間は不思議と楽しめたことはきちんと明記しておきます。スターなし、製作費も控え目ながら全米だけで4億ドルも売り上げた作品だけあって、娯楽作としてはそれなりにまとめられているのです。ツッコミどころも含めて愛せる映画だと感じました。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-01-19 18:37:43)(良:1票) 《改行有》

26.  ハングリー・ラビット 眠たくなるほど鈍重な娯楽作(『スピーシーズ』『ダンテズ・ピーク』etc…)の合間に、突如としてキレのある傑作(『追いつめられて』『バンク・ジョブ』etc…)を撮るロジャー・ドナルドソンの、現時点における最新作。ドナルドソンが得意とするサスペンスアクションにして、ニコラス・ケイジが出演を熱望した優秀な脚本というだけあって期待は高まったのですが、残念ながら今回は悪い方のドナルドソンでした。サスペンスに必要な緊張感も意外性もなく、予定調和の物語がダラダラと進行するのみ。とにかくツッコミどころの多い作品なのですが、最大の問題点は、闇の仕置組織の存在に説得力を持たせられなかったということです。犯罪者の行動を詳細に把握し、あらゆる機関に根回しをするという高い組織力を持ちながら、ターゲットの殺害という最も重要な場面においてリスクの高いド素人を使う点があまりに不合理。この点を誤魔化す方便がなかったために、かの仕置組織が大マヌケの集団に見えてしまっています。ここんとこ出演作が連続しているニコラス・ケイジは代わり映えのしない演技で面白くないし、終始「雇われ仕事です」という顔をしているガイ・ピアースも魅力に欠けます。[DVD(吹替)] 4点(2012-12-12 14:43:35)

27.  ハンター(2011) 《ネタバレ》 絶滅種タスマニア・タイガーを仕留めろと命じられたあるハンターの物語と聞かされた時には「え?そんなものが映画になるの?」と不安に感じたのですが、それは無用な心配であり、意外にも本作は真っ当な映画として成立しています。父親のいない家庭があって、その家庭は好戦的な他の住民とのトラブルを抱えていて、そこにやってきた流れ者が用心棒兼父親として家を守るという筋書きは、まさに王道のウェスタン。観ていて「なるほど、これがやりたかったのか」と納得がいきました。ハンターと一家の交流は丁寧に描写されているし、対する他の住民達の悪辣ぶりもなかなかのもので、このドラマにはかなり引き込まれました。同時に、両者の対立構造は一面的ではなく、開発と環境保護という大きなテーマを観客に投げかけている点でも見応えがあります。さらには失踪した父親の謎の絡め方も良く、非常に端正なシナリオだと感じました。また、これを支える演技も素晴らしく、ウィレム・デフォーは生涯最大の当たり役ではないかという程ハンター役にハマっています。彼の相手となる子ども達の演技も非常にナチュラルで、子役特有のわざとらしさやイヤらしさをまったく感じさせられませんでした。。。 と、前半パートは良い感じに進行していたのですが、後半になると映画は突如として方向転換をします。前半の問題が何らの解決もしないまま一家は退場させられ、同時に憎まれ役だった住民達も映画から姿を消してしまいます。代わって、会社から送り込まれた他のハンターとの戦いや、タスマニア・タイガーとの出会いが描かれるのですが、前半のドラマを断ち切る形で後半パートが開始されるので、この構成には大きな違和感を覚えました。ラストに主人公がとった行動も分かったような分からんような微妙なものだったし、後半パートはまるで楽しめませんでした。前半のドラマを貫徹すればウェスタンの傑作になっていた可能性もあっただけに、謎の方向転換が悔やまれます。[DVD(吹替)] 6点(2012-09-15 14:33:51)《改行有》

28.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 論理的な整合性や設定の納得感よりも派手さ・面白さを重視した内容ではあるのですが、事前の予想よりもずっとマトモな仕上がりでした。元ネタが戦艦ゲームであるため敵の弱点をどう突くかという”戦略”に重きを置いているのが本作の特色なのですが、複雑すぎずバカバカしすぎず、この”戦略”の処理が抜群にうまかったのが勝因だと思います。しかも、その戦略を担当するのが日本人艦長という点が燃えさせるではありませんか。相手となるエイリアンの戦力設定も絶妙で、圧倒的に強い敵ではあるが、通常兵器でダメージを与えることは可能。おまけに「戦力を持たない相手は絶対に襲わない」という特有の倫理観が彼らの行動の枷となっており、テクノロジーで劣る人類はその隙を突いて反撃を加えるという図式になっています。このような特殊な設定により他の侵略SFとはまったく異なる印象の作品に仕上がっており、見応えはなかなかのものです。これまでは大した監督ではないと思っていたピーター・バーグによる演出も非常に的確で、適度に笑わせ、適度にハラハラさせ、適度に興奮させます。主人公の成長物語としても真っ当な仕上がりとなっており、頭空っぽにして観る娯楽大作としては理想的な作品だと思います。 あと、これは私が観賞した六本木ヒルズという土地柄によるのですが、外国人の観客が大騒ぎしながら観ているという空気感も、本作の観賞にはプラスにはたらきました。彼らのハイテンションに日本人客も触発され、劇場にいる全員の笑い声が大きめになっていたのです。家での鑑賞では味わえない、映画館ならではの興奮や一体感というものも味わえたのは貴重な経験でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-14 23:47:49)(良:3票) 《改行有》

29.  ハンナ 「赤ずきん」ミーツ「ボーン・アイデンティティ」。雪山で殺人兵器として育てられた美少女がCIAに追われるというネジの飛びまくったアクション映画なのですが、完成した作品からはそんな内容に対する照れが見られ、バカに徹しきれていないために中途半端な仕上がりとなっています。ドラマ畑のジョー・ライトを監督に起用するというサプライズ人事が脚本との間で化学反応を起こしておらず(他には、ダニー・ボイルやアルフォンソ・キュアロンが監督候補に挙がっていた)、アクション映画に必要な盛り上がりに致命的に欠けています。14年間もハンナを文明社会から隠して大事に育てながら、突如危険な一人旅に出すという父エリックの動機や目的が説明不足だし、彼女を助けるヒッピー家族も親切すぎ。それら不自然な点を誤魔化すためにグリム童話からの引用を持ち出した様子なのですが、現代アクションとグリム童話の絡ませ方も面白みに欠けていました。作品のポテンシャル自体は悪くないのですから、もっと突き抜けた内容にすべきだったと思います。[DVD(吹替)] 5点(2011-12-20 15:51:58)

30.  パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 《ネタバレ》 私はこのシリーズとの相性が悪いのですが、そうは言いつつも宣伝につられて映画館に行くこと今回で4回目、シリーズもリセットされて「今回は面白いのでは」という期待と共に足を運んだのですが、前シリーズに輪をかけてつまらなくなっています。アドベンチャー映画なのにムダに長い上映時間、登場人物達の思惑をうまくまとめきれていない脚本、海賊映画であるにも関わらず海の広大さやロマンを感じさせない演出、そうした旧シリーズの欠点がロクに改善されることもなくそのまま引き継がれています。特に問題に感じたのは本作の悪役である黒ひげがあまりに魅力を欠いていたことで、ジャック・スパロウからも恐怖の目で見られる最強の海賊として登場したにも関わらず、劇中での彼の振舞いはあまりにチマチマしたものでした。バルボッサの復讐に遭うことに怯えて生命の泉を探し始めるという何ともチャチな動機にはじまり、冒険の最中もただただジャックに命令するだけで自分では何の活躍もせず、最終的には己の命を守るために実の娘の命を犠牲にしようとする始末。知略に長けているわけでも、人格的に優れているわけでも、剣術に秀でているわけでもなく、やってることは単なる小物。彼の手下のゾンビ達にもロクな見せ場がなく、総じて悪役をうまく動かせていません。また、主人公であるジャック・スパロウの人物像も安定していません。冒頭では仲間を救うために単身ロンドンに乗り込むものの、別の場面ではアッサリと仲間を見捨てる。常に相手を騙そうと振舞いながらも、バルボッサとは素直に共闘する。彼なりのスジというものがまるで見えてこないため、主人公に感情移入することが難しくなっています。さらに本作は見せ場の数が圧倒的に少ないことも気になりました。前半40分は「カットスロート・アイランド」を思わせるホースチェイス等それなりに見せ場もあるのですが、話が本筋に入ってからは見せ場がほとんどなくなってしまいます。「パイレーツ・オブ・カリビアン」を名乗っているにも関わらず海でのアクションは皆無であり、クライマックスも盛り上がりに欠けるチャンバラがちょこっとある程度で、2億ドルとも言われる製作費は一体どこに使われたのかと不思議で仕方ありません。さらには3Dの効果も薄く、それどころか3Dメガネごしに見ると暗すぎる場面も多くあって、せっかくの3D技術もかえってアダになっていました。[映画館(吹替)] 1点(2011-05-22 01:03:50)(良:2票)

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