みんなのシネマレビュー |
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81. バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 ジャンルが『サスペンス』『SF』。なるほど。確かにそうかもしれません。ですがこの作品の核は何といっても『ラブストーリー』ですね。昔ドラマで『プロポーズ大作戦』というのがありましたが、それにテイストが似ています。 ただこちらは映画。 1回のタイムスリップエピソードに使える尺は、『過去』+『改変後の現在』あわせて10分~15分程度。 よってひとつひとつのエピソードがもうばたばた。 目まぐるしい展開は、テンポの良さ、スピード感、勢いを生み出す一方で、意外にも『飽き』を感じさせることもあるみたいです。 主人公のエヴァンは、『改変前の人生』+『リニューアル』の記憶が次から次に追加されるので、そのたびに脳が肥大して鼻血ぶー。それはなかなか面白い演出ではありますが、新しい記憶が追加されているのに、自分の手がなくなったことや母親が肺がんになった事実を知らないってのはおかしいのでは?といったつっこみ所は結構ありますね。 こーゆー作品こそ整合性が大切だと思うのですが。どーも肝心なルールが曖昧に処理されている感じがします。 とは言うものの、速い展開が見ている人に考える暇を与えません。よって結局見ている間は普通に面白い。 まあそれでも5点~6点くらいの感触で見ていたのですが、ラストで評価がちょっと上がりましたね。 『みんなの幸福のために、自分の恋心を犠牲にする』皮肉にもそれが、全員が幸せになれる唯一の選択肢であったとは。 エヴァンにとって最も辛いエピソードであるはずの、『爆発に巻き込まれちゃったバージョン』では、エヴァンが過去に戻ろうとしないんですよね。それどころか、自殺しようとします。そしてトミーに言ったセリフが、『君達が幸せならそれでいい。』 ラストの選択といい、他者のために自己犠牲を厭わない、ドラクエでいうメガンテを使う僧侶のようなエヴァン。 その善良さにプラス1点です。 それにしても、タイムスリップ時の、世界ががたがたと揺れるシーンは、何回見てもワクワクします。 タイムスリップの演出は今まで見たタイムスリップ系では一番良いかも。[DVD(字幕)] 7点(2016-10-21 05:47:24)《改行有》 82. ハーモニーベイの夜明け 《ネタバレ》 『愛は霧のかなたに』+『ショーシャンクの空に』+『ハンニバル』+『告発』÷10くらいの作品。 どれも何かの作品で見たようなシーンと小ネタばかり。 ですが面白い。 それはひとえにアンソニー・ホプキンスとキューバ・グッティングJrという二人の俳優の魅力によるところが大きい。 ストーリーそっちのけで、二人のやりとりを見ているだけで面白い。 物語も最初はひきつけられるものがあります。 それは、映画がミステリーに満ちているからでしょう。 『なぜパウエル博士は人を殺したのか。』『何故一言も言葉を発しないのか。』『いったいアフリカで何が起こったのか。』大変興味をそそられます。 その解答そのものは、残念ながら予想の範疇を超えるものではありません。ですが、解答の〝見せ方〟は実に上手いと思います。 特に、初めのゴリラが撃たれるシーンはなかなか衝撃的です。 衝撃的ですが、やはり答えがわかってしまうと、この作品の骨子であるミステリー性がなくなります。 それから先はこの映画の〝落としどころ〟ですが、これがただの脱獄じゃあなんかスッキリしません。 もしアフリカのゴリラを襲った部隊の行為が国際的に違法性のあるもであるならば、もっと別のアクションを起こす展開を見せてほしかった。 諸悪の根源はゴリラを無差別に襲った人々。なのにまるで刑務所が〝悪〟であるかのように、憎むべき対象がシフトしてしまっています。 演出は感動的にしようとしているのに、肝心のストーリーに説得力がないのが残念です。[DVD(字幕)] 7点(2016-09-29 02:32:14)《改行有》 83. バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 ジョーとテリーの銀行強盗ストーリーだけなら良かったと思います。 ケイトの存在と頻繁に挿入されるラブストーリーが見事に話の腰を折っています。 おかげで、軽快なテンポは失われ、単調でダラダラした展開を見せられることになります。 それでも不思議と最後まで飽きることなく見ていられるのは、役者の力が大きいのでしょうか。 ジョーとテリーのインパクトは際立っていて、見る人の興味をひきつけます。ケイトがいなくても、二人のコメディアクションだけで十分クオリティの高い作品に仕上がったのではないかと思われます。 ストーリーだって、銀行強盗パートは面白い。『お泊り強盗』という有名人になって、国中にファンができる展開が愉快。 やはり恋愛パートのウェイトが大きすぎるのが、デメリットになっている気がしますね。 それに、ジョーとテリー、とりわけジョーの性格からしても、二人がそこまでケイトに熱を上げる展開にやや不自然さを感じます。 戦線離脱したと思われていたハーヴィーが、婚約者を連れて銀行強盗のサポートをするラストは良かったですね。前半の伏線も上手に使っています。 こーゆーエピソードをもっと盛り込んだストーリーに仕上げてほしいものです。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-14 13:21:50)(良:2票) 《改行有》 84. ハンニバル・ライジング 《ネタバレ》 『妹を食いやがったな。妹との約束だ。おまえらも食ってやるぜ』なるほど。理にかなっています。 ある出来事がトラウマになっている場合、そのトラウマの元凶に自分がなることで、トラウマを克服するというケースがあります。 原作は知りませんが、映画を見た限りでは、レクター博士はそれに近いのではないでしょうか。 ある凶悪犯のルーツを辿るサスペンスドラマとしては十分に面白い。 ですが、ハンニバルシリーズとして見ると、期待値の高さに相応しい傑作、とは言い難いものがありますね。 グレアム、クラリスの両名は、レクター博士の異常性を、相対的に強調するような存在だった気がします。 この作品の『妹』、そして『レディ・ムラサキ』。この両名は、『人間ハンニバル』の輪郭を、私達に見せてくれているような気がします。だとすると、レクター博士の熱心なファンに受けが悪いのもうなずけますね。 更には、『妹の復讐』という動機の部分を明確にしてしまったことで、ますます彼の神秘性は失われてしまいます。 そして、鎧、刀、原爆といった日本的マストアイテムの登場。これは良くなかったかもしれません。生粋の日本人である私達にとって、『チープな作り物』というイメージを意識させてしまいます。 そんななか、レクター博士を演じたギャスパー・ウリエル。彼は良いですね。この作品の掘り出し物的人材じゃないでしょうか。レクター博士の狂気を、予想以上に表現してくれていたと思います。 悪党達を、凶悪な暴力でねじ伏せる、悪の華。その美しさは、この作品でも十分に堪能することができました。 中盤以降のサスペンスアクションな展開には、十分満足しています。 ただ、ちょっと長いですね。 このシリーズはどれも尺が長めなのですが、基本的には必然性のある長さで、鑑賞中にその長さを感じません。 ですが、この作品は、その長さを感じてしまいます。間延びしている部分があるのでしょう。そしてその長さに必然性も感じません。 駆け足気味だとドラマに深みや重みがなくなります。 今作が、その性質からストーリーの深みを大切にするのはわかります。 ですが、あまりにもったいぶって冗長になると、間延びして緊張感がそがれます。 なかなかバランスが難しいですね。[DVD(字幕)] 7点(2016-07-01 13:37:03)(良:1票) 《改行有》 85. ハンニバル(2001) 《ネタバレ》 スーパーヒーロー『レクター博士』の冒険活劇第2弾。 レクター博士とその関係者の方々の頭脳戦がアツイ。 永遠のライバルFBI捜査官『クラリス』。狂気の大富豪『メイスン』。金のためなら手段を選ばないベテラン刑事『パッツィ』。脳膜ぺりぺり『ポール』。 クラリスはともかく、小悪党から本物の悪党まで、悪者がズラリ。 その誰も彼もが、レクター博士のえじきとなってゆく爽快感。 レクター博士は、私にとって、まぎれもないヒーロー。 小さい頃は、『ウルトラマン』、『ドラゴンボール』など、『正義』VS『悪』の図式に感動したものです。 ですが大人になると気付きます。心の奥底の黒い欲望を満たしてくれるのは、『悪』VS『悪』の図式なのだと。 『悪』を、『それ以上の強大な悪』が飲み込んでいく、その衝撃。圧倒的な暴力と狂気。自分以外の『悪』を虫けらのように蹂躙していく興奮。『正義』VS『悪』の図式では感じることができない領域です。 映像的にはラストが注目されがちなこの作品。ですが、私はあえてコーデルがメイスンをあっけなく裏切るシーンに注目したい。原作を読んでいませんから、映画でのみの判断です。 コーデルがメイスンを裏切るシーン。あれは戦慄が走りました。コーデルの本心を一発で見抜き、たった一言で裏切りへと導いてしまったレクター。レクター博士の最も恐ろしい部分を、最も端的に表す貴重な1シーンです。 完璧とも思えるこの作品。残念ながら減点ポイントが2つあります。 まずはメイスンとレクター博士の過去の描き方が不十分。この作品の中で、私達が最も知りたい真相の一つではないでしょうか。 そしてもう一つは、レクター博士、あなたは偶然を味方につけてはいけない。 クラリスが助けに来てくれたことは偶然の産物であり、あなたの功績ではない。その辺のありきたりなヒーローのように、偶然に助けられて偉そうにするレクター博士なんて、見たくはないのですよ。[DVD(字幕)] 8点(2016-06-07 10:46:35)(良:1票) 《改行有》 86. パピヨンの贈りもの 《ネタバレ》 欠点はないが長所もない。 映画として安定感があるが物足りない。 そういう印象の作品です。 おじいさんと少女の心の交流を軸とした、ハートウォーミングなストーリー。ほのぼのとした空気の中にも、『子供に自分の思いをはっきり伝えることの大切さ』という強いメッセージを発信しています。 主演の二人は大変表情豊かに好演しているので、感情移入しやすいです。ぶっきらぼうながらも、時折見せるおじいさんの優しさが良いです。 少女は頭の良い子です。ですが子供特有の身勝手さがあります。 そんな少女のわがままに対するおじいさんの反応が人間臭くて、それが二人により親近感を抱かせる理由の1つにもなっているのでしょう。 ただし、二人のキャラの良さが、そのまま映画の面白さへつながるとは限りません。 ストーリーは『イザベラ』という蝶を探しにいくだけのもの。二人の心の交流だけで押し通していけば、どうしても平坦な展開になりがちです。ですから、少女の誘拐騒ぎというサイドストーリーがなければ、それこそ『良い映画なんだけれど、退屈』ということになっていたでしょう。 それに、『捕まえた幼虫がイザベラになる。』という結果は良かったものの、それがなければおじいさんは少女のせいで千載一遇のチャンスを逃したことになります。おじいさんにはおじいさんの、『今は亡き息子のためにイザベラを見つける』という大切な目的があったわけですから、手錠つけられてヘリに乗せられてってのはひどいんじゃないですかね。 ラスト、少女の母親の名前がイザベラというオチは良かったですね。 おじいさんの、『じゃあ二人ともイザベラを見つけられたわけだね。』というセリフも名台詞です。[DVD(吹替)] 6点(2016-05-02 13:51:34)《改行有》 87. バタフライ・マン 《ネタバレ》 盛り上がらないサスペンス。はきちがえたミステリー。浅いラブストーリー。 そのくせラストだけはバッドエンディングにして、感動を誘おうとする魂胆がいけ好かないです。 うーん。面白くないですね。 映画を見ていてこんなにつまらないと思ったのは久しぶりです。 とてもじゃありませんが、誰にもオススメできません。[DVD(字幕)] 3点(2016-04-24 05:10:38)《改行有》 88. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 いよいよ最終章後編。長い長い壮大な物語もこれで終わり。そしてこの作品、さすがに面白いのは面白いのですが、やはり暗い物語でしたね。スネイプも、リーマス・ルーピン夫妻も死んじゃって・・。え?ウィーズリーの双子の一人も死ぬんでしたっけ? いやー、本当に後半は犠牲が多いです。ずっと昔に小説を読んで、もうすっかり細かい内容は忘れていたのですが、その記憶が呼び起こされて、小説を読んだときのように暗い気持ちになっちゃってます。 それにしてもスネイプ。泣けます。 ダンブルドアとスネイプの秘密が明らかになる記憶の旅。本当に切ない。そうでした。スネイプはハリーのお母さんのことがずっと好きだったんですよね。リリー・ポッターになってからも、ずっとその想いは失われず。かといって安易な略奪に走るわけではなく、健気に見守るスネイプ。確かにこの物語はスネイプの物語と言ってもいいのかもしれません。たった一人の人を想い続ける。その人のためなら、自分の命も名声も、すべてを犠牲にする。汚名すらかぶる。汚れ仕事を一手に引き受ける。それでいて泣き言ひとつ言わず、ドラコ、ハリー、みんなを守ろうとする。スネイプはこの作品で最も孤独で最も崇高な人物ですね。 それに対しドラコ、お前は本当に情けないやつだ。ラストくらい良いところ見せてくれるのかと期待したのですが、最後までドラコはドラコです。 最後にこのシリーズ、はっきり言ってすごく好きです。なのに、どの作品も、低評価レビューのご意見に深く共感している自分がいる不思議な作品です。 そもそも、分霊箱の破壊だったり、ハリーの中に宿ったヴォルデモートの魂だったり、ストーリーをごっちゃごちゃにしすぎたのがテンポを悪くしているよーな気がします。ですがこれはもう原作がそうなっているのだから仕方ありません。 ドラゴンボールじゃないんだから、分霊箱7つっていうのがどう考えても多すぎるんですよ。(探すのは6つですが、それでも多い) 3つくらいにしておけば、もっとメリハリのあるストーリーに出来たんじゃないですかね。 何にせよ、これで終了。 大人のハリーとジニーはなんかブサイクでしたけど、DNAの突然変異か、これこそ魔法の奇跡か、二人の子供は何故かイケメンでめでたしめでたしですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-05 00:29:07)(良:2票) 《改行有》 89. バックドラフト 《ネタバレ》 約20年ぶりの鑑賞。当時は『タワーリング・インフェルノ』のようなパニック系という固定観念があったのかもしれません。予想と違う展開に戸惑った記憶があります。 今回は、犯人が存在するサスペンスものとして鑑賞。昔見たときよりもかなり面白く感じました。 『バックドラフト』は、火災のパニックあり、殺人事件のサスペンスあり、兄弟、夫婦の人間ドラマあり、ついでにラブストーリーの要素もある盛りだくさんの内容です。 ですが、それぞれのジャンルが破綻せずに、上手く融合、一本のストーリーとして成り立っています。ある意味複合ジャンルの完成形、それが『バックドラフト』の魅力の一つなのでしょう。 更には、カート・ラッセルにウィリアム・ボールドウィン。ロバート・デ・ニーロにスコット・グレン。そしてドナルド・サザーランド。大物俳優が一同に会す豪華キャスト陣。映画好きにはたまらない作品です。 ただし、ディザスタームービーとしては一流のものには負けます。一流のサスペンス・ミステリーと比較すると、ドキドキ感は物足りません。見方によっては、そのどれもが中途半端に感じてしまう人もきっといるでしょう。 私自身が1回目、2回目と評価にズレが生じたように、鑑賞前の心のスタンスで評価が変わってしまう作品と言えそうです。 最後に、この作品の一番の魅力は、やはり火災シーン、バックドラフトシーンのその迫力、映像につきます。炎、そして煙がまるで意思を持っているかのような動きを見せます。その描写は、不気味さと恐ろしさを兼ね備えていて、私にとっては一流のホラーと比べても見劣りしない迫力を感じました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-04 13:34:31)《改行有》 90. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 《ネタバレ》 面白いですが、とにかく暗い。とてつもなく暗いです。原作もそうなんですけどね。 画面もストーリーも真っ暗です。 マッドアイ・ムーディが死に、ヘドウィグがやられ、ロンと仲たがいし、ルーナがさらわれ、ルーナの父親には罠にかけられ、ハーマイオニーは拷問にかけられ、挙句の果てにドビーが死ぬ。これでもかっていうくらい不幸の連鎖が続きます。 一作目の夢と希望に満ちたファンタジーからは想像もできません。夢も希望もあったもんじゃないです。 ただしこれは、前編・後編の前編。後編のカタルシスを得るために、前編で悲惨なエピソードをこれでもかっていうくらい盛り込んだのであれば、我慢できるというものです。 いったい、最終章後編は、どう決着が着くのでしょうか。小説を読んだのがだいぶ昔なので、結末を忘れちゃいましたから、どうなるのか楽しみです。 最後に、ハリー・ポッターシリーズの魅力について。魔法学校、魔法の街、という舞台が私にとって大変魅力的な世界観なわけです。つまりは、今作のように、完全にその世界から出ちゃうと、どうしても魅力が半減します。ずっと私服だし。 黒いローブを着て、『あーでもない、こーでもない』と、3人が杖を振りまわし、教科書抱えて、学校の中を右往左往していたあの頃が懐かしいです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-04-01 14:58:55)《改行有》 91. ハリー・ポッターと謎のプリンス 《ネタバレ》 冒頭で、学校に行くことをハーマイオニーの両親とロンの母親が心配していると聞いて、ハリーの一言。 『ホグワーツは安全さ。ダンブルドアがいる。』 ・・・1作目から今作まで、安全だったことなんか一度もない。毎年命の危険に晒されている。ハリーは完全に感覚が麻痺していますね。慣れって怖いと思った次第です。 さて、物語もいよいよ佳境。もう学校なんてほとんど関係なくなるのかと思いきや、ここにきて授業にクディッチ、恋愛イベントと、再び学園生活中心に。ですがそれも束の間。やはり終盤は学校とは関係の無い世界でひたすらバトル。 今作はシリーズ中一番辛いストーリーかもしれません。ドラコ・マルフォイ、スネイプ、ダンブルドア、みんな辛そう。 『オリバンダーの杖』の店や、ハリーたちの隠れ家が襲われたりと、終始辛いイベントが続きます。 それでも、魔法は派手になるし、ホラー要素は強くなるし、これはこれでかなり面白いです。 もちろんこれがシリーズ最後であるならば、こんな後味悪いラストもないので3点くらいですが、これはラストへの布石の章。そう考えるならば、完成度は非常に高いと思われるわけです。 なぜなら今すぐにでも続きを見たくなるからだ。 それにしても、ダンブルドアの炎の魔法から海開きまではすごい迫力の映像です。モーゼかと思いました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-03-21 13:47:14)《改行有》 92. ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 《ネタバレ》 冒頭からサスペンス&ホラー路線で、最初の頃のらんらんファンタジーの雰囲気は一切無くなりましたね。 魔法の羽根ペンを使っての虐待指導なんて、夢のあるファンタジー作品にはあってはならないシーンですからね(笑) ハリーポッターシリーズ1~3くらいまでが好きな人には、合わない可能性が高いんじゃないでしょーか。 個人的には、『炎のゴブレット』といい、『不死鳥の騎士団』といい、シリーズ後半は原作より映画のほうが面白く感じます。 原作でも映画でもわくわくするのは、やはりみんなで集まって『ダンブルドア軍団』という正義の秘密結社を結成するくだり。ひじょ~に好きな展開です。 そんなわくわくするくだりもありながら、ハリポタシリーズ後半がつまらないと感じてしまう最大の理由は、『魔法学校』という舞台ならではの良さがどんどん感じられなくなってしまうことです。様々な『授業』や『学校イベント』に『魔法』がミックスされることで生み出される現実感のあるファンタジー世界。その仮想空間を楽しめるのが、私にとってこのシリーズの最大の魅力。 それが後半、メインの出来事はほとんど『学校の外』で起きてしまう。これがシリーズ前半と後半の決定的な違いでしょう。 この作品も、ハリー・ポッターシリーズとしては、あまり好きな作品ではありません。 ですが、一本の映画としてみると、とても面白いです。 もともと緊張感のある映画は総じて好きです。 ですから、なんだかんだ言って最後までドキドキしながら鑑賞したわけですから、映画として面白いんだと思います。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-03-20 21:15:57)《改行有》 93. ハリー・ポッターと炎のゴブレット 《ネタバレ》 個人的には前作と同じ、あるいは前作を凌ぐ出来栄えで満足です。 すっかり忘れていましたが、当時よくCMで見かけた有名なシーンが出ると、既視感のためか懐かしささえ感じます。 この作品では、初めてヴォルデモートの犠牲者が出ます。記憶が正しければ、これ以降ファンタジー路線からサスペンス、ホラー、アクションの要素が強くなり、魔法合戦もパワーゲーム化していったような気がします。 小説では、『炎のゴブレット偏』くらいまでは楽しく読んでいた気がするのですが、これ以降はあまりに犠牲が増え続けるのが、読んでいて辛かった記憶しかないです。まあ映画ではどのようなストーリーになっていくのかわかりませんが・・・。 実を言うと、この作品くらいから、ハリーポッターシリーズを読んでいて、自分の中でうまく映像化できていない部分がありました。 それが原作のせいなのか、自分のせいなのかはよくわかりませんが、この作品を観たことで自分の中の『炎のゴブレット偏』が補完され、完成された気がします。つまり、私にとっては『小説』+『映画』でようやく『炎のゴブレット』が完結したと言えるでしょう。 一本の映画として見ても、最後まで緊張感が途切れることなくあっという間の2時間半でした。 難を言うならば、これは仕方がないことでもありますが、登場人物の心境の変化が唐突すぎることでしょう。 特にロンの心境の変化は違和感ありあり。また、四面楚歌状態だったはずのハリーが、いつの間にか皆から応援されている状況も、映画で見るとかなり不自然。ついでに言うと、ハリーが陰でロンやネビルを小バカにするようなシーンはあまり見たくなかったですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-03-17 15:38:17)《改行有》 94. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 《ネタバレ》 シリーズ中最高傑作との噂に違わぬ素晴らしい出来。『ディメンター』というハリーにとっての天敵の出現。その天敵を倒すために特訓。そして急成長。この3作目はハリーが魔法使いとして大きな成長を遂げるターニングポイントです。やはり主人公ですから。最初のうちは弱々しくて周りの人から助けられていても、どこかで強くなってほしいものです。そのタイミングが、全7作中3作目というのは、ベストなんじゃないでしょーか。 更に、今作ではリーマス・ルーピン、シリウス・ブラック、ピーター・ペティグリュー、ハーマイオニーと謎を抱える人物が4人いて、その謎の見せかた、解明の仕方が面白いです。特にピーター・ペティグリュー。彼に関しては『人の居場所がわかる地図』がかなり重要なキーアイテムとして抜群の効果を発揮していますね。 唯一この作品で不満を言うとしたら、シリウス・ブラックのイメージが原作とだいぶ違ったことです。シリウス・ブラックはもっとクールで落ち着いたイメージなんです。原作がある作品ならではですが、シリウス・ブラックやリーマス・ルーピン、マッドアイ・ムーディなど、好きなキャラクターほど自分の中でイメージができあがってしまうのが痛いところです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-03-15 03:39:13)《改行有》 95. バーバーショップ 《ネタバレ》 どういうシステムかよくわかりませんが、税金が払えずに銀行からの差し押さえに怯えるバーバーショップ。近所のコンビニに設置されたATM強盗。ふたつのストーリーが同時進行で進んでいきます。 とはいえ、この二つのストーリーがどちらも弱い。バーバーショップの店長兼この映画の主人公は、何をするわけでもなく、ただ現状を嘆き、イライラを周りにぶつけているだけ。ATM強盗のほうも、全然蓋を開けられなくて、悪戦苦闘する様子を延々と見せられるだけ。 ですので、メインのストーリーはとってつけたような内容で、どちらかというとバーバーショップに集まる人達の群像劇がメインのような作品です。似たようなやりとりばかり続くので、テンポとノリの割には少々退屈です。 ただ出てくる人達が、みな個性的で温かみのある人が多く、見ていて心癒される雰囲気ではあります。 最後の最後は棚ぼたでうまくいってしまうため、鑑賞後の後味は悪くありません。 ですが映画としては今一歩。面白さも爽快感も今ひとつといった印象です。 悪くはないんですけどね。 また、一人一人のキャラ設定は凄くよく、味のある人物が多かったように思います。特にバーバーショップの店員はみんな良かった。 インテリも気の強い女子もアフリカ出身の人も前科者も唯一の白人も、みんながみんな気さくで見ていて気持ちが良いです。 こーゆー職場だったら、働くのも楽しそうですよね。[DVD(字幕)] 6点(2016-03-02 02:08:38)《改行有》 96. ハリー・ポッターと秘密の部屋 《ネタバレ》 前作同様、今作でも次々繰り広げられる魔法ワールド。『空飛ぶ車』『瞬間移動』『変身薬』。魔法世界の住人達も次々登場。『屋敷しもべ』『暴れ柳』『アラゴグ』『マンドレイク』に『バジリスク』。『いたずら妖精』なんかもいましたね。 正直これだけでファンは大満足。正直終盤くらいまではずっと画面を見入るほどの面白さ。 だからラストのバジリスク戦。あれだけは何とかならなかったのかと思うくらい、結構残念な出来です。原作読んだときは、『嘆きのマートル』の種明かしに、『トムの正体』、『バジリスク退治』から『日記の消滅』まで息もつかせぬ展開だったのに、映画ではもうなんかダラダラ。演出がダメなのか、編集がダメなのか、演技がダメなのか、何が悪いのかもうよくわかりません。 『不死鳥が来てバジリスクの目を潰してくれた』→『武器が無いと思ったら、帽子の中から出てきた。』→『バジリスクにかまれた!もうだめだ!と思ったら不死鳥の涙で大丈夫だった』って、そんな次から次に何でもOKになるんだったら、50年前に何とかできたでしょーに。とか、思っちゃうんですよねー。 それに、あくまで魔法使いですから。ひたすら肉弾戦やって、剣でブスっ、はないでしょーよ。 そこは魔法と機転とアイデアで乗り切ってくださいよー。 とまあラストがぐだぐだだった点を除けば、おおむね満足度の高い本作。 何しろ好きなシリーズ、好きなジャンルの映画ですから。どんなにひどいクライマックスでも、これより低い点数はつけられません。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-03-01 03:24:27)(良:1票) 《改行有》 97. バティニョールおじさん ライトコメディみたいなのを勝手に予想していたのですが、予想を覆すシリアスで結構重い内容のドラマでした。まさかナチスものだったとは。実話だというのも驚きです。 美術商に逃亡資金のために画を売りに行ったとき、事情を察した美術商は『そこまでする価値が?』と問います。すかさず答えるバティニョール。『俺にはある。』一見飄々としたバティニョールおじさんの本音、その本音の中には覚悟と信念が存在することを示す重要なシーンです。 そう、これはまさにバティニョールおじさんの罪滅ぼしの物語。 自分がハム泥棒と間違えてユダヤの一家にクレームをつけに行ったがために、ユダヤの一家は逃げ遅れてドイツへ連行されてしまいます。ドイツの強制収用所へ送られることがどういうことか。 ところが、一家の息子が駅で脱走し、バティニョールおじさんの元へとやってきます。最初は関わりを持つことをためらうバティニョール。これも重要なシーンでしょう。ここですぐに子供を匿うことが人としては正しい行いなのですが、それができないくらい逡巡してしまう、そんなバティニョールを見せることで当時のパリ市民の置かれている微妙な環境というものが非常にリアルに伝わってきます。 プロットとしては、『ライフ・イズ・ビューティフル』に似ているかもしれません。 ストーリーだけなぞれば重く息苦しく理不尽な戦争ドラマ。ですがバティニョールおじさんというキャラクターが見事にその雰囲気を中和させています。 子供達は結局両親と生涯会うことはできなかったそうですが、バティニョールおじさんが子供達の『パパ』になることを示唆するラストに一筋の希望を感じることができました。[DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 20:53:16)(良:1票) 《改行有》 98. ハリー・ポッターと賢者の石 《ネタバレ》 今回二度目の鑑賞。以前見たのは10年以上前。前回見たときよりも面白く感じられました。 それは何故か?まず一回目は吹き替えでした。今回は字幕。 そして一回目の鑑賞は、小説を読んであまり時間を置きませんでした。今回は、小説の内容なんて10年以上前のうろ覚え状態で鑑賞したので、純粋に『映画』として見ることができたので良かったのだと思います。 ハリー・ポッターシリーズは、平和で牧歌的で、そして夢のある『魔法学校』という舞台の中に、命に関わるようなイベントを平気でほうりこんでくるそのシュールなバランス感覚だけがちょっと苦手です。そういった部分を、『おとぎ話』だと割り切って鑑賞すれば、どっぷりとこの世界観を楽しむことができます。 一般的に魔法使いと言えば、『箒』に『杖』に『ローブ』。そういった既視感に作者独自の世界観をミックスさせることで、よりディープでオリジナリティのある作品へと昇華されているのがハリー・ポッターの最大の魅力でしょう。 例えば、ただ『箒』と紹介されても、それは既存のイメージどまりです。そこに、『ニンバス2000』と銘打ち、有名ブランドの一品にしちゃいます。更には子供達が、まるで高級スニーカーを見るように、ウィンドウの向こう側から展示されている『ニンバス2000』を憧れの目で見つめます。この伏線があるから、『ニンバス2000』がハリーの元にやってきたとき、そのわくわく感が2倍にも3倍にも膨れ上がるのです。 このアレンジ感覚、世界観の構築ってのは、まるで日本のマンガのようです。今や日本の漫画、アニメが世界中で愛されているように、このシリーズが世界中を熱狂させちゃうのは非常に納得です。つまりはこの作品は究極のオタクのなのです。オタクの世界はそれはもう甘美で中毒性があります。ですがオタクの世界は興味の無い人達からは白い目で見られる宿命。つまりは、この作品が賛否両論真っ二つに評価がわかれてしまうのは、オタク作品として成功している証でもあります。 また、究極のオタク作品というのは、実はストーリー構成や、システムの構築ってのが、実にしっかりしているものです。そういったものにこだわるのがオタクなんです。ですからこのハリー・ポッターも、安易な魔法ファンタジーの世界で終わりではなく、しっかりミステリー要素を内包し、なおかつ『スネイプ先生』というミスリードキャラクターまで配置させる徹底振りが面白いんです。 オタクは想像の世界を現実に引っ張り出す天才です。ですから、『魔法の授業』、『クディッチ』、どれもこれもがルールやシステムにこだわっていて、オールフィクションのくせにやたら現実感があります。 これこそがハリー・ポッター最大の魅力だと個人的には思っています。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-02-19 04:18:26)《改行有》 99. ハード・トゥ・ダイ 《ネタバレ》 かなり大真面目で骨太なサスペンスアクション。 冒頭すぐに始まる銃撃戦。撃ち殺される同僚。目の前で丸腰の犯人を撃ち殺す先輩警察官。『これが嫌なら警察を辞めるんだな。』の一言。これだけでこの作品は只者ではない予感が。 ストーリーは完全に巻き込まれ型サスペンス。この巻き込まれ具合が尋常ではありません。 車泥棒に殴られ、倒れていたところを拾ってくれた探偵と陰謀に巻き込まれ、人違いで命を狙われ続けます。最悪の偶然を重ね着したような理不尽な展開。これがずーと続くわけです。 その理不尽さの中で、主人公がただ恋人に会い、プロポーズをし、二人で生きていくことだけを願っている姿が切ない。 アクションとしては抜群の面白さで、とにかく緊迫した展開が続きます。 恋人と再会してから、ブランチやブドウ畑に行く話をするようなゆったりとした時間の流れの中にも、なんとも言えないひりつくような緊張感が消えません。これはもう映画の雰囲気の作り方が上手いのでしょう。 ただ、本来全く関係のない人間が、ひたすら痛い目に会い、辛い運命を辿ってしまうのは見るに耐えないものがあります。 映画としての完成度、面白さは満点ですが、救われない主人公が気の毒すぎて、自分の好みには会わない結末でした。 アクション映画なのに爽快感に欠けるのは、その大真面目すぎるプロットが原因でしょう。 はまる人にはめちゃめちゃはまる面白さだと思います。[DVD(字幕)] 8点(2016-02-15 02:35:03)《改行有》 100. バトルフィールド・アース 《ネタバレ》 ラジー賞を総なめにして、ここのサイトでぼろくそに言われちゃって、僕くらい何か良いとこ見つけてあげよーかなーって思って見ていたんですけど、・・ないなー。全然見当たらないなー。まあ強いて言うなら、荒廃した地球の映像と、惑星サイクロのビジュアルはかなり好きです。雰囲気あります。 あとはもう・・・悪くはないんですけど、単純なんだか複雑なんだか、わかりやすいんだかわかりにくいんだか、大人向けなのか子供向けなのか、本気なんだか冗談なんだか、よくわからないんですよね。 登場人物の掘り下げがないまま、ストーリーだけがどんどん進行していく。一つ一つのエピソードが超つまんないうえに、関連性が弱く、つぎはぎのような印象を受ける。なんと言ってもこーゆー映画は、反撃のカタルシスに酔いしれる瞬間が最高なのに、そのカタルシスも弱い。 なぜかって言うと、準備段階から、いったい何をしようとしているのかがいまいちわかりにくいのですよ。それは敵も味方もなんですけど。よっぽど『見せかた』がまずいんでしょうね。そんな難しい映画じゃないはずなのに・・。 ただ惑星サイクロが爆発するシーン、あそこだけ異様に気持ち良いんですよね。 そしてそのシーンを見たときに、この映画を以前見たことがあることに気付いて、ちょっとびっくり。 残りの人生であと何回かこれとおんなじことを繰り返すのかもしれない。 貴重な人生なのに。なんか無駄にしている気が・・・。恐ろしい作品だ。[DVD(字幕)] 6点(2015-12-14 04:04:15)(笑:1票) 《改行有》
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