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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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121.  ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌 いったいこのドンパチだらけの作品の、どこが「ハード・ボイルド」なのかねえ、と思うけれど、ふむ、確かに、ややもするとエモーショナルになびきそうな流れを敢えて断ち切り、ひたすらおバカなドンパチに突き進んでいく点は、広義の「ハード・ボイルド」と言えるかも知れぬ。言える訳ないっての。でも、よくぞここまでやったね、と感心します(あるいは「なるほどそういうハメの外し方があったか」という感心かも知れないけど)。一緒に観てたウチの子供たちはア然としてたけどね。ごめんよ、また変な映画見せちゃって。修羅場に次ぐ修羅場、まさに修羅場のオンパレード。「こういう無茶苦茶な映画を作っちゃった」という恐怖を含めて、これはホラー映画ですね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-04 22:49:21)

122.  花咲ける騎士道(1952) 騎士道のキの字も感じられない、軽~いノリのアクション映画。しっかしノリは軽くてもアイデア満載、本当によく出来てます。アホらしいのについ手に汗握ってしまったり(ファンファン達の処刑の場面とか)、ひたすら楽しく、楽しすぎて、映画が終わるのが寂しくなるくらい。文句なしにオススメ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-11-12 10:50:21)

123.  HACHI/約束の犬 ウチの子供に「鐘の音が変だ」と突っ込まれるも(赤ちゃんの頃から寺ばかり連れて行ったからなあ)、外国の映画だからそういうものなのだと、無理に納得させて。この映画、時々挿入されるHACHIの視線のカメラが、逆に「HACHIに話しかけられる言葉が、決してHACHIには通じない」ということをかえって強調して、切ないんですね、しかしそれよりも、白眉は何と言っても、奥さんがギア様の墓参りに来るシーンだと思います。夫が亡くなってから、随分月日が流れて。町の景色も色々と変わってしまったんでしょうが(惜しむらくは、この“変化”をしっかり描いて欲しかった!)、なんとそこに、年老いて薄汚れはしたけれど「変わることなく」HACHIが居る、という、そのまさに「変わらない」ということの衝撃。人間は皆、それぞれの人生を送りおそらくは様々な転機などもあったであろうその中で、変わることなく、夫である飼い主を待つ犬。夫が亡くなってからの歳月が一気に縮まり、犬を通じて過去と直結する瞬間。このシーンは本当に感動いたしました。で、ここでちょっと複雑に感じるのはラストに付加された「実在のハチ公」についての紹介。実話であることと同時に、「今でも日本ではその場所にハチ公が銅像として立っている」ということが紹介されて、「変わらないこと」が改めて示されるのですが……当の我々日本人の感覚からすると、逆に「変わってしまった」ことを再認識してしまう訳ですね。この映画で描かれるような物語が、今の極彩色の渋谷駅で綴られることはもはやあり得ない……。またその一方、この映画に関して感慨深いのは、かつて、シッカンという犬を待ち続けるイングマル少年の物語(そして待つことをやめた時に彼は成長するのだけど)を描いたハルストレム監督が(映画館に足を運んだ私もまだ高校生で、スウェーデン映画なんて見たことも聞いたこともなかった)、二十数年後、今度は逆に、「犬の側の、待つ物語」として、我々にはあまりにも馴染みのあるハチ公を題材にした作品を、アメリカで撮ったということ。これはまあ、感慨深くはあるんですけれども、映画自体の中身とは別のオハナシ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-06 10:36:34)

124.  バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 例によってウチの子供に「またバットマンがちがうヒトになってる」と突っ込まれるが、「世の中そういうものである」と納得させる。ついでに言うと昨日、上賀茂神社の競べ馬を見に行ったら目の前で馬がオシッコして、子供曰く、本作の悪役のムキムキ男(シュワでは無い方)のチューブみたいな色だったらしい。尾籠な話で申し訳ありません。さて、この作品、嫌いじゃないんですね。これだけゴチャゴチャと怪人どもが戦う映画でありながら、ちゃんとアクションシーンがわかりやすく撮られている、これだけでも好感が持てます(昨今、編集自体がゴチャゴチャなのを、“臨場感”だと納得させようとする不届きな映画が多いと思います)。シュワがこうやって見るとあまり大きく見えず、単なるジジイとなっているのも意外性があるし、極悪人のMr.フリーズを、バットマンが「個人的な身内の治療」と引き換えに許してやる、というこの軽薄さも、堂が入ってますな。前作のロビン君から、さらに今回はバットガールとどんどん仲間を増やしてもまったく盛り上がらぬ期待感。毒々しいコスプレと小気味の良いアクションに対して、この中身の無いやっつけ感覚、まさにこのシリーズ(特にその打ち止め作)にふさわしいと言えるんじゃないですかね。こういうと全然褒めてないみたいですけど、実際、愉しいんです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 09:38:43)

125.  反逆児(1961) 徳川家康の息子にして織田信長の娘婿、切腹により若くして命を絶った悲劇の武将・信康を主人公にした時代劇。名前も「信」「康」なんて、実に憶えやすく、憶えやすいだけに存在感が薄く、(真実がどうだったかは知りませんけど)どっちかっていうと、信長の冷血横暴ぶりの一例として、歴史の脇役みたいにしか名前の上がらないヒトのような気がするのですが(日本史における、ローゼンクランツとギルデンスターンみたいな存在ですな)。それだけに、彼をどういうカラーで描くのかが注目されるところですが、残念ながらやっぱりこの映画の中でも特徴が薄い。妙な呪術にハマる妖怪のような母親など、ソレっぽい人々をソレっぽく配置して、東映時代劇らしくそれなりに豪華に仕上げて。手堅くはあっても、特色がもうひとつ感じられず、ただそんな「ソレっぽさ」で押し切られても、ピンとこないんですな。そんなボケボケのまま“同意”を求めてないで欲しい。。。むしろ、もっと明確に“理不尽”でなきゃいけないのではなかろうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-04-29 08:06:36)

126.  パットン大戦車軍団 あれ、今まで何度か観たヤツでは、冒頭の演説シーンがラストにもあったと思ったけど(ただし冒頭よりもやや口調が柔らかい)、今回観たヤツではパットンがどこか遠くへと立ち去って終わっちゃった。ちょっとカッコつけ過ぎじゃあないですかね。この映画、頭悪そうな邦題がついていますけど(笑)、戦争映画というより伝記映画。ドイツとの戦争が終結してなお、映画が続き、むしろその後日談においてパットンの本領発揮みたいなところがあるのが面白い(何だか今回観たヤツは、“戦後”の部分が物足りなく感じちゃう)。このユニークな脚本を書いた人ってのが、映画監督のコッポラって人らしい、と言う訳で、私は子供の頃、コッポラってのは何だかとってもエライ万能人であるかのように思ってました。今ではどっちかというと、本作の脚本がとりわけ優れている訳ではないような気もしてますが。エピソードの羅列になっちゃってる感じ(そこがコッポラらしいのかも?)。敵の爆撃機に拳銃で応戦しようとするとか、アフリカで自分の前世を暗示する場面とか、兵士殴打事件とか、色々エピソードを盛り込む割にはそれが単発で、彼の変人ぶりを描くことに関してはやや未消化な感じも。一方で、戦闘シーンのスペクタクルばかりに頼ることなく、パットンの足跡を追うことに専念しつつ(「歓迎パレード」のシーンであったり、背景を変えながらひたすら続く「行軍」のシーンであったり)、その中で、パットンの変わっていく面と変わらない面を描いて行くのは、やっぱり上手いと思います。最初の方では「こんな頑固親父、皆に嫌われて、生きてて楽しいのかね」と思われるパットンが、だんだん愛すべきキャラに思えてくる。ジョージ・C・スコットの一直線ぶりがいい(そして脇にひかえるカール・マルデンのデカ鼻もいい)。パットンが、行軍の邪魔になるロバだかラバだかを容赦なく射殺する前半と、活き活きとした表情で楽しそうに行軍の交通整理をする後半。うーむ。何だか星野監督の中日時代と阪神時代みたいではないですか(……この喩えはイマイチでしたね、すみません)。歴戦の中で角がとれて丸くなったようなパットンだけど、反骨精神は最後まで貫いて見せる。あのペットの犬もイイですね、どこからあんな犬見つけてきたんですかね。「魅力ある主人公」映画部門、第1位に推薦いたします。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-15 08:23:53)

127.  バベル 《ネタバレ》 このオハナシは要するに、「ツタンカーメンの呪い」とか「ホープダイヤモンドの呪い」とかの一種ですね。名付けて「ライフル銃の呪い」。とあるライフル銃に関わった者たちは皆不幸に襲われる。ライフル銃の元の持ち主である日本人は、妻が自殺し、娘は色情魔に!――ライフル銃の次の持ち主であるモロッコの男性は、お巡りさんにヒドイ目に合わされ!(自業自得ですが) ――さらにその次の持ち主である少年は、所構わずライフルを乱射(?)、偶然通りがかったバスに乗っていたアメリカ人女性が撃たれる! しかもその後、銃撃戦の末に少年の兄の命が奪われ! ――さらには何と、ライフルで撃たれたアメリカ人夫婦の子供まで、メキシコ国境で何だかややこしいことに! ………と言う訳で、「呪い」なんぞと呼ばれているものが、およそコジツケばかりであることが、よくわかりますね。   あ、「呪い」がテーマの映画ではなかったんですか。  それにしても、この映画、あまりパッとしない。舞台がモロッコ、日本、メキシコと、要するに「辺境」ばかり(日本の描かれ方は、確かに都会は登場するけれども、好奇の視点でヘンテコワールドとして描かれた、明らかな「辺境」の扱い)。そりゃ複数の「辺境」を混ぜこぜに描いて、ホレ互いに通じ合わない世界だ、まさにバベルだ、と言われても、そりゃそうでしょ、としか言いようがない。バラバラなものをバラバラに描いても、ねえ(せめて「呪い」ででもいいから、繋がってりゃ)。モロッコの少年は兄を失ったが、撃った女性は九死に一生を得て、彼は殺人者の汚名を着ることからは守られた、ってか。いささか安直な“救い”ではないかな(中盤の大騒ぎに比べて)。はたまた、日本の女子高生(って言っても、バレーボールのシーンはママさんバレーにしか見えなかったが)は、男性(特に年上の)に色目使いまくりだったが、実際に彼女が求めていたのは「異性」としての男性ではなく、「父」としての男性であったのだ、最後は父に守られ、あわやというところで彼女の純潔は守られたのだ、ってか。どうでもいいやんか、そんなの(それに実際、若い男からは自分で逃げてるしね。デスパレートなように見せて、ちゃんと自分で自分を守ってる。あと、メキシコのエピソードも、最後は平凡なところに落ち着くし。この映画、社会問題みたいなことも色々取り上げているのに、何だか“安全弁”が多すぎませんか?[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-13 16:57:05)

128.  バットマン リターンズ はいこの作品、以前から苦手です。これはさすがに「やり過ぎ」ですね。だいたいこの“ペンギン”というヤツ。口からキタナイ色のヨダレ垂らして、ヒーロー娯楽映画にあるまじき趣味の悪さ。いや、それは良いとしても、そういう露悪趣味の塊りのようなキャラのくせに、我々に媚を売りすぎじゃないか。この映画ではもはやバットマンは成金趣味の中年オヤジ、“かわいそうなペンギン”をいじめる悪いやつ(今作のバットマン、どっちかというとドン臭くて、あまりカッコ良くは描かれてないよね)。いやもう結構。「異形だから哀しいんです」なんて白々しいこと、こんな陳腐な手法で言ってくれるな。“ペンギン”が最後に起こそうとする破壊活動、まさにティル・オイレシュピーゲルの誓う全人類への復讐だけど、これを何の伏線もなくいきなり「はい、妨害電波~」と打ち破ってしまうバットマンとアルフレッド。これはイジメ以外の何物でもないワケで。何もそこまでバットマンを悪人して“ペンギン”を持ち上げんでもいいやんか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-01-29 09:03:42)

129.  バットマン・フォーエヴァー 先日『バットマン』をウチの子供たちと観たらなかなか好評で、以降何かにつけ「バットマン、バットマン」と言うもんで、ではもう一作。ただし『リターンズ』はさすがに子供が楽しむには厳しいかと思われるのでこれはパスし、『フォーエヴァー』へ。敵の怪人は2人出てくるし、味方も増えるし、かなりオコサマ向けだからイケルかと思ったんですが、まあ、それなり、ほどほどに楽しんでましたかね(バットマン役が代わっている点、説明を要するところではある)。今回の敵はまず、ナゾナゾ大好きのナゾラー(←という名前だったと思うのだが・・・)。体中がハテナマークの衣装、しかもこれがピカピカ光ったりするあたり、さすがは衣装担当出身のジョエル・シュマッカー監督(←全然感心してないくせに・・・)。この安直なキャラ、ゴレンジャーの「○○仮面」を彷彿とさせるものがありますね。そしてもう一人の怪人はトゥーフェイス。これを演じられるのはトミーリーではなくて、やっぱしトム・クルーズじゃないですかねえ(アイスマンと奥さんがイチャイチャしてりゃ、そりゃトゥーフェイスにもなろうってもの)。それはともかくとしまして、この第3作。常識範囲内のバカバカしさ、きらびやかさで、4作の中では一番マトモだと、(少なくとも今回見直すまでは)思ってたんですが、その分やっぱりちょっと「弱い」のかな、と。一通り物語を追ってみました、ゴテゴテでハデハデな感じも一通り盛り込んでみました、みんなが観て喜ぶような楽しい作品にもしてみました。でも、それだけ、という印象。前2作からの「それなりに踏襲、それなりに路線変更」だけで終わってしまって、張り合いの無い作品になっちゃってる。緊張感の欠如。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-09 11:02:05)

130.  バットマン(1989) ティム・バートンが製作にも関わって歯止めが効かなくなった第2作よりも、ある程度制御された(ようには見えないけど。笑)この第1作の方が、やはり楽しめます。大の大人たちが、コスプレしてメークして、変なマシンが続々登場して、ヒーローごっこに興じて、と言う訳で本作は、お祭り映画ですね(第2作はもはや“奇祭”という感じ)。それにしてもジャック・ニコルソン、どんなにメークしてもやっぱりニコルソン顔なのが、ある意味スゴイと思います。このヒト、指名手配されたら、絶対逃げ切れないと思う。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-04 09:55:51)

131.  パプリカ(2006) ドラマが次の物語を引き起こすのではなく、ひたすらシーンが次のシーンを呼び、あるいは発散し、あるいは循環する。アニメに不可能なし、とばかり、悪乗りの極致、エネルギーの奔流にただただ圧倒される、のだけど・・・あまりに濃過ぎて、少々胸焼けが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-28 23:07:14)(良:1票)

132.  BALLAD 名もなき恋のうた 草ナギが缶ビールを飲んで「愉快じゃ愉快じゃ」と言っている横顔を見ていると、あの公園で脱いで捕まった時にもきっと愉快な気分だったんだろうな、と。いつまでも犯罪者呼ばわりしてちゃ気の毒になってきますね(すみません、いまだに犯罪者呼ばわりしておりました)。名もなき武士たちは歴史に埋もれ、草ナギはやがて芸能界から消える(大きなお世話だ)かもしれないが、彼らの映像は、ここに残る。戦国時代の合戦の中に、文明の利器の代表である自動車が登場する痛快さ。しかし我々現代の人間が手にした、それ以上に貴重なもの、それは“カメラ”である、ということえでしたとさ。まあそりゃいいんですけど。自動車のタイヤの跡が戦国時代の道に刻まれていく場面など、色々と工夫が凝らされているとは思うんですけど、全体的に演出の薄味な感じがしてしまうのは、「どうせ後で、CGで何とかなるから」というコト、なんですかね。もしも山崎貴演出の“NHK大河ドラマ”ってのがあれば、これはしっくり来そうな気が。[地上波(邦画)] 6点(2011-12-25 08:50:25)

133.  裸の島(1960) 《ネタバレ》 こういう映画が当時外国で評価されてしまったというのは、要するにこれが極東のナントカいう国の“真実”の姿だと思われちゃったのかな、と。映画の中で描かれる「貧しさ」というものは、とかく意味を持って受け止められやすい。ホントはこんな夫婦いないんですけどね、とか言いながら上映しても同じくらいの評価を受けたのかな、と。我々も馴染みの薄い国の映画を観る時には、何でもかんでも真に受け過ぎぬように気をつけましょう。むしろこの映画、今の目で見ると、「この生活、何年やってるんだろう。奥さんまだまだ華奢だけど」とか思っちゃうのだけどダメですかねえ。きっとこの二人、ホントの夫婦じゃなくて、男は妻子持ち、女は元OLで、不倫関係、都会から逃げてきてこの島でひっそり慣れない生活をしているんだろう、とか想像しちゃダメですかねえ。罪滅ぼしに孤児二人を引き取って暮らすも後悔の日々、今や食事中も会話が無い(=やっぱりセリフ無しで家族を描く、という手法自体に無理があるんだよ)。重い水の桶を運ぶ妻。観てて「コケるなよコケるなよ」と念じてしまうのは、ひとつには大変な作業であることがヒシヒシと感じられるから。またひとつには「ここで水をひっくり返すなんて演出、はっきり言ってベタだよね」と思っちゃうから。念じた甲斐もなく、水をひっくり返してしまい、駆け寄る夫に大して今度は、「暴力だけはふるうなよ」と念じるのだけど、理由はふたつ、上に書いたのと同じです、ハイ。で、念じた甲斐もなく、あーあビンタしちゃったよ。この生活何年やってて、どのくらいの頻度でこういう事件が起こるのか。起こるべくして起きた失敗だと思うのだけど、いちいち立腹して、いちいちビンタするのか。ベタな演出で描かれる「部分」は、なかなか「全体」へと繋がらないもんです。麦をまく⇒麦踏みをする⇒収穫、という一直線の描写も安直で、多層性を欠き、かえってこの島の暮らし全体が見えない。ホントの生活ってのはそんな因果関係の明確なもんじゃなくて、いろいろ仕込んで、いろいろ苦労があって、それらを乗り切った先にようやくささやかな幸せがある、そういうもんじゃないですかねえ。とか思っちゃうんですけど。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-13 14:56:44)(良:1票)

134.  バトルクリーク・ブロー うちの子供たちはジャッキーのファンらしい(よくわからんが)ので、本作ですらも熱心に観てます。傍で見てて、さすが、と感心するけど、何に感心しているのかは自分でもよくわからない・・・。あるいはむしろ、この映画のヌルさが、子供にとってはコワ過ぎず、ちょうどよく楽しめるのかも。でも私も別に、そんなヒドい作品とは思ってなくて(ヒドくない訳じゃないけど)、実は『燃えよドラゴン』よりもマシな映画なのでは、とも思います(あちらは神サマが出演している殿堂入りクラスの作品なので、比較自体が無意味ですが)。そして、ジャッキーが目指しているのは“新ブルース・リー”ではなくて、あくまでサイレント映画のスラップスティックであることが、この映画を見てもよくわかります。だから、子供でも楽しめる。これホント。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-02 08:28:11)(良:1票)

135.  パーフェクト・ワールド ラスト近くにハロウィンネタを持ってきたところが憎い。じゃなくてもう、ズルい。くそーそうきたか、中盤の展開を、最後にそう持ってくるか。そんなの感動せずにはおれないではないか。ズル過ぎ、ヒキョーだぞ。ウチの幼稚園の娘は最後の30分くらいしか観てないのに、泣いてるしなあ。父ちゃん、もうワケわからん。ケヴィン・コスナー演じる男、それなりにイイ奴ではあるけれど、所詮は殺人者。いや、脚本家の立場からすりゃ、彼に殺人を犯させず、もっと好人物に描くことの方が簡単なワケだけど、敢えて殺人者として描く。なぜならその事は、少年と彼との友情の障害とはならないから。友情は善悪を超える、という信念が、ここにある。“完全な世界”とは、“完全な人間だけが住む世界”のことではなくて、むしろ“あらゆる人間が存在しうる世界”。その不完全な人間たちが互いに補い合って、“完全な世界”が形作られる。うーん、何だか、ハメられたような感動なのだけど、悪い気はしないね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-28 22:45:54)

136.  ハスラー2 トム・クルーズってきっと、若い頃にこういうアンポンタンなキャラばっかし演じてたもんだから、本当に変なヒトになっちゃったのね。まあこういう映画って要するに、トム・クルーズがどれだけビリヤードの曲芸ショット練習してきて、映画の中でそれを(代役無しで)披露してくれるのか、ってことが一番の関心事だったりする訳ですが。せめてマチャアキ以上のことはしてくれないと(これが結構、難しい)。で、オハナシはと言いますと、歳くって視力も体力も衰えてきたハスラーが、若い後継者を育てようと賭けビリヤードの極意を伝授する。いわゆる当時の言葉で言うところの“新人類”なもんで、何かと衝突したりはするものの、何とか伝授していくうちに、ハスラーは自分の“老い”というものを痛切に感じることになる。そうそう、年食って自分が衰えてきていること、頭ではわかっているつもりでも、まだまだそれは認識が甘くって、ある日それが実感として身にしみた時に、ほんとうに愕然とするものなんですよ、これが! で、復活を目指すハスラーと、後継者の若者が、トーナメントへ出場するクライマックスへと向かう訳ですが。試合の緊迫感ある描写は、確かに盛り上がるんですけど、うーん、何だかなあ。「傷ついた」とか言いながら大して傷ついていないのが、そりゃまた随分キザじゃあありませんかね、ぶーぶー、と言いたくなっちゃう。もっととことん、ボロボロになるまで傷つきゃいいんです。その上で「今の自分」に立脚した復活を目指せばいいです。この映画、キレイにまとめ過ぎだと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-04 16:14:06)

137.  晩春 またも出ました、原節子の「私、結婚しないワ」攻撃。って、時系列で言うと、コレが初めてなんですかね。じゃあしょうがないですね。本作、登場人物たちそれぞれの人生を多層的に描くというよりは、「娘の結婚を心配する父」と「父を心配して(ほんとに?)結婚しない娘」との姿に、比較的絞って描いた作品で、その代わり、冒頭の茶道のシーンから始まって、“ちょっと寄り道”的な、物語に直接関係の無い光景に、時間を割いているのが目につきます⇒とは言っても、“意外に時間を割いてる”というだけで、実は物語に関係ないどころか、大いに関係あったりするんですね。父の再婚相手(?)と初めて遭遇する、この茶道のシーン。電車で東京に向かうシーンも妙に長く妙に楽しげだけど、これは父との外出。父との仲の良さ。はたまたサイクリングのシーンの、これまた妙に楽しげな印象(やはり年頃の娘さんなのであって、男性とお付き合いすること自体が嫌いな訳じゃない)。白眉は、能のシーン。これでもかと長い。長いけど、そのシーンにはドラマがある。サスペンス。原節子の表情がコワい。⇒⇒⇒ってか、そもそも、この映画の原節子の視線と表情、全体的にとってもコワいです。ちょっと苦手です、ハイ。で、そんな彼女が、最後に見せる花嫁姿。去りゆく娘は、ひたすら美しく描かれる。黒の着物を見事に着こなしたその姿、まさに印象的な、名シーンだと思います。ところで、娘の結婚相手の“熊五郎”とはどんな男だったのか。まあ“寅次郎”じゃなくてよかったよね、御前様。[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-08-06 10:02:44)(笑:1票)

138.  HANA-BI 《ネタバレ》 最初、駐車場の地面に「死ね」と大きな落書きがあって。よくお笑いの世界では「死ね」みたいな過激な言葉が飛び交う場面があって、しかしそういやビートたけしという人、“毒舌家”ではあっても、笑いをとるためにそういう事を言ったりはしない気がするなあ、と。何でかと言うと、「そりゃツッコミではなくボケの人だからでしょ」と言われりゃ多分その通りだとは思いますが。ただ、そのボケの中にはいつでも自虐性みたいなのがあって、何だかこの「死ね」の落書きも、ビートたけしが北野武に要求したツッコミであるような気もしたのですが、まあこれは映画とは関係のない部分における感想。・・・しかし実は映画の方も同じように、「カッコ悪くて不器用なビートたけし」に対し、その姿を徹底的に人目にさらすことを要求する北野武、という対立関係があって、その仮借なさにこそ、カッコ良さなり器用さが感じられる、という面があるようにも思えます。本作、一部に長いセリフもありますが(大杉蓮が喋りにくそうにしてる)、基本的にはセリフは抑えられています。そして、ショットの積み重ねがひとつのシチュエーションを紡ぎ、シチュエーションの積み重ねが、映画の物語を紡いでゆきます。その中には、過激な暴力シーンがあれば、また妙に静かで意表をつく銀行強盗シーンもあります。そしてその物語の流れの中には、物語の情緒を印象付ける美しい風景が挿入されたかと思えば、その流れにふとひっかかるもの(置き忘れられた三輪車であったり、凧揚げの少女であったり)が挿入されたりもします。しかし大きな流れは決して止められない。不発と思った打ち上げ花火が遅れて発射したように、運命の流れは変えられない。・・・ええと。このローマ字書きのタイトルは、何だかヤだなあと、その点は噛みついておきましょう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-23 17:25:01)

139.  麦秋(1951) 例によって例のごとく、嫁に行けとかまだ行かないワとかいうオハナシですが、本作、原節子の思わぬ選択の、そのあまりの唐突さには、誰しもつい「なんでやねーーーーん」と叫びたくなるところですが、その気持ちは登場人物たちも同じ。波紋、動揺、そして受容。笠智衆は珍しくも、相手との衝突を避けることなく、大いに吠えまくる(しかし、バカ息子2人は、遠慮せずにもっと叱り飛ばしてやってよろしい)。そういう会話上の衝突があることと関係があるのか無いのか、恒例の(?)「コマ切れカット対話」は抑え気味、カメラは引き気味。母親役の東山千栄子は、『男はつらいよ』シリーズの“オバチャン”の原型とも言うべきでしょうかね、『東京物語』に負けず劣らずの、愚かしいまでの無垢さ、これには心打たれずにはおられません。これはまさに生き仏です。合掌。ラストは、“家族みなバラバラになっちゃったけど、いつかまた会えるだろう”ってのが何だか『日本沈没』みたいで、良いですね、全然違うけど。この麦穂が揺れる奈良の風景、おいおいいくら奈良でもここまで田舎じゃないよ、本当は一体どこでロケしたんだよ~と思ったら、あ、耳成山みたいですね、これは奈良ですね、すみません。昔々はこんなのどかな風景だったんですね。え、今も大差無いってか。 (この麦が揺れるシーンですかね、何テイクか撮影されたうち、OKテイクとは異なるフィルムをスタッフが誤って用いたのを、小津監督が一目で見破ったというのは。)[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-06-12 23:50:40)

140.  はやぶさ奉行 冒頭、次々に起こる殺人事件! ⇒でもそれは、ストーリ上はどうでもいいことであって。とりあえず、潜入捜査官・遠山の金さんの活躍が始まる訳ですが。で、例によって例のごとく、悪者どもの悪だくみを暴く、というオハナシ(まあ、当然だけど)。しかしその“悪だくみ”ってのが、普通の発想を遥かに超えた、ムダに大掛かりな作戦で、なかなかに笑撃的。金さんと彼をサポートする“ねずみ”の前に現れる、危機また危機。だけどすべてサラッと流されるので、あんまり盛り上がらない。金さんが崖に追いつめられる絶体絶命のシーン、これも見事にサラッと流され、「今のは何だったんだ」と唖然。金さんを演じるは、和製ジャン・ギャバンこと(?)片岡千恵蔵。セリフにはいちいち気合いがみなぎり、正直、何を言っているのか聴き取りづらいほど。まあ一種の様式美ってヤツですかな。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-25 02:19:34)

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