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あらゆるもんがどん詰まりへと陥り、肉体的にも精神的にも疲れきってしもうた男の苦悩を、現実と夢と幻想と過去を同列に並べた構成や、視覚と聴覚と感性に訴えかけてくる、映画的ダイナミズムと芸術性にあふれた演出によって見せてった手腕は見事で、不思議で楽しくて悲しくて怖いっちゅう、なんとも形容しがたいおもしろさには度肝を抜かれてしもうた。ラストの妙な大団円なんてもう脳みそぐ~るぐ~る!
[DVD(字幕)] 10点(2012-01-01 11:41:45)(良:1票) 《改行有》
2. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
いわゆるおバカムービーとしてはほぼ文句のない仕上がりで、誰もが多少の覚えはあるであろう羽目をはずしすぎたことによるとんでもない醜態を、映画的にカリカチュアライズして最高に下品で情けなく描き出してくれとったし、意外と脚本がしっかりしとったのも高評価で、暇つぶし映画としてはホンマにほぼ完璧な内容。根底にあんのは男同士の友情であるっちゅうところもええしね。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-12-19 21:00:46)《改行有》
3. バッド・ルーテナント
オリジナルの宗教くささが抜けたぶんグッとエンタメ性やブラックジョーク感が増しており、人間のダメさ加減を哀れみながら愛するっちゅう、狂気と愛と普遍性が入り混じった快作っちゅうか好編へと仕上がっとったし、主役のアンチヒーローを嬉々として演じとるニコラス・ケイジのハマり具合も抜群で、彼にとっては久々のあたり役。おいらの趣味的にはオリジナルよりもこっちに軍配が上がりますねぇ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-18 16:51:58)(良:1票) 《改行有》
4. ハート・ロッカー
パンチドランカーならぬ戦争ドランカーを描いた作品で、戦場っちゅう過酷な状況に長期間さらされた結果、人間に芽生える両極端な感情を非常に冷静に描き出しとったし、ドキュメンタリータッチの臨場感あふれる戦場描写も秀逸で、とくに視線の扱い方がめっちゃうまかった。しかしこういう撮り方はデ・パルマが『リダクテッド 真実の価値』ですでにやってもうてるので、ちょい二番煎じ的な印象はぬぐえんかなぁ……。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-12-18 16:42:04)《改行有》
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