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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  HUNGER/ハンガー(2008) 《ネタバレ》 思ったより、中々に難しい映画でしたね……よくある「正義vs正義」の戦いと言うよりは、コレはもう「非正義vs非正義」のソレだと言うか、感情移入・共感とかが容易には出来ない or 意図的に出来ない様なつくりにしてある、と言いますか。個人的には、作中のこの時代の真っ只中ならともかく、現代では尚更に「目的の為なら手段を選ばない」なんてのは全く通用しない状況になりつつある…とも(当然の様に)思ってますしね。寧ろ「正しい手順・プロセスでソレを追求できるコト」の方が、そういう「目的」を掲げる為の第一条件だ…とすら⇒その部分に正しさを持たない集団に掲げられたのならば、寧ろその目的の「正しさ」の方がすら不当に失われ得る、とさえ。 難しいというのは取り分け、実に淡々と冷徹に事象を(比較的ニュートラルに)描写してゆくに留まる、という点で、今作からはほぼほぼ如何なる「意見」をも汲み取れない…と思ったってコトなのですね。おそらく、主人公の(実在人物である)ボビー・サンズに対するシンパシーというモノは感じ取っても(+ソコに共感しても)作品の流れとしては許されるかな、とは思えるのですが、私としてはソレ以上のモノは無い、と言うしかない様に思われたのです。個人的なポリシーとして、コレはドキュメンタリであればごく「適切な」コトだとも思えるのですケド、そうではないこの作品に関して言えばコレもまた「難しい」というコトになるかも知れません。ごくシンプルに、この歴史的・政治的事件の映像的なアーカイブとしては、十分に価値の有る映画だとは思いますが。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-03-02 21:43:08)《改行有》

2.  薄桜記 《ネタバレ》 うーん、市川雷蔵カッコ好いな~~ちょっと驚きのカラー作品だったのですが、時代的にも相当に古めかしい時代劇映画で、かつ(たぶん時代相応に)色々とコッテコテ!でもありますよね。雷蔵自身も、後に他の作品で観た時よりも、シンプルに遥かに「歌舞伎」寄りの演技をしてると思いました…がソレが何やら実にカッコ好い!凄みに溢れて居る!のですよね。重ね重ね、コテコテに武士の(古~い)価値観丸出しな感じなので、やはり少しダケ「ソコまでせんでも…」みたいなコトも随所で感じられはするのですが、私みたいな小物としては(だとしても)モ~黙るしかない…みたいな凄さが在りますね。殺陣も、オーラスなんか特にそー思いますが総じて好い出来でしたよね(⇒ココに関しては、古い作品過ぎてチャンバラにSEが全く入らないのが結構に違和感ではありましたケドね⇒そーいうのって何年ごろから入り出すんすかね?) とは言え一点ダケ、また肝心な真城千都世さんに関してはやはり率直に今一つ…だったかも知れませんね(まあ多分、ほぼ新人みたいなコトなのかとは思うのですケド…)。ルックスはフツーにかなりの美形で、見たダケなら「綺麗で瀟洒なお姉さん」みたいな感じなのですが、特に序盤は十八九の女のコか!的なキャラの浅さマデが見え透いてしまうホドで。。終盤付近は、流石にちょっと好くなった気もするのですが、もっともっと好くなってくれないと元が取れない…みたいにも(やや)思われてはしまいましたですかね。[DVD(邦画)] 7点(2024-02-13 23:38:25)《改行有》

3.  ハウリングIV 《ネタバレ》 まずですね、このつくりをやるなら、フツーたぶん「一作目」なんですよね。聞くと、この80年代の『ハウリング』シリーズには原作小説ってのが在ったみたいで、ソレが1977年の小説『ハウリング』(=多分、狼男伝説を当時のアメリカを舞台にモダナイズした様なヤツ)で実はダンテ監督の一作目がそもそもソレの映像化という建前だったって事情らしーのですよ。でも正直、英語版Wikiでプロット読む限りでも全然違う話になっちゃってるよーでして、んで結論的にはこの四作目がナンとその原作小説の「忠実な」映像化…てコトのよーなのですよね…(⇒ある種の「原点回帰」なのですかね…) …なのですケド、どーしたってシリーズものとして観てるコッチとしては、も~当然「原因・犯人」は割れてもーてますのですから、ソレがいつ出てくるのか・どんな感じのが(今回は)出てくるのか、てコトにしか興味関心が湧かないのに、結局ソレが終盤残り30分までほぼ姿を見せないし・イザ出てきたって別にいつもと同じ感じで出てくるし…(まァ前述の事情があるからある意味当然ではあるのですケド…)そーすると、私個人の結論的な評価としても、ソレこそ本レビューのド初っ端に書いた一文のみで既に事足りちゃったって始末になってまうのですね。。コ~レは流石に…B級ホラーのごくエコノミカルな続編としては最早「ルール違反」って気もしちゃいますですかね…(そーいうの求めてんじゃないっちゅーか…) ただし一つダケ、遂に狼男出現!的なクライマックス付近では、今までとは異なるアプローチによる禍々しいその「変身」シーンがつくり込まれていたりとか、ごく悪魔的な存在として描かれる今作の彼らの「ビジュアル」的な部分のキレ味なんかは比較的良好だと思えたコトとか、加えてオーラスはまた結構シンプルにド派手だったコトとか、コンセプト通り原作に忠実に丁寧に運んで⇒でもオーラスは思い切りハッチャケた!てなコトにも見えました。ソレに関しては却って、続編B級ホラー的にごく正解に近いコトだとも思えましたので、評価としては一旦この位にしておきます。[ビデオ(字幕)] 4点(2024-02-11 09:08:51)《改行有》

4.  ハウリングIII 《ネタバレ》 ほほォ……そもそも何故かオーストラリア製作(作中舞台も撮影地もソコ)になってたり、なんちゅーか「ガラッ」と変わってますね(何もかもが)。お話としても、確かに後半は全くホラーじゃあなくなっちゃってますよね。もし仮に、コレって『ハウリング』?それとも『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の方?て訊かれたら、個人的には後者の方に近い…と言ってしまいそうな気すらします。ただ、そのワリには、全体のストーリーとしても展開運びとしても、まあまあ好く出来ていた・組立てられていたという感じもするのですよね(私も、その後半は率直に、何故かそこそこ面白く観れてましたよ)。オーラスのおふざけは一旦置いたとしても、ごく個人的にはⅡよりは全然マシだったかと思いますよね。 とは言え、脚本がそれなり…な気もする一方で、逆に技術的な面がかなりイマイチ…というやや珍しい感じであるコトも否めませぬ。端的にまず、冒頭からも編集・繋げ方がクッソ微妙(雑)に思えたとゆーのが、ちょっと許容できないレベルで非常に唐突に場面転換しまくる(から繋がらない⇒カット数も多分足りてない)のとか、殊ショックシーンなんぞは総じて「肝心なトコロだけ抜けてる(多分撮ってない)」てモロ手抜きだったりとか、後半は更に一瞬で何年も時がスッ飛ばされたりとかでチョ~駆足にも見えたりとか、ザックリゆーなら(B級レベルに達しない程度にまで)手抜き・予算カットが甚だしい…って印象ですかね。当然、たまにチャンと撮ってる特撮シーンも、コレはⅠは疎かⅡよりも頭一つ低レベル…てな具合でして⇒ただし、狼人間赤ちゃんのシーンだけは(出産シーンも+その後の成長していくシーンも)ドレも妙にレベル高かったのですケドね。つまり、最初からそもそもホラーにする気が無かった…てな気もしてます(⇒その一貫性や、却って善し)。 非常にどーでも好いコトかも知れませんが追加で一点、この件の調査をする科学者バディのサブの方の俳優さんが、ナンかどーにも見覚えある…と思ったら、オーストラリアのラルフ・コッテリルって『ウルトラマングレート』のグラント隊長じゃねーですか!!懐かしい…(涙が出るホド…)[ビデオ(字幕)] 4点(2024-02-11 08:42:50)《改行有》

5.  ハウリングII 《ネタバレ》 いちばん最初にいちばん致命的なコトを言ってしまうのであれば、とにかく特撮・特殊メイクが前作に比べて致命的に稚拙なので、だからその時点で(何をどう引っ繰り返したトコロで)前作には遠く及ばない続編…となる以外にモ~道が無いのですよね。案の定、ショックシーンはどれも全然面白くありません⇒(物理的に)よく見えないか、見えたとしたら絶望的にチャチいというヤツばっかり。お話の方も、率直に「そもそもコレ狼男のハナシなの?」とゆーか、ひとり親玉が居て雑魚がソイツに操られている…というコトさえ盛り込めば、別にその敵が狼男だろーが吸血鬼だろーがゾンビだろーが何でも成立する様な実にホラー的に陳腐なシナリオでありますね。前作の主人公カレンの弟が今作では主人公となり、ある種の姉の仇討⇒トランシルバニアに跋扈する人狼の女王スティルバを退治に出向く…という(悪い意味で)シンプルなお話なのです、が前述どおりホラー描写もショボくってかつお話も極・超・在り来りなので、全編まるで見ドコロが見出せません⇒クリストファー・リーも正直オーラ皆無だし。唯一、見る価値の有るポイントと成り得るとしたら、ソレこそソレはセクシーダイナマイト!なシビル・ダニングだったのかも知れませんが、彼女とて(オッパイだけは確かにモノ凄いとは思いますが)この時既にアラフォーのオバハンで、しかも大して脱ぎもしないですし、個人的にもうーん…という感じでしたかね。ただし、エンディングではその「オッパイボロン」のとある一瞬をまるで気でも狂ったかの如くにリピートしまくるので、都合17回ほどはソレを拝むコトができるのです(ご丁寧にWikiにも書かれてる)⇒色々と興味が湧くという奇特な方は是非。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2024-01-31 01:24:50)

6.  ハウリング(1981) 《ネタバレ》 大昔の初見時は、正直あまり面白く感じなかったのですが、今回観直すとまた、少なくともラスト30分くらいは(=肝心の「変身」シーン以降は)素直に非常に面白いと思ったのですよね⇒ある意味、ちょっと惜しいな…とまで思わされてしまったと言いますか。流石のロブ・ボッティン…とゆーか、それこそ『遊星からの物体X』とも同じ感想には成りますケド、こーいう物理的なワザ(=努力の結晶)ってある面で確実に「リアル」そのモノだから、時を経ても中々色褪せないとゆーかやっぱスゲーなコレ!と(今観ても尚)思えるのですよね。ただ、件のその「変身」シーンは流石にちょっと尺的には長すぎるとゆーか、軽く3分くらいはやってるから主演のディー・ウォーレスも途中からナニしてれば好いか分かんない⇒だったら逃げれば?みたいなコトにはなっちゃってましたかね。。 重ね重ね、そのロブ・ボッティンの妙技と、プラスαでデーハーなクライマックスを(前半のかな~り高度な詰らなさを耐え忍んだ上で)楽しめば好いダケのシンプルな作品に思えます。ただ、その詰らない前半にも目を向けておくのなら一つ、何ちゅーか結構に色んな「味」がする気もするとゆーか、嘗てのユニバーサル版狼男の雰囲気は当然のコト(⇒挿入映像としても入って来るし)、何処かゾンビ風味とかそれこそ『ウィッカーマン』だとか、ダンテ監督その他がホラーの流行りのアレコレをどーにか取り込んでやろうと苦心してたのかな?みたいな感じもまた覚えますよね⇒まァその一貫性の無さこそが、前半の詰らなさの主因なのかも知れない…とも思いますケド⇒だから前半ももっとシンプルにすりゃあ…と。。[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-24 23:47:54)《改行有》

7.  バレンチノ 《ネタバレ》 ルドルフ・ヴァレンチノ。サイレント映画時代のスターにして、とにかく稀代のイケメン…という方なのですかね。映画スターとしては実働僅か五年で急死⇒葬儀には10万人が詰め掛けて後追い自殺も出た…とかってコトで。そして、かの有名なとあるファッションブランドの創業者の名前が彼に因んで付けられた…という事情から、我々もまた今だにこの名前(言葉)にも何となく親しみが有るとか無いとか。コレだけ聞く限りでも、確かにトンデモないレベルの超スターだったとゆーのは、間違い無いと言っても好さそーですかね(⇒今今に写真を見る限りでも、確かに超絶なるイケメンではありますし)。 監督がケン・ラッセルというごくトリッキーな要素を除いても、今作は比較的シンプルな彼の伝記映画には為ってるのでして、且つ(前述どおり)彼の人生が凡そ数年のスパンでそもそも描き切れる…という点からも、コレもシンプルに順繰りにソレを追っかけてゆけばソレだけで激動のドラマが出来上がる…というヤツなのだとは思うのですよ(+実際にそこそこそーいうヤツに為ってるとも思うのですよ)。ただね~私の結論的なトコロとしても、全体的にちょっと焦点が絞り切れていない=中途半端、という印象がどーにも拭い切れなくって、いつものケン・ラッセル風乱痴気騒ぎは置いておいたとしても⇒結局その主役の彼=ルディをどーいう人物として描こうとしていたのかがイマイチ見えてこないのですよね。だから、映画全体としてもやはりエログロという(監督一流の)芸術みたいなコトにしたかったのか・却って真摯な(愛の)ドラマをやりたかったのか・或いはも~ブラック・コメディにしちゃって(一切合財)笑い飛ばしたかったのか、その辺が正直全然分かんない…とでも言いましょーか。観てる最中は(ワリと)その彩りの好さ+女優の綺麗さ・キャラの面白さとかで全然退屈もせずに眺めて居られたのですケド、観終わってふと考え出したら、うーん……みたいな感じではありますかね⇒ちょっと惜しいっぽい様な作品、てコトかも知れません。[レーザーディスク(字幕)] 6点(2024-01-09 23:20:32)《改行有》

8.  PERFECT DAYS 《ネタバレ》 凄く、凄く好い映画だとは思うのですよ。非常に淡々と流れてゆく(ダケの)物語ではあるのですが、ほぼほぼ終始それがまたとても心地好く流れてゆくのだなあとも思いましたし、それで居て随所でホッコリ笑えたり・トコロに依ってはグッと急に泣けそうな箇所も在ったりして、また我々日本人であればそれをごく親しみ易い身近なモノとして観てゆけるとも思いましたし・一方で外国の方なら逆に大いに物珍しいユニークなモノとして観てゆけるだろう、というその意味ではある種「多様な・多面的な」価値を擁する映画にも成っている…と思ったりしてですね(そーいう映画って、それだけでもナンか好い映画だよな…とは絶対思いますよね)。 ただ、唯々但し、この映画ってとにかく、私にはモ~ひたすらにあの『パターソン』でしかなかった⇒だから、観終わっても結局全く同じとある一つの感想しか出て来なかったのですよ(根本的なモノとしては)。勿論、まず世の中にはこーいう映画ってこの2つの他にも幾らでも在るとだって思いますし、その中で偶々私がこの2作をこの順番で観ていた+その上に私自身が『パターソン』の方をごく非常に気に入っていた、というごく個人的な事情が在ったダケのハナシだとは重々承知しても居るモノの、だとしても今作、率直に私は(逆にちょっとギョッとする位に)何故にこんなにパターソンなの?と少しモヤっとしてしまったのが本音なのですよね。なので結論、評点は(『パターソン』との前後関係を鑑みて)この位にしておきます⇒もし『パターソン』を私が観てなかったのであれば、コレは絶対にもう少し高くなっていたとは思いますかね。[映画館(邦画)] 7点(2024-01-03 17:59:59)《改行有》

9.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 個人的には、冒頭からワリとシンプルに(=メタファーでシニカルな部分とか・現実と虚構が入り混じるコトとか、をあまり気にせずに単なる)コメディとして観ていってしまったのですが、まずはその意味にしてもワリと結構面白かった・笑えたと思うのですよね。その「虚構=非現実が混ざり込む」という観点からは、少なくとも近年の欧米の主流な方のコメディと比較してもだいぶエキセントリックな方のヤツだったとは思うのですが、ソッチの方がむしろ日本の現在の大衆的なお笑いの質感には近いかな~とも思いましたし、そもそもその欧米のコメディの「現実と地続きでシニカルでなければならない」みたいなのって本当に必須?とだって(個人的には)常々考えているトコロなのでしてね。でもまあ、中盤までは確かにそーいう「如何にも実在してそーな=真実味を帯びた方の」クセの強い業界人⇒主人公リーガンはモチのロン、親友だァ何だって結局カネのコトしか頭に無いパートナーにせよ、コレもやっぱ観る前からナニ書くか決めてる(何千回地獄に落としても事足りない様な)クソ評論家だとか、後は何より(誰とは言わず全員)劇中劇の肝心の芝居の中では総じてカスみたいな演技をしてるのに・翻って舞台裏でトチ狂って感情迸らせる様子自体は(逆に)実に見事な演技になってたり、とか、そーいう在りそーなトコロが(前述どおり)コメディとしてかなり面白かったなって感覚でしたケドね。 しかし、最後まで観終わるとある種、その隅々まで行き渡って「多面的な見方」が出来るコトとゆーのがそもそも、中々に含蓄深くってかつ真に(コメディとして)面白いポイントだったな…とも思うのですよね。件の撮り方にしても、コレが結構意味的に多面的で面白くって、それはつまりコメディってやっぱ比較的舞台劇的・固定視点的に「つくりもの」の映像として観るコトが多いんじゃねーか…と思ってるトコに、このハンディカムのドキュメンタリチック・POV的な撮り方ってのは(どーしたって必然的に真実性を帯びるコトになるって意味では)コメディとして異質・風変わりだったとも思うのです、が一方で、今作ではそれを妙なワンカット風に全部繋げてるってのはまた(前者に大いに反して)実に虚構的だ…とも思ったのですよね。他にもあとは結論の部分にしたって(結局は)そーいうコトにも見えていて、例えばとどのつまり今作でリーガンが成し遂げたコトって実は彼が目指した「芸術」でもナンでもなくって⇒所謂単なる(ネットを利用しての)「バズり=彼が理解すらしてないコト」でしかなかった様にも見えますし、それに依ってエマ・ストーンとの関係性が(最後には確かに)変わったのだとしても⇒それがあるべき姿のモノに為ったとは到底思えなかったりもしちゃったり、とかですかね。 前述どおり重ねて、そーいった多面的な視点で観れるコト自体をポイントに据えた&実際に内容的に実に多面的で含蓄深い作品、だったとは思うのですが、個人的には結局、その中で「コメディとゆーのが如何に虚構であるか」というトコロこそが、今作から最大に存分に思い知らされたモノだったって感覚がありますね。あくまで個人的には、人生の本質=人生で唯一つ確実に自分にとって真実だと言えるモノは、自身の認識するトコロの苦悩・苦痛以外のナニモノでもない、と思ってますからね。何故なら、人間の感じるコトのできるトコロの微笑ましさ(或いは幸福)とゆーのは、本質的には全て自分ではない他者におけるその感情(或いは他者のその感情を共有するという意味での自分のその感情)でしかない、と思ってるからですね。だからして、それこそそーいったモノが(事も有ろうに)映画に描かれている…なんてのは、本来のその必然的構成要素たる自分&他者の間に、もっともっとナニモノかを媒介に媒介しまくってやっと伝わって来てるモノ、でしかなくって、だから当然「虚構」でしかないんだ、と思ってるってコトでありますかね。[インターネット(字幕)] 9点(2023-12-24 17:28:23)《改行有》

10.  バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー 《ネタバレ》 こないだのフランス製実写版『シティハンター』はまだ観てないのですが(実は『シティハンター』自体に疎くって)、アレの監督の次作品!というコトのよーですね(+その監督含む今作の主演4名は、元々コメディグループを組んでるお仲間さん達ってコトらしくて)。フレンチ・コメディってヤツの個人的印象としては、ラテン系よろしくとにかくお気楽!+特に男がチョ~軽薄!て感じなのです…が今作もご多聞に漏れず完全なるそーいうヤツ!+コテコテな近年のヒーロー映画のパロディコメディ!ではありましたかね。ごく短尺で、好みはありましょーが(個人的には)諸々のギャグも結構質が高かったと思えてまして、暇潰し用の笑えるヤツとしてなら十二分に有用(+私は実際に大いに楽しめた)という感じですかね⇒クライマックスのアベンジャーズ・ピタゴラスイッチ・大惨事!なんてかなりの爆笑!でしたですよ。 ひとつ、多少懸念点があるとしたら、思った以上にワリかしおバカ下ネタ&不謹慎ネタが多いってコトぐらいですかね(⇒全くの部外者にも関わらず文字通り「被弾」するトム・クルーズとか、パロディとしてもライミ版スパイダーマンのあの名シーンをこ~んな下品な茶化し方は好いのかな?と思ったりもしますが…)。でも、コレもコレこそがおフランスの風情…と思うのがまた正直なトコロではあります。[DVD(字幕)] 7点(2023-12-17 21:53:26)《改行有》

11.  博奕打ち 総長賭博 《ネタバレ》 いや~、コレは確かに好く出来てる…95分の映画で、今作より好く出来てる脚本てェのはちょっと他に思い付かないな…… 三島由紀夫がギリシア悲劇の如し…と評したらしいですが、確かに登場人物の行動原理ってのは何れもごく非常に古めかしいのですよね。中盤の桜町弘子や三上真一郎が特にそんな感じだと思うのですが、そんなトコロで命まで張らんでもエーやろ!とゆーのが(現代では)ややもすると「愚かさ」にも見えて来るのかも知れない…とは、私も確かにそう感じるのです。でも、コレは恐らく彼らの中で「自分の命」とゆーのが(当世とは比較できない程に)限り無く軽く、翻って逆に「筋を通す」とゆーコトが地球と同じ位に重い…という、この点こそが私には今作で最も「古典的」で、かつ「古典的悲劇的」なコトだと思われたのですよね。日本のこの時代のヤクザの世界こそ、そーいった古典的悲劇的「価値観」を描くのに実は打って付けだった…というコトそのモノが今作における一番重要な発見だったのではねーかな、と。そして、例え悪人=筋の通らない連中が非業の死を遂げてもソレは悲劇にはならないのもまた確かで、他方、作中で悲劇的に死んでゆく者達には何らか精神的な「負い目」が皆キッチリ用意されている、その意味では彼らは総じて「筋が通っている」人達なのだから、その彼らが揃って虚しく死んでゆくこの物語は立派に悲劇なのだ、と⇒若山富三郎はおろか名和宏すらも(結果的には)筋を通して死んでゆく…とゆーのは、構成としてこの上無く美しいな…と。 唯2つダケ、私が今作で批判しても好さそうかな…と思ったのは、一つは余りにも脚本の完成度が高すぎる故に(特に終盤が)逆に「出来すぎ」になってしまっている…という(どーしよーもない)部分ですかね。あくまで個人的な感覚ですがその終盤は、少なくとも曽根晴美と三上真一郎の殺し合いはオミットしても好く、あと寧ろ藤純子が湯ヶ島に来ちゃうのも少しやり過ぎだったかもな…と思いましたかね。まあ、どっちのシーンも単体での出来はまた素晴らしいし、かつ藤純子のシーンはオーラスのキメ台詞にも見事に掛けて来てるのだから(どっちも)ウマくやれてない、なんてコトは微塵もない⇒だから却って私のこの指摘の方こそが蛇足と言うべきヤツ…だとも(自分でも)思ったりはしてしまいますケド。。 もう一つ、今作はまた余りにもその任侠の任侠たる精神性を描き抜くという「非・娯楽的」な要素が強すぎて、娯楽映画としての任侠ものには(多分)なってないと思うのですよね。確かに、このジャンルでは頭抜けた傑作だと思いますし、多少この手の(単なる勧善懲悪ではない)作品の比率が増えていたとしても全然好かったとも思うものの、ソレでもこーいうヤツばっかだったらちょっと皆疲れちゃっただろーな、なんて思ったりもして…あくまで私個人としては、娯楽映画としての任侠映画の方が好みっちゃあ好みではありますかね(⇒ソコのバランスはワリと重視したい)。[インターネット(邦画)] 9点(2023-11-03 11:30:27)《改行有》

12.  博奕打ち外伝 《ネタバレ》 ちょっと調べると、1972年てのは『緋牡丹博徒』の最終第8作が1月⇒藤純子の引退作『関東緋桜一家』が3月⇒んでこの『博奕打ち』シリーズ最終作が7月公開だった様でして、んで翌1973年1月にはあの『仁義なき戦い』が公開されてるのですから、確かにココが任侠映画⇒実録ヤクザ映画への正に転換期だったと言えるのでしょーね。内容的には本シリーズ中屈指の傑作『総長賭博』のリメイク or 調整版という様にも(また確かに)見えておりまして、『総長賭博』でも大いに感じられた任侠の心意気を描くという(一種の)芸術的側面はある程度引継いで・ただし若干は通常の任侠ものに則した分り易さを調合して…といった仕上りにも思われますね。そのうち、前者を描いたモノとしては(鶴田浩二はじめ主要登場人物はモチロンのコト)特に松方弘樹の在り方には個人的にはかなり感じ入るコトのできる部分がありましたし(『総長賭博』での音吉の役割をより任侠的に表現したものかと)、後者としてはまず根本的に筋が分かり易いのが好かったし+ラストの鶴田浩二&若山富三郎の(本当に本当の)一騎打ち!も十二分に見応え在ったと思いました。シリーズの締め括り(+任侠映画の締め括りのとある一つ)として、完全に上々なる出来だったのではないかと思いますね。 ただ、コレも少しダケ、やはり時代の波とゆーか60年代の典型的任侠映画に比べるとやや雰囲気が違ったな…(違ってしまって居たな…)という、ちょっと寂しい様な感覚も確かにあったのですよね。なんとゆーか、テンポとゆーか「間合い」からして少~し違ってなかったか?て気がしたり、あとはとにかく(『総長賭博』よりも更に、松方弘樹をその様に見做さないならば)全然悪役が出て来ない…という異色作にも見えるのですし(⇒天津敏も名和宏も出てないし、遠藤辰雄と金子信雄はナンと真っ当な方のチョイ役で出て来るし)。尺が少しダケ長めなのもその感覚には繋がってますかね⇒だとしたら、もう少しダケ尺を延ばして、でいつもの様にシンプルに終わるのではなくてオーラスに鶴田浩二さんにドコかでナニか一言付け加えて貰ったら尚好かったかもな…なんて思ったりも。[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-02 13:18:50)《改行有》

13.  バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 《ネタバレ》 『バイオハザード』って、ゲームは一切(自分では)やったコトないのですよね⇒怖過ぎて。ハタチ過ぎ位までは実はホラー映画自体も(怖いから)嫌いだったのですわ⇒『エイリアン』が怖過ぎて最後まで観れなかった。後に、プレイ動画は幾つか観ているのですが、だからそもそも私自身がゲーム版に思い入れもナニも無いので、正直言うと今作もあまり楽しめなかったです、し、そーいう人にとっては(話の内容自体も、あと見ドコロなんかも)諸々とちょっと説明不足で伝わり辛い作品…かとも思われました。調べると、ゲームの1と2のストーリーを合成してる&メインの登場人物も5人勢揃いさせてる、というコトなのですかね?ソコに関しては、ゆーて原作が25年前の作品だから、どだいゾンビものとしては(今となっては)かなりオーソドックス・シンプル(で多少「レトロ」)な内容だとも思うのですよ⇒だからその意味での工夫・アレンジかとは思うのですが、一方で前述の「伝わり辛さ」にも少なからず拍車を掛けちゃってたかな…とも。 ゲーム版(特に1?)のコンセプトを継承し、最近のゾンビ映画としては比較的「正統に」怖い+映像がダークで悍ましい、という点については、シンプルにその映像のクオリティが高かったし+まずまず怖さ自体も在ったと思うのです。が重ね重ね、お話は分り難いし・キョウビのA級ホラーとしては結局ワリと地味に終わってっちゃうし・テンポもあんまし好くないし…で作品全体としてもあまり評価は上げられませんかね(⇒この程度の出来で続編展開する気マンマンなのもサブい)。まあ、もう一点下げる気にもならない…という感じではありますケドも……[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-02 09:06:33)《改行有》

14.  バービー(2023) 《ネタバレ》 冒頭からの「バービーランド」の描写のブッ飛び具合には、コレがこのまま最後まで行ったら流石に付いていけねーゾ!とチョイ不安にも思ってしまったのですが(⇒そりゃコッチとて、今作中でバービーが=バービーランドそのものが悪役側にひっくり返る様なコトは幾らナンでも無いだろ~と思ってたので)最後まで観ると全然無難に=穏便に・予定調和的に・共感可能なモノとして終わってってくれる映画ではあったので、そこはひとまずホッとしましたかね(⇒まあ、世界的にヒットしてるチャンとした商業映画だったな…と) ただね、あくまで個人的には、今作って世間で言われてるよーなメッセージ性の強い・批判精神に満ち溢れた(部分的なる)社会派作品…なんて代物には全く見えていませんでしたよ。この作品が最も批判するトコロの=主人公バービーがラストにはソレを打ち破っていくトコロの「敵なる」価値観とゆーのは、ソレこそそのバービー自身が自己矛盾的に抱えてるとも言える「画一性」であって、その端的な顕れとしての「男と女の関係性の中に在る画一的な(古臭い)ナニか」だと思うのですよね(+最終的にはそこに対する批判の刃はソレこそバービー自身にもチャンと向いてゆくのですし)。でも、今作って別にそこに関して何か一歩先のラディカルなコトを言ってるワケでもナンでもなくって、唯々「男も女もどう生きても・どう在っても好い」とか、ナンなら「人間は誰しも好きな様に生きれば好い」くらいのコトしか言ってないと思うのです⇒でソレって、ナニをどう言い訳したトコロで(少なくとも)30年くらい前には完全に・白黒ハッキリ「勝負が付いた話」だよな~と。私は正直、やや刺々しくて申し訳無くも思いますが、この映画がイラついて観れない or 社会として受容し難いから上映禁止にしちゃう、とかってのは、流石に今どきソレはどーなの?と思ってしまいますケドね⇒ゴズリング演じるトコロのケンなんて、女にビール持って来させてふんぞり返る様な・海辺で焚火焚いてギター弾きながら迫って来る様な、見た目カウボーイ(or スタローン)なんてゆう激イタ男じゃねーですか⇒幾らナンでもモ~絶滅したでしょ⁉と。。 重ねての結論、私にとっては今作は特筆すべきメッセージ性など無い、とうに滅びた「過去の遺物」(or 人類全体としての「若気の至り」)を笑いの対象とした「ノスタルジック」コメディでしかありませんでした⇒で結果的には今年最高レベルに終始ゲタゲタ笑い転げてしまった…のでこの評価となっております。ただし、純粋にコメディとしては一点ダケ、こーなるとやっぱ「ツッコミ」役が欲しい…と思ってしまうのですよね。。誰かツッコミのプロ(⇒比較的毒気の少ない一流のベテランの)が唯々ひたすらツッコミ倒す…てオーディオコメンタリーとか付けてくれたら、BD買っても好いのですケド。。(ソレかもういっそ、こーいうのに対して最早「毒」でしかないウエストランド井口とかでも好いかな…な~んて。。) ※追伸:前述どおり、作品の内容的には(個人的には全く)悪意も敵愾心も⇒だから当然イライラも感じなかったのですケド、内容とは関係無いトコロの所謂「バーベンハイマー」とかは少し話が違うのでして、例えばコレが納得いかないから観に行こうかどーか迷ってる…という人も居るかと思うのですね。個人的には、そーいう人は別に観に行かなくても好い(という程度の)作品だった…とも思いますかね。重ね重ね、本当に単なるコメディでしかなくて⇒大した中身が在る様な作品ではない…とゆーのが個人的結論なのでして。。[映画館(字幕)] 8点(2023-08-19 14:28:42)《改行有》

15.  Pearl パール 《ネタバレ》 個人的に前作は、なんとな~く『サイコ』っぽいな…とも思ったのですケド、コッチはナンと『何がジェーンに起ったか?』の方でしたですね(笑)。 でも、あの作品のベティ・デイヴィスって実際、実物としても完全にバケモノじみた糞ババアだったじゃねーですか(色々な意味で)。今作、似た様なコトを現時点のミア・ゴス…な~んてピッチピチに若くてカワイイ女の子に演らせてるモンだから、ラスト付近までは正直(比べちゃうと)その狂気の「説得力」という部分に少し弱さが在るかもな…と思って観てたのですよね⇒中盤以降は既に全然躊躇も無くって、でソレってもはや取り返しのつかない地点まで到達しちゃったキ○ガイだと思っとけば好い…のかも知れないのですケド、私には逆に単なる演出のミスじゃネ?(描写が軽すぎるダケなんじゃネ?)とも思えてしまってまして… しかし、クライマックスの例の(圧巻の)一人語りに因りまして、そんな疑念は粉微塵に吹き飛んでしまいました。そっから先はも~エンドロールまでを含めて、唯々ミア・ゴス凄いな…という感情しか湧かなかったです。このホラー三部作は、完全に彼女を活かす為ダケにつくられた、というコトで好いでしょう!(前作では、ゆーてソコまでだったかな…?とも思ってたのですケド、今作を以て完全に理解・納得したトコロです) まとめますと、今作は(描写の物理的なレベル、等々踏まえると)ホラーと言うよりはサイコ・スリラーの範疇に在る作品だと思いますし、お話の大筋自体はワリとオーソドックス、かつごく一本道であるとも思われます。が重ね重ねミア・ゴスの素晴らしき熱演・怪演に因って立派にワンランク上の作品に仕上がっていた…てのが私の結論です。次回作+彼女の今後も含めて、楽しみが尽きませんね。[映画館(字幕)] 7点(2023-07-16 22:14:21)《改行有》

16.  ハロウィン(1978) 《ネタバレ》 コイツと、あと『13日の金曜日』の一作目とゆーのは、随分昔に観たんですケド「え⁉全然面白くないジャン⁉」てな記憶しか正直残ってなかったのですよね⇒ほか薄っすらと覚えてるのが、『13金』は兎に角まァ肝心のジェイソンが出て来ないし…でコッチに関してはまた兎に角「エンジン掛かるまでが長すぎる」というコト位で。今回、チャンと観直してみてもその記憶は当たってて、残り30分チョイ前位からチョコチョコと殺しのシーン自体は入ってゆくのですがソレとて単発⇒で主役のローリーがデンジャラスな状況に陥るのがきっかり残り15分になってからという体たらくなのです。ソレ以降はまあまあ…とは言え、じゃあ我々は75分もナニをやってれば好いねんな!と。。 ※いちおう、今般ではエクステンデッド・エディションなる100分版が流通しているよーで、今回の再鑑賞も出来ればソッチを観たいな…と(当初は)思ってたのですが、調べると結局ショックシーンが足されてるワケではないよーなので、オリジナル版を観るコトで好かった(てかコッチのがまだマシだった)のだろうと思ってます。。 ただ、今回観直して思った(とゆーよりは捻り出した)私なりの答えとゆーのは、今作ってそもそもハイテンションなスプラッタ…とゆーよりはどっちかと言えば不可解さを怖がる方の雰囲気系ホラー、を指向してた作品じゃねーかな、と(音楽とかの感じなんかも含めて)。確かに、ごく得体の知れないマイケル君のローリーへのストーキングが序盤から3,40分は続くのですし、コレを初めて=ナニも知らずに観たのだったら「ナンか知らんケド不気味だな…」と思うモノではねーでしょーかね。しかし、そこら辺が頭に入ってる私なんかが今今に観るとなると、逆にも~笑っちゃったりなんかしてしまいましてですね…(奥ゆかしいな~マイケル君!てなモンで…)その意味でも、平成生まれ以降の人たちが今更観る様な作品ではないのかな…と思ったりもしますね(続編・リメイクの方を是非どーぞ)。[インターネット(字幕)] 4点(2023-07-10 21:53:38)《改行有》

17.  破戒(2022) 《ネタバレ》 60年ぶりの再映画化でありますが、前二作と比べてもまた独自の展開運びの工夫(エピソードの取捨選択)とゆーのが全編に施されており、結果的には今作は丑松の内面の苦悩と、あと志保との恋愛の側面にフォーカスした作品になっていたと思います(多分に青春映画的とゆーか、でもその雰囲気には主演の間宮祥太朗は諸々とかなりハマってたと思いました)。個人的には、父・猪子蓮太郎・銀之助、等々との関係性などはだいぶ大胆に簡略化したな…という印象もあるけれども、全体のバランスとしてはかなり良好に仕上がっていたかなと⇒変に目立ちすぎているトコロが無いという意味では観易い≒もう少ししっかりと観たい…という物足りなさのある個所も無くはない…と。あと、シンプルに非常に分り易い=未読者や中学生高校生とかにも伝わり易い質感だったかな、とも思いますね(⇒ソレだけでも今、再映画化した意味は十分に在ると)。 ただし、その分り易い(=ソレを重視した)シーンとして一つだけ、猪子蓮太郎の演説会のシーンは流石に少し違和感も覚えましたかね。コレはそもそも、支持者が集まっているモノなのだから正面切って妨害しようとしたって分が悪いのだし、その数名の手下を従えたド真ん中に高柳利三郎本人がふんぞり返って居るとゆーのも(コレは)在り得ないコトだ、と。結局、このシーンは少し気が入っていない・上滑りしている様にも感じられました。猪子蓮太郎の登場シーン自体がごく少ないという今作の構成上からは、個人的にはやや残念なコトにも思われましたね。 もう一点だけ、蓮華寺の和尚が竹中直人…てのは、コレも流石にチョイ違和感の方が強いです。そもそもやっぱり、彼は「見かけは立派だけど…」という人には見えないのです(ギャグかと)。まあ、全編通してもごく超マジメな質感なので、その意味からの一つの「外し(スカシ)」としては好かったのかも知れません。[DVD(邦画)] 7点(2023-07-01 09:58:28)《改行有》

18.  ハケンアニメ! 《ネタバレ》 ふたつのアニメ作品の「覇権」争いという構造の中にも、描かれるのは更に多様なる「価値観の衝突」なのであります。新人(のフレッシュさ)なのか・熟達のベテラン(の更なる熟成)なのか、大衆性か・作家性か、或いは芸術的であるべきか・商業的であるべきか、とか、まずはそーいった種々の「対立」だらけの序盤~中盤がかなり高度にストレスフルだったのですし、また(作中表現を借りると)私なんかにもソレが非常に「刺さる」辛さでもあったのですよね⇒当然、棲める業界は違えど。 ただ結局のトコロ、その意味では今作自体はごく「大衆的」なグッド・エンドを迎えて(片方が滅びる…という様な決定的な勝敗も付けずに)晴れやかに終わってゆく、でもその中でも私には例えばひとつ、根源的でシンプルかつ純粋な「製作意欲=情熱」の大切さだとか、とは言えソレが認められるかどーかはかなりの部分で「才能」の有り無しに掛かっている…という残酷な事実だとか(+かつある種「(社会的に)適切な」製作意欲、というモノだって当然存在する=範囲が決まってる、のだろーとも)、結論的にはごく「当たり前」の内容を語ってるって映画だな…とは確かにそう思われたのですよね⇒そーすると「(私も含めて)俺たち無能はどーしたらエ~ねんな!」となってしまうだろう…という意味でも、この令和のダイバーシティな世界においてはモ~ちょっと古臭いな…とすら(⇒部分的には昭和のスポコンだ、と)。 でも一方でまたひとつ、コレが日本の商業アニメ業界を舞台にした作品だ…という点では、モノづくりの普遍的な面も垣間見せつつ所ドコロはやはり特殊で複雑で、だから「ユニークさ」てのは第一にも十分に感じられましたし、そもそもアニメって(娯楽コンテンツとしても・芸術としても)やっぱしちょっと「ユニーク」だな(⇒少なくとも、実写的な映画とはだいぶん異なるな)とかってコトも(個人的には)感じ取れた・再認識するコトが出来ましたですね。そして、更にそもそも、私はこーいう唯々「熱い」ハナシってのは完全に大好物!なのでありまして、だから結構随所でボロ泣きしながら観てしまってました。ヒジョーにシンプルに面白い作品だったと思います(⇒週末の映画としては大成功!)。オススメ。[DVD(邦画)] 8点(2023-06-25 17:39:53)《改行有》

19.  破戒(1962) 《ネタバレ》 引き続きの鑑賞ですが、率直にその1948版よりはかなり上回ったという出来に思われました(とは言え、ソレでもまだ小説版と同じくの感動、とまでは至りませんでしたが)。割と大胆に展開運びを工夫しつつ、1948版でオミットされていた要素も多く取り込まれていたので、お話としても・或いは登場人物の感情の流れ的にも非常に繋がりが好く、また適度に起伏・盛り上りも備わっていたと思われましたです。とは言え一つ、ソレでも描き込みがやや不足している様に思われたのは、第一に校長や郡視学といった「敵」にあたる勢力の描写と、また高柳利三郎と猪子蓮太郎(+原作における市村弁護士)といった辺りの「政治的な」対立構図の説明、といった要素であるのですね。特に後者は、この物語全体の「仕掛け」の中枢でもあるので、コレがこの1962版では(部分的には)台詞ひとつでサラっと流されている…という軽さであるのは、原作未読者にとってはかなり理解自体が困難になってゆくだろうな…と思われました⇒結局、この映画二作品はどちらも、原作未読だと正直「伝わらない」というヤツなのだろう、と。 しかし重ねて、少なくとも1948版よりはかなり上回って原作の素晴らしさを伝えるコトが出来るだろう作品に思いますし、映画としても一つ、確実に俳優諸氏の演技の質やキャラクターへの嵌り様は実にごく優れていたと思うのですね。誰しも好い演技だったと思うのですが、中で特筆すべきは猪子蓮太郎役の三國連太郎でしょう。今作を観たダケでも、氏が如何に傑出した俳優だったかが容易に窺い知れよう…という感じですね(脱帽)。[インターネット(邦画)] 7点(2023-06-18 01:24:21)《改行有》

20.  破戒(1948) 《ネタバレ》 今般の前田和男監督版を観る為に、既存の映画化二作品を先に観てみたというトコロです。しかし、その結果として思うのは、まずは原作がやはり長大な小説であって、かつごく高度に主人公の内面を描き出しているモノであるから、第一に映画化に際しては時間的な枠に収める為に隅々までの取捨選択が必要になるトコロで、更にまたその主人公の心の動き・葛藤(或いは解放)というモノも文字ほどに伝えるコトはそもそもかなり難しい…と(率直に)感じました。あの最後の、丑松の教室での告白の場面などは、小説ではその度に涙無くしては読めない…という崇高なシーンだと(私個人としては)考えているのですが、残念ながら(少なくとも)既存二作の映画に関してはソコまでのシーンには為って居なかったかな…とゆーのが正直な感想ですね。中々、根本的に「難題」と言うべきプロジェクトなのだろう…という気はしてます(⇒また少なくとも恐らく、連続ドラマ位の分量を持って挑んだ方が好さそう…とも)。 そして、この1948年版は(1962版と比べても)尺自体も短く、だから種々の要素をドラスティックに簡略化・オミットしている⇒し過ぎている、と端的に思われました。丑松の事情としても、猪子蓮太郎との関係性=彼にすらその「告白」が叶わなかったコトの後悔、といったトコロはほぼほぼ描かれていませんし、また風間敬之進の家の悲惨や、志保と蓮華寺住職の陰惨なエピソードまでもが完全に割愛されているので、物語としては唯、丑松が隠し抜いていた秘密を最後には公然に告白した…という筋を表面的になぞっているダケで、とにかくその告白の「重み」とゆーのが全く感じられないのです。そもそも、ラスト付近は原作からもかなり大幅に展開自体が変えられて(=ごく分かり易く・またシンプルに盛り上がる様なモノに)しまっているので、少なくとも私としては原作のクオリティから期待すべき映画化には程遠い仕上りに思えました。ごく、中学生とかに教育目的で観ていただく分には、却って分かり易くて好いかも知れませんが。[インターネット(邦画)] 4点(2023-06-18 01:21:18)《改行有》

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