みんなのシネマレビュー |
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21. ヒルズ・ハブ・アイズ2 《ネタバレ》 前作ほどではないにしろ、今作もドキドキを堪能できる良作ホラー。正直、ホラーとして楽しめるかどうか不安でしたが、十分すぎるほどのクオリティ。前作と違って『武装した兵士』では戦力がある分、怖さが半減すると思ったのですが、『頼りないひよっこ新兵』という絶妙なバランス。更には『岩陰』と『洞穴』がいたるところにあるため、いつ何が飛び出してくるかわからない恐怖。前作が得体の知れないものへの恐怖心を喚起させるものとしたら、こちらは『お化け屋敷的びっくり箱』といったところ。 兵士達にとっては迷路でも、クリーチャー達にとっては『庭』。地の利が圧倒的に不利な状況が怖さを引き立てます。 いつの間にか消えるロープやライフル。精神的な追い詰め方、プレッシャーのかけ方が良い感じですね。 知らん俳優さんばかりで、『誰が生き残るのか』『それとも全滅パターンか』それさえも読めないから面白い。 こーゆータイプのホラーでは、犠牲者達のアホな行動にイライラさせられることもしばしば。特に『単独行動』は愚の骨頂なんですが、この作品ではその辺結構うまくて、自然に部隊が分断するような流れを構築。『本部への連絡係を2人残す』『ケガした隊員を引き返させる』など自然に危険なシチュエーションを作り出しています。 一番頼り無さそうだった人が一番活躍。女の子に1人すごくかわいい娘がいる。などなど、そーゆーところも自分好みでした。 [DVD(字幕)] 7点(2019-04-13 04:19:57)《改行有》 22. ピアノを弾く大統領 《ネタバレ》 韓国お得意のシンデレラストーリーですね。 男性のほうは、リッチで社会的地位が高くて、気さくで寛容。 女性は一般人。 ラストはお約束のハッピーエンドで、誰がいつ見ても楽しめる一本なのは間違いありません。 あとは結論に至るまでのプロセスはどーか。ディテールはどーか。 まず、万引きはダメ。絶対。 自分も万引きすることで、生徒との信頼関係築こうなんて、大間違い。せめて、その後お店に商品返して謝罪してほしいです。 また、クラスのいじめられっこ、大統領の娘、そのパシリ君、主人公のチェ・ウンス(チェ・ジウ)、この人たちの背景はもう少し語ってほしいです。チェ・ウンスは何故学校の転勤を繰り返しているのか、大統領の娘は何故ひねくれてしまったのか、一切教えてくれません。 もう少し説明が欲しいところですね。 さて、全体的なストーリーテリングはどうか。 前半、バランスのとれた複数ジャンルの融合から、後半はロマンティックコメディ1本に収束。その分、作品としての落ち着きは取り戻しますが、面白さは半減。個人的にはこの作品のピークは、大統領に宿題を出す辺りまでです。 チェ・ウンス(チェ・ジウ)も、ハン・ミヌク大統領(アン・ソンギ)も、先生や大統領としての登場シーンは最高。 それにプラスして、それぞれの仕事に対するプライドや志を感じさせるエピソードが、あと一つずつくらいあれば、より二人に感情移入できたかもしれません。 まあ、さらっと観るエンターテイメントとしては、十分及第点でしょう。[DVD(字幕)] 7点(2016-06-06 00:24:13)《改行有》 23. ピッチブラック 《ネタバレ》 SFチックでホラーテイストでアーティスティックな作品。それでいて、古さと懐かしさも感じる味わいがあります。 リディックのような典型的なダークヒーローが好きなので、彼を見ているだけでも楽しい。 手堅く地味な作りなので、期待していたほどにはリディックは暴れません。超人的でもありません。物足りなさを感じますが、シリーズものの1作目ということなので、これくらいのほうが次回作への期待は高まります。 ストーリーがかの有名な『エイリアン』に似ているため、あちらのファンの方にこきおろされちゃうのは仕方がないと思いますが、個人的にはこの小粒感がなんとも言えずB級ぽくてクセになります。 それに、一人一人の説明を極力端折っているにも関わらず、これだけ脇役一人とっても個性がはっきりしているのは素晴らしい。行動やファッション、セリフだけで個性を確立させているわけですから、人物描写が上手なのかもしれません。 そして昼間の惑星と宇宙の、これぞSFとうなされる映像センス。このヴィジュアルはたまらないですね。 ストーリーとルール設定上仕方が無いこととはいえ、日蝕が始まってからはもう真っ暗で、緊迫感やホラーテイストの要素は強くなりますが、それでも面白さ2割減といったところでしょうか。 ふりかえってみれば、オープニングから惑星不時着までがこの作品のクライマックスであり、惑星についてからはよくあるモンスターSFになっちゃってますね。でもまるでゲームに出てきそうなこの世界観だけでも十分に楽しめる良作でしょう。 リディックがラスト直前に、本気で一人だけ逃げようとしていたのはちょっと残念でしたね。それじゃあ凶悪犯というよりただのせこい奴じゃないですか。あそこでキャラがぶれてしまって、大きく減点。それ以外はかなり良いと思います。[DVD(字幕)] 7点(2015-12-30 13:44:47)(良:1票) 《改行有》 24. ヒットマン(1998) 《ネタバレ》 テンポの良いストーリー展開、軽快なアクション、匙加減の絶妙なミステリー、非常にバランスの良いエンタメ作品です。リー・リンチェイはもちろんのこと、脇役の面々も大活躍。殺し屋達のバトルなので、リー・リンチェイの独り舞台になっていないところが、かえって面白いです。 『誰が炎の天使なのか?』っていうちょっとした謎を楽しめちゃうのですが、正直そんなに大したミステリーでもないのに、意外とミスリードされてしまうかもしれません。噂の凄腕ヒットマン『炎の天使』がまさかの人物なんです。『おまえかよ。』って感じです。 ラストは個人的に一番好きなタイプのハッピーエンド。 観る人を選ばない、誰でも気軽に楽しめる作品です。オススメです。[DVD(吹替)] 7点(2015-04-17 14:29:19)《改行有》 25. ピクチャー・パーフェクト/彼女が彼に決めた理由(わけ) 《ネタバレ》 ラブコメのお手本のような作品で、楽しいですね! 私にとってラブコメは、『テンポが良い。』『キャラに応援したくなる魅力がある。』『まじめなストーリーの中に、笑いがちりばめてある。』の3つを押さえてくれることが大事です。本作は軽快なテンポで、憎めない主人公ケイト(ジェニファー・アニストン)が応援したくなっちゃうキャラなのが良い感じです。そして、母親とのやりとり、ニック(ジェイ・モーア)とのやりとり、女性上司とのやりとりの中には、つい頬が緩んでしまうような微笑ましい光景がちょいちょい出てきます。 とゆーわけで、ラブコメとしては合格点だと思います。 ただ、下ネタがちょっと受け付けない内容だったのがマイナス。それから、サム(ケヴィン・ベーコン)がニックの恋敵としては、後半物足りなかったのがちょっと残念。『ただ人のものを欲しがるだけのサム』が、本当にケイトを好きになるストーリーであれば、ケイトがニックを選ぶラストがもうちょっと輝いて見えたかもしれません。 それから、『シンデレラの時計』や、序盤の『ひとめぼれしているニック』など、上手い演出があるのですが、さりげなさすぎてわかりにくくなっちゃっているのが難点。この辺りに注意して見ると、本作はより面白さが増すと思います。軽そうに見えて、じつはもの凄く丁寧で計算された脚本と演出だと思います。 女性向きだとは思いますが、男性でも十分楽しめる良作です。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-10 10:46:48)《改行有》 26. ビッグ 《ネタバレ》 アイデア以上に、作品全体のかもし出す雰囲気に心癒される映画です。 笑いのセンスもすばらしいの一言。 「あの女はタダ乗りさせてくれる。足でしめつけられて昇天させられるぞ。」 と同僚が言うと、「じゃあ近づかないようにしよう。」と答えるジョッシュ。このネタはこの映画だからこそ使える限定ネタ!作品の持ち味を十二分に生かしたテイストが最高です。(パーティーではしれっと近づかないようにしている小技もナイス!) かと言って、笑いを前面に押し出しすぎていないところも良いと思います。 普通にドラマとしても面白い。ですし、やはり結末や展開が気になる映画ってそれだけで素晴らしいものだと思います。 個人的な感想では、おもちゃをヒットさせるシーンをもっと見てみたかったというのが本音です。すこしロマンス部分のウェイトが大きすぎたのが残念ではありましたが、それを差し引いても楽しい楽しい映画だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2012-11-18 01:20:33)《改行有》 27. ヒポクラテスたち 《ネタバレ》 中盤くらいまでは、ストーリーに入りこめず、登場人物の誰にも感情移入できませんでした。正直、古い邦画は演技に違和感を感じることが多いので、この映画もその類かなと。 ですが、中盤すぎたあたりからシリアス感や緊迫感がでてきて、急に面白くなりました。最初の衝撃は森田産婦人科事件です。そして白衣黒塗り事件。まさか本当に精神病棟に入れられるとは思いませんでした。きわめつけは伊藤蘭さん演じる木村みどりが自殺したと最後にさらっと流れる瞬間。この3点がなければ、正直映画としてそんなに見るべきところはなかったかなと思います。[DVD(邦画)] 7点(2011-11-21 00:53:54)《改行有》 28. 百円の恋 《ネタバレ》 役者さんの演技力。作品の雰囲気。ひきこまれるものは確かにあります。だから良い映画なのでしょう。 特に中盤以降がかなり良い。 ずっと負け続けてきた人生。ボクシングにのめりこみ、変わり始めた自分。 『一度でいいから勝ちたかった。』と泣きじゃくるラストの台詞が、この物語のすべてを語ってくれています。 ああ、良い映画を見たなぁという満足感は確かにあります。 斎藤一子のトレーニングの様子がどんどん洗練されていくシークエンスは、見ているこちらもモチベーションが上がります。 でもだからこそ、レイプネタいる?コンビニ強盗ネタいる? それはもう人間ドラマではなくて、犯罪ですから。 ボクサーくずれの二股や、オープニングの姉妹喧嘩くらいまでじゃないですか?許容できるのは。 社会の底辺にいる人たちを描くのは良い。そこでもがく姿を描くのも良いでしょう。 でもそれと犯罪を同列に扱うのは、違うでしょ。 レイプした同僚、その後どうなったのか描かれないし。 コンビニ強盗のおばさんが、まるで人情味のある良い人みたいに描かれているし。 社員の男は決して善人とは言いませんが、少なくとも犯罪は犯していないし、会社のルールだって守っています。その社員のほうが悪者のように描かれる違和感。その違和感が、この感動的なドラマを見るにあたって、邪魔で仕方なかったです。[DVD(邦画)] 6点(2024-03-11 01:25:17)《改行有》 29. ビューティー・インサイド 《ネタバレ》 思っていたよりだいぶ変化球。 目が覚めるたびに姿が変わるというのだけは聞いていたのですが、見た目どころか性別も年齢も人種まで変わってますやん。あまりにファンタジーすぎて感情移入しづらい設定でした。せめて人種や年齢は変わらないほうが良かったのでは。性別までにしてくれたらもう少し感情移入しやすかったかもしれません。 ただ、何が出るかわからない、パルプンテみたいな設定は確かに面白いです。 イケメンが出るまで待って、それからデートに誘うとか、ちゃんとこの設定が活かされているのが良い。 イスがウジンを追っかけてチェコまで来たとき、ウジンが『どちら様ですか。』ととっさに誤魔化すくだりなんかは特に好き。 その一方で、さすがにこれだけの役者さんを使っちゃうと、どーしてもウジンに見えない人たちも出てきます。 個人的に決定的なのは上野樹里と子供で、ウジンともはや別人格に見えてしまってせっかくの設定が台無しです。 やっぱりこーゆー設定にする以上は、誰が演じてもウジンだと感じ取れるようにしないと失敗だと思います。 まあ最後はハッピーエンドでめでたしめでたしなので良しとしよう。 ところでウジンの寿命ってどーなるのでしょう。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2021-11-30 19:53:14)《改行有》 30. ピラニア リターンズ 《ネタバレ》 前作のほうが良かったようには思いますが、これはこれで嫌いじゃありません。 まあ映画というよりは、作成者たちの悪趣味の詰め合わせのような作品ではありますが。 モテ男のアソコがピラニアに食いちぎられるのもそう。 うるさい子供が最後に悲惨な末路を辿るのもそう。 最後に子供が頭食べられちゃって、容赦なくその変わり果てた姿をさらしたときに、その子供に向かってみんなが携帯を向けているのが今の時代を象徴しているようで寒気がしました。 もしかすると、バカ映画なふりをして、何かの警鐘を鳴らしているつもりなのか。 もしくは、ただ個人的に嫌いな人種を映画という媒体でめちゃくちゃにしてやりたかっただけなのか。 でもこーゆーバカまっしぐらの映画が結構好きです。悪趣味上等。人間体に良いもんばっかり食べていると、時には体に悪いものも食べたくなります。これはそーゆー映画。必要悪みたいなもんです。 でもまあやっぱりホラー色やパニック要素を強めにしてもらってもう少しスリルを味わいたかったのが本音。 主人公と女友達が桟橋で襲われるシーンがありましたが、あーゆー真っ当なサスペンス路線が特に後半もっとあれば評価はずっと高くなったかもしれません。 前半から中盤にかけて真面目にホラーをやって、後半からラストにかけてギャグテイストが強くなっていますが、逆のほうが良かったんじゃないでしょうかね。[DVD(字幕)] 6点(2021-08-18 03:43:58)《改行有》 31. ピラニア 3D 《ネタバレ》 『ジョーズ』や『オルカ』や『ピラニア』といった海洋パニックを見てきた世代。 小さい頃からこーゆーの好きだったのですが、大人になるとさすがに『怖い』とは感じなくなるものですね。 そういえば、『13金シリーズ』や『バタリアン』を大人になって見た時も同じ感覚に陥りました。 当時あれだけ怖かった映画が、今見るとそのチープさにため息が出てしまう、みたいな。 ところが今現在製作されているホラー映画やパニック映画はちゃんと怖い。だとしたら今の子供達は、今現在制作されているホラー映画の類は見ないほうが良いかも。刺激が強すぎます。絶対トラウマになりそうです。 話が横道に逸れましたが、グロ描写が好きな私としては、本作なかなか楽しめました。ビーチでのパニックも良かったと思います。 他の人を助けようとする人もいれば、自分だけボートに乗って逃げようとする人もいる。それも人を撥ね飛ばしながら。なんかそーゆーところだけ変にリアルで面白い。この終盤のパニックはB級映画とバカにできないくらいのクオリティです。 主人公や登場人物たちはバカにしていいほどバカな行動しかしませんが。 とりあえず今キスしてる場合じゃねえだろうと、一番イライラさせてくれたのは他でもない主人公でした。[DVD(字幕)] 6点(2021-07-31 03:55:58)(良:1票) 《改行有》 32. ビキニ・カー・ウォッシュ 《ネタバレ》 青春セクシー系サクセスコメディ。 セクシー路線なんですけど、女優さんたちはそこまでかわいいってわけではない。 それなりに露出があるので家族で見るには不向き。かと言って1人で見て興奮するようなレベルでもない。 そっち方面を期待しても、期待しているほどのもんは出てこないと思っておくのが良いでしょう。 ブリタニーとトリは個人的にかわいかったですが、ブリタニーは水着にすらなりません。 ストーリーはある洗車場を経営し、1週間で利益をあげるというもの。 こーゆー目的がはっきりしたビジネスドラマは単純明快で好きです。すべてがトントン拍子に進んでいくので、ストレスフリーですが、うまくいったときの爽快感もかなり薄味。サクセスものとしては淡白な仕上がりです。 主人公は真面目。友人は適当。計算に強いけどモテナイ男の子。あとは水着女子。人物設定もありきたりで、水着美女が洗車すること以外の真新しさはない映画です。 『水着で洗車』のシーンはうなるほど出てきます。だから中盤には飽きます。 ただ個人的にみんなで協力してひとつの仕事をするっていうのが好き。一番好きだったのは街中でビラを撒くシーン。あーゆーのやったことがないので憧れます。とはいえ、ほとんど学園祭レベルのノリではあるんですけど。 ヤクザ、教授、厳格な父といくつかハードルが用意されていますが、たいした苦労もなく乗り越えます。 気軽に見られる一方で、超薄味な作品であることは否めません。B級映画としては楽しめるほうだとは思います。[DVD(字幕)] 6点(2021-04-26 13:27:34)《改行有》 33. 彼岸島 《ネタバレ》 アクションは地味。ホラーなのに怖くない。そして中だるみしがち。 ですが、私は原作が結構好き。なので結構楽しめました。 おそらく原作を知らない人にはただつまらない映画。 原作ファンだったら原作を全然反映していないことに怒り出すでしょう。 私のように『10年くらい前に一度読んだことある』ってくらいの人にちょうど良い映画。 原作がそもそもありえない展開の連続なので、この作品がありえない展開になっていても原作のせい。 ただ、そんな中にも、オープニングやポンの吸血鬼化など、ひきこまれるエピソードが確かに存在します。 オニもちゃんと出て来るし、頑張っていると思います。 こーゆー映画、嫌いじゃないです。[DVD(邦画)] 6点(2021-03-23 04:15:35)(良:1票) 《改行有》 34. 必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 誰か上様を切ってください。胸糞悪くて仕方ないです。 『上様』『家老』『側室』の三大悪。この3人にそれ相応の報いを受けさせてこそ溜飲も下がるというもの。 連子を切り捨てるシーンも冒頭ではなく中盤くらいのほうが良かったのでは。冒頭でいきなり切り伏せ、物語は『何故兼見は連子を切ったのか』のミステリー仕立てでスタート。当然鑑賞者の興味はそこに向きます。中盤、連子に仕えていた出家した女性が『兼見様にお会いしたら聞きたいことがございました。何故連子さまを殺められたのですか』と尋ねるシーンのおまけつき。そこを明らかにしないというのはミスリードというより反則ではないだろうか。 また、別家の帯屋と兼見が切りあうクライマックスは見応えはありますが、どちらも正義なので、どのような結末になっても悲劇。とゆーかこの二人が家老の手の平で踊らされていたかと思うと腹が立ちます。 私は小さい頃『暴れん坊将軍』やら『水戸黄門』やら『遠山の金さん』やらを見て育ったので、どうしても時代劇には勧善懲悪を求めてしまいます。そーゆーわかりやすいもの、爽快な結末を期待する人にははっきり向かない映画。 ただ映画としてはもはや完成されていて、キャストも演技も良く、所作は美しく見応えがあります。 連子の横暴ぶりを見せる前半、そして悲劇の終盤は盛り上がりますが、中盤がやや中だるみ。また、悲劇を強調したかったのでしょうけど、兼見と里尾の恋愛は不要。[DVD(邦画)] 6点(2020-12-14 02:39:10)(良:1票) 《改行有》 35. ビッグ・バグズ・パニック 《ネタバレ》 ちょっと変わった出だし。 突然大きな音が鳴り響き、気付けばみんな繭の中。 大きな虫がガサゴソガサゴソ。 なぜこうなったのか?虫たちはどこから来たのか?警察、軍、国は何をしているのか?主人公だけなぜ目が覚めたのか? 肝心な部分の説明、一切なしです。この潔さ、嫌いではありません。 もともと、こーゆーノリのB級モンスター映画は大好きです。昆虫が大きくなるだけでわくわくするってもんです。 炎のCGはお世辞にも良いとは言えませんが、虫のCGはとてもよく出来ています。こんなB級作品で本格的な巨大昆虫に遭遇できるなんて、期待していなかったぶん、嬉しい誤算です。 虫に刺された人間が、虫より恐ろしいクリーチャーに変身しちゃうってのも好きなテイスト。 そんな私好みの映像作品であっても、気に入らない点はあります。 例えば。『不必要な言い争い。しかも大声』『馬鹿すぎる行動』などのB級あるある。その中でも一番意味不明なのが、繭に入っている人たちを助け出さないこと。結構簡単に助け出せるのに、なぜか数人助け出したら、あとは放置。いやいや、そんな馬鹿な。 また、パニックムービーの醍醐味と言えば、まさにパニックになるそのプロセスにあると思うのです。 その一番の見せ場が、本作では全カット。気付けばみーんな繭の中。そのシチュエーションは面白いけれど、逃げ惑う人たちを見られないのは物足りないです。こーゆーシナリオにしたのって、もしかして予算の都合でしょうか?[DVD(字幕)] 6点(2020-05-17 03:22:13)(良:2票) 《改行有》 36. ひみつの番人 《ネタバレ》 人には言えない秘密を抱えた14歳の少女エミリーが、まっすぐに夢を見据えて努力する。最後は秘密も打ち明けて、自分の人生と向き合う。 思っていたより、大分良いお話じゃないですか。特に終盤の『衝撃⇒感動』のたたみかけは、おじさんちょっと胸にきちゃいましたよ。こんな単純な話に胸打たれるとはね。 ただ、ほんとこんなことを言うのは野暮ってもんかもしれませんが、こんなビジネス成立するはずない。 発想は面白いと思います。 ただ子供だって馬鹿じゃないんだから、本当に秘密にしたいなら誰にも言わないでしょ。子供が並んでお金を払っているだけでも人目をひきますよ。しかも有料。50セント。 そんで、何でそんなことを始めたのか、その辺りの説明は一切なし。なぜなら『秘密』だから。 子供たちが何故お金を払ってまでエミリーに大切な秘密を打ち明けるにくるのか。その動機に関する説明も一切なし。なぜなら『秘密』だから。 なんてことでしょう。『秘密』のキーワードひとつで、すべて説明がつくではありませんか。 『ただ、舞台設定がそうなっているから。』と言わんばかりであります。 ただこの作品が一番言いたかったことは、きっと、終盤でバイオリンの先生が口にする一言なんでしょう。『秘密を持っていたら、本当の人生を送れない。』 いや、もう本当その通りなんですけどね。 でも私はこんな子供向けの作品で、もっと大事な教訓を学びましたよ。 人の秘密なんて聞くもんじゃないな、と。[DVD(字幕)] 6点(2016-05-13 03:36:00)《改行有》 37. ビューティフル・デイズ 《ネタバレ》 非常にオーソドックスな青春ドラマ。一昔前の日本の学園ドラマを見ているようです。 はじめの1時間くらいは高校生の学園生活をひたすらダラダラ見せられます。ただそれが日本とあまり変わらない雰囲気でして、しかも自分達が高校生の頃ってこんな感じだったかも、という既視感も覚えて、妙な心地よさを感じます。 そして1時間を過ぎたあたりで、ドラマが加速し始めます。 友人達に内緒のお付き合い。そこへかかってくる親友からのSOS・・・。葛藤の末、主人公は親友ではなく彼とのデートを選び、その結果・・・。日本のドラマなんかでよくありそうな展開ではありますが、私のようなベタな展開大好き人間には、こーゆーエピソードが入るだけでぐっとストーリーにひきこまれます。 それにしてもインドネシア映画とゆーものを初めて見たのですが、この国は自分達の国の言葉に誇りを持っていまして、『詩』がひとつのキーアイテムになっています。言葉大好きな自分にとっては、大変羨ましいお国柄です。 また、インドネシアの人って初めて見たのですが、さすがアジア圏、日本っぽい、けど南国っぽい雰囲気の人が多いのですね。 主演の女の子チンタは、決して飛び抜けた美人というわけではありません。ですが、喜怒哀楽、とりわけ『哀』の演技が抜群に上手く、泣きの演技が物凄く魅力的です。 で、ヒロインが好きになる相手役のランガはイケメンっぷりが尋常じゃないですね。 ドラマとしてはとりたてて絶賛するほどのものはありませんが、インドネシアの人、学校、街、家、初めてみるものばかりで、インドネシアという国を少しでも知ることができたのは凄い良かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2016-01-17 14:56:17)(良:1票) 《改行有》 38. 光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 ケヴィン・スペイシーも良かったのですが、ジェフ・ブリッジスがかなり良いですね。 今作の主役はどちらかと言えばジェフ・ブリッジス。 さて、今作のように、結末・真相に白黒はっきりつけないタイプは、相変わらず自分とは相性が悪いようです。 とは言え、まだ学会で発表されていない、それどころか解明もされていない謎まで解き明かしちゃっているわけですから、これはもう『プロート=K-PAX星人』と認めざるをえません。 また、『紫外線が見える』『犬の言葉がわかる』というのもK-PAX星人であるという有力な証拠でしょう。 ですので本作で彼が何者なのかをはっきりさせなくても、彼をK-PAX星人として見ることはできます。 問題はそれを周囲が完全に認めないまま、催眠療法という曖昧で安易な方法を用いて真相に迫る展開がどうにも好きになれません。そして映画も、この辺りから急にダラダラしたものになるんですよね。 それに、患者たちが何故それほどK-PAXに行きたがるのか、その説明も不十分で説得力に欠けます。 更に言うなら、みんな精神病に収容されるほど精神に異常をきたしているようには見えません。 この作品自体が、音楽と雰囲気で何となく良い映画っぽくごまかしている印象があります。 それでも中盤までの、特に天文学者たちとのエピソードまでの流れるようなストーリー展開は素晴らしいの一言。 これは二つとない傑作の予感を感じたものですが、それ以降ラストまではひたすら失速。 惜しいです。[DVD(字幕)] 6点(2015-12-31 02:45:16)(良:2票) 《改行有》 39. ピースメーカー 《ネタバレ》 娯楽作品にしたいのか、それとも何かしらのメッセージを含んだ深みのある作品にしたいのか、軸のはっきりしない印象を受けます。 もちろん好意的に見れば、『真面目なテーマを扱いつつも、エンターテイメント性を失っていない』ととらえることもできます。 『VSコドルフ』までは単純な『正義×悪』の図式が出来上がっているので、わかりやすい勧善懲悪ものです。ところがコドルフ失脚後は、犯人への感情移入を誘う回想のシーンが入ったりと、作品のテイストに変化が生まれます。それがこの映画の長所なんでしょうが、作品のイメージを中途半端にしてしまった原因にもなっているようです。 また、コドルフの登場シーンはラスボスっぽい風格があって良かったのですが、物語が進むにつれてその勢いは失速。それは彼がラスボスではなかったからと言ってしまえばそれまでなんですが、もう少し悪役の美学みたいなものを魅せてほしかったです。 そして後半。回想のシーンをもう少し早いタイミングで入れてくれたら、どちらに肩入れしていいかわからないもやもや感をもっと楽しむことができた気がします。回想シーンに始まり、犯人が除々に包囲されていくシークエンスはかなり好きなシチュエーションです。 それに、劇中ケリー博士(ニコール・キッドマン)の『10基の核を欲しがる人間(コドルフ)よりも1基の核を欲しがる人間のほうが怖い』という台詞がわかりやすすぎるくらい前振りとして効いているのも大変良かったです。 きっと本作は、アクションひとつとっても、メインディッシュが多すぎて、逆にどれもメインにならなくなってしまった典型かもしれません。見所が多すぎて、途中から感覚が多少麻痺しちゃうんでしょうね。[DVD(字幕)] 6点(2014-09-29 10:16:53)《改行有》 40. Bモンキー 《ネタバレ》 アクション、サスペンス、ラブストーリー、そのどれもが中途半端な出来ながら、それなりに楽しめてしまう作品です。 ストーリー展開や演出は何気に面白いので、肝心なところがうやむやにされちゃったり、あっさり解決されちゃったりするのが少々肩透かしをくらいますね。 『虐待は本当にあったのか?』『福祉課を語ったベアトリスとブルーノはいったい何をしたのか?』『ポールがフランクとトラブルになった要因は?』例えば、そういうところをもう少しつっこんでくれていれば、もっと各エピソードが盛り上がったかもしれません。 また、本作品のメインである、ベアトリスとアランの恋愛ですが、これもベアトリスがアランに魅かれる説得力が弱い気がします。 それに強盗シーンも、『どこが凄腕?』っていうくらいのぐだぐだな内容だったのがさすがに残念。 ラストの、『こんな何もない田舎で幸せを感じられるなんて』というセリフが、まさに本作品の中途半端さを一言で表しているような気がします。 それでもまあまあ面白いのですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2014-09-15 02:34:17)《改行有》
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