みんなのシネマレビュー |
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1. 瞳をとじて(2023) 今自分の中では”エリセ週間”ということで本作「瞳をとじて」をレンタルしてみました。あとエリセ作品で未見なのは「マルメロの陽光」だけになりましたが、こちらはレンタルされておらず購入するかどうか悩みます。。 率直に申し上げて、本作に関しては時間の長さが気になってしまいました。あと、自分より年上になったアナ(アナ・トレント)は見たくなかったかもしれません。エリセ監督の今までの作風と比べると本作は圧倒的にセリフが多く、ほとんど字幕を読んでいただけという印象が残る残念な作品でした。 本作は明らかにエリセ監督自身の半生を振り返った物語で、画面のあちらこちらからその片鱗が見られます。”二作目で未完の作品”といえばエル・スールですし、主人公ミゲル・ガライ監督(マノロ・ソロ)が”22年間映画を撮っていない”のも明らかにエリセ本人のことでしょう。 考察サイトなどもたくさん読みましたが、確かに劇中で映写された映画の画面とドキュメンタリータッチの本編とで撮影方法が異なっているのは流石エリセ監督といったところです。ただ劇中映画も本編もどちらも大して面白くないのはかなり致命的だと感じましたし、そもそも観客に何を伝えたかったのかがよく判らない作品に仕上がっているように感じました。無償の愛が大切ってことでしょうか?親子の愛が大切ってことでしょうか? Wikiによると海外批評家の点数はおおむね高く、総合的に85点程度の作品だそうです。これに関してはチョット信じられませんね。私の価値観や理解が浅いと罵られようが・・ 面白くないものは面白くないです。何度か再鑑賞を繰り返せば良さも見つかるのかもしれませんが、「ミツバチのささやき」のように一度見ただけで観客を虜にさせられない時点で、その作品は傑作ではないと思います。本作はセリフ量も時間も長いわりに大したことが伝わっていないように感じました、正直いってイマイチな作品です。[DVD(字幕)] 5点(2025-04-21 17:48:09) 2. ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲 笑っちゃうくらいレベルの低い作品ですが、当時私もビーバップの対象年齢でしたので普通に見ていました。しかし当時でも失笑もんの演出が多く小バカにし過ぎた作品だよなあという印象しか残っていません。皆さんご指摘の通り、終盤の馬の演出は酷すぎますよね。ビー・バップ・ハイスクール シリーズでマンガ本をリスペクトしたものは一作目と二作目くらいでしょうか。。 マンガ本でも人気だった城東の柴田と西も良い味が出ていますが、個人的には1作目のヘビ次(小沢仁志)とネコ次(木下秀樹)、2作目の山田敏光(土岐光明)とテル(白井光浩)が最高でした。菊リンと順子はいつも素敵です。あと、本作の(五中の鬼姫、如月翔子)こと五十嵐いづみさんの演技は良かったです。真面目デートに凸して説教するシーンは間違いなく本作の名シーンの一つです。半面、美大の女子大生(柏原芳恵)は結構大根で笑っちゃう演技です。(でも80年代ってあんな感じでした、当時の空気感はうまく表現されています) このシリーズは昭和40年代後半から50年代前半生まれの人が自分の青春時代を懐かしむための映画ですので、真面目にレビューしたり評論しないのが正解ですよ皆さん。[インターネット(邦画)] 4点(2024-08-13 12:42:39)《改行有》 3. ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌 《ネタバレ》 久しぶりに見ました。これの面白さは昭和45~50年生まれくらいの人で、ビーバップが爆発的ヒットした当時を知っているかどうかにかかっています。連載当時隔週発売だったヤンマガは中学生にはちょっとオマセで、美少女の登竜門だった巻頭グラビアもシャバい中坊にはエロかった。とにかく実写版に登場しているほとんどの人が原作マンガにソックリ過ぎて笑えるレベル。順子役の宮崎ますみがやたらと綺麗ですが、実際、当時のヤンキー内にはああいった極上の美女が混ざっていて羨望の眼差しを一心に受けていました。 個人的にぜひここに書き残したいのが、浅野ゆう子扮するスナックのママ加奈江が色んな意味で凄かったということ。まずエロいことは当然ですが薬でもやってんじゃないの?というくらい意味不明な歌や行動にも注目してください。 第一作目の前作も割と凄かったのですが、本作もなかなか豪華。【亜流派 十五郎】さんも書かれていますが、成田三樹夫(テルのオヤジ役)、草薙幸二郎(お願いだから死んでくれの先生)、地井武男(鬼島刑事)、浅野ゆう子(加奈江)、木之元 亮(新田=太陽にほえろのロッキーの人)、宮崎ますみ、中山美穂などそうそうたる出演陣です。パチンコ屋で地井武男がテルをシバくシーンも渋いし、個人的には如月翔子(五中の鬼姫)中野みゆきも可愛かったです。 敏光(土岐光明)とテル(白井光浩)も非常に印象深く、原作マンガに迫るクリソツな雰囲気は素敵でした。また、すでに原作マンガ時代からありましたが、この映画辺りからリアルにボンタン狩りや三段警棒、鼻エンピツ、口エンピツなどが横行し、非常に恐ろしい昭和末期の時代でもありました(平成元年なんですけどね)。また、実際に新田のような元ヤンや元族上がりのハングレ(というかもっと硬派)な人も沢山いて、トオルやヒロシ、敏光やテルのような後輩を可愛がっていたりしました。まあ、あの当時を知っている人には文句なしの映画でしょう!(エンディングのJINGI・愛してもらいますも80年を象徴するようで素敵ですが、随所に映っている街の風景も80年代をしっかり記録していて素敵でした)[ビデオ(邦画)] 8点(2023-08-25 11:43:14)《改行有》 4. ビューティフル・デイ 《ネタバレ》 【若干のネタバレあります】 先日見た「マシニスト」は私の評価とは裏腹に世間の評価が結構低く、そして本作は私の評価とは裏腹に世間の評価が結構高かったりして・・ 価値観ってやっぱり判らないもんだなあと痛感します。 攻め気味の音楽や脚本はある程度評価できるものの、攻めすぎているような部分もあって凡人の私には意味が判らないところが沢山ありました。残虐でやり過ぎると評判の主人公ジョー(ホアキン)でしたが、ハンマーだけで売春斡旋組織や知事の邸宅に乗り込むのはちょっと無理があるのでは?と感じてしまいました。そもそも女の子のお父さんは何故投身自殺を図ったのか?知事の圧力?知事がロリコンなのはまあ理解できますが、そこらへんにある三流のアクション映画のように急にヒットマンが送り込まれてくるとか、リアリティが無さすぎて話がよく見えてきませんでした。(知事とマフィアがズブズブな関係なのが前提?) ラストで女の子が発する「It's a beautiful day」も、あまりにも達観しすぎているというか大人びているというか・・ むしろこの女の子の映画が見たかったよね。というのが私の最終的な感想だったりします。よく考えたらタクシー・ドライバーも私の人生におけるワースト5に入っていますし、自分にはちょっと合わない、難しい映画でした。(皆さんおっしゃるように湖のシーンやお母さんとのシーンなどは素敵でしたが)[インターネット(字幕)] 3点(2022-04-21 13:06:56)《改行有》 5. ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇 懐かしくてシリーズ全てを見ようかと思いましたが、時間もそんなにないので端折って1作目とラストだけ見ることにしました。この「完結編」がなかなか楽しくて、パート1以上にコミック本に忠実なのが笑えました。丸野(我王銀次)のパートがなかり面白くて屋上でのファーストコンタクトはコミックそっくりです。カブとリョウのパートも激忠実で、ここまで原作のイメージ通りの映画もなかなか少ないのでは?と感じました(笑) 戸塚のへびじが前川新吾役(小沢仁志)で出ているのはちょっと矛盾点ですが、個人的にはファースト版より完結編のほうが高い完成度ですので、原作コミックファンでしたらより楽しめると思います。[インターネット(邦画)] 5点(2018-07-19 10:16:47)《改行有》 6. ビー・バップ・ハイスクール(1985) もろ世代です。懐かしくて再見しましたが昔の印象通りとても楽しめました。ヒロシ&トオルが別の人バージョンも見たことがありますが、リアル世代の私にとっては清水&仲村ペアが原作に最も忠実だったと思っています。他の方も同じでしょうが、菊リンなど周りの人たちの完成度も高くて、そういった意味でもとても楽しめる映画です!(バカバカしさはコミック本レベルなのは言うに及ばずですがね・・)[インターネット(邦画)] 5点(2018-07-19 10:05:53) 7. ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 中盤まではとてもワクワクさせられて求心力ある流れで大作感があります。中盤以降、急激に壮絶人生となってゆきますのでとても重たくなります。重厚さではなくどんよりと重たい感じなので、コレをどう考えるかで少し評価が変わりそうです。(このシリアス具合はラッセルクロウのせいもあろうかと思いますが) ラストの授賞式は妻と(鑑賞者も抱きこんで)共に乗り越えた愛の軌跡が感じられて、重厚で感動的な締めくくりです。中盤以降の重たさに反比例してジェニファーの演技が素晴らしいので助演賞も納得でした。最近見たイミテーションゲームと比較したくなりますが、明らかに監督の力量差が出たような気がします。 重たい映画はあまり好きではありませんが、偉人の伝記物語では重たさはある程度仕方がないような気もしました。まあ、それなりに満足。[DVD(字幕)] 5点(2015-10-12 13:06:51)《改行有》 8. ビッグ・フィッシュ 同時期に「ウォルター少年と、夏の休日」も公開されており、比較するつもりはなかったものの、短い間に両方とも観ました。双方とも昔話が実は本当だったという内容ですが、正直なところ、ビッグフィッシュのほうが人気があるのがイマイチ理解できません。ウォルターのほうが全体的なまとまりも良くてストーリーも無理がなかったように思いましたが。。 ぶっちゃけ、あっちのほうが好きですし、そもそもティムバートンが大嫌いだと再確認できた映画です。[DVD(字幕)] 3点(2014-10-30 18:58:16)《改行有》 9. ヒア アフター 日本ではパッケージに津波のシーンがありますと配慮されています。この映画では津波は一つの事例として取り上げられており、交通事故も同じ条件(死)で扱われています。かなり真面目な映画で「死をどのように考えるか」を真剣に扱っていると思います。死はどんな人にもやってくるし、どんな事情であれ納得できないし、そして誰にも結論は出せないことが「死」なのだと思います。 全体的に暗いトーンで描かれていますが、冷やかしが無いので当事者も鑑賞できると思います。当事者は簡単に気持ちの切り替えなど出来ませんが、切り替えの一つのきっかけにはなりうる映画だとは感じました。人間の本質を映画化するのは難しいですが、それにトライした映画だと思います。ただし、イーストウッド(監督として)と私はあまり合わないようで、この映画もちっとも面白くはありませんでした。むしろ退屈で退屈で仕方がなかったです。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2014-09-24 11:55:15)《改行有》 10. 羊たちの沈黙 当時からやたらと高評価なのが何となく信じられなかった作品。レクター博士(アンソニー・ホプキンス)は映画史に残る変態犯罪者を好演していますが、クラリス(ジョディ・フォスター)も負けず世紀の美少女っぷりを発揮しています。 問題はレクターとクラリスのやり取りが魅力的すぎて、本来ストーリーのメインであったはずのバッファロー・ビル事件(テッド・レヴィン)が割とどうでもよくなっている点です。正直なところ、皮剥ぎ変態事件よりも博士と美少女のやりとりのほうが明らかに面白いし、この映画の屋台骨は完全にこちらのほうでしょう。 雄大な雰囲気とインテリジェンスを感じさせつつ、最終的にクラリスの心の中に収束していくストーリー展開は素晴らしいものの、題名にもなった羊うんぬん・・ の話はイマイチ。また、前述の通り現在進行形のバッファロービルの事件があまり面白くないので、その低いテンションのままクラリスパートに話が及ぶと何となくクラリスまで霞んでしまうという、負の相乗効果が最大の致命傷になっています。レクター博士のパートがイチイチ魅力的なのも問題で、結局のところ各パートの面白さのバランスが悪い点がこの映画を冗長なものにしてしまった最大の問題点ではないでしょうか。 世界的にも話題になっただけのことはあってストーリー自体はバランス良くまとまっていますが、しかし何となく高評価も難しい作品でした。皆が褒めたたえているので、ちょっと厳しめの点数にしておきます。[ビデオ(字幕)] 6点(2014-09-05 12:46:56)《改行有》 11. 光の旅人 K-PAX ケビンスペイシー&ジェフ・ブリッジスのダブル主演なのにこの安っぽさには驚かされます。(悪い意味でB級映画風に見えてしまっていて非常に勿体ない) 中盤、若干の間延び感があるので余計にかったるいのかもしれませんが、全体を貫く根幹部はロマン重視のガッツリSF風味に仕上がっています。哲学寄りの雰囲気なのでかったるいのは致し方ないのかもしれません。 個人的にはこの映画にかなりハマってしまったので原作本まで取り寄せましたが、原作本と映画版は結構雰囲気が違っていて驚きます。原作と比較すると映画はより宇宙人に寄せて描かれていて、プロート目線でパウエル医師(ジェフ・ブリッジス)+地球人の救済といったファンタジックな流れがメインの優しい雰囲気に仕上がっています。反面小説版ではもっとパウエル医師の目線で、どちらかというと現実路線でガチに精神病と向き合いつつも説明がつかない謎をどうやって理論的に説明するか?といった小難しい流れがメインとなっています。 色々書くとネタバレになるので書きませんが、この映画には素敵な教訓が沢山散りばめられています。外から見た地球人という観点から、観客自身が自分たちの置かれている状況を客観的に考えることができるようになっています。光の速度で旅して行って帰ってくるという小芝居はあまりに適当過ぎて笑えますが、「結婚という概念があるのは地球だけだ、宇宙では誰もそのような非合理的なことは行わない」など、妙に説得力がある話も多くて興味深いです。 青い鳥の一件と合せて故郷(K-PAX)へ帰ると言い始めてから俄然面白くなります。ラストへ向かう緊迫感とスピード感は大変素晴らしく、オチもかなり納得できるものでした。重要だったはずのプロートが何者であったのか?という疑問が小さなことのように感じられる素敵なラストは今も心に残ります。個人的には非常に高評価だったので一生懸命友人達にお勧めしている作品ですが、一般的には知名度が低く非常に残念な作品だったりもします。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-04 16:51:29)(良:1票) 《改行有》 12. ビーンストーク ジャックと豆の木 この手の海外ドラマが大好きです。特に当作品とアラビアンナイト(1999)は異例の完成度ではないかと思います。ぶっちゃけ、そこいらの有名な映画よりずっと面白いです。 ジャックと豆の木といえば、通説では豆の木を上って天界の悪の巨人を成敗、金の卵を産むガチョウとハープを持ち帰ったヒーローとしてジャックが描かれています。でもよく考えたらこれは一方的な言い分で少々都合が良すぎます。このドラマでは天界の超人格者である巨人を殺害し、金の卵を産むガチョウまでをも奪って逃走してきた極悪人ジャックという設定になっています。確かにこのほうが無理がありません。ストーリーもラストまで破綻なく、大人の心に響く素晴らしい結末に仕上がっています。騙されたと思って是非一度お試しください!お勧めですよこれ。[地上波(吹替)] 8点(2014-04-30 17:51:18)《改行有》 13. ヒート 古さを感じさせない完成度の高い映画です。今となってはこの手のクライム系作品の手本といわれるほど評価されています。ロードショー当時はパチーノ&デニーロの夢の初競演と話題になりましたが、いつまでたっても同じ画面に映らず「本当は別撮りなんじゃないか?」とまでいわれた映画でした。(結局レストランのシーンだけだとガッカリしましたが、今思えばこれで正解だった) 個人的にはパチーノとデニーロの役柄が反対なんじゃないか?と、思っていましたがこれも私が間違っていました。特に抑えたデニーロと弾けたパチーノの対比がメリハリを生む演出になっていて、物語に緩急がつく形になっています。(パチーノ役は演技力の無い人がやると退屈するか鬱陶しい奴になりそう) 171分と長い映画ですが、主要人物の私生活まで丁寧に描かれているので飽きさせません。反面、サイドストーリーが多く話が散漫になりがちですが、クリス(ヴァル・キルマー)と妻のシャリーン(アシュレイ・ジャッド)のエピソードにニール(ロバート・デ・ニーロ)が絡む流れはなかなか面白いです。ヴァン・ザント(ウィリアム・フィクトナー)の一件、黒人シェフ、ドナルド(デニス・ヘイスバート)の一件なども非常に印象深く、全体的にサイドストーリーも魅力的で捨てがたいです。 ローレン(ナタリー・ポートマン)の自殺未遂の件は正直いらなかったかなと思いますが、自分に懐いていた義理の娘の一大事を差し置いてヘリで駆けつけるヴィンセント・ハナ警部補(アル・パチーノ)の非情な一面を見せるには必要だったのかもしれません。とにかく、これら大量のサイドストーリーのおかげで白昼13分にもおよぶ大銃撃戦からラストまでのギリギリの攻防は感情移入がハンパない仕上りになっています。 全ての登場人物がつまらない意地と大きなプライドを持っていて、結末はある程度予見できますが、破滅に向かうロマンというものがあると感じさせる渋いラストです。男なら胸が熱くなる映画でしょう。素晴らしい作品でした。(※余談ですが、後に実生活で逮捕されたウェイングロー役のケヴィン・ゲイジは獄中でもウェイングローと呼ばれていたそうです。。劇中6分しか出演していないのに凄い印象を残していますね)[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-04-08 13:48:00)《改行有》
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