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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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41.  フィフス・ウェイブ 《ネタバレ》 宇宙人侵略モノ、としてはちょっと変則的に攻めてみた、つもり、らしいのですが、これがまたナンともカンとも。 冒頭、すでに侵攻が始まっているらしく、サバイバルの「現在」が描かれ、そこから過去に遡ってこれまでの経緯を手際よく描く、という構成ですが、「手際がいい」と言うよりは、単なる横着のようにも感じられてしまう。単に経緯をかいつまんで説明しているだけで、かつての平和な日々、平和な家庭が失われる哀しみは、これといったエピソードも伴わずに、ただ主人公の号泣のみに押し込められてしまう。ここでただ泣いてみせたって、何の意外性も無い訳で。こういうのを見せられるとつい、所詮は演技、現実世界の悲劇には到底太刀打ちできないよね、と思っちゃう。フィクションの悲劇を「かいつまんで説明」してもらっても、何の感慨も起こりません。 で、その後がさらにヒドい。軍隊が出てくるのはいいけれど、その背景もロクに描かれず、「我々は何でも知ってます」という説明口調に終始して、すべてがウサン臭いことこの上無し。これじゃあ何だか、宇宙人と戦っていると言いながら実は、真相は〇○が△△だったりしてね、ウヒョヒョ、とか冗談で思っていたら、何と本当にそれが真相だった、というオチ。これには逆に驚かされました。トホホ。 そんでもって物語は、ほどほどのところで終わって、評判良かったら続編作るかもよ、例によって3部作とかにしちゃうかもよ、という流れ。いや。無理でしょ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-10-31 02:30:59)《改行有》

42.  フォードvsフェラーリ タイトルは『フォードvsフェラーリ』であって、実際に題材もそうなんですけれども、でも何かちょっと違う。 高級車フェラーリに大衆車フォードが挑む、という図式だけど、では一種の「下克上」かというと、むしろ正反対。資本力ではフォードの方が圧倒的で、金に飽かせてル・マンに乗り込んでくる。 主人公のひとりであるマット・デイモンはまだしも、もうひとりの主人公であるクリスチャン・ベールはカツカツの生活を送っていて、このフォードとフェラーリとの対決の物語において、当然、中心的な存在になるのであろうとは予想されるものの、いくら物語が進めども、いつまで経っても蚊帳の外。本人が偏屈なこともあって、なかなかこの対決に絡めず、見てる我々もヤキモキする。 だから、これは、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズにとっての、「下克上」の物語。 いくつかのレースを経て、クライマックスである本番のル・マンが近づいてきても、「さあ、いよいよ!」などと煽るような演出も無く、むしろ淡々と開始しちゃうのですが、それは逆に言うと、迫真のレースシーンの演出に自信があってこそ、とも言えるでしょう。いざレースが始まったら、その緊迫感に、目が釘付け。 レース会場でもヘリで移動したりと、何かと派手なフォード2世。打倒フェラーリに向け、フォード側のチームとしてレースを戦う主人公ふたりだけど、本当に彼らを理解する者は、本当にレースを愛する者は、一体誰なのか。 この映画には、夕日や夕暮れのシーンが、再三登場します。もともと“黄昏”の映画なんですね。で、ラストはケン・マイルズの家の前。そういやこの芝生の前でかつて、ふたりは取っ組み合いしたんだっけ、などと思うと、観ている我々もどこか、懐かしさのようなものを感じてしまう。 夕日。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 20:38:37)《改行有》

43.  blank13 《ネタバレ》 監督は売れっ子俳優の斎藤工(クレジットは本名の「齊藤工」)。70分ほどの小品で、テーマもやや地味ですが、奇を衒うことのない手堅い演出で、好感が持てます。 監督本人が兄、高橋一生が弟の役で、父親はふたりが子供の頃に借金を残して失踪。13年ぶりに消息が判明するが、病で余命いくばくもない状態。父の失踪以来、母親が懸命に働いてふたりを育て上げ、またふたりも子どもの頃から苦労を重ねてきたもんで、兄は父親のことが許せない。一方の弟は、父に遊んでもらった幼少時の記憶から、完全に父を見限ることができず、病院へ見舞いに行く。父親役のリリー・フランキーと高橋一生が病院の屋上で語り合うシーンの、微妙な距離感などは、齊藤演出の腕の見せ所。全編にわたってテクニックをひけらかすのではなく、要所要所で拘りを見せてくれます。 幼少時の回想シーンで、母親の自転車が車にぶつかる場面では、変にカットを割らずに事故の瞬間を投げ出すように描き、日常に突然現れる恐怖を印象的に描いています。 父親はやがて他界し、映画後半は父親の葬儀が描かれるのですが、父親の破天荒な生涯を表そうというのか、ちょっとコミカルな味付けとなっていて、ただそれだけに、居心地の悪さみたいなものも感じさせます。ダメな父親だったけど、こんないい面があった、あんないい面があった。一方で、でも父を決して許せない、という兄もそこにいて。 しかし、何を言ってもこれが最後、間もなく父は、荼毘に付される。 映画の冒頭で、「火葬とは」云々とかいうテロップが出て、正直、こういう映画の開始はちょっと警戒しちゃうんですけれども、映画の最後は火葬の場面となり、一方で、葬儀にも火葬場にも姿を現さなかった母親は、夫の唯一の形見なのかもしれないタバコを吸っていて、すべてが煙となって消えていく。冒頭のテロップにもちゃんと繋がって、映画を締めくくります。[地上波(邦画)] 8点(2020-08-13 15:12:06)《改行有》

44.  ファンシイダンス 「モックンがこの頃からどれほど変わってないか」「彦摩呂がこの頃からどれほど変わったか」を確認できる一本。その後、彦摩呂の肉体が“シコふんじゃった”的なものに改造されてしまうとは、この頃、誰が想像できたでしょうか。 学生相撲とか社交ダンスとか、一般人にはあまり接点のない(少なくとも当時はなかった)ネタを映画に取り上げる流れの、原点とも言うべき作品ですが、僧侶見習いの修行がテーマなもんで、相撲やダンスと違って動きが乏しく、どうしても地味な印象は受けてしまいます。 ただ、その地味さを逆手にとって、わざと棒読みみたいなセリフのやりとりで独特のリズムを出しており、ちょっと不思議な味わいがあります。 それを差し引いても、登場人物の誰もが、大した進歩なり変化なりを示す訳でもなく、やっぱりちょっと動きが乏しいのですけれども。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-19 21:34:05)《改行有》

45.  フリーソロ クライマックスにおけるフリークライミングのシーンは、眩暈がするほどの迫力。もっとも、変に演出じみたカット割り(?)みたいな視点の切り替えが多用されるもんで、もしかして同じシーンを異なるアングルで何度か撮り直しとかしてるんじゃないの、という疑念も湧いてきてしまい、ちょっとモヤモヤしてきちゃうんですけれども。無論、こういう映像に仕上げるために、おそらくは撮影にも様々な配慮や工夫が凝らされたんだろうし、おそらくは大量の映像を撮影した上でその殆どを捨て、厳選しまくってこのクライマックスにまとめ上げたんだろう、と想像はするのですけどね。でもその結果、ちょっと人工的な印象を受けてしまうのは、勿体ないですね。 しかしその辺りは、彼を支え、彼を心配する立場として、撮影スタッフの姿と心境を映画の中に取り入れる、いわばメタな構成にしていることで、我々のそういう「疑い」を帳消しにしようとしている・・・としたらちょっとズルいのだけど、我々を当事者として巻き込み、一緒に心配する身に置かせる効果は、確かにあります。もちろんこれは、あり得ないような地形をあり得ないような技で登っていく、このクライマックスの圧倒的な映像があってこそ、の効果でもありますが。 それにしてもあのキグルミの人物は何者だったのか。一番気になるのはソコだったりする。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-19 21:09:42)《改行有》

46.  無頼漢(1970) 多分に挫折感のあるオハナシな上に、途中には親殺しや子殺しなどという暗いテーマが絡んできたりもするのですが、その割には妙にアッケラカンとしてます。子殺しはともかく、親殺しの方はどこか、「どうせ殺したって死にゃあしない」みたいなところがあって。 「時には母のない子のように」なりたくっても、そう簡単には、なれやせぬ。 しかしそうは言っても基本的に、人というものは皆、死んでいく。謀反の企てが失敗して次々に命を落とす者があり、でも一歩離れて観りゃ、派手に夜空を染める打ち上げ花火と大差ない訳で。ただ、いつの世も人は死に続け、棺桶屋は棺桶を作り続ける・・・ というラストが、何だかキザで、ヤだな、と思わなくもないけれど、時代劇にジャズが流れたりするように、もともとこれは、ちょっとキザな映画。それもまた良し。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-06 22:36:35)《改行有》

47.  舞踏会の手帖 《ネタバレ》 夫を亡くしたマダムがふと見つけた手帖。そこにはかつての若き日の思い出、舞踏会で知り合った男性たちの名前が書かれている。 という訳で、マダムは思い出を探りに、これらの男性のもとを訪れる、というオムニバスっぽい構成。この過去に思いを馳せる冒頭部分は、合成映像があったり、壁に舞踏会で踊る人々の影が映し出されたり、ちょいと幻想的な演出があります。 でもまあ、自分のこういう「恋愛時代」をホジクリ返したって、大抵、ロクなことはないんですよね。だもんで、主人公が誰の元を訪れようと、ロクな話が聴ける訳もなく。一件目の訪問先からすでにして家庭崩壊状態、幸先悪いことこの上もない。二件目、三件目と訪問を重ねるにつれ、気のせいか、相手先がだんだんエキセントリックになってきて(それにつれて主人公のマダムの存在感も薄れてきて)、最後に訪れたアヤシイ医者の家に至っては、撮影するカメラまで傾いている(笑)。どうして手帖の人物はみんなこうもヘンになってしまったのやら。 と思ってたら、医者が最後ではなくって、この後もう一軒寄った先の男性は、平凡な散髪屋のオヤジになっておりました。平凡が一番よね、でも何となく寂しい。だから言わんこっちゃないのよ、そういう過去をホジクリ返しても、幻滅以外に何がある? と思ってたら、この平凡オヤジも最後ではなくって、これがホントのラスト一軒、というオマケ付き。あきらめが悪いというか何というか。映画的にはこれでオチがつくのですが、主人公は救われたのやら、もはや救いがたいのやら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-08 03:47:56)(良:1票) 《改行有》

48.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 それなりに結構長いこの作品を見ているうちに、結局はこれが『ブレードランナー』の続編に過ぎなかったんだという(当たり前っちゃあアタリマエの)ことに気づかされる、そのガッカリ感ってのが、正直あるんですよね。もしかして、デッカードさえ登場しなければ、もっといい作品になってたんじゃないかなあ、と。 サイケ調の未来社会のよそよそしさが孤独感と不安感を煽る、あの前作。人間と同じく記憶を持ち、感情を持つ「レプリカント」を殺害しなければならないブレードランナー=デッカードの側から描かれた前作で、彼は、レプリカントの「殺害された仲間に対する記憶」を、苦痛とともに文字通り指折り体に刻み込まれることを通じて、結果的にはひとつの許しを得たのでしょうが、その30年後、今度はレプリカントの側から描かれるのが本作。 主人公のレプリカントも旧型の解任=殺害を命じられたブレードランナー、という設定ながら、その点は本作ではあまり深掘りされる訳ではなくって、むしろレプリカントとしての彼が持つ過去の記憶、木製の馬のオモチャを握りしめた(本来ならレプリカントが持つはずのない偽りの)記憶にスポットが当てられています。 彼が木の根元から小さな花を拾い上げる、というキッカケからして、何となく詩的なものを感じさせ、VRの女性との交流が描かれたり、荒廃した過去の街が描かれたり、水のイメージが頻出したり、色々と雰囲気作りは凝らされているのですが、結局たどりついたのがこんなデッカード爺さんなのかよ、と。そりゃま、ハリソン・フォードの登場は、ファン・サービスではあるのだけど、こんなコトに満足していいのやら悪いのやら。 いっそデッカードは最後そのまま海に沈んじゃえばよかったんじゃないの。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-30 10:08:10)《改行有》

49.  ブレイクアウト(2011) 妻、娘と大邸宅で暮らすニコラス・ケイジのもとに強盗団が押し入り、ダイヤを出せ、金を出せと彼を脅す。とっとと出せばいいものを、なんやかんやと言い逃れするもんで、オハナシはズルズルと延びて、気がついたら本作はワン・シチュエーションもののサスペンス映画になってました、という趣向。犯人グループ側も難ありのメンバーを抱えている上に、この家族も家族3人それぞれ、叩けば何かと埃が出るもんだから、事件は迷走。犯人たちも困るけれど、ニコラスケイジ一家も困っちゃう。両者痛み分け。 まあ、この困難さえ乗り越えられたら、家族3人、また仲良くやっていけそうだよね、という大変に前向きなオハナシのような気もしてきますが。 という訳で、そもそもこんな面倒な家に強盗に入るヤツが悪い、というのが結論ではありますが、事件の迷走ぶりが、面倒くさいんだけど楽しめて、コンパクトにまとまっているのも魅力的です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-15 18:03:53)《改行有》

50.  ブレイクアウト(1975) 冴えないオッサンの見本みたいなロバート・デュバルが刑務所に入れられたもんで、その脱獄を我らがブロンソンが請け負う、というオハナシ。特に難攻不落の刑務所という訳でもなく、田舎のノンビリとした雰囲気です。一応、デュバルが刑務所に放り込まれた経緯にはウラがあって、それなりに危険なミッションなのですが、あくまでノンビリ。 で、最初に立てた作戦はというと、ランディ・クエイドが女装して刑務所に入り込み、ロバート・デュバルと接触しよう、なんていう、ほぼあり得ない作戦。そりゃ無理でしょ。とは言えこの頃のランディはまだちょっと、デニス・クエイドの面影(?)もありますが、それでも無理です無理。やる気あるのかよ。 で、あえなく失敗した後、ようやく本気の作戦になるのですが、これもまあ、ノンビリしてます。ノンビリはしてるけれど、ヘリを使った大胆な作戦。ブロンソンの操縦がヘタクソなもんで、大胆さもひとしお。それにしても、自動車、ヘリ、飛行機が並んで走るシーンが妙にカッチョいい。 この映画を見てよくわかるのは、田舎の刑務所をノンビリ脱獄するには、缶ビールが必須! ってことですな。一緒に呑みたくなること請け合い。[DVD(字幕)] 8点(2019-08-15 17:14:50)《改行有》

51.  ファンハウス/惨劇の館 冒頭にいきなり殺人鬼登場か、という場面がありますけれど、もちろんこれは単なるカマシ(少年のイタズラ)で、これが何かの伏線になっているのかというと、全くなっていないというのがもう実に開き直った感じで。この少年、何かやらかしてくれるんじゃないか、と期待してしまうのですが、そりゃ期待する方が悪い、トビー・フーパー作品ですから。 という訳で、やっぱりというか何というか、脈絡のあまり感じられない内容です。そう、ここはまさに期待通り。 前半はカップル2組が訪れた見世物小屋のオドロオドロしさが描かれて、興味のない人にとってはどうでもいいシーンが延々と続くことになるのですが、興味のある人にとってはそれなりに不気味さが堪能できる、いかにも乱歩ワールドな感じです。 で、無意味にウロチョロしていたフランケン君が、後半、物語の主役に躍り出てくる。ついに起こる惨劇。って言ってもコレ、実際は、不幸にして起こってしまった実に不幸な事件、なもんで、コワがっていいのやら同情してよいのやら。 お化け屋敷で襲われる、惨劇が発生する。ってのがすでに何だか、すべてがもともと作り物っぽくウソくさく見えちゃう、という副作用を抱えているのですが、作品のチープさとはよくマッチしてます。何より、クライマックスのこのしつこさ、ってのは、『悪魔のいけにえ』の面目躍如、といった感じもいたします。 特殊メイクの怪人物より、奇妙な仕掛け人形たちの方が、いい味出してますね。[DVD(字幕)] 6点(2019-08-13 11:22:50)《改行有》

52.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 「トランク」の存在が、お話の要になっていて、面白いんですね。トランクのすれ違いが、物語の発端でもあり、オチにもなっている。 そんでもって、トランクに入るワケもないものが、トランクを出入りしてみせる、それが楽しいところ。 デブのおっちゃんがトランクに入る。いや、入りきれない。一見、トランクの底に穴を開けて人間が入っただけのローテクなシーンと思わせて、トランクごと飛び跳ねながらおっちゃんが何とかトランクに入ろうする、CG演出の驚きと、ナンセンスな可笑しさ。 ハリーポッターよりもはじけてて、いいんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-04 22:14:26)《改行有》

53.  ブリッジ・オブ・スパイ 最初の方でトム・ハンクス演じる主人公が、5人ハネたって1件は1件だ、とか言ってて、このセリフがあまりにもストレートに後半の展開に繋がるもんで、正直ちょっとどうかとも思うのですが、ある種、このストレートさがこの主人公のキャラクターの一部でもあるワケで。弁護士として優秀なのかどうかはワカランこの人、しかももともと保険関係を担当してたことからすると、それこそトンデモない世界へと足を踏み込んでいくことなる。スパイが一般人に紛れているのとは反対に、一般人がわけもわからないままスパイの世界に紛れ込んでしまったような不安の中、最後に頼りになる(かもしれない)のは、この人のストレートな一本気。 クライマックス、闇に包まれた橋が光に滲む。『宇宙戦争』も闇と光の映画だったけど、そういう派手さはなくって、都合3名の「人質」交換がひっそりと行われるのみ。その事実は闇に溶け込んでいく。 と、映画の方もひっそりと終わってもよかったのかも知れないけれど、蛇足めいたエピソードが続いて、でもこれが、蛇足と切り捨てるにはもったいない絶妙のユーモア、後味のよさに繋がってます。中盤、周りから白い目で見られた(ような気がする)電車の中で、今度は称賛の眼差しを浴びる(ような気がする)。これらのシーンの間には、夜の車窓から虐殺を目の当たりにした、暗い夜の列車のシーンがあって、だからこそラストの明るさが印象的、なんですな。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-03 20:54:09)(良:1票) 《改行有》

54.  ファイナル・デッドサーキット 3D 相変わらずいろいろと見せ場を工夫して、相変わらず楽しませてはくれるんですけどね。 しかし、4作目ともなると、ちょっと息切れ? というよりは、ちょっと考え過ぎなのかな、という気が。 このあと惨劇につながるかも知れない、生活の中にひそむヒヤリハットをあれこれ見せつけて、我々をドキドキさせる。それはいんんだけど、だんだん「いかに予想を裏切るか」という意外性へと映画を作る側の意識が向かうようになり、いささかワザとらしいカマシのオンパレードになっちゃってます。 その挙句に、はい、グロテスクでしょ、と唐突に肉塊を見せられて、なーんだか妙に割り切ってるなあ、と。これはもはや、印象としては料理番組における「10分煮込んだものがこちらになります」ってのに近いです。 まあ、こういったことすべて、路線に忠実ということの表れなのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-16 11:41:11)(良:1票) 《改行有》

55.  ファイナル・デッドコースター 《ネタバレ》 また同じようなことやってるなあ、という作品なんですけど、まあ、また同じように楽しませてくれた、ということで。 殺人鬼が襲ってくるのとは違って、モノが襲ってくる、あるいはシチュエーションが襲ってくる、という、どういう形で死が訪れるかわからないスリル。なんですけど、事前にその予兆というか、死のキッカケになりそうなモノを我々にチラ見せして、スリルを煽るところ、あまりに断片的なチラ見せなもんで、観てても「え?今の何?」とか思っちゃって、もうひとつうまくスリルに繋がらない感じもして。もっとしっかり見せつけてくれてもいいのでは・・・とも思うんですけど、ま、このチラ見せが作品の特色、持ち味なのでありましょう。思わぬ死に繋がる意外性。 で、今回の新味はというと、写真に写された順番に、人々に謎の死が訪れる。しかも、その写真に一緒に写っているモノが、凶器となって・・・。 そんじゃあ、盗撮パンチラと一緒に写っちゃってたヒトがいましたけど、あのヒト、どういう死に方したらいいんですかね~。コワイですね~。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-22 23:48:38)《改行有》

56.  ファインディング・ドリー ヒレを手のように使った擬人化、表情づけなんかもあったりするけれど、基本的には人間の俳優のように手足を駆使したアクションができない魚たち。だけどその分、全身を使って、これでもかとほとんど捨て身のようなジャンプを繰り返すアクションを演じてみせてくれます。陸上に乗り出してくると、水の中でしか生きられない魚は不自由な存在、ではあるのですが、これらの跳躍に、ときにものすごく「自由」を感じてしまう。 これぞアクション映画、と言いたくなりますな。[地上波(吹替)] 8点(2018-09-15 04:05:46)《改行有》

57.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 クローン・ネタってのも今となってはすっかり手垢がついてしまった感もありますが、それでもなお本作が魅力を保っているのは、謎の提示のうまさですね。最初の方で、犯人一味の正体も明かされるし、彼らの計画も明かされる。だけど、何のための計画なのか、ってのが謎になってて、それが徐々に明らかさにされていく。で、その明かされる謎というのが、正直、「んなアホな」と言いたくなるような、荒唐無稽なものなんですが、「荒唐無稽な事件の裏を、実は一本の荒唐無稽な理屈が貫いていた」というところに狂気、残酷さ、恐怖、といったものを感じさせるワケで。 ま、バカミスの嚆矢とでも言いますかね。 ほとんどセリフの無い冒頭シーンの緊迫感。何やらよくワカランうちに唐突に発生する殺人事件。厚化粧ですっかり誰だかわからなくなってるグレゴリー・ペックの不気味さ。一方の探偵役、ローレンス・オリヴィエの、いかにも頼りない感じと好対照です。まあ、クライマックスがジジイの取っ組み合い、ってのがいささか盛り上がりに欠けるところではありますが。 ジェリー・ゴールドスミスの音楽、ここでも器用なところを見せて、しばしばドイツ音楽を想起させるようなスコアを披露しています。メインのテーマはワルツ風ですが、リヒャルト・シュトラウスばりの濃厚なオーケストレーション。また中盤ではワーグナーのパロディ?みたいな音楽も聴かせてくれます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-03 21:16:46)《改行有》

58.  復讐無頼・狼たちの荒野 邦題からも雰囲気が想像できるように、マカロニウェスタン風の作品ですが、題材はメキシコ革命。革命の闘士たる奔放な男テペパの姿を、イギリス人医師の目を通して描いて、二人の間の友情とか憎しみとかが、そこに絡んでくる。物語はまったく違うんですが、この二人の相貌を見ていると何となく、『アラビアのロレンス』みたいなのをイメージしてたんじゃないかな、と思えてくる。 それだけに、ものすごーく後味が悪いんですけどね、コレ。後味悪いだけじゃなく、二人の関係への踏み込みが浅くてもうひとつ盛り上げられてない感じ。。。 敵役として登場する大佐、これがまた途轍もなく悪そうな顔をしたオッサンで、はい、そうなんです、オーソン・ウェルズなんです。ここまで悪そうな顔だっけか、というくらい、見事なハマリ役です。とはいえ、他の人でも務まりそうな役ですが、ま、一応、本作の見どころということで。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-08 09:18:12)《改行有》

59.  プラトーン その昔、英語の授業で先生が「映画のタイトルで『プラトーン』ってのがありますが、正しくは『プラトゥーン』です」と仰ってました。それはともかく。 低予算ながら大ヒット、一種の社会現象ともなり、「弦楽のためのアダージョ」のレコードもだいぶ売れたんじゃなかったっけ。 初めて観た学生時分、ちょうど「イワン・デニーソヴィチの一日」を読んで感銘を受けていた時でもあり(その感銘とやらも、今思えば相当アヤシイのですが)、する必要もない比較をしてしまって、本作に対し物足りない思いを持ったりも。 「イワン~」が、収容所における何の変哲もない一日をあらゆる角度から切り取ってみせることで重層的に描いていたのに比べると、この『プラトーン』は同じように、過酷な世界に様々な人物を登場させ様々な事を語らせているけれど、それが時間の流れの中でバラバラに羅列されており、何だか弛緩した感じがしてしまう・・・。でもまあ、これはこれで一つの描き方ではないか、と思うようになってきました。要するに「縦切り」か「横切り」か、の違い。 『ストリート・オブ・ファイヤー』からは想像できないような「イイ人」になってるウィレム・デフォー、だけどただの「イイ人」ってんじゃなくって、少し同性愛的なものも匂わせてみせたりもする。匂わせるだけで、だからどうだとは示していないんですが、ちょっと変則的で面白い。 戦闘シーンは何となく物足りない。金かかってないから、なんていうと身も蓋も無いけれど、はたまた森の中の閉塞感を表現しようってことなのかも知れないけれど、さすがに見通しが悪すぎて、こぢんまりとした印象。 でもそこにはやはり、日常からはかけ離れつつもかつて確かに存在した、異様な世界が展開されている。 そして、様々な人物が登場する中で、描かれる「別れ」の場面が、非常に印象的。 そういう多様性が、作品の魅力を保っています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-03 03:47:48)《改行有》

60.  フェイク 実話もの。という訳で、そりゃま、潜入捜査官って大変だなあ、とは観てて思うのですが、それだけだったら、ドキュメンタリの方がいい、ってことになっちゃう。 この作品、別に、ミスキャストという訳ではなくって、むしろ、役にあった俳優が起用されてるような気はするのですが、ハマリ過ぎてるというか、ドラマを作り出すような意外性が無い。時には苦悩を示したり、いらだちを示したりもするけれど、ジョニー・デップは最初から器用そうだし。例によってアル・パチーノは最初からダメ親父で、マフィアらしいコワさをまるで見せないし。意外な一面、というものを見せないから、変化も乏しいし、二人の関係というものも、ストーリーを追えばそりゃ深まって行ってることになるんだろうけど、もうひとつそれを感じさせるものがない。 マイケル・マドセンはさすがに不気味さをもっているけれど、それを出し切れず肩透かしなのは、「実話」優先の弊害なのか、何なのか。 変化が乏しく、その分、妙に俳優たちが余裕を感じさせる中で、余裕なくひとり頑張るアン・ヘッシュが、かえって浮いてしまうのが皮肉。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-02 12:33:21)《改行有》

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