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コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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121.  ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] いや~、ファンタスティック4。日本語で言ったら“四天王”ですかね(←?)。中身スッカラカンの潔さ。宇宙嵐を浴びたら、バーバパパになっちゃったり、サナギマンになっちゃったりするこの不思議。いやまあ、サナギマンそっくり(←誰やねん)の岩石男が、イッチョマエに安っぽく悩んで見せたりするのが、さらに安っぽいトコなんだけども、前半のクライマックス、橋上のクラッシュシーン!意味も無く大量に車がクラッシュして、もうサイコー。事故の原因はどう考えても岩石男にあるのだけど、なぜかヒーローになってしまう不可解さ。いや、いいんですよ、これぞ現代のスペクタクル、ああ、かつてワクワクしながら見てた、C・リーブのスーパーマンシリーズを思い出しちゃいましたよ。ラストの金属男とのバトルもそう。破壊される車の質感が、いいんだなあ。デジタル時代、「こんな街中でこんな撮影、どうやったんだろう」という驚きも少なくなり、そもそも撮影自体が行われていなかったりするCG全盛時代。本作だってCGの恩恵にあずかった作品のひとつには違いないんだろうけど、それでもスペクタクルシーンの中には、何となく懐かしいアナログ感、懐かしい「驚き」がある。小学生の理科の実験みたいなアホなラストも、これまた懐かしいニオイがして、逆らいがたい説得力がある(←逆らう気も起きない)。出来がいいとか悪いとかじゃなく、時々出会いたくなるタイプの映画、ですね。[DVD(字幕)] 7点(2006-12-10 09:30:45)

122.  福耳 『天国から来たチャンピオン』ならぬ『天国から来た青大将』、ですかね、これは。クドカンが田中邦衛の亡霊にとり憑かれるというこの設定は、常人にはまず思いつかない組み合わせ。とり憑かれるヒトよりも、とり憑いたユーレイの方が、血色がいいぞ(笑)。実にこの設定が秀逸で、もうとにかく可笑しくてたまりません。鏡に映ったクドカンの姿が田中邦衛になってたりするのは、ドリフのコントなどでもお馴染みのシチュエーションですが、これを映画でマジメにやっちゃうのが、また独特のオモシロさ。CG全盛の時代(本作でも一部CGを使用)、こういうシーンをもっとウマく見せる方法ならいくらでもあるんだろうけど、敢えて、生身の役者が挑戦するこのアナログ感がたまらない。ハラハラドキドキ、つい「邦衛さんガンバレ」と声の一つもかけたくなる。邦衛さんが実はなかなかのキレ者、という、ボーっとした外見(失礼!)とは相反する意表をついた設定が、本作の非現実性にマッチし、結果的に映画全体でひとつのリアリティに結実しているのもお見事。30そこそこのクドカンの口から、「40年前」の話が飛び出ても、映画のリアリティに乗せられた我々は一瞬納得してしまうが、その直後、事情を知らない司葉子のツッコミで、我々もようやくその非現実性に気づかされる、二重三重の可笑しさ。[地上波(邦画)] 7点(2006-11-26 14:12:01)

123.  フライトプラン 《ネタバレ》 めちゃめちゃ面白かった~! いやあ、ホントこんな大興奮を映画で味わうのも何だか久しぶりだなあ。で、ニコニコしつつ、この部屋を覗いてみたら何と「平均点5.05」。どひゃ~。私にとってこれが最大のドンデン返しでした(笑)。ま、いいんですけどね。さてこの映画、ストーリー的には何かと「無理」がありますけども、一目瞭然の「無理」であって、当然、製作サイドにしたって百も承知の「無理」、なわけですね。そもそも、何がしかの「無理」が伴うのはミステリーの宿命(論理性を重視したエラリー・クイーンの作品だって、多かれ少なかれ「無理」がありますわなあ)。作品を面白くするための「無理」なら大歓迎!なのであります(面白くてしかもツジツマもあってればさらに良いけどね)。さて本作の何がそんなに面白かったか、というと、「崩壊の感覚」の鋭さ、ですね。我々が信じている世界、一見堅牢な世界が、根底から覆される時の不安とカタルシス。これを表現するのはミステリの得意とするところですが、本作はこの「崩壊」をこれでもかと連続的に我々にぶつけ、怒涛のようなサスペンス感覚を味わわせてくれます。まず、一緒に飛行機に乗ったはずの子供が「実は元々いなかった」という、現実の崩壊。次に、その「現実の崩壊」が実は犯人によって仕組まれた虚構であったという、第2の崩壊。さらに、主人公が犯行に気付き、「犯人による虚構」が崩れ始める、第3の崩壊。そこから一気に、主人公と犯人の対決へ。前半で丁寧に築き上げた世界が、二重三重の崩壊を経てクライマックスへ向かう時の、まさに滑り出したら止まらないような、このスピード感! 実に、映画らしい、映画ならではの“ミステリ”ではないでしょうか。本作のストーリー上の「矛盾点」は、この世界観を演出するため、必要な「無理」であるように思います。あと、最初の方で窓ガラスに指で絵を描くシーンは、ヒッチコックのアノ映画を連想させますよね。これはオマージュ?パロディ? いやいや、これも一種のミスディレクション、と言えるかも。つい、「このシーンが後の伏線になるのでは?」と思い込んでしまいましたから・・・。[DVD(字幕)] 9点(2006-11-07 23:15:42)(良:2票)

124.  ブラックマスク2 アメリカ人の好みそうなジャンクフードを中華鍋にブッ込んで、オイスターソースと鶏ガラスープで軽く味付けしたような映画。うわー脂っこそう。だけど、ジャンクフードを食べ慣れていれば、結構イケなくもない。プロレスラーに特殊な処置を施して動物化させ、強~くしてやろう、という、“逆・ドクターモローの島”方式のおバカな内容。バカバカしさに怒るもよし、また私のように「おい、プロレスをナメとんのか」と怒るもよし。いずれにしろ、CG+カンフーというこの定番映像には、違和感も60%くらいに抑えられ、怒りも次第に静まることでしょう。内容はカラッポで、安心して気を抜いて鑑賞できるし。ロブ・ヴァン・ダムがこっそり(?)出演してたりするし(笑)。それにしても、主役の“ブラックマスク”とか言うやつ、黒いキャップに黒いマスク姿で、どうしても、レイザーラモンHGを思い出してしまう。[地上波(字幕)] 6点(2006-08-19 10:43:49)

125.  BLOOD THE LAST VAMPIRE 面白いねえ。このリアルなようでいてどこか異質な感覚。“丁寧に描き込んで実写と見紛うばかり”ってのとは違う。やはりアニメらしさが横溢しており、フムそうですね、いわば超豪華な影絵芝居を観ているような感じ、とでも言いますか。独特の質感は、生身の人間の演技とは違った、一種の硬質な肌触りであり、これが幻想的な雰囲気を醸し出してます。そして全体的に暗い色調の中で、ラストの明るい青空がとても目を引き、何だかホッとしてしまいます。[地上波(邦画)] 8点(2006-08-14 00:28:39)(良:1票)

126.  ファイナル・ミッション(1984) 中学~高校の頃と言うと、日曜洋画劇場ばかり観てたよ。そのラインナップってのが、今考えたら、そりゃあ随分ヒドイもんで、多分、放送される映画の半分くらいは、どこで拾ってきた(or押し付けられた)のやら判らない、得体の知れない安物アクション映画、安物サスペンス映画で、その後トンとお目にかかることも無い代物だったりする(そういった作品が、日曜洋画で半分くらい、木曜洋画なら9割以上かな、うひょひょ)。それでも、当時の私は今以上におバカだったので、それが安物だとは気が付かない。むしろ、とりあえず予告編を観て、銃がぶっ放されたり何やら爆発してたり自動車がぶっ壊れたりするシーンがあると、「おお、来週もスゴそうな映画だぞ」、と、ついつい観ちゃうのであって、お陰で、当時「これが映画だ」と信じてたこれらのモノは、タイトルも思い出せないのが多かったりするのです、しくしく。しかーし。そんな中で、当時観てて、こりゃホントにスゴイぞ、と(今思い返せば明らかにどうしようも無い映画ながら)誤って気に入っちゃった作品ってのは、その後しばらくしてからUHF局で拾われて再放送されたりして、不幸にも忘れられない一本となってしまう場合がある。その一例が、まさにこの作品!なのであります。内容的には、『ランボー』のパクリ、と言えばもう事足りるのでして、そのパクリ性についてこの映画を評し、「いやぁ、ランボーな事しますねぇ」と言ったのは日曜洋画を解説してた淀川さんだったか、KBS京都かどっかで再放送したときに解説してた桂文珍だったかは、忘れちゃったが、そんなことはどうでもよろしい。こういう明確なパクリは確かに邪道ではあるけれども、そこに加えられたサービス精神、これこそが、「もしかして『ランボー』よりもスゴイんじゃないの?」と、たとえ人生のホンの一時期ではあっても、私を勘違いさせてくれた、まさに本作の命であります。アクションシーンは確かに安っぽい、しかし質より量を追い求めるのは中高生のサガであり特権じゃないか(←違います)。そして、クライマックスの大バトルを見よ。ランボーよりもカネをかけずにランボーよりも派手に戦う勇姿が、そこにはある。要するに、とにかくホメるような映画じゃないことは確かですけども(笑)、私にとっては忘れられない青春のヒトコマ、であります。[地上波(吹替)] 7点(2006-08-13 23:07:14)

127.  フールズ・ファイア もしもアノ有名な芸術家が現代において映画を作っていたら?なーんてことを想像しちゃうんですけどね、例えばピカソがスタジオジブリで長編アニメを作っていたら?とか、ジャコメッティがエイリアンの造形を担当していたら?とか、ウォーホールがホラー映画を作っていたら?とか(そりゃやってるよ)。で、まあ、「そしたら、もしかしたらこんな映画になってたかもなあ」みたいな感じの映画です。→ってことは逆にいうと、少々コレミヨガシに作りこみ過ぎでストレートな感じもするんですけども。でもその悪趣味ぶりが、確かに見所で、キグルミ登場人物や得体の知れないセットに、現実感はおろか遠近感覚まで狂わされ、不気味でありながらどこか妖艶とも言える、奇妙な世界が繰り広げられます。ところで音楽ですけども、挿入されるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲8番、聴いてて特徴のある演奏、「これってクロノスカルテットじゃないの~」と思ったら、やっぱりそうでした。変にマッチしておりましたなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-16 10:50:01)

128.  ブレインデッド これも今は昔、甥っ子がまだ小さかった頃。まあ、こんなどーしようもない映画であっても、やっぱり小さい子にはとってはトテモ怖いらしく、ビデオ開始早々から「コワイコワイ」と逃げ回り、じゃあ見なきゃいいんだけど、台所辺りの遠くの物陰から、恐る恐る画面をうかがっておりまして。で、そのとき、棒立ちに硬直しながら彼がつぶやいた言葉、「・・・・・・くび とれた・・・・・・」がいまだに忘れられません。これほど端的に本作を表現した言葉を、わたしゃ知りません。まさに、絶妙のレビュー、ですよ。っちゅうか、子供にこんな映画見せるなっての(ちなみに私が見せたんじゃないからね~)。なぜ子供に見せてはいけないか。まあ、子供がカンフーを誤解しちゃマズいから、ですかね、へへへへ。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-19 22:49:36)

129.  プロジェクトV(バイオント) 史上最悪のダム災害 先日こーんなタイトルの映画を夜中に放送してたので、あー、このタイトルからするときっとパロディ映画か何かだな、たまにはこんなダメそうな映画でも観てみようかなーと思って観てみたら、これが意外にもシリアスな作品、実際に起こった災害にもとづくパニック映画、いやいや、パニック映画ですらなく、なぜこのような人災が起こったかを描いた社会派サスペンス風の映画でしたなあ。どこに焦点をあてようとしてるのやら、イマイチとりとめがなく、淡々と時間が過ぎていってしまい、「おいおい、いつまでたってもなんにも起こらないよ~、そろそろハデなスペクタクルシーンでも見せてくれよ~」とか思ってたら、最後の最後にダム津波が発生。その後のテロップを見て、あ~実はこんな悲惨な事件だったのか、ずいぶん不謹慎なこと考えちゃったなあ、とちょっとヘコんでしまったじゃないですか。ヒドイざんす。[地上波(字幕)] 6点(2005-10-20 23:43:57)(良:1票)

130.  深く静かに潜航せよ 戦闘シーンが見ごたえたっぷり!な潜水艦映画。艦内では、イケイケ派のクラーク・ゲーブル艦長と、慎重派のバート・ランカスター副艦長との確執が。さすがに艦長役がクラーク・ゲーブルでは、狂気も冷酷さも感じられないもんで、ドロドロした盛り上がりには発展しません(⇔反戦映画の場合は、得てしてそういう方向に発展していくわけですが)。あくまで、緊迫の海戦を存分に描ききり、一級のアクション映画になっております。駆逐艦・秋風との死闘! 敵潜水艦との死闘! そういや「豊後水道」ってどこだっけ!(→こっそり地図で確認してみたりなんかする私。しっかりせぇ)[地上波(字幕)] 8点(2005-09-23 22:24:27)

131.  フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) 異常なスピードで成長を続ける謎の少年! その謎を解明すべくフランクフルトへ赴いた高島忠夫が掴んだ事実とは・・・。ドイツ人博士(声はナゼか熊倉一雄)曰く「彼がフランケンシュタインかどうかは腕を切断すれば判る」・・・もうちょっと穏やかなマシな方法無いのかよ~とツッコんでくれると思いきや、神妙な顔でうなずく高島忠夫。しっかりしろ~。しかし、あくまで自分の研究にこだわる彼のマッドサイエンティストぶりが、端正な顔立ちにミスマッチし、ちょっと作品に深みを与えているような与えていないような。逃亡の末、北へと移動を続ける少年、巨大化すると、服もちゃんと伸びているのは、まあお約束か。クライマックスは、あまり必然性もなく現れたバラゴンと、巨大化したフランケン少年との死闘! 動きの素早いフランケンに対し、何とも動きにくそうなバラゴン、死闘と言っても、何だか、フランケンが一方的に責めているようだけどワザに重みがなく、あまり効いていない様子。ちょっと闘いが噛み合ってないなあ・・・。[地上波(字幕)] 5点(2005-07-04 23:44:21)

132.  フラットライナーズ(1990) 《ネタバレ》 まさに究極の「思い込みホラー」。みんな勝手に幻覚見てるだけ、映画を通して、結局何も起こってへんやんけっ! ではこの映画は何を言いたかったのかというと・・・「かつてのイジッメッコどもは、臨死体験をすることにより、過去を反省する」→「イジメラレッコたちよ、勇気を出してイジメッコどもを半殺しの目にあわせ、臨死体験させるべし!」。 復讐と仲直りが同時に出来て、みんなハッピー・・・うーむ結構ヤバイ内容の映画かもしれんぞ。 それはともかくとして、「臨死体験」ネタをフル活用し、一本の映画の中に種種雑多な映像が詰め込んでいるのが見所といえば見所。しかし登場人物たちがどれも魅力がない(深みがない)のが難点、かな。各々暗い過去を引きずっているはずなのに、どうも人物描写が単純、その内面を深く掘り下げることなくすべて「幻覚」で処理してしまったのは、ちょっと寂しい気が。人間の悩みって、本当にこんなもんだろうかねえ・・・・。とかブツブツ言いつつも、嫌いではないこの映画。7点(2005-03-23 23:46:53)

133.  ファースト・ミッション ジャッキー主演映画としてはかなりエモーショナルな異色作である。←一度そういう言葉を使ってみたかっただけです、すんません(笑)。まあ、兄弟愛を描いた作品としてはベタベタなんですけど(格闘シーン以外で珍しく感情を爆発させるジャッキー、なかなかグー)、そしてまたその分、アクションシーンが少なめな印象も受けるんですけど、それを補うかのごとく激しいアクションがクライマックスで展開されます。変則的な展開ながら「お約束のストーリー」+「アクション」という公式にバカ正直にのっとり、意外なまとまりをみせた、佳品と言えるのではないでしょうか。7点(2005-01-23 00:23:09)

134.  復活の日 スペクタクル映画の帝王=ジョージ・ケネディと、2時間ドラマの女王=丘みつ子の顔が1本の映画で両方拝めるという、奇跡のような映画。他のキャストも、ロバート・ヴォーン、ヘンリー・シルヴァなど、実にセコい、じゃなかった、ツボをついた顔ぶれ。それはさておき、人類の滅亡をテーマとした本作、ミイラ化した死体が点々とし、人類がいなくなった後も、何事もなかったかのように静かに佇む大地、その圧倒的な孤独感が胸を打ちます。病原体の蔓延により、世界各地がパニックになり、南極にいた人々が地球上に残される。映画冒頭のタイトルからもう哀し気で、まるでエンドタイトルを見ているような気分。日本の昭和基地にも「戦国自衛隊員」をはじめとした若干名がいたが(角川春樹もちゃっかり生き残ってるゾ)、しかし彼らには、故国で、世界で、何が起きているのか判らない。迫真の暴風の描写と相まって、絶望感が伝わります。一方日本ではパニックに見舞われる人々の姿。ココの描写が映画全体に対して半端で弱く、別にあってもなくても、という気はします(出番の多くない医師役に緒形拳を起用しているのは、少しでも印象を強めようという事なのかも知れないけど)が、多少ムダな描写でも個人的には歓迎(理由は後述)。しかし、生き残ったアキラちゃんが多岐川裕美に発見されるシーンはサスガに変ですね、アキラちゃんのウソ泣きぶり(えーんえーんママは?えーん)。そして何故か飛び乗るモーターボート、この映像にはつい、つげ義春『ねじ式』のラストを思い出してしまいます。さて、米政府の苦悩などを交えつつストーリーは進みますが(詳細略)、終盤で意外な展開、ここで女性達が南極を離れるために砕氷船に乗り込むシーンが実に印象的で、船に近付くボートからのカメラ視線が演出するゾクゾクする臨場感。さらにはラストでまたまた映画の様相は一変し、草刈正雄の世界秘境の旅へと。荒っぽい展開の映画だけど、これだけ様々なシーンを、曲がりなりにも必然性をもって詰め込んでくれると、お腹いっぱい、実に充実感があります。ボリュームに欠ける上述のパニック描写や、昭和基地隊員の存在が後半完全に無視されるなどのせいで、散漫な印象はありますが、逆にこれらの雑然とした感じの徹底ぶりがここではスケール感にまで昇華されており、見応えアリ。そしてラストの草刈正雄はホントにかっこいい。本気で憧れちゃう。8点(2004-12-29 10:16:07)

135.  ブリキの太鼓 3歳で自ら成長を止め、太鼓を叩きながら冷たい視線を送りつづけるオスカル、別名エロ探偵コナン(見た目は少年、性欲はオトナ! むしろクレヨンしんちゃんに近いか?)。この「冷たさ」のせいで、本作には、「グロテスク」「アブノーマル」といった言葉より「残酷」という表現の方が合う気すらいたします。映画全体をインモラルが貫き、敢えて「調和」には背を向け続けるかのよう。生れた瞬間から世界を冷静に見続けるオスカル。肉体的成長を止めた彼とは対照的に激しく迷走する大人たち。しかし彼もまた時代に飲み込まれざるを得ないのだが・・・。また本作、特異な音楽も忘れがたいものがあります。行進曲のリズムをオスカル少年の太鼓が狂わせてしまう場面、あるいは、母がレコードの音楽にヤケクソにピアノ演奏と歌をかぶせる場面(一種のヘテロフォニーだ!)、などにおける、不気味な音のカオス。やはり「調和」とは一線を画し続ける、不思議な映画です。ところで、その後のオスカル君の消息ですが、何でも、道頓堀「くいだおれ」の前で今でも太鼓を叩きつづけているらしいんです(んなアホな)。9点(2004-11-24 00:21:02)(笑:1票)

136.  フレディVSジェイソン ビッグネーム同士の夢の対決。↓すでに皆さんが色んな対決になぞらえてるので、書く事無くなっちゃったよん。えーと。やはりこの、ノーレフェリーのグダグダな死闘、でも観ててつい止められなくなるあたりは、「アントニオ猪木対マサ斎藤の巌流島決戦」ってとこではないですかね(2人とも不死身である点まで同じだ)。今回の勝負は、ホーム&アウェー方式の2番勝負、ってな趣向で、「夢の中」と「クリスタル・レイク」でそれぞれ戦う訳ですが、まーこの二人、ホームでは強いが、アウェイではからきしダメ。ウチ弁慶とはこの事か。それでも実は見ごたえあったりするから、さすがです。脚本は、なるほど確かに練られてます。でも練り過ぎてトロトロになっちゃった。細かい描写はジャンジャンすッ飛ばして話が進んでいくんですが、性急過ぎてゴチャゴチャした感じ、どうもまとまりません(リズム感が欠除してます)。でもフレさんとジェイさんをうまくチャンポンに登場させ、なかなかうまくバランスが保たれてはいます。バトルだって悪くないですよ、コレ。互いに相手の持ち味を引き出し、相手の技を受けきり、最後には自分が勝つ・・・これはもう「名勝負数え歌」に入れてよいでしょう(←それ何?)。そうそう!脚本にも素晴らしい点が。それはあの、最後折り畳まれてしまうチョー無神経男の存在。こんな無神経、見た事ないよ。実にスバラシイ。こういう出来過ぎた無神経からやっつけていただくと、映画観てても心が痛みません。はっはっは。一種のパロディでありまた一種の免罪符ですな。では最後に問題。『フレディVSジェイソン』『エイリアンVS.プレデター』、この中で実在しないプロレスラーはどれ?(笑)6点(2004-11-05 01:07:14)

137.  フォーン・ブース B級映画界のカリスマ、ラリー・コーエンが脚本を書いてるのにA級(?)とはコレいかに、という映画。かな? 邦題に不満がある、と別映画のレビューで書いてしまいましたが、ウソです(笑)。かつて流行った2画面TVを思わせる画面構成をフンダンに採用。ナイターの試合展開は気になるがバラエティ番組も観たいという人にうってつけのアレです。でもこの手法って、前例があるとは言え、多分、最終手段だよなナア。できればこういうコトしないで、どこまで多層性を表現できるか、が勝負という気もします。まあ映画の可能性を開拓するためには、こういう挑戦も必要なのでしょう(成功であれ失敗であれ)。確かに、時間当たりの映画の密度が高まっていることで、スピード感をアップする効果は上げているようです。映画はほとんどコリン・ファレルの一人芝居、日本の役者なら、イッセー尾形が最適か。先の読めないサスペンス感覚、この落ち着かなさに煽り立てられ、ラストまでグイグイもって行かれます。が、観終わって、ハテ、のめり込んで観た割には、ちと物足りないな。何かこう、展開に必然性が無いというか、行き当たりばったりな感じが。本当に面白いとつくづく思える映画って、「もう一度同じ事件が起こっても、(結局は同じ偶然が重なって)また同じ展開になるんじゃないか?」という、何やらのっぴきならない印象があるんですけどね。この映画は、そんな感じがしない。もう一度同じ事件が起こっても絶対違う展開になりそうな気がしますね。要するに「思いつきと勢いで脚本書いちゃった」っぽい感じですね。それもまあ一種のリアリティ(日常臭さ)の演出なのかも知れませんがね。7点(2004-10-31 01:34:48)

138.  ファイナルファンタジー いやあ、スゴイですね。観ててついCGであることを忘れてしまうこのリアルな動き。労作です。ビックリです。どうだ、CGでここまでできるんだ、という鼻息の荒さが感じられます。でもフルCGでなきゃ表現できないものとは思えず、何だか技術を自慢げに長々と見せつけられてるだけの気も。むしろ、生身の人間が演じていない分、やはり人間らしい深みには欠けてますね。アニメならこんなもんかもしれないが、動きがリアルすぎるもんで、比較対象がアニメではなく、実写映画になってしまう。やはり実写にはかなわない・・・いやいや、ちょっと待てよ、そうかな?イマドキの映画も、結構、この程度の演技力で成り立ってるのはナンボでもありそうな気がしてきた。役者の皆さん、せめてCGに負けないように頑張りましょう。ところで、フルCGでこれだけの描写ができるんだったら、次回はせめてもうちょっとマトモなストーリーで映画を作って下さいな。設定ばかり大仰で、ストーリーが正直言って驚くほど面白くないです。「CG役者」の演技力の欠除が、緊迫感をさらに無くしてしまってます。5点(2004-09-05 00:34:23)

139.  復讐のビッグガン まずこの映画、音楽がめためたカッチョよいです。それを最初に言っておきます。それからですね、アラン・ドロンがカッチョよいです。マッチョです。無意味に肉体美を披露してくれます。トレーニングのシーンなんか見てると、『太陽がいっぱい』の頃より体だけ若返ってしまったかのように思える程、肉体がバクハツしてます。で内容はというと、B級アクションと言ってしまうと、まあ、そうなんですけども、そこには意外な深みもありまして。娘を殺された復讐に立ち上がり、一人また一人と倒して行くわけですが、単なる勧善懲悪では割り切れない部分が。手っ取り早く言えば、『ダーティー・ハリー2』、しかしもっとドロドロしていて、犯人一味は町のチンピラやズベ公をリンチ処刑する過激自警団、それをアラン・ドロンがさらに私刑で報復するという図式。途中のアクションは、何だかカッコよくもあるし、どこかで見たような感じもする(主人公が高いところから落ちそうになってぶら下がり、敵に見下ろされるシーン、これは、このテの映画では必須である。え?『モンスターズ・インク』にもあったって?気のせい気のせい)。しかし後半、サーカスでピエロに扮したアラン・ドロンと、敵とのやりとり、これは見逃せない。なんともやるせない余韻が残り、後味は悪いが喉ごしはいい、といった感じの映画になってます。7点(2004-08-22 01:35:13)

140.  ブレイブハート メル・ギブソン、監督・製作・主演で大活躍の巻。と言いたいところだが、登場したメル・ギブソンを見ると、「トシ食いすぎてる!!」。どうみてもオッサンだ、何歳の役のつもりなの?奥さんと釣合いがとれませーん。主演は他の人に任せた方がよかったのでは?と言いたいところだが(←しつこい)、いやどうして、いざ戦いとなると、まだまだ元気、壮絶合戦シーンも見事にこなしてます。演出の方も、過去の色んな映画を彷彿とさせるシーンがあり、おそらくメル・ギブソンという人のあらゆる映画体験、映画鑑賞の集大成となっているのでしょう。例えばラスト、民衆から突如沸き起こる「ロッキー」コールは、明らかに『ロッキー4』の影響が濃厚(←そんなバカな)。そういやあの顔半分のペインティングも『バットマン・フォーエヴァー』のトゥー・フェイスを参考にしたのかも(←絶対違います)。そんなヨタ話はさておき、やはりあの大規模な合戦シーンのスゴさは、「スペクタクル映画」という言葉で呼ばれていたかつての大作を思わせる部分もあって見ごたえアリ。でもね、模倣にとどまらないのが本作、残酷描写を(『キル・ビル』よりもずっと前に)フンダンに取り入れ、圧倒的インパクトを残します。まあ、同じような戦闘シーンが続いちゃうのは、ちょっと難点ですけどね、でも大丈夫、映画は3時間もあるから、多少しつこくても映画的バランスで言うと融通はきいちゃう(笑)。で戦闘を堪能した後、話は思わぬ展開、そして衝撃と感動のラストへ。多かれ少なかれ「近頃のアリガチな大作」っぽさがあるのも確かなんでしょうけど、本作はそれだけにとどまらないパワーがあり、まさに、メル・ギブソンの「情熱(パッション)」を感じずにはいられない作品です。8点(2004-08-11 00:47:39)

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