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プロフィール
コメント数 3862
性別 男性
年齢 53歳

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1.  プライベート・ライアン うかうかしてる間に劇場に行きそびれて大後悔していたところ、とある機会にとある場所で、プロジェクタで大々的に映写して鑑賞することができたので、まあ良しとするかな、と(詳細はイエナイ)。クライマックスの、あの戦車がのしかかってくるかのようシーン、「コワいスピルバーグが帰ってきた!」と、うれしくてしょうがなかったです(『ジョーズ』で見せたコケオドシ。金属が軋む不気味な音は、まさに『激突!』だ!)。冒頭のノルマンディー上陸は、通常の演出では『地上最大の作戦』を越えられない、とばかり、戦争映画ならぬ“戦場”映画の様相。雨アラレと飛び交う弾丸・砲弾の恐怖。兵士が無力に撃ち倒され肉塊と化す光景のみならず、その横で、持ち主を失い地面に横たわる銃が、敵の銃弾で跳ね上がり不気味なダンスを踊る、その光景によってこそ、戦場の恐怖が感じさせられます。さて物語はと言いますと、『シンドラーのリスト』が、「大勢の命を金銭で買い取って救う話」だったのに対し、こちらはその対極とでもいうべき、「たった一人の兵卒を、何人もが命がけで救おうとする」お話。テーマ自体はとても我々が共感することのできない、理不尽なもの。もともと戦争は矛盾に満ちたものなのだから。同時期の『シン・レッド・ライン』があまり馴染みのない俳優(ごめん)を中心に据えた、その賢明さに対して、こちらの作品は、馴染み深いあのジャガイモ顔を中心に据えてしまったため、フィクション臭さがどうしても強くなってしまうのだけど、その分、登場人物たちのキャラを際立たせた、ヒーロー色の強い娯楽映画にもなっています。その一方では、戦争の矛盾、納得できない使命への苦悩、割り切り。これぞ、『七人の侍』と『乱』を足して、ハリウッド資本をたっぷりまぶした、まさに成金クロサワ映画。こういうのを観たかった(笑)。冒頭の戦闘シーンは、これ以上ありえないほどの激しさだったけど、クライマックスはそれを凌ぐほどの歩兵戦。その前の静かで和やかな光景が印象的(やや冗長な程、たっぷり時間をとっているのが『激突!』のレストハウスのシーンを思い出させる)。そしてついに、最初に述べた、あの壮絶な戦闘へ。観るたびに「あーえらいもん観ちゃった。でもまた観たい」と思わせる、スゴい映画です。[ビデオ(字幕)] 10点(2008-11-24 08:55:32)

2.  不良姐御伝 猪の鹿お蝶 という訳でこの作品。池玲子姐さんとクリスチーナ・リンドバーグ、まさに和ピンと洋ピン二大巨頭そろい踏み、といったところですね(スウェーデン人なのでホントはリンドベルイとでも読むのでしょうか)。 ほぼポルノ路線に近い作品なので、脱ぐシーンが多いですけれども、二人とも単なる脱ぎ要員ではなく、ヌードや濡れ場が作品の中で絶妙なスパイスになってます。そして時には、ハダカがそのまま凶器ともなり得て、お色気と殺気とが目まぐるしく入れ替わる。 見所の一つが、池玲子姐さん演じる猪の鹿お蝶がマッパのままで迫り来る刺客どもをメッタ斬りにする、凄まじい殺陣のシーン。スローモーションの中、姐さんの裸体が舞い、血しぶきが噴き上がる。映画の神が降臨した瞬間、と言わせてもらって、いいですか? 勿論お色気とバイオレンスばかりではなく、主演二人がポーカーで勝負するシーンの緊迫感なども、ゾクゾクさせるものがあって見逃せません。 こういう驚くべき作品が、プログラムピクチャーの一本として当たり前の様に生み出されていく不思議。[インターネット(邦画)] 9点(2021-11-07 13:35:15)(良:1票) 《改行有》

3.  ファントム・オブ・パラダイス オペラ座の怪人かと思いきやファウストがどうのこうのと言ってる間に気が付いたらドリアン・グレイの肖像みたいなテイストが加わって、でもそういったことはもうどうでもよくって。ただただ、ほんとおおおおおおぉに おバカ ですよねぇ。ありとあらゆるものが、これでもかとダサく、これでもかとカッチョよい。このテンポの良さ。デ・パルマよ、帰ってきておくれ、この世界に。[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-06-09 22:06:36)

4.  プロフェッショナル(1966) これは面白すぎる! 誘拐された女性の救出を、その夫から請け負った4人組。それぞれ特技を持ってるってのが、まず楽しさの基本。と言っても、特技をまともに生かしているのは、バート・ランカスターと、『バファロー大隊』のおっちゃんの約2名だけ、という気もしますけどね。4人とも、結構、イイ歳なんですが、頑張ってます。映画中盤には早くもダイナミックな救出作戦が描かれ、後半は追手からの逃亡劇が展開されます。このテンポの良さ。しかし映画はこのままスピード感を持って駆け抜けるのではなく、終盤にはちょっと意外なしっとり感。ジャック・パランス演じる敵役ラザがここで存在感を示します。ここまでの彼は、いわば強さと冷酷さそのものの存在であり、一方でクラウディア・カルディナーレにより人間的な面を間接的にほのめかされてもきたのですが、この終盤において、革命家としての彼の生き様が表され、4人のプロフェッショナルたちの生き様をもあぶりだす存在となります。娯楽色たっぷりで、後味の良い余韻を残す、楽しい作品でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-02-09 13:30:32)

5.  ブレードランナー/ファイナル・カット 『ブレードランナー』と『地獄の黙示録』。・どちらも有名な小説を元にしながら、小説とはかけ離れており(違いを探すより共通点を探す方が…)、・どちらも観かける度にバージョンが異なり(笑)、・どちらもあまり中身があるような気がしない作品だけど、・どちらも逆らい難い禁断の魅力がある。 と、自分の中では独特の位置を占める2作品なのですが。むかしある知り合いが、「サイバーパンクってのは“間違ったニッポンが出てくるSF”のことでしょ」と、勿論これは冗談で言ってたのですが、この元にあるのは要するに、『ブレードランナー』という映画の持つ「イメージ」とその影響力、なのですな。本当にイメージ力の強い映画だと思う。内容(物語)はむしろ、小説よりも平凡だとは思いますが。しかし、ハリソン・フォード演じる主人公デッカードのボンクラぶりと対照的に、無表情ながら悲哀と存在感を示す4人のレプリカント(この言葉を創造しただけでも本作は不滅だと思う)。ラストのルトガー・ハウアーとの死闘は、とにかく出色。およそ何も生み出さず何も解決することのない絶望的な闘いが、最後に「何か」を生み出してひっそりと終わる。全体的にはかなり“ビョーキ”な作品ですけれど、やっぱりイイなあ、と思うのです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-26 08:50:36)

6.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 これはオモシロイ! 面白すぎてびっくりした。デ・パルマ、もうこれ以上の作品は撮れんだろ、あとはゆっくり、ラジー賞の受賞を目指して余生を送って下さい。一応ネタバレ表示しておくけれど、それでもストーリーに関しては語らない、語りたくない。語るほどのもんでもない、という気もするし(笑)。ストーリー(オチ)が面白いかどうかより、何がどうなっているのか、この先どうなるのか、映画にひたすら幻惑され続けるスリルこそが、本作の魅力。全部の手がかりをフェアに提示するゲーム性だけが良いミステリの条件とは限らないのです。お得意の長廻しに始まり、犯罪の過程が同時進行で描かれる、緊迫感に満ちた映画導入部。しかし、そこから先はもう、先の見えない、映画の迷宮です。映画中盤、バンデラスがフランス警察の取り調べを受けるシーンで、ここでも例によってカメラ長廻しが用いられます。結構長くカメラがまわっているのに、背景の壁掛け時計の時刻が一向に進まない。時計止まってるんじゃない、小道具さんのミス? いえいえ。その「止まっている」時計の指す時刻にご注目。ちゃんと意味があるのです! むしろ、(小道具さんの準備した時計は動かないのに)音声さんはちゃんと時計のコチコチという効果音を入れているのが、芸が細かいですな。本作の音楽は坂本龍一、ワタシ、このヒト、どうも苦手。苦手なのに、曲を聴くとイイなあ、と思ってしまうので、ますます苦手になる。って、これでは全然、苦手な理由になってませんけどね。いや本作の音楽も、良かったです(笑)。メインのテーマは、ラヴェルの「ボレロ」っぽいですが、どうもこういう音楽を聴くと、「ボレロ」よりむしろ、ヴォイチェフ・キラルの「エクソダス」とか、早坂文雄の『羅生門』の音楽を思い出してしまう。パクりパクられる、音楽の歴史。パクリと言うと人聞き悪いですけど。[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-04-25 09:24:46)(良:1票)

7.  ブラッド・ワーク まず、ミステリとして存分に楽しめました。ああ、その手があったか、と。という訳で、ネタバレを防ぐために、ストーリーにはなるべく触れないことにしますが、イーストウッド演じる主人公は、元FBI捜査官。心臓に持病があり、ようやく移植手術を受けて命をつないだ、という役どころ。上半身裸になると、彼の胸には、心臓移植の痕が。しかし、イーストウッドが我々に見せたいのは、移植の傷跡(の特殊メーク)ではなく、ジジィになってもまだまだ逞しいオノレの胸板そのもの、というように見えて仕方がないんですけどね。ジジィのムキムキボディ。いや素晴らしい。そして主人公は、ムキムキボディと新しい心臓を武器に、映画後半、次第に“ダーティ・ハリー”化していきます。当のハリー本人は、第五作を最後に映画から姿を消してしまったけど(もうやること無くなった感もあるしね)、どっこい、このイーストウッドというハッスル爺さんの内部には、ちゃんとハリー・キャラハンが生きているんだなあ、と。映画自体の面白さとも相俟って、なんだか嬉しくなってしまうのでした。[DVD(字幕)] 9点(2009-10-19 22:54:31)

8.  フライトプラン 《ネタバレ》 めちゃめちゃ面白かった~! いやあ、ホントこんな大興奮を映画で味わうのも何だか久しぶりだなあ。で、ニコニコしつつ、この部屋を覗いてみたら何と「平均点5.05」。どひゃ~。私にとってこれが最大のドンデン返しでした(笑)。ま、いいんですけどね。さてこの映画、ストーリー的には何かと「無理」がありますけども、一目瞭然の「無理」であって、当然、製作サイドにしたって百も承知の「無理」、なわけですね。そもそも、何がしかの「無理」が伴うのはミステリーの宿命(論理性を重視したエラリー・クイーンの作品だって、多かれ少なかれ「無理」がありますわなあ)。作品を面白くするための「無理」なら大歓迎!なのであります(面白くてしかもツジツマもあってればさらに良いけどね)。さて本作の何がそんなに面白かったか、というと、「崩壊の感覚」の鋭さ、ですね。我々が信じている世界、一見堅牢な世界が、根底から覆される時の不安とカタルシス。これを表現するのはミステリの得意とするところですが、本作はこの「崩壊」をこれでもかと連続的に我々にぶつけ、怒涛のようなサスペンス感覚を味わわせてくれます。まず、一緒に飛行機に乗ったはずの子供が「実は元々いなかった」という、現実の崩壊。次に、その「現実の崩壊」が実は犯人によって仕組まれた虚構であったという、第2の崩壊。さらに、主人公が犯行に気付き、「犯人による虚構」が崩れ始める、第3の崩壊。そこから一気に、主人公と犯人の対決へ。前半で丁寧に築き上げた世界が、二重三重の崩壊を経てクライマックスへ向かう時の、まさに滑り出したら止まらないような、このスピード感! 実に、映画らしい、映画ならではの“ミステリ”ではないでしょうか。本作のストーリー上の「矛盾点」は、この世界観を演出するため、必要な「無理」であるように思います。あと、最初の方で窓ガラスに指で絵を描くシーンは、ヒッチコックのアノ映画を連想させますよね。これはオマージュ?パロディ? いやいや、これも一種のミスディレクション、と言えるかも。つい、「このシーンが後の伏線になるのでは?」と思い込んでしまいましたから・・・。[DVD(字幕)] 9点(2006-11-07 23:15:42)(良:2票)

9.  ブリキの太鼓 3歳で自ら成長を止め、太鼓を叩きながら冷たい視線を送りつづけるオスカル、別名エロ探偵コナン(見た目は少年、性欲はオトナ! むしろクレヨンしんちゃんに近いか?)。この「冷たさ」のせいで、本作には、「グロテスク」「アブノーマル」といった言葉より「残酷」という表現の方が合う気すらいたします。映画全体をインモラルが貫き、敢えて「調和」には背を向け続けるかのよう。生れた瞬間から世界を冷静に見続けるオスカル。肉体的成長を止めた彼とは対照的に激しく迷走する大人たち。しかし彼もまた時代に飲み込まれざるを得ないのだが・・・。また本作、特異な音楽も忘れがたいものがあります。行進曲のリズムをオスカル少年の太鼓が狂わせてしまう場面、あるいは、母がレコードの音楽にヤケクソにピアノ演奏と歌をかぶせる場面(一種のヘテロフォニーだ!)、などにおける、不気味な音のカオス。やはり「調和」とは一線を画し続ける、不思議な映画です。ところで、その後のオスカル君の消息ですが、何でも、道頓堀「くいだおれ」の前で今でも太鼓を叩きつづけているらしいんです(んなアホな)。9点(2004-11-24 00:21:02)(笑:1票)

10.  ファール・プレイ 先日のBS2での本作の放送、まさに感動の再会でありました・・・。幼少の頃、父親に連れられて観に行った映画の中には、題名を忘れてしまった、私にとっての幻の映画というのがあります。当時一緒に観た姉とも、折に触れ「昔こんな映画観に行ったな、もう一度観たいな」なんて話していた、それがまさに本作なのです。根拠も無くもしやコレかと録画したのだが、まずは冒頭の空撮でオヤ、と思う。決め手は映画館での「ちっぽけ男に気をつけろ」のセリフ。憶えている!ビンゴだ!その瞬間背筋がゾクゾクしましたね。さらには、子供の頃怖くて仕方なかった、図書館のシーン、そして白い男!ああこれだ!当時字幕が全部読めた筈は無いので、ストーリーの細部は理解できなかったと思いますが、大筋は掴めていたし、とにかく、一部のシーンはとにかく鮮明に憶えている「つもり」でした(無論、あるシーンは記憶が曖昧になってました。ラストは現代的なミュージカルの舞台かと思ってたのですが---実はあの、ギルバート&サリヴァン最強タッグのオペレッタ『ミカド』だったのですねヤムヤム)。 「ああ、どうしてこんなにハッキリ憶えているのだろう!」、いくつものシーンが、記憶にあったそのままだ。C・チェイスが捕らわれのB・デネヒーを救出するシーンにもドキリ。当時私の親父は、上映の途中から劇場に入る悪い癖があり、このシーンがまさに、私達が映画館に入った時に流れていたシーンだったのだ。このシーンも記憶そのままだ。そうそう、男女のキスシーンも本作で初めて目にしたんだったな(当時はチューはホッペにするもんだと思ってたので、キモチ悪いと思った)。当時宣伝ではコメディ映画っぽかったのに、怖いシーンの連続でビビりまくり、映画館からの帰り道、「大勢ヒトが死ぬ映画だったなあ、何人死んだっけ」などと親子で指折り数えたりして。というわけで実に約四半世紀ぶりに再会した映画、しかも幼少期以来だから、その体感時間たるやとてつもないものが。これまで映画観て来てよかったと思います。私にとって一つの区切りとなりました。しまった、私事ばかり書いちゃった。本作、おそらく誰もが楽しめる、出色のコメディ・サスペンスです。でも私が誉めるのは当然、こういった映画が私の価値観を培ってきたのだから。ところで「ちっぽけ男」や「白い男」ってのは、当時の字幕ではもっと差別的な表現でしたね。時代の流れを感じます。9点(2004-04-18 13:16:14)

11.  ブロークン・アロー 荒野での核弾頭争奪戦。ではありますが、これでもかと手を変え品を変え場所を変えてのアクションを見せてくれて、サービス満点です。まあほんとは、前半出し惜しみしてもいいからその分クライマックスをガンガン盛り上げて欲しいとこですけど。 <2013/1/18追記> クリスチャン・スレーター演じる主人公、映画の中で、何度も斜面を転がり落ちますね。ではラストはカッコよくシメるのかと思いきや、最後の脱出場面までも、ご丁寧に斜面を転がり落ちてる。基本的にこの主人公、ドン臭い役柄なんですな。それに比べると、悪役たちの死にざまのバラエティに富んでいること。散っていく悪の輝き、それがこの映画の魅力。7点なんてケチなこと言わず、9点に変更させていただきます。[CS・衛星(吹替)] 9点(2003-08-12 20:57:02)

12.  フレンチ・コネクション ロクに捜査しないでも犯人に都合良くぶつかってすぐにドンパチ、途中オネエちゃんと知り合ったら映画が終わる頃にはちゃっかりいい仲になってる---そんな映画が面白いだろうか(面白いよ)。本作は大違い、私利私欲を離れて、ただもう夢中で犯人を追い詰めていく刑事のカッコよさ! 一種のバカのお話です。いやあ、ワタシもこうありたいもんです。9点(2003-08-12 20:17:29)

13.  ブラッド・シンプル ハードボイルドというのはアメリカ文学が世界に誇る収穫の一つだと思うのですが、その手の小説の影響が色濃く反映されてます。最初は、つまらない事ウダウダやってるなーと思って観てたら、意外にも意外な話の展開が待ってます。そして息を飲むクライマックスへ!資金集めから苦労したという低予算映画だそうですが、よく作り込まれた映像により、貧乏クサさは微塵も感じさせません(後のメジャー作品を彷佛とさせるシーンが出て来ます)。9点(2003-07-20 16:15:07)

14.  ブルーサンダー ロス上空でのドッグファイト!映画でそこまでするか?度胆抜かれまくってもう私の度胆も残りわずか。なんのこっちゃ。ヘリ使ったアクションって、昔っからもうどうしようも無いくらい好きなのよね。私の夢を全て汲み取ってくれた、大満足の一本です。9点(2003-07-13 14:07:48)

15.  ファーゴ 20世紀アメリカ文学は「犯罪」を抜きにしては語れません。例えばW.フォークナーの『八月の光』では、陰惨な事件が題材として扱われてますが、素朴な妊婦の話が交互に描かれることで、生と死、光と陰の対比が浮き彫りにされます。さてやはり「犯罪」が頻繁に登場するコーエン兄弟の映画ですが、特に本作、壮絶な現実の事件の顛末を描いて、どうして何とか止められなかったのかと嫌な気分になります。でもその一方で、シラジラしい程幻想的な光景や、妊婦役のF.マクドーマンドのユーモアと生命感が、この映画の独特のバランスを支えていて、印象深い作品になってます。9点(2003-07-12 23:14:43)

16.  フランシス・ハ ストーリーなんて、有って無いような。主人公の女性、どこかトボケた、天然系のところがある女性の日常が、実に活き活きと描かれてます。だいぶ、冴えない日常なんですけどね。順風満帆には程遠いんですけれども。本人も、これではイケナイと薄々思ってるんでしょうけれども。それでもなお、活き活きとしてる。 その彼女の姿は、ふと気が付くと、いつも画面の中に入り込んでる。もちろん彼女が写ってないショットも無いわけではないけれど、まとまった時間、彼女の姿が映画から消えることはなく、彼女がカメラを追いかけ、カメラも彼女を追いかけるように、常に彼女の姿が画面に登場して。 一番まとまって彼女が登場しないのは、ラストのエンドロールの部分じゃないかと思うのですが、そのシーンが一番、彼女を象徴している。というオチ。[インターネット(字幕)] 8点(2022-03-01 22:43:55)《改行有》

17.  フォート・ブロックの決斗 《ネタバレ》 邦題は「~の決斗」となってますけど、別に決闘モノではなく、というより、非常に大雑把に描かれたサクセス・ストーリー、みたいな感じで、物語だけを見ればイマイチ要領を得ない内容になってます。主人公が結婚して、子供が生まれて・・・という時間の経過もざっくり省略、赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるだけの描写。ストーリー進行はわりと適当で雑多な印象。 そういう「物語」自体の細かい部分には多分、作り手もさほど関心がないんでしょう。正直、この主人公自体、大して面白味のあるヤツでもないしなあ。だけどこの作品。、まず、いかにも西部劇らしい雄大な風景が、実にいいじゃないですか。そして、荒馬を乗りこなそうとする場面の、あの危うさなど、ストーリーとは別次元のところで、観る者をハラハラさせてくれる。 ストーリーに頼らなくとも、西部劇らしさ、ってのは、しっかりと感じさせられるんですなあ。 とは言え終盤の、自警団による馬泥棒の捜索、銃撃戦、そしてリンチ、というあたり、物語の上でもちゃんと盛り上がりを準備しているし、そこからラストの、これ決斗とは言えないかもしれないけど一応、対決へと繋がって。 最後はまた、ハッピーエンドと言ってよいのかどうなのか、ちと微妙な終わり方ではありますが(これって一種の正当防衛あたるんですかねえ??)、そういうのも含めて、なかなかユニークな作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-11-21 16:41:13)《改行有》

18.  無頼の群 《ネタバレ》 とっ捕まった悪党四人組が、処刑寸前で脱走し、それを何やら訳アリらしいグレゴリー・ペックが追う。訳アリ、というのはすなわち、個人的な復讐。一人また一人と追い詰めて・・・というオハナシ。意外な真相が致命的なまでに意外性を感じさせない、という点も含めてコレ、イイなあ、と思うんですけれども。 グレゴリー・ペックはその端正な顔立ちで、優等生的な役もよく似合うけれど、こういうちょっとクセのある役も似合います(似合わない場合もあります)。 かつて妻を殺された彼は、復讐の炎を心に燃やし、四人組を追い続ける。雄大な自然の中で描かれるその追跡劇が、まず見どころ。でもって、主人公が非情に徹すれば、一方の悪党どもも女性を拉致してなかなかエゲツないことをやり、直接的な表現は抑えられているとは言え、1950年代の映画でもここまでやるのか、と。 殺された妻、誘拐された女性、とくれば主人公ならずとも怒りが湧いてくるワケですが、主人公が最後に(どっからどう見ても悪人にしか見えない)ヘンリー・シルヴァの言う事に耳を傾けるのもおそらくは、彼に妻子がいたから(もしもヘンリー・シルヴァが独身だったら、このオチは成立させようがないと思う)。そしてこの殺伐とした物語が曲がりなりにも無事に幕を閉じるのは、それは宗教のおかげなどではなく、かつての恋人がそこに居てこそ。 と言う訳で、女性の存在が実は、物語に大きく影響した作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-12 13:42:31)《改行有》

19.  プロムナイト(1980) 六年前の忌まわしき事件。子供たちのイジメまがいの遊びから、一人の少女が命を落とし、加害者となった子供たちはそれを内緒にする。そして現在。プロムを前にした彼らの元に、謎めいた電話が掛かってくる・・・。 並行して発生する別の誘拐殺人だとか、ちょっと怪しげな用務員さん(?)だとか、謎めいた雰囲気を出しつつ、ついにプロムの夜がやってきて。 基本は13金タイプのスリラーですが、劇伴は控えめで、音楽でのコケ脅しに頼っていないのがいいですね。賑やかなダンス音楽の陰で行われる凶行。時に静寂が効果をあげています。 ただ凄惨な殺戮ばかりを描くのではなく、ジェイミー・リー・カーチスの見事なダンスがあって、その華やかさの陰で、不気味な兆候が発生したり、殺人が行われたり、という対比。 結局、アレは何だったんだ、コレは何だったんだ、という疑問は残るけど、いや、恐怖映画たるもの、それでいいんです。 そりゃま、大したオチでもないんだけど、余韻はしっかりと残してくれます。[インターネット(字幕)] 8点(2021-05-24 22:53:34)《改行有》

20.  フランティック 公開当時、本作について「医者のくせにフランス語が何一つわからないなんておかしい」と批判する記事を読んだ記憶があり、それがおかしなことなのかどうか私にはわかりませんけれども。 ただ、映画にツッコミを入れること自体は私も嫌いではないですが、あくまでそれは、そこに「思わぬものを見た」からであって、だから作品自体がダメだとは、できれば言いたくない(たまに言っちゃうけど)。映画の中の矛盾は、しばしば映画の作為でもあるのだから。 その意味で、本作は、言葉の違う異国で、何の前触れもなく、まるで神隠しのように妻が失踪してしまい、取り付く島がない、というオハナシ。それで十分。もし問題があるとしたら、所詮、英語はどこでもある程度通じちゃうので、まだまだ主人公の孤立感としては甘いんじゃないか、とか(英語の苦手な人間のヒガミですスミマセン)。主人公が医者にしてはやたらガタイが良く、やや過剰な手ぶり身ぶりをやってみせ、これでは医者じゃなくってハリソン・フォードそのものじゃないか、とか。 でも何の特徴もない主人公よりは、この方が、いい。ハリソン・フォードもこの頃は、ピーター・ウィアー作品に続けて出演してクセのある役をやったりして、模索していた時期かもしれない。 で、彼の演じる主人公のもとから妻が忽然と消え、何をどうしてよいのやら、主人公も、それを見てる我々も、全くわからない、という魅惑的な謎。 試行錯誤が続くようで、意外にトントン拍子に謎に迫っているようでもあり、このあたりが、ジックリ感とサスペンス感の、さじ加減。映画の進行はやや地味なところもありますが、その中に、屋根の上という不安定な舞台を取り入れ、アクセントをつけています。さしずめ、「巴里の屋根の上」といったところでしょうか。屋根の斜面を自由落下のごとく無制御に滑り落ちる、品物の数々。どこまでが演出かわからない、映画の外にまで滲み出てくるような不安定感。 オハナシ自体は何だか、最後まで、大したことないような気もするのですが(笑)、ラストではちゃんと余韻を残していて。多少地味ですが、サスペンスの佳品、と言ってよいのではないでしょうか。[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-11 10:10:11)《改行有》

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