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1. 冬のライオン
《ネタバレ》 見応えある歴史劇!
王の新しい妻が結婚が決まりそうになると、
今まで可憐な一輪の花みたいだった女性が
「それでは、前妻の子供を殺してください」と言う場面なんか、鳥肌ものです。
その時、今までの妻は?子どもたちは?王は?
どんな罵り合いがあり、どんな展開になるのか?
こういう映画を観ると、創造力とは、想像力だなと思う。
昔の人たちはどんなケンカや罵り合いをしていたのか?
そういうのを想像するのは、AIにはできない。
この先、AIがどんなに映画まで創り始めても、
しょせんは「組み合わせ」にすぎない。
もうクリエイティブの名前の気持ちよさにすがらないで、
人間とは?とかつきつめて、物語を創ってほしいなぁ、と思う。[DVD(字幕)] 9点(2024-03-30 20:32:45)《改行有》
2. 豚と軍艦
《ネタバレ》 変なタイトルと思ってたけど、戦後の豚のような日本人と軍艦から下りてきた米兵ってことなんだろうね。
今村昌平は、同じような映画を撮らない作家のタイプなんだね。
見直した。
エロいだけじゃない監督だった。
気づきだったのは、マンガの大友克洋がこれにかなり影響受けて、
「AKIRA」を描いたんだろうなってこと。
登場人物の絡み方や、ネオンサインなど、大友さん参考にしたんだろうねって思いました。
さらに金田くんは、長門裕之の顔かよ!って笑っちゃいました。
話をこの作品に戻すと、今村監督は、やはり後世に名が残っても不思議じゃないと思いました。
「楢山節考」以前は、あまり鑑賞してないけど、この作品の頃の今村監督の作品が、
あの人の凄さじゃないかって思いました。[DVD(邦画)] 7点(2022-10-29 21:20:28)《改行有》
3. 笛吹川
《ネタバレ》 武田信玄の領土の農民。
息子たちが武士になっていく。
次男は長篠の戦で、信玄側の武将がいっぱい死に、
自分らにも出世のチャンスが来たとばかりに武士になる。
が、武田側の凋落に敵側に寝返りするものが続出する中、
兄弟全員、追い詰められて、死んでしまう。
木下恵介の戦争反対の論調も確かだが、何より彼の戦時中の「陸軍」を思い出させる。
「陸軍」では田中絹代が日本軍の行進の中に息子の姿を見て、追いかける短いシーンがある。
そこがこの映画では、武士の進軍の中、母親が息子に追いすがり、行くなと訴えるシーンが
長く展開する。木下恵介は時代を変えて、この場面を描き直したかったのではないか?
そんな気がした。[DVD(邦画)] 7点(2019-11-30 18:26:23)《改行有》
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